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東京を目指す旅 ~この坂を越えて~(平成29年3月4~10日)

0日目(平成29.3.4) 2/2ページ「本州の前に函館さんぽ」

雪辱のラッキーピエロ

札幌からのスーパー北斗14号が森駅を出ると、新幹線の乗り換え放送が流れます(チャイムはいつものヤツじゃなく、JR東日本でおなじみの4音のヤツ)。大沼公園を過ぎて新函館北斗に着くと、大量の客が下車。しかし車内にもかなり乗客が残っており、少なくとも4号車は残った人の方が多かったです。

新函館を過ぎるともうすぐ函館。再び電化区間に入り、途中733系1000番台とすれ違います。札幌以外で733系を見るというのにはまだ慣れません。

札幌を出たころには高々としていた太陽がだいぶ西に傾いてきたころ、3時間半の行程を終え、列車は函館駅のホームに滑り込みました。


函館では、夜行フェリーに乗るまで時間があるので、いろいろと巡ることにします。道外旅行なのに、まずは函館観光から始まるのが今回の旅の変なところ。前年10月にも函館に来てまして、「また函館か」とか言われそうですが、いやあ函館って何回行ってもいいもんですよ。

その前に駅の2階にあるロッカーに荷物を預けます。交通系ICカード対応のロッカーで、支払いは手持ちのKitacaで行いました。

荷物ですが、今回からはバックパックを背負っているので、街歩きをする時や、車幅の狭い路面電車に乗る時なんかは、荷物を預けないと邪魔です。というか背負いっぱなしだと脚がおかしくなって死にます。

さて、スーパー北斗14号の函館到着予定が5時9分で、実際はそれより数分遅れて到着、さらに荷物を預けたりしていたら5時半になっていました。というわけで最初に腹ごしらえとまいります。

今回は、というか今回こそ、今回こそ「ラッキーピエロ」(函館駅前店)に入店。3年前に一度食べたきり、「東北リベンジ」の最終日にまさかの休業日で入れず、前年10月の函館散歩では時間不足、とラッピのハンバーガーにありつけずにいましたが、今回はお店は営業中、しかも時間も十分とってあるので問題ありません。

ラッピの人気No.1は「チャイニーズチキンバーガー」。まだ食べたことがないので、ずっと食べようと思っていました。今回、念願のチャイニーズチキンバーガーにようやっとありつけます。サラダとのセットで、税込605円。

ラッピはモスバーガーと同じく、注文があってから調理するいわば「アンチ・ファストフード」方式です。注文した後、席に座ってバーガーを待ちます。

店内は相変わらずでした。独特の装飾に、びっしりと貼られた絵。しかしド派手というのでもなく、割と落ち着ける雰囲気。どちらかというとボクの好きな感じです。店内には外国人(っぽい)旅行客? の姿もあり、全国どころか世界的に知名度があることに驚きます。

しばらく待つと、サラダに続いて、お目当てのバーガーが運ばれてきました。その名の通り、チキンがドンと入っており、ボリューム感があります。

これがムショーにうまい。ジューシーなチキンにパンがよく合います。チキンだけ食べてもまた旨し。一番人気なのもうなずけるお味でした。

サラダも結構な美味で、野菜フリークとしては量が多いのも嬉しいひと品でした。

おいしく完食し、大満足のうちにお店を出ました。

湯の川にて、温泉とソフトを楽しむ

腹ごしらえは済ませたので、ちょっと買い物などをした後、今度は市電に乗って移動です。

函館駅前電停から湯の川行きに乗車して、終点まで行きます。車両は函館市電の最大会派・8000形でした。

車内は混み合っていましたが、次の松風町で多数が下車、車内を見回す余裕ができました。

すると、一枚の張り紙を発見。そこには、「トワイライトパス」の文字が。

読めば、期間限定のきっぷで、函館市電が夕方6時以降乗り放題、お値段はたったの300円。ボクがこの電車に乗ったのは6時以降で、300円なら湯の川までの往復でもモトがとれます。これを使わない手はありません。

というわけで、信号待ちの時間に運転手に申し出て、きっぷを入手。こういうきっぷがあるとは知らなかったので、思わぬところで節約できてラッキーでした。

きっぷには、この3月に登場予定(現在は好評発売中)のIC乗車券「ICAS nimoca」の話が載っていました。ついに函館にもICカードが生まれ、「イカすカード」の時代が終わります。そして本家九州から遠く離れた北の大地でnimocaが出るというのも面白いですね。このお陰で全国共通IC乗車券入りがラクだったことでしょう。

いいきっぷを手に入れたところで、ちょうど座席が空いたので着席。電車は夜の五稜郭近辺の繁華街を通り、一路湯の川へ。五稜郭近辺は発展しているだけあって、乗降が多かったです。また駒場車庫前では乗務員の交代がありました。

駅前から湯の川までは結構長いですが、動画を撮ったり車内の掲示を見たりしているとそこまで長くは感じませんでした。ただ、揺れが少々キツかったです。車両が吊り掛け駆動で、聞くところによると線路もそこまできれいではないので、札幌市電と比べてもガタガタ揺れます。

7時過ぎに終点の湯の川に到着し、トワイライトパスを提示して下車。


湯の川電停の前にはもう3月だというのにイルミネートされた木が。通年でライトアップしていたりするんでしょうか。

ここから腹ごなしに電車で来た道を歩いて戻ります。道中には排水口から湯気が噴き出している箇所があり、いかにも温泉街らしい感じです。

湯の川に来た理由は、もちろん入浴。今回はホテル雨宮館さんで日帰り入浴です。入浴料が道内の公衆浴場より安い400円という安さが決め手。ただし、別にロッカー代100円を払いました。

安いといってもお湯はモノホンの湯の川温泉です。しかもかけ流し。時間は十分あるのでゆったり浸かって、湯の川の効能を体に染み込ませます。ただそこはやっぱり湯の川温泉、湯温はボクにとっては熱く、一番熱い浴槽に入ったら全身の血流がピタッと止まったかと思いました。

一方、雰囲気は公衆浴場に近く、土曜日だというのに宿泊客より地元客っぽい人のが多いようでした。また浴場の桶は「ケロリン」と書かれた黄色いヤツで、このへんも公衆浴場然としています。

慌ただしい中での旅立ちだったので、まだ0日目、しかもまだ道内なんですが、早くも温泉のありがたみを感じました。


湯の川では、もう一か所だけ行きたいところがあります。

ホテルの最寄りである湯の川温泉電停から1駅だけ市電に乗って、湯の川電停に戻ります。車両は先ほどとは違い2000形が来ました。札幌では721系4000番台くらいでしか聞けない(そしてもうすぐ聞けなくなるであろう)GTO-VVVFインバータ制御の音がたまりません。IGBTの方が優れてるとかは措いといて、やっぱGTOの音は好きです。IGBTの音も好きですけど。

電車を降りたら、電車の進行方向に進んで川を渡った先の信号を右折。しばらく行くと見えてくる、イオンの向かいの建物が目的地です。

その店の名は、「コーヒールームきくち」さん。どうでしょうの「対決列島」函館対決で出たことで知られ、どうでしょう藩士のみならず道内外から広い支持を集めているといいます。

人気だというモカソフト(260円)を1本注文。さすがに番組のようにバニラ・モカ・ミックスの3本すべてをたいらげることはしません。また、風呂上がりとはいえまだ北海道の3月なので、テイクアウトして外で食べる気にはならず、入店して食べます。この場合50円がプラスされます。

これがかなり美味。食感がジェラートに近いのですが、これがモカの味に最高にマッチしています。モカの味も、そこらのコーヒー牛乳とは比較になりません。人気の理由がわかるってものです。

店内は地元の方が数名おり、店員と会話がはずんでいました。明るい雰囲気で居心地がいいお店でした。

ラッピに温泉にソフトクリームにといいものづくしで、正直ここまででもう大満足なくらいでしたが、まだまだ旅は続きます。というかこれから始まります。

ながまれ号と徒歩でフェリーターミナルへ

湯の川電停から再び市電に乗って、函館駅前に戻ります。

駒場車庫前行きを見送って、その後の電車に乗車(というか、駒場行きは写真撮ってる間にドア扱いもせず行っちゃいました。まあドアに近づかない限り途中駅どまりの電車に乗るとは思われないでしょうからね)。空いている車内でのんびり過ごしました。

車両はまた8000形ということで代わり映えせず、せめてさっきの駒場行きに入っていた8100形がこっちに充当されていたら、などと考えていました。

函館駅では時間があるので、少し買い物をしたり荷物をロッカーから取り出したりと準備をした後、ベンチでボーっとしていました。今回は長丁場なので、体力温存です。


さてこの後ですが、夜行フェリーに乗るべく移動です。津軽海峡フェリーの函館フェリーターミナルの最寄りである道南いさりび鉄道の七重浜駅に向かいます。

函館を9時56分に出る上磯行きに乗車。いさりび鉄道移管後にこの区間に乗るのはこれが初めてです。

そして車両は、キハ40 1793。この車両はながまれ号仕様となっており、濃紺の衣に身を包んでいます。以前からながまれ号には興味があったのですが、ラッキーなことに乗る予定の列車がながまれ号の運用にぶつかってくれました。

……といっても、ながまれ号は団臨以外だとテーブルとヘッドレストを外しています。ちょうどこの時は「メモリアルフォトトレイン」となっており、沿線住民などの写真が貼ってありましたが、それ以外はほぼほぼノーマルのキハ40形と同じです。

車内をひととおり観察したところで、着席。ふた駅だけですが、ながまれ号でのひとときを過ごします。

実はじっくり車内を楽しむために上磯まで乗って折り返して七重浜に行くつもりで、きっぷも上磯まで買いました。でも、函館発車前に車内観察が終わっちゃったので、上磯には行かず、七重浜に着いたらさっさと降ります。

列車はちょっとだけ遅れて発車(理由は不明)。車内放送がJR北海道のワンマン列車(キハ143形を除く)と同じ声なので全然JR以外の列車という感じがしませんが、まあ気にせず行きましょう。

車内は土曜日の夜とあって空席が目立ちますが、30万都市の郊外路線とあって、がらんどうというほどではありません。

10分ほどで七重浜に着きました。いさりび鉄道の列車はJR北のワンマン同様前乗り前降り。いつも通り運転手にきっぷを渡して下車。


七重浜駅から、徒歩でフェリー乗り場へ。一度歩いたことがある道ですが、4年前のことなので覚えていません。

駅前は薄暗く、危うく段差から転げ落ちるところでした。もうちょっと明るくするか、段差を解消するか、どちらかお願いしたいところ。

駅前からまっすぐ進み、大きな道(国道227号)に出たら左折。しばらく歩いていくとローソンがある交差点にフェリーターミナルの看板があるので、そこを右折。突き当たったらまた右折すると、ターミナルはすぐそこです。

道中は自販機やコンビニなど、食べ物や飲み物の補給には困りません。まだ函館・北斗の市街は出ていませんからね。

駅から30分弱で、ターミナルの入り口に到着。

着いたらやることは、乗船手続きです。今回はJTBのサイトで見つけた割安のチケットを持参しているので、便利な「スマートチェックイン」が使えません。窓口で手続きを済ませます。

乗船までの約1時間半はいろいろな準備に充てます。船酔い対策で売店で買ったゼリーを食べて酔い止めを飲み、飲み物も確保しました。

ここで買った飲み物は、「ブルードルフィンの水」なるミネラルウォーター(120円)。この後乗る予定の船の名前と同じなので買ってみました。翌日に飲みましたが、普通のミネラルウォーターとどう違うのかはわかりませんでした。

あとは乗船デッキ付近の椅子に座って、時間をつぶしていました。

日付が替わって少ししたあたりで、いよいよ乗船口がオープン。北海道を出る時が来ました。

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