- トップページ >
- 乗り鉄な旅行記 >
- 東京を目指す旅 ~この坂を越えて~ >
- 宇都宮餃子
東京を目指す旅 ~この坂を越えて~(平成29年3月4~10日)
4日目(平成29.3.8) 1/4ページ「宇都宮餃子」
本日の行程
移動手段 | 乗車(移動開始) | 出発時刻 | 下車(到着地点) | 到着時刻 | 車両 |
---|---|---|---|---|---|
日光線普通825M | 宇都宮 | 6:59 | 今市 | 7:37 | クハ205-606(4両編成・1両目) |
徒歩 | 今市 | 7:40 | 下今市 | 8:00 | - |
東武鬼怒川線快速133レ | 下今市 | 8:17 | 小佐越 | 8:33 | クハ62201(4両編成・3両目) |
東武鬼怒川線快速137レ | 小佐越 | 10:28 | 鬼怒川温泉 | 10:31 | クハ6263(4両編成・1両目) |
特急スペーシアきぬ118号 | 鬼怒川温泉 | 11:15 | 浅草 | 13:15 | モハ108-2(6両編成・5号車) |
つくばエクスプレス区間快速4070レ | 浅草 | 17:51 | 秋葉原 | 17:55 | TX-2551(6両編成・2両目) |
総武・中央緩行線普通1713C | 秋葉原 | 18:02 | 水道橋 | 18:07 | サハE231-640(10両編成・7両目) |
東京都営地下鉄大江戸線普通2023B1 | 春日 | 20:27 | 上野御徒町 | 20:31 | 12-504(8両編成・5両目) |
東京メトロ銀座線普通B2249 | 上野 | 23:20 | 田原町 | 23:23 | 1326(6両編成・4両目) |
朝一番は宇都宮ギョーザ
3月8日、午前6時15分ころ。いつものように身支度を済ませて、一夜を過ごした宿を出て、駅の方に向かいます。
いつものように、と言っても、前日までとちょっと違うところがあります。一つは、もう6時を過ぎていること。前日までは4~5時台に出発するというのが続いていましたが、この日はようやく6時までゆっくりする日程です。流石に「毎日始発」をずっと続けるのはツライ。
もう一つは、一人旅では初めて、関東で朝を迎えたということ。朝の宇都宮は、東京へ通勤すると思しき人々がたくさん歩いているほか、散歩など様々な人が外に出ており、早くから人気が多いです。
朝の風が気持ちいい(といっても肌寒い)宇都宮の街を朝日が照らしています。宿から駅に向かう途中で田川という川を渡りますが、川と街並みと朝日という光景が素敵でした。
さて、宇都宮駅にやってきました。といってもまだ列車には乗りません。駅のすぐ近くにあるお店で、朝食です。
宇都宮というと餃子が有名ですね。というわけで、駅西口の宇都宮餃子館 西口駅前中央店に入ります。朝から餃子かよ、と言われそうですが、せっかく来たので食べたいのです。朝からやっているお店が駅近くにあったのは幸いでした。
6時半の開店を待って入店。ボクが一番乗りなので、店内には当然他に客はなく、店員の人数も少ないです。店員さんは開店準備に忙しく動いていました。
朝っぱら、しかも開店直後のバタバタしている時に押し掛けたので、ちょっと店員を呼びづらいと感じましたが、一応営業時間ですし、早く注文しないと時間がなくなります。油売ってないで店員を呼びます。
注文したのは、朝餃子セット。朝限定で500円で宇都宮餃子を楽しめるセットメニューです。ふつうの餃子セット(1000円)だと朝食にしてはちょっとボリュームが多いので、朝食用のセットは非常にありがたいです。
直後、厨房から餃子を焼いているのであろうイイ音が聞こえてきます。聞いていると早く食べたくなります(笑)。時間も無いことですしね……。
しばらくすると餃子が登場。以前から食べたかった宇都宮餃子を、さっそく口に運んでみます。
耳の部分はパリパリ、それ以外はモチモチ。皮の食感が洗練されています。地元食材が使われている餡も、味がしっかり練り上げられています。
これは、名物と呼ばれるだけはある逸品です。
……と言っても、普段外食する時は餃子はあまり食べないので、どうおいしいのか、他の地域の餃子と比較してどうなのか、とかはコメントできません。少なくとも札幌の「みよしの」よりおいしいです(みよしのも好きなのですが)。
まあ詳しいコメンタリーは首都圏にお住いの餃子マイスターさんたちに任せて、「おいしかった」という素人コメントだけ残してお店を後にするとします。
ちょっと余談ですが、日本人って餃子食べる時ごはんも一緒に食べる人が多いですよね。炭水化物をダブルで摂る「ごはんはおかず」状態になるので、中国人からしたらビックリなんだとか。ボクは普段餃子を食べる時は、炭水化物の過剰摂取を避けるために、ごはんを少なめにしています。ただこの時は、連日の体力勝負のために体が炭水化物を欲していたので、自重せずごはんも餃子も完食しました。
余談ついでに、当サイトでは以前、宇都宮市の行政に対する批判記事を出したことがありまして、こんな風に「宇都宮の餃子おいしいです:D」なんて能天気なことは、些か言いづらい気がします。まあ当該記事の批判対象は宇都宮市というよりは函館市ですし、宇都宮には何の恨みもありませんから、流していただけると幸いです……。
日光線&今市ウォーク
名物の餃子を堪能した後は、移動の時間です。この日最初の目的地は、鬼怒川温泉です。
鬼怒川温泉にはJRと東武鉄道を使って向かいます。まずはJRの列車で移動……なのですが、もう列車の時間が迫っています。
この日の第一走者は宇都宮6時59分発ですが、この時点ですでに6時50分を回っており、食べた直後ですがかなり急ぐ必要があります。
小走り気味で駅へ。道路を渡ってペデストリアンデッキに上ります。大きめの都市の中心駅で、新幹線が来て、ペデストリアンデッキから駅舎の2階に入るということで、仙台駅にちょっと似ています。駅舎は似ていませんが……。
駅舎内にもすでにたくさんの人がいました。通勤客に混じって若者グループもおり、都会めいた活気を感じます。あらためて、首都圏にいることを実感します。
乗る列車は、日光線の普通列車です。自動改札を通って5番線に向かいます。かなり時間がなく、慌てて列車に乗り込みます。
車両は前日に宇都宮線でも乗った205系600番台の4両編成ですが、こちらは日光線向けのカラーリングとなっており、印象が違います。
205系もいろいろな塗色がありますが、日光線カラーはステンレス車両にしては無機質な雰囲気があまりしないと感じます。この点で、他の205系とは大きく異なります。
朝の下り列車なので空いているかと思いましたが、そんなことはありませんでした。座席は学生などで8割以上が埋まっていまして、思いのほか賑やかです。下りでもきっちり乗客があるというのを見ると、首都圏という地域がどんなところか、よくわかるってモンです。やっぱ首都圏はでかいなあ。
列車は時刻通りに発車。目指すは、今持っているきっぷの着駅である、今市駅です。そこまで長い路線ではないので、所要時間は40分もありません。
車窓には朝の栃木の風景が流れます。首都圏と言っても、栃木だとまだ緑が多いです。
日光線でも発車メロディのある駅が多いですが、相変わらず「シンコペーション」ばかり。
前日の宇都宮線と、車両も同じ、発車メロディも同じということで、なかなか変わり映えがしないのが辛いところ。もっとも、鉄道に変わり映えを求めるのは根本から間違っているわけですがね。
ただ、「See You Again」も流れるので、やや新鮮味はあります。
7時35分を過ぎたあたりで、今市に到着。日光市の中心部にある駅とあって、乗降も多いです。
秋田の角館からずっと使ってきたきっぷは、ここでついに役目を終えます。乗車記念のスタンプを押してもらい、持ち帰りました。
集めた途中下車印は、秋田・新庄・新白河・黒磯・宇都宮の5駅。さらに乗車駅の角館と下車駅の今市のスタンプ、仙台の自動改札で入った新幹線ホーム入場の印字と、いろいろ入りました。きっと一生の思い出になるであろう、世界で1枚だけのきっぷをウエストバッグにしまって、次の目的地へ……。
今市駅からは、鬼怒川温泉方面の列車が発着する東武鉄道の下今市駅に向かって歩きます。距離は1kmもありません。
今市は日光市で最も人口が集まる地域です。宇都宮ほどではないにせよ、朝の街並みにはなかなか活気があります。
この地域はかつて「今市市」の中心部だったところで、合併により日光市となりましたが、旧今市市役所が新・日光市役所として再利用されています。日光市における観光の中心地は東照宮ですが、行政の中心は今市ということでしょうか。
宿場町として栄えた町だけに、ちょっと時代を感じさせるような佇まいの建物が見受けられました。
途中のコンビニで買い出しをして、さらに北の方へ。
すると途中にごみステーションがありました。
……そう、「ごみステーション」なんです。「ごみ集積場」じゃなくて。
どこかで、ごみ捨て場のことを「ごみステーション」なんてダジャレじみた(でも無機質じゃなくてとても良い)ネーミングしてるのは北海道くらいのものだと聞きましたが、本州でも一部地域ではこの言い方をするようです。(ちなみに北海道内でも「ごみステーション」という名前じゃない地域があります。)
これに限らず、「北海道の特徴」と言われているものには、本州以南にも同様のものがあったりします。たとえば方言や地名は、実は東北と意外なほど共通点があります。
ともかく、このごみステーションを、今回はちょっと利用させていただくこととしました。
というのは、2日目の記事で申した通り、今回は冬用と春秋用の2着の上着を持ってきていますが、このうち冬用が破けてしまっていたのです。破けたのはフードの部分なので防寒面はいいのですが、いくらなんでも見てくれが悪いです。
破けた後もやむを得ず無理矢理着ていましたが、寒い地域は抜けたので、もともと着古した上着ですし、思い切って途中で捨てることにしたんです。
それで、宇都宮や日光のごみの曜日を調べたところ、ちょうど今市の一部地域で水曜日が燃やすごみの日になっていまして、しかもこのご時世にあって何と燃やすごみが無料で捨てられるということで、今市での徒歩移動時に捨てることとしました。
本来は途中で冬用上着を宅配便で自宅に送るつもりでしたが、破けてしまった上着を送るのもアホらしいと思い、このような形で解決を図ることとしました。
そうは言っても、ボクは日光市に対して、(ほんのわずかな消費税以外は)一切税金を納めていません。つまりボクは完全なる「フリーライダー」で、極めて後ろめたいものがあります。せめてごみ袋が有料であればまだマシなんでしょうが……。
ただ、上着が破損するのは想定外だったわけですし、他に余計なものは捨てていないので、お目こぼしいただければと……。
東武鉄道で鬼怒川温泉へ
そんなこんなで下今市駅に着きました。一本道ではありませんが、途中曲がるのは一か所だけなので、地図をしっかり見ていれば問題なく着けました。
ここからは先述の通り、東武鉄道での移動です。実は人生初の大手私鉄乗車です……といっても、別世界というものではないでしょう。
きっぷは買いません。というか、札幌から持ってきたICカード乗車券 Kitacaを使います。ここからの移動は一部を除いてKitacaだけを使います。
大手私鉄のIC運賃は1円単位になっていますが、必ず紙のきっぷより安いのです。またJRも首都圏では同様なので、ここからはKitaca無双が始まります。
券売機でKitacaにチャージして、改札を通ってホームへ。
ホームでしばらく列車を待ちます。大手私鉄のメインルート上と言っても、日光線は南栗橋以北はどちらかというとローカル区間です。下今市駅もそこまで列車本数が多くなく、のんびりとした時間が流れています。それを良いとも悪いとも言うつもりはありませんが。
しばらくすると、浅草からの快速列車が入線。東武の列車はあまり知らなかったので、見慣れない列車が入ってくるのにワクワク。
車両は6050系。2両×3のいわゆる「ブツ6」という、首都圏では非常に珍しいタイプの編成です。このうち前4両が鬼怒川温泉方面行き、後ろ2両が日光行きです。末端区間の輸送力を合理化しつつ、日光と鬼怒川の両方に観光客を運ぶため、このような編成が組まれているわけですね。
6050系は東武のほか、直通運転先の野岩・会津両鉄道も保有しています。今回は4両編成のうち、後ろ2両が会津鉄道の所有する車両でした。会津鉄道は6050系を2両1編成しか持っていないので、それに当たるのは結構確率が低いです。
車内はセミクロスシートで、クロス部はボックスシートになっています。「首都圏私鉄の無料列車の車両は京急2100形以外全部ロングシート主体」という勝手な思い込みがあったのですが、ここにも無料種別用のクロスシート車両がいました。首都圏の鉄道はまだまだ知らないことが多いです。
車内は平日の朝の下り列車の末端区間とくれば当然がら空き。ボックスシートを1人で独占してもなお、空席が非常に目立ちます。
このボックスシートが広い。国鉄末期の直流・交直流電車の多く(113系2000番台など)はボックスシートのシートピッチが1490mmのところ、東武6050系はなんと1525mmとのこと。座面のクッションがしっかり効いており、座り心地は上々。さらにボックスには、3日前に乗った701系セミクロス車のような、折り畳み式のテーブルがありました。観光輸送も考えているので、首都圏の無料種別にしてはかなり快適な内装です。
後ろ2両の切り離し作業が行われた後、前4両は鬼怒川温泉方面に向かって発車です。
伊勢崎・日光線では快速として飛ばす6050系ですが、鬼怒川線ではゆったりとしたスピードで走ります。通過駅もなく、長閑な車窓風景も相まりローカルムードが漂います。
鬼怒川線は単線なので、ますますローカルチックです。初めての関東私鉄だというのに、都会の中を颯爽と走る列車ではなく、JRとかでありそうなローカルな感じというのも、また妙な気がします。
のんびりしたムードの列車の中で、広々としたボックスシートを一人で独占してのんびり過ごす。料金不要列車に乗っているにしては、なかなかに贅沢です。
そうはいっても、長くは楽しめません。下今市から4つ先の小佐越駅で列車を降ります。