「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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東京を目指す旅 ~この坂を越えて~(平成29年3月4~10日)

5日目(平成29.3.9) 4/5ページ「駆け巡れ! 鎌倉」

大仏と暗がりと渋滞と

午後3時すぎ、ようやっとこの日のメインイベントである鎌倉観光が本格スタートです。

鎌倉といえば、押しも押されぬ関東屈指の名所、鎌倉大仏。今、まさにその大仏のある高徳院の入り口に、ボクは立っています。

実はこの大仏、その由来が明らかになっていないようです。なので、大仏見物から一体何を学んだらいいんだ、という気になってしまうところですが、まあ大仏の威容に見とれるだけでも十分な意味があるんですよ、きっと。

考えすぎても仕方ありませんので、さっそく大仏の前に行きたいと思います。拝観料は200円です。

参道を進んでいくと、その大きなお姿が徐々に見えてきます。やっぱりインパクトが半端じゃありません。

その大きさと表情、そして鎌倉時代から存在するという歴史の重みからは、理屈を抜きにして、人智を超えたパワーを感じずにはいられません。なるほど、人が集まるわけです。

ところで、大仏といえば奈良・東大寺の廬舎那仏が有名ですが、鎌倉の大仏は廬舎那仏よりは小さいです。といっても、ボクが廬舎那仏を見たのは高校時代のことで、正直ほとんど覚えておらず、自分の目で比較するのは不可能です。

それはそれとして大仏に手を合わせます。この時、このお寺が禅宗だと思い込んで、「禅宗の参拝の仕方なんてわかんないよぉ」と言いつつ、取りあえず普段通り阿弥陀如来様にするのと同じように手を合わせました。ですが、現在の高徳院は浄土宗なので、それでよかったようです。


さてこの大仏ですが、胎内にお邪魔することができます(実際に行ってみるまで知らなかった……)。せっかく来たので、是非とも入らせていただきましょう。

胎内に入るには、拝観料とは別に20円を支払う必要があります。といっても20円ならまったく抵抗がありませんね。

受付で料金を払って、胎内に入ります。通路はかなり狭く、荷物を持った観光客どうしがすれ違うことはできません。また中のスペースに制限があるため、一度に入れる人数には制限があります。中にいる人が出てくるまで待機。人の流れが切れるのを待って、通路に進みます。

胎内はかなり暗く、足元も見えづらいです。その先は狭い階段となっており、かなり慎重に行かないと前々日の羽黒山登山での奇跡的生還がムダになってしまいます。

ゆっくりと階段を降りていくと、胎内の様子を見渡すことができました。足音や声が響きます。開基からの長い年月を物語るがごとき、体のサビや緑青が、なんとも言えない不思議な雰囲気を醸していました。

ただ胎内を見るだけではありません。中には大仏についての説明書きがあり、学習もすることができました。

見学を終えて、足元と対向のお客に気を付けて、階段を上って外に出ます。外に出ると太陽の眩しいこと。外と中との明るさの差がマッハなので、目に気を付ける必要アリ?


さて、大仏様をたっぷりと拝見しましたところで、長谷エリアを後に、鎌倉駅に戻ります。本当は長谷観音も見ていきたいですが、時間の都合でカーット。

さっき乗った江ノ電で戻ってもよいのですが、せっかく「三浦半島1DAYきっぷ」を持っているので、京急バスで鎌倉駅に行くことにします。

高徳院の入り口のすぐ近くにある「大仏前」バス停でバス待ちです。時刻表を見ると、もうバスが来る時間なのですが、なかなか姿が見えません。それもそのはず、目の前の道路はずいぶん混んでいます。

バス停の近くにはお店が立ち並んでおり、食べ歩きを楽しむ観光客がたくさんいました。狭い歩道を、バス待ちの客と食べ歩きの客と普通に歩く客が入り乱れるので狭いこと。

前日の浅草寺仲見世と同様に食べ歩きをやるのもよさそうですが、先を急いでいるのでグッと我慢。

食欲を抑えつつ数分待っていると、鎌倉駅行きのバスが来ました。この時点で3分遅れで、この時点では路線バスにしてみれば大きな遅れではありません。バスも混んでいまして、立ち席での移動となりました。

バスは一路鎌倉駅へ。ところが、道路は渋滞気味。ノロノロ運転が続きます。3分遅れなら問題ないと思っていましたが、こんな形で遅れが増えるとは……。

おそらくは観光客の車が大半かと思いますが、車の漬物でも作るかのように密集していまして、車内から見ていても圧迫感がヒシヒシ。時間もなくなるし、気分も悪いし、あぁ嫌だ。なるほど、輸送力も速度も微妙な江ノ電が、それでもなお渋滞知らずの軌道系中量輸送機関として重宝されるわけです。

道路を貸し切ったオールニューカーフェスタとでも言わんばかりの車の見本市状態から脱して、バスが鎌倉駅にたどり着くころには、バスの遅れはさらに数分増大していました。

鶴岡八幡宮

鎌倉駅アゲイン。といっても乗り物には乗らず、徒歩で次の名所に行きます。

鎌倉観光でボクとしては外せないと思っていたのが、鶴岡八幡宮。鎌倉時代という歴史の一幕を物語る建造物といったら、やっぱり八幡宮でしょう。

駅前から延びる商店街「小町通り」の入り口には鳥居が立っており、「あぁ、こっちに行けば八幡宮行けるんだな」と短絡的に考えて商店街へ。ホントの参道はその一本東の「若宮大路」なのに……。

活気のある商店街を抜けたところで右に曲がると、八幡宮の大きな鳥居が見えてきました。


鳥居をくぐってすぐにあるのが、源平池にかかる太鼓橋。重厚でどっしりとした構えのアーチ橋があり、その両脇に赤塗りの欄干が鮮やかな橋が架かっていました。

真ん中の橋は関東大震災後に再建されたものだといいます。さすがに鎌倉時代から800年以上も残ってたら逆に発狂モノですな。

ただし、柵があって通れなくなっており、両脇の橋を使って進まなければなりません。一番年季が入っている所を通りたいのに、と思いましたが、まあ真ん中は神様の通り道ですしおすし。

時間がおしているので、脇の池をゆっくり眺める時間は残念ながらありません。某男塾のごとく直進です。

というわけで一気に本堂へ。この先の無事を祈りつつ、目を閉じて鎌倉の繁栄と歴史の重みに心を寄せます。気分だけ(苦笑)。

近くの社務所では、交通安全のお守りをいただきました。ボクは神社に行く時は、たいてい交通安全や健康など、自分の力だけではどうしようもないものについて祈るのですが、それは旅行中でも同じです。

神社の境内は、前日の浅草寺ほどではないにせよ大勢の観光客が楽しそうに神社を見物していました。東北のお寺や神社とは雰囲気がガラッと違い、ホントに同じ旅行の中で訪れたところなのか、という気にもなりますが、賑やかなのも嫌いじゃありません。


鶴岡八幡宮への参詣を終えたところで、鎌倉観光はタイムアップです。もっとじっくり見たいところがたくさんありますが、もともとこの日はラクな日程にする予定でしたので、仕方ありません。

次なる目的地に向かうために、まずは鎌倉駅に戻ります。さっき通らなかった若宮大路を通って……と思いましたが、その道にバス停を発見。しかもバスが停まっています。

駅は近いので、歩いてもオーケー。別に乗らなくてもいいので、「とりあえずバス停に向かって歩いて行って、バスが行ってしまったらそれはそれでいいや」という作戦を打って、道路に出ました。

バスは乗降に手間取っていたのか、ボクがのんびり向かっていってもまだ停まっていました。ならば乗ってしまいましょう。フリーきっぷを持っているので、短い区間でも使えるバスを使って体力を温存できるのが嬉しいところ。

ボクが乗ると、ほどなくバスは発車。これはボクを待っていた可能性ありますね、申し訳ないことを……。

若宮大路を歩く参拝客を、バスはスイスイ追い抜いていきます。若宮大路は道路中央に車道に挟まれる形で参道があり、そこを歩くのも楽しそうです。体力面でバスを選びましたが、また来る機会があればそちらを歩いてみたいですね。

数分で鎌倉駅に到着。ここでしばらく時間があるので、休憩タイムです。

黄色い電車で横浜へ

さて次の目的地は、横浜です。鎌倉から横浜へはJR横須賀線で行くと手っ取り早いですが、「三浦半島1DAYきっぷ」を持っているので、バスで新逗子に出て京急線で横浜に行きます。

新逗子にも、JRと徒歩で行くのがラクではありますが、JRはさっき乗ったので、今度はバスで行ってみます。

JRで横浜に行くようにして、浮いた時間を観光に回せ、とか言われそうですが、京急に乗るというのがこの日の大きな目的の一つなので、こんな形になりました。

新逗子行きの鎌40系統のバスまではだいぶ時間がありました。その間トイレを済ませたりして時間を活用した後、バス乗り場に並びました。

鎌40は4時50分に発車。平日の夕方とあって、自宅に帰るのであろう乗客が結構乗っていました。並んでいたので座ることができましたが、立ち客もいました。

日はすでに結構西に傾いており、空はだんだん暗くなっていきます。そんな中を、バスは急な坂を何度も上ったり下りたりしつつ、住宅街を縫っていきます。

いかにも本州、とでも言うべき幅員の狭い道路を縫って、バスはゆっくりと逗子を目指します。道路が混んでいたなどの事情で、バスは遅れ出しましたが、そこまでは急いでいないので気にせず車内でのんびり。

5時20分すぎ、バスは数分の遅れで新逗子駅に着きました。


新逗子からは京急線に乗り換えて、横浜までひとっ飛びです。……いや、途中で乗り換えるからひとっ飛びとは言わないか? まあいいや。

予定では新逗子5時24分のエアポート急行に乗る予定でしたが、バスの遅れの影響で乗れなかったので、その1本後のエアポート急行に乗ります。

長い連絡通路を通って、改札へ。意外と歩くんですね。

1面1線のホームには、すでに6両編成の電車が停まっていました。車両は、銀色が目立つ京急新1000形ステンレス車。「銀千」「銀様」などと呼ばれている車両群です。

車内はかなり空いていました。適当にロングシートに座って、発車を待ちます。

この座席がかなり心地いいもので、座っていて思わず笑顔になってしまいました。地元札幌の733系には劣るものの、しっかり沈み込んで体を優しく支えてくれます。首都圏に来てから、東京メトロ1000系や都営12-000形などに乗りましたが、いずれも座席が固く、またこの先の行程でも首都圏の車両の座席の固さが印象に残りました。その中で京急1000形は、JRとの競合があるためか、かなりアコモデーションに力を入れているようです。

先述の通り、以前から京急には惹かれていたボクですが、走りっぷりを実際に体感して心を奪われたうえに、車両面でもこの1000形やお昼に乗った2100形がとても気に入り、一日にして京急ファンになってしまいました。

さて、列車は5時34分に新逗子を発車。隣駅の神武寺を過ぎると三線軌条の区間が始まります。ボクはこれを楽しみに逗子線に乗った……のですが、窓の外を見るに、どう見ても普通の標準軌。

それもそのはず、三線軌条になっているのは今走っている上り線だけ。つまり、前面展望か後面展望をしないと見られないワケです。それと知らずにボクは……。

ドンマイドンマイ。それから数分で本線と合流し、金沢八景へ。


エアポート急行は横浜より前の地点で上位種別に抜かれるので、途中で快特か特急に乗り換えると早く横浜に着けます。

「日中は上大岡で快特とエア急が緩急接続」というのは頭に入っていたので、上大岡で乗り換えるつもりでいましたが、金沢文庫で特急に乗り換えられると放送が入ったので、文庫で降りることにしました。時間帯のおかげで、日中には走らない「特急」の恩恵にあずかれるのは嬉しい。

そんなわけで、列車はその特急の後ろをつけるように走り、金沢文庫に到着。下位種別が上位種別に追いつく形で緩急接続がとられ、その後で上位種別が先に発車、という面白いダイヤ構成になっています。エアポート急行が新逗子始発だから、こんなことになっているんでしょうね。

駅に着いたら、すぐに隣に停まっている特急に乗り換えです。京急の上位種別らしく結構混んでいて、それなりに空いている乗車口を探して潜り込みます。

この特急ですが、車両が1000形のイエローハッピートレイン車両(1057編成)でした。お昼に乗ったブルースカイは狙って乗りましたが、イエローハッピーに出会ったのは完全にたまたまです。いやぁ、どってんこいた(びっくりした)、でもなまら嬉しい。

このイエローハッピートレイン、素顔は1000形のアルミ合金車両です。先ほどのステンレス車との違いとしてパッと気づいたのが、車端部にクロスシートがあること。ちょうど進行方向と逆側のシートに空きがあったので、そこに座ることができました。

さて、列車は横浜に向けてエキサイティングな走りを始めました。種別は特急ですが、文庫から横浜までは快特と同じ停車駅です。なので速いこと速いこと。

外はもうだいぶ暗くなってきたので、車窓を楽しむことはできません。さっきタップリ楽しんでおいてよかった。

6時過ぎに横浜駅到着です。車内でのんびりと過ごしていると、横浜まではあっという間でした。

黄色い電車を見送ってから、改札の外に出ます。ここまで使ってきたきっぷは品川発着の「三浦半島1DAYきっぷ」ですが、日程の都合上ここでお別れ。残るかえり券の横浜~品川間は放棄します。これでも元は十分取れているので、問題ありません。

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