「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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東京を目指す旅 ~この坂を越えて~(平成29年3月4~10日)

1日目(平成29.3.5) 1/8ページ「海峡の先、本当の始点」

本日の行程

移動手段乗車(移動開始)出発時刻下車(到着地点)到着時刻車両
津軽海峡フェリー津軽海峡フェリー函館FT0:30津軽海峡フェリー青森FT4:10ブルードルフィン
徒歩津軽海峡フェリー青森FT4:25頃青森駅5:05頃-
奥羽本線普通626M青森5:42弘前6:22サハ701-10(5両編成・4両目)
奥羽本線快速3622M弘前6:26大館7:02クハ700-36(2両編成・1両目)
奥羽本線普通1630M大館7:35鷹ノ巣7:54クハ700-31(2両編成・1両目)
秋田内陸線普通9D鷹巣8:16阿仁前田9:00AN8806(単行)
秋田内陸線9D代行バス阿仁前田9:00頃阿仁合9:14頃-
森吉山周遊タクシーBコース阿仁合9:20阿仁スキー場9:40トヨタ・プリウス
森吉山周遊タクシーBコース阿仁スキー場12:05阿仁合12:25トヨタ・プリウス
急行もりよし3号阿仁合15:28阿仁マタギ15:52AN8805(単行)
秋田内陸線普通120D阿仁マタギ17:42比立内17:49AN8805(単行)

ブルードルフィン乗船

津軽海峡フェリーの函館フェリーターミナルにて迎えた(実質)旅行初日。午前0時すぎ、乗船口から青森行きのフェリーに乗り込みます。津軽海峡フェリーは4年ぶりで、前回と同じく雑魚寝です。

今回乗る船「ブルードルフィン」は、ターミナルの建物からボーディングブリッジ経由で、外に出ずに船に乗り込めます。イメージとしては大きな空港の出発ロビーです。

ブリッジを抜けて船内に入ると、まずはカウンターやソファなどが備えられたロビーが目に飛び込んできました。ゆったりくつろげそうな、適度に広く落ち着いたデザインの空間で、好きだな、と思いました。ロビーには他にも電子レンジや食料の自販機があり、冷凍ですがかなやのかにめしが売っていました。

雑魚寝(スタンダード)の部屋は何個もの小部屋になっており、自分だけの空間や扉などは無いもののある程度安心感があります。4年前に乗船した「びるご」(現在は海外で就航中)にはそういう仕切りが無かったような。

以前「びるご」に乗った時は、船のゆっくりとした揺れで、出航前から若干調子が悪くなったのですが、今回は酔い止めが効いたのか、はたまた船がいいのか、非常に快適でした。少なくともエンジン以外の船の揺れは感じず、どっしりとした安定感を感じました。

さて、甲板に出て出航の瞬間を……と思ったら、「夜なので出るな」との放送がかかりました。じゃあ窓から……と思ったら、放送はさらに「窓も開けるな」と続きました。

結局、出航の瞬間はロビーのモニターで見るというビミョーな形になりました。

0時30分、函館港出航。青森まで3時間40分の船旅が始まりました。


画面で出航を見届けた後は、少しだけ船内散策。といっても、先述の通り甲板は立入不可で、船内もそこまでいろいろな設備があるわけではありません。さらに上の階は上級クラスの船室なので、雑魚寝小僧は入れません。

あっさり散策を終え、寝る準備に入ります。念のため貴重品はカウンターに預け、適当な小部屋に入ります。備え付けの枕に持参の空気枕を足すといい角度になりました。念には念を、で比較的大事なバッグを抱えて、アイマスクを着用し、上着を掛け布団に仮眠を始めました。

青森上陸

3時50分ころ、船員の方に起こされて下船準備を始めます。とはいっても仮眠中は10分~1時間程度の短い睡眠を繰り返す感じで、3時台は下船準備を見越してあまり深く眠らないようにしていましたから、起きる準備はできていましたけれど。

睡眠時間はトータルでも2時間半といったところ。一応寝たので致命的なダメージにはなっていませんが、この先どこかで昼寝などで睡眠時間を稼がないとなあ……。

昔の青函連絡船の夜行便と列車を乗り継ぐ移動も、こんな感じだったんでしょうかね。「はつかり」で青森に着いて、夜中に乗り換えて、船では満足に寝れず、函館では体を引きずるように「おおぞら」に乗り換え……みたいな。「旅情」はあれど、体にはよくありませんね。

ともかくパパッと身支度をしてロビーへ。船は無事に青森フェリーターミナルに到着したようで、4時10分ころに船員さんの案内に従って下船します。

乗る時には使わなかったエレベーターで、車両甲板へ。乗船するときは建物から直接乗りましたが、降りるときは車両甲板経由で、フェリーターミナルの建物を経由せずに屋外に出ました。この日だけたまたまこうなのか、それともいつもこうなのかは存じません。

ともあれ、これにて自身2年ぶりとなる本州上陸です!


ここから徒歩で青森駅に向かいます。まだ4時台前半ということで時間には余裕がありますが、フェリー乗り場で仮眠をとる時間まではないので、さっさと移動開始です。

駐車場を抜け、道路に出たら左折。薄暗い中で雪や舗装の弱い歩道などに苦しみながらも、ベイブリッジの方向に歩いていきます。ベイブリッジの西詰あたりで右にそれて、青森駅西口を目指します。大荷物でそれなりの距離を、しかも寝不足の中で歩くというのは結構しんどい移動で、おまけに途中で横着しようとして雪に足が埋まったりしましたが、無事に青森駅の西口に到着。

ところが、青森駅の駅舎開放時間は、5時20分から。昔であれば連絡船や夜行列車があったので24時間オープンだったのでしょうが、今やこんな連絡船時代みたいな夜行フェリーからJRへの乗り換えなんて酔狂な客はそうそういませんし、駅を管理する人も深夜早朝は雇いにくいでしょうから、仕方ありません。

しょうがないので、駅の南側にある人道跨線橋を通って東口へ。こちらにはファミマがあるので、駅舎が開くまで物資調達がてら時間つぶしです。

5時20分、駅舎解錠。ここから本格的に道外大型旅行が幕を開けます。

奥羽本線で秋田県へ

というわけで、旅の実質的なスタート地点である青森に着きました。ここから、何度も寄り道を重ねつつ東京を目指します。

この日は、まず奥羽本線で鷹ノ巣まで行き、秋田内陸縦貫鉄道に乗って観光をします。

さっそくホームに出て、5時42分の弘前行き普通列車に乗車。きっぷは二ツ井までの学割で、途中下車が可能となっています。学割での購入、しかも乗らない区間が入っているので、ヒキョーくさい買い方ではあります。

列車は4番線に停車中。車両はもちろん、みちのくのスター・701系です。送り込みを兼ねるためか、2両+3両の計5両編成という、奥羽本線の普通列車としては極めて豪華な編成です。

早朝の列車で、しかも輸送密度8000程度の区間にしては長い5両とあって、車内は案の定ガラガラ。

北東北ではきわめてレアな「普通列車の中間車」(運転台のない車両)である4両目に乗車します。当サイトは鉄道趣味サイトとしては異端だという自覚はありますが、こういうところはやっぱり鉄道ファンの行動様式してるんですよね、ボクって。

発車1分前くらいで、発車メロディが響きます。青森で"Water Crown"に見送られて出発というのが3回の東北旅行共通の始まり方ですな。さあ、いよいよ東北での鉄旅スタートです。


列車はまだ空が白み始めたばかりの津軽平野を、弘前までの約40分の間走ります。車内はただでさえガラガラなのに、新青森で結構降りる人があり、単行でも余裕で足りるほどの空気輸送ぶりを発揮していました。

ここでちょいと一工夫。先ほどコンビニで買っておいたコーヒーを飲みます。40分後には乗り換えがあり、車内で眠りこけると乗り継ぎをミスするおそれがあります。コーヒーを飲んでおけば30分くらいでカフェインが効いてくると聞いたので、車内で仮眠をとりつつ弘前までには起きられるように、とコーヒーを飲んだわけです。

飲み終えたところで、4両目には自分以外誰もいないのをいいことにロングシートに体を横たえて仮眠をとろうとします……が、701系のシートは台車の振動がガッチリ伝わってくるので、寝付けません。仕方ないので体を起こして、座ったまま寝ようとしますが、そのころには朝日がピッカリ差し込んできて、やっぱり眠れません。でも、とりあえず目は閉じてウトウトしてはいたので、少しは気分が良くなりました。

などとやっているうちに下車15分前。寝るのはサッパリあきらめて、進行方向左側の窓を見ていました。朝日を受けて、雪原が輝いていました。

川部を過ぎたあたりで右側も見てみると、岩木山がそこそこきれいに見えました。相変わらずの「山運」です。


弘前に到着すると、隣には秋田行きの快速列車が待っていました。この列車は特急「つがる」が減便になった代替として前年のダイヤ改正で登場した列車で、車両は一部セミクロスシート化改造された701系ですが、所要時間は特急と大きくは変わりません。まあこの区間の特急は停車駅がかなり多いですからね。

2両編成の電車のうち、前1両に16席(4ボックス)だけボックスシートがあり、辛うじて空いていた進行方向逆向きの席を確保。ボックスには格納式のテーブルが付いていました。

先ほどとは違い、それなりに席が埋まってはいましたが、もともと4両の特急だった列車にしてはあまりに寂しい状況です。いや、逆に「もともと客が少なかったから快速化された」のか……。

そうは言っても、クロス部の座席にテーブルがあり、トイレが洋式で、車掌が乗務している、という点を見れば、まだ都市間列車としての面目を保っている感はあります。

発車メロディの「津軽じょんがら節」を聴いた後、秋田県に向けてスタート。

駅間距離が長いうえに通過駅があるので、列車は気持ちよく飛ばします。首都圏の人にしてみれば205系みたいなツラの電車がビュンビュン飛ばすのに違和感を覚えるのかもしれませんが、スピードレンジが高いという点で東北の交流電車は北海道のそれと近しいといえ、ボクにとっては違和感どころか親近感です。

スピードといえば、この列車の速度種別は他の秋田の701系の列車と同じ「通電A1」でした。MT比が1M1Tの車両限定の運用で、しかも速達列車なので速度種別が違うかも、と思っていましたがそんなことはありませんでした。後で知ったのですが、そもその秋アキの701系は2両と3両で性能が違わないようです。

さて、今目指すのは秋田内陸線への乗り換え駅である鷹ノ巣であり、この列車も鷹ノ巣を経由しますが、ここであえて大館で降ります。

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