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東京を目指す旅 ~この坂を越えて~(平成29年3月4~10日)

4日目(平成29.3.8) 3/4ページ「東京到着、浅草寺へ」

日本の首都へと走る特急列車

鬼怒川温泉を発車したスペーシアきぬ118号は、下今市から東武日光線に入り、速度をグッと上げてきました。

山間という感じだった景色が、だんだんと都市、そして都会になっていきます。

建物が立ち並ぶ「都市」の景観が、ずっと途切れずに続きます。これが北海道や東北であれば、時々一面田んぼとか、森の中とかになるものですが、ずーっと都市。これが首都圏か……。

その中を、列車は高速で通過していきます。数多の建物が、現れては眼前を通り過ぎていきます。

そして、ここは関東平野の中。高架区間では平野に立ち並ぶ建物を見下ろす形になります。たしかに地勢の通り広々とした平野なんですが、見渡す限りずっと建物ばかりで、思わず圧倒されてしまいます。

特急停車駅では、多くの乗客が列車を待っていましたが、彼らはスペーシアにはほとんど乗ってきません。スペーシアきぬはあくまで観光地に行く特急で、下今市以南の利用者は特急きりふりや無料列車を使う、ということでしょうか。


さて、今回乗った列車には車内販売があります。実は、当初は車内販売で昼食を買う予定でした。ただ、前ページでお話しした通り、駅で弁当を買ってしまったので、予定変更です。

でもせっかくの車内販売乗務列車、何か買いましょう。またコーヒーにでもしようかと思いましたが、放送でアイスクリームがあると案内されたので、そちらを買ってみることに。

ところが、このアイスが大人気。一部のフレーバーが売り切れるという事態になっていました。残っている中から、抹茶味を選びました。お値段は310円。

寒い時期のアイスがおいしいというのは、寒い地方の人なら結構共感が得られるんじゃないかと思います。特に今回乗っていた列車はかなり暖房が効いていまして、アイスを食べるにはうってつけでした。

味も、JR東日本の新幹線のアレほどではないにせよ、しっかりしています。

……アイスはいいんですよ。暖房の中アイスを食べるというのも、大層いいんですよ。ただ、暖房が効きすぎなんです。

疲れもあって、一気に眠気が来る……だけだったらまだいいのですが、眠いというよりはダウンしそうな感じになってきました。脱水症状の一歩手前かと思われます。

こうなると、アイスを売るためだけにわざと暖房をバカみたいに強くかけている、とまで思われてきます。

前ページで触れた通り、首都圏外の人間が特急券を買いづらいという不親切な制度のせいで、旅行準備中にイヤな目に遭ってイラついたことが思い出され、だんだん腹が立ってきます。

と言っても、そんなそんな腹を立てていられるような余裕がありません。だんだん怒りなんかどうでもよくなるレベルで睡魔が襲ってきて、それと闘ううちに時間が経っていきました。


ウトウトしているうち、だんだんと車窓に映る建物の高さが高くなっていきました。いよいよ、東京が近づいてきました。

つい数日前には、津軽海峡フェリーや内陸線の単行気動車に乗っていたボク。同じ旅の中で見る景色とは思えないほどの大都会が、いま眼前に広がっています。

東武動物公園で伊勢崎線に入ってから、線路は複々線なので、なおさら都会です。東武だけでなく、東京メトロや東急の車両たちと、幾度も幾度もすれ違います。札幌にはいない4ドア・10両の電車がたくさん走っていて、直通運転をやっているためいろいろな事業者の車両が入り混じる。この光景は、異世界のようにすら思えました。

この先に待っているのは、昼間人口一千数百万のマンモス都市・東京。東京で単独行動をするのは人生初ということで、列車の混雑や土地勘の無さ、防犯などの不安もあります。「別世界」に踏み込むのには、ちょっと勇気が要りました。

もちろん、不安だけではありません。未踏の場所を踏む時の、旅人としての熱い気持ちが、今までよりひときわ高く、そして不安よりもはるかに強く、湧いてきていました。

列車は浅草に向けラストスパート。荒川を渡り、埼玉県から東京都に入ります。ずいぶん寄り道してまいりましたが、ついに旅行タイトルを回収です。

川を渡りきると、すぐに北千住駅に到着。ここで半分ほどが下車します。

北千住を過ぎると、遠くにチラチラと見えていた東京スカイツリーが、かなり近くに見えてきます。やはり634mという高さは圧巻で、目立つこと目立つこと。

スカイツリーの横を過ぎ、隅田川を渡ると、ついに浅草駅です。期待、不安、疲れ、眠気、様々なものが交錯する中、ついに東京の大地を踏みしめます――。

人々ひしめく浅草寺

13時15分ころ、東京都・東武浅草駅。たくさんの乗降客が行き交うホームに、ボクは降り立ちました。

有人改札を抜けて、すぐの下り階段へ。半ば人の流れに流されるように、外に向かいました。

駅ビルの外に出て、辺りを見渡します。目前を雷門通りが横切り、右にはアーケード、左にはあの東京スカイツリー。振り返ると、洒落た装いの東武浅草駅。これが、ボクが人生で初めてとなる東京での単独行動で見た、最初の風景でした。

さて、浅草に来たからには浅草寺に向かいます。アーケードを通って、雷門へと歩いていきます。

駅前も、アーケードも、まさに黒山の人だかり。大都会東京とは言え、まさか身動きが思うようにとれないほどの混雑とは、予想もしていませんでした。これでもか、とばかりに「東京」を感じました。


数分で雷門の前に到着……しましたが、まあどこから湧いてくるやら、人、人、人、そして人。あまりの人の多さに、思いっきり気圧されてしまいます。完全にお上りさんな感じ。

門を撮影してから境内に行こうかと思うのですが、その撮影が難易度高すぎます。できるだけ人が入らないように、かつ門が人で隠れないように、しかも自撮り棒で殴られないように。「難易度が高い」というレベルは飛っ越しています。

写真をなんとかしたら、いよいよ参拝。人の波に、ある時は流され、ある時は逆らい、前に進みます。

参道に立ち並ぶは、仲見世の店々。最初に参拝をするつもりなので、まずは何も買わずにまっすぐ進みますが、後で色々食べ歩こうかと思っているので、どんな店があるのかはある程度見ておきます。

宝蔵門をくぐって本堂へ。東京を見守る観音様に、まずは挨拶です。一人での行動には若干ながら不安があるわけで、神仏に頼ってでも無事を目指します。

お堂や門の色合いや仲見世の活気からは、東京下町の雰囲気を味わうことができました。数百年にわたって東京の街を見守ってきた浅草寺の雰囲気は、結構好きだと感じました。

たんに参拝しただけではありましたが、人の多さや下町ムードなど、「東京」を確かに感じることができた、そんな風に思いました。


お寺の他に、近くに浅草神社があります。かつては浅草寺と同一法人だったのですが、神仏分離の関係でどうたらこうたら、だそうです。2日前にも、そんなエピソードのある神社に行っていますね。

この神社には、浅草寺の建立に携わった人たちが祭られているといいます。こちらにもご挨拶です。

一方、五重塔や薬師堂など、浅草寺内の建物は、かなりスルーしてしまいました。でも、準備や下調べが不足している状態で巡っても得るものは少なそうなので、仲見世をめぐった方がよっぽど下町を味わえるでしょう。

というわけで、仲見世に戻って、食べ歩きタイムとまいります。

仲見世甘味タイム、そして「ゴール」へ

浅草寺の参道を彩る「仲見世」には、様々なお菓子やグッズなどを扱うお店が立ち並び、活気に溢れています。

そんな「活き」と「粋」が支配する通りで、ボクは2つほどグルメを楽しみました。

まず食べたのが、浅草寺本堂にほど近い位置にある「壱番屋」さんで買ったお煎餅。手焼きの煎餅で、いろいろな種類がありましたが、その中から「浅草のり」(100円)をセレクトしました。江戸前って感じがして、とてもいいです。

手焼きで、しかも出来立てというのは、あまり味わったことがありません。パリッとした食感、ほどよく甘辛いタレ、そして江戸前の味・浅草のり。これはイイものです。

お次は、定番中の定番、舟和の芋ようかん(129円)。白河の関の先のことは全然知らないボクでもその名を知っているほどの有名スイーツでございます。

仲見世ではばら売りしているので、観光に来て食べ歩くというのがやりやすいのは有難いです。

評判なだけあって、やっぱりおいしい。芋本来の甘さがようかんという甘味にうまく落とし込んであります。芋独特の甘さと、ようかんとしての食感・味とが、打ち消し合うどころかむしろ引き立てあうという、老舗の味を見せつけられました。

仲見世を歩いたり、グルメを楽しんだりしたことで、人の多さや活気、下町グルメの味わいと、「江戸」を感じることができたのではないかな、と思います。

さて、予算もろもろの都合で、仲見世食べ歩きはここで打ち止め。食レポとしては寂しい内容ですが、まあ東京の食べ歩き情報なんて星の数ほどあるでしょうから……。


人ごみの中を歩いていたら、ちょっとめまいがしてきました。ここで来た道を引き返して、東武の駅前からさらに東に行って、隅田川のほとりへ。川を見つつ休憩です。

おだやかな天気の東京・浅草には、川に沿って心地よい風が吹いていました。

隅田川には観光船があり、時折大勢の観光客を乗せた船が通りました。

川の向こうには、屋根の上のオブジェが目を引くスーパードライホールや、天を衝くかのようにそびえるスカイツリーが、ビルが立ち並ぶ風景に意外なほど溶け込んでいました。

「東京に来た」。目の前の風景と、激しい人や車の往来を見て、改めてそれを実感します。

しばらく景色を眺めていると、川に向かって左側にある、さっき列車で渡った東武伊勢崎線の鉄橋を、何本かの列車が通りました。一般型車両のほか、特急型の200系の姿もありました。

長めに休憩時間を取って、景色を眺めるのと、体を休めるのとに充てました。都市と川、そして風が調和するいい場所で、風景を眺めていると結構いいリフレッシュになりました。


さて、それではまた移動です。この日、そして翌日はこの近くに宿を取っているので、そこに向かいます。

宿の場所は浅草寺からはちょっとだけ離れています。同じ浅草でも、東武よりはつくばエクスプレスの浅草駅の方が近いです。

まずは西に向かい、国際通りに当たったら右折。浅草ROXとケバブ屋のある交差点で左に入って、細道を歩きます。

国際通りは大きな道ですが、先ほどの浅草寺ほどの人はいません。東京なのでもちろん人は絶えませんが、極端に人が多いということもありません。

途中、宿に近い場所に神社を発見。西浅草八幡神社といい、応神天皇をまつっているそうです。この先の無事を祈る意味でも、神社にご挨拶しておきました。

それから少し歩くと、お宿に到着です。この日泊まるのは、ゲストハウスの浅草旅館 東海荘さん。外国人旅行客が多く、賑わいのある宿とのことでしたが、この時は静かな宿でした。

部屋はやっぱりというかドミトリー。一人一人の荷物置き場があり、結構奥に広いので大荷物でも困りませんでした。荷物をたっぷり置けて、ベッドで横になって眠れて、風呂・トイレ付きで清潔。もう最高じゃないっすか。


さて、浅草寺の観光および宿への到着をもって、タイトルにもある通り「東京」をひとまずの目的地としていたこの旅は、ここで一応の「ゴール」到達となります。

もちろん、これでこの旅が終わったわけではありません。東京に来たからには、東京やその周辺を観光して、どんどん楽しんでいきます。

次のページから、さっそく東京・首都圏をめぐる旅が始まります。Stay tuned!!

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