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「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)

3日目(平成28.10.10) part2/5「はこだてライナー」

いかめし食べつつ駒ヶ岳まわり鈍行旅

この日はグルメ旅。森駅で降りた理由はもちろん、名物駅弁のいかめしを食べるためです。

いかめしなら保存用のヤツがどこでも売っていますが、そんなんじゃボクは満足できません。駅のキヨスクで、できたてのいかめし(650円)をゲット。箱のホカホカ具合、ただようタレの香り。あぁ、早く食べたい。

今の今までいかめしを食べていなかったのは、以前某市の学校の給食で食べたいかめしがあまりおいしくなかったから……だったと思います。

でも、箱を持った瞬間わかる。あんな贋物とは全然違う。これは絶対おいしい。期待を込めつつ、駅弁の入ったビニール袋を片手に、再び改札に入ってホームへ。函館行きの普通列車に乗り込みました。

車両はキハ40形。こいつしかありえません。なぜか2両編成でした。案外乗客がいたので、空席の多い後ろの車両へ。

2年前に普通列車メインで函館に向かった時は森~大沼間は駒ヶ岳まわり。で、今回も駒ヶ岳まわりです。砂原まわりは日中にあんまり乗っていません。

列車が動き出したら、早速いかめしオープン。中にはおいしそうなタレがついたいかめしが2個ドーン。

思っていたのとは違って、いかが千切れてくれるので、食べやすい。そして、イカの程よい硬さと、甘くてコクのあるタレと、中のもち米が、「シンフォニー」と形容してもいいようなシナジーを口の中で発揮します。なるほど、各所で絶賛されているワケです。文句なしのおいしさでした。


森を出ると、姫川・東山と、いきなり辺鄙な駅が続きます。この2駅は廃止が決まっており、乗客のかなりの割合がこの2駅で降りたほか、駅には他にも人がいました。自分だって「秘境駅」に降りたことが何度もあるクセに、彼らを見ているとイライラしてくるのは、一体なんなんでしょう……。

車窓には、バタバタと倒れた木々が見え、非常に痛々しいです。8月の台風の爪痕が、ハッキリと残っているのです。台風の連続上陸によって、スーパーおおぞら・スーパーとかち・オホーツクが長期運休となったのは大きなニュースになりましたが、それだけでなく函館方面さえも、数日間運休する事態となりました。

刻一刻と移り変わる駒ヶ岳の稜線にハァハァしたり、大沼の湖水を撮ったりすると、大沼公園に到着。観光客が乗車してきます。

隣の大沼では、停車時間中に運転手が新函館北斗での乗り換え案内を行いました。北海道のキハ40の車内放送で「東京行き」という言葉を聞くのは、違和感以外の何物でもありません。

仁山を過ぎると、降りる準備をする乗客が出始めます。新たな乗り換え駅・新函館北斗に到着です。

ついに対面、はこだてライナー

新函館北斗駅の3番ホームに、定刻通りの12時25分に到着。この列車は12分間停車します。

というわけで、1番線に移動して、快速「はこだてライナー」に乗り換えです。こちらは12:34発なので、普通列車よりも早く発車します。

この駅ではこだてライナーとキハ40の普通が「緩急接続」もどきをするのは、この時間だけです。まあ、もともと733系1000番台に乗るのが3日目の主目的のひとつなので、緩急接続してなくてもはこだてライナーに乗るんですがね。

エスカレーターで連絡通路に行くと、新幹線からの乗り換え客が流れてきました。それに合流するような形で1・2番ホームに向かいます。連休とあってか乗り換え客はどんどん押し寄せ、スーパー北斗への乗り換え客を除く大半が1番線に流れます。

その先には、まだ新しい車体が燦然と輝く、733系1000番台が停車していました。前年に札サウで見て以来の再会で、当然ながら乗るのは初めてとなります。

新幹線乗り換え口から最も離れた先頭車に乗車。札幌の733系と同じく緑(優先席はオレンジ)の座席、しかし前後の壁の塗色が木目のような色で、札幌の733系にはない温かみがあるインテリアとなっていました。

座席の座り心地は3000番台と全く同じ。しかし、座って窓から見る風景が、札幌近郊の都会チックな風景ではなく、一面の田畑に、割と近くに山を望む渡島平野の景色。これがメチャクチャ新鮮です。

あちこち車両を見ているうちに、だんだん座席が埋まっていきます。空席もありましたが、立ち客も発生。大荷物の乗客も多く、さっきのエアポートと同様に荷物置場がいらない強みを発揮しています。

発車前には、乗車率は80%を超えるくらいになっていました。改札から遠い先頭車でコレなので、後ろはもっと混んでいたことでしょう。


乗り換え客を待っていたのか、列車は1分ほど遅れて発車。3000番台と全く同じ、聞き覚えのあるIGBT-VVVFのサウンドが、渡島平野に響き渡ります(ってほど大きな音でもないけど)。

さて、はこだてライナーには普通・快速の2種類がありますが、この列車は途中五稜郭だけ停車する快速です。特急列車が高速運転で鳴らす函館本線を、はこだてライナーもまた気持ち良い走りで南下していきます。

おそらく東京から来たであろう近くの家族連れが、山手線と同じようなロングシートの車両が、北海道の大地をビュンビュン駆け抜けていくのに新鮮さを覚えていました。はこだてライナーがロングシートなことには様々な批判がありました(ボクも批判した一人)が、これが東京目線で見ると北海道らしさを感じさせる要素になりうる、とは思いもしませんでした。いやでも東京にだって俊足のオールロングシート車両たくさんいますよね……。いや、広々したところを走るからこその新鮮さ、ということか。

函館までは、ダイヤ上は所要15分。はこだてライナーの最速タイムです。しかし、遅れはさらに増大しつつありました。

途中の五稜郭では、ドアは自動では開かず、東北などでおなじみのボタン操作でのドア開閉となっていました。札幌でも長時間停車なら半自動ドアがありますが、停車駅の短い途中駅では車掌がドア扱いをします。途中駅すべてで半自動ドアとしたのは、今まで半自動ドア文化がなかったからこそできること……なのかも。

五稜郭ではあまり乗降なし。観光客はホテルが多く市電乗り換えにも便利な函館駅に行くでしょうからね。

五稜郭から数分で、その函館に到着です。遅れはさらに1分増大して、函館には2分延着。札幌から6時間以上かかっていますが、最後は速い快速でスイスイ移動したので、気持ちとしてはあっさり着いたような感じです。

1年半ぶりの函館

函館駅は最後に訪れてからは1年半以上が経過しています。ですが、そこまで久しぶりという気もしません。何度も訪れているからでしょうかね。

駅に着いてまずすることは、市電の一日乗車券の購入です。今回、函館は市電と徒歩でめぐります。バスは使いません。

改札を出て左側、みどりの窓口の右に、観光案内所があります。案内所で、市電の一日乗車券が販売されています。

案内所は観光客の入りが多く、少し待たされましたが、きっぷをゲット。

チケットは、日付をコインでこすって使うタイプ。今回は強行日帰りということで、函館での滞在時間が4時間ほどしかないので、このこする時間すら惜しいところ。乗車券には観光マップが付いており、今回有効に活用させていただきました。

それでは駅を出て市電の停留所へ向かいます。本当は駅に滞在して、このあとやってくるノースレインボーエクスプレス(北斗88号)と函館駅という組み合わせを撮影したかったのですが、時間が全然ない中で観光を優先するので、残念ですが撮り鉄の時間はありません。

駅の外にも、観光客がたくさん。新幹線の成績は案の定ひどいものですが、少なくとも「函館が注目されるきっかけとなった」ことは間違いないでしょう。この年は明らかに函館への観光客が多いです。


市電のりばには、やっぱりたくさんの観光客がいました。観光客が多いためか、市電はかなり遅れていました。

早く次の目的地に行きたいので待ち時間が辛いです。我慢して待っていると、十字街方面行きが到着。車体更新車の8000形が来ました。

もうホントにすごい客入りで、かなり乗降に時間がかかりました。なるほど、こうやってどんどん市電が遅れていくわけですか。

ようやく乗客が乗り切り、発車。3つ先の十字街に向かいます。

途中、軌道工事をやっている箇所があり、徐行運転となりました。これも遅れの一因だったかもしれません。

で、ボクは市電の車内メロディが好きなんですよね。前回函館観光した時に初めて聴いて以来好きになって、今回聴くのを楽しみにしていたメロディです。主要駅到着前は「はこだて賛歌」、それ以外は公募のオリジナルメロディだそうです。

放送を聴いたり、走り心地を楽しんだりしているうちに、十字街電停に到着。ベイエリアの玄関口ということで観光客の多い電停です。

1日目「沙流川を遡った先に ~The blessing of an abundant river~」

  1. 1.日高線+バスで平取へ
  2. 2.二風谷①
  3. 3.二風谷②
  4. 4.日高町→占冠→札幌

2日目「新たな『道』を拓く ~Beyond the mountain pass~」

  1. 1.三浦綾子記念文学館
  2. 2.快速なよろとレンタカー
  3. 3.エコールなかがわ

3日目「はこだて今昔 ~In the beginning was the letter "H"~」

  1. 1.北斗84号
  2. 2.はこだてライナー
  3. 3.カリベビとハイカラ號
  4. 4.元町・ベイエリア散策
  5. 5.撤収&3日間の総括

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