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「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)
3日目(平成28.10.10) part1/5「北斗84号」
本日の行程
移動手段 | 乗車(移動開始) | 出発時刻 | 下車(到着地点) | 到着時刻 | 車両 |
---|---|---|---|---|---|
快速エアポート62号 | 白石 | 6:37 | 南千歳 | 7:07 | クハ733-3101(6両編成・1号車) |
千歳線・室蘭本線普通2726D | 南千歳 | 7:15 | 東室蘭 | 9:07 | キハ143-102(2両編成・2両目) |
特急北斗84号 | 東室蘭 | 9:23 | 森 | 11:07 | キハ282-2008(5両編成・4号車) |
函館本線普通4832D | 森 | 11:20 | 新函館北斗 | 12:25 | キハ40 1801(2両編成・2両目) |
快速はこだてライナー3340M | 新函館北斗 | 12:34 | 函館 | 12:49 | クハ733-1004(3両編成・1両目) |
函館市電2系統 | 函館駅前 | 13:15頃 | 十字街 | 13:20頃 | 8010 |
函館市電5系統 | 末広町 | 14:00頃 | 函館どつく前 | 14:05頃 | 39 |
函館市電5系統 | 末広町 | 16:25頃 | 函館駅前 | 16:35頃 | 8004 |
函館本線普通5883D | 函館 | 17:00 | 18:35 | 森 | キハ40 840(2両編成・2両目) |
特急北斗19号 | 森 | 18:39 | 長万部 | 19:23 | キハ182-512(7両編成・6号車) |
函館本線普通2959D | 長万部 | 20:00 | 22:50 | 小樽 | キハ150-15(単行) |
函館本線普通275M | 小樽 | 23:10 | 白石 | 翌0:06 | クモハ721-10(6両編成・3両目) |
ふたたび、千歳線で旅立つ
10月10日、午前6時半ころ。三度、JR白石駅。
3日目の目的地は、函館です。函館は今まで2回ほど旅行していますが、まだまだ行ったことのない場所が多く、一度行ったところももう一度行きたいものが多いので、何回でも行きたい街です。
最終日ということで疲れがピークなんじゃないか、とお思いのことと思います。ボクもおそらくは3日目に疲労のピークが来るだろうと思って、覚悟はしていました。
ところが、思いのほか疲れていません。
前日は一部車移動だったのが幸いしたか、あまり疲れを感じていなかったのですが、寝て起きたら疲れが出てくると予想していました。が、そんなことはなく、むしろ3日で一番元気なくらいでした。

では、3日目の移動を始めます。第一走者は、初日と同じくエアポート62号です。車両は初日と違って、733系3000番台です。
やはり初日と同様に、江別方面からの乗り換え客などと一緒に、列車に乗り込みます。車内では座席を確保できず、最初は立っての移動です。先頭車に乗りましたが、初日と違って席が空いていませんでした。今日は結構混んでいるようです。
車内を観察していると、733系が持つある特徴に気づきました。それは、大きなサイズのキャリーバッグを持っている乗客が、ロングシートに座って、手元にそのバッグを置いておける、ということ。721系の自由席だとこうはいきません。733系のいいところが、またひとつわかりました。
恵庭で座席を確保。今日は恵庭ではなく、南千歳で後続に乗り換えます。理由は後程。
スマホで作業していると、あっという間に南千歳。エアポートは3番線に停車します。
ここでは、やっぱり初日と同じ東室蘭行きの普通列車に乗り換えです……が、その前にひとつ仕込み(?)を。

1番線に移動して、待合室にある画面に注目。新札幌・南千歳の両駅の苫小牧方面行きホームには、特急列車の編成が表示されるディスプレイが置いてあります。
さすがに普通列車だけで函館日帰りは無理なので、今回はこの先の行程で特急を使います。その編成を、今のうちに確認というわけです。
でも、定期列車だと編成を調べる必要はそんなにありません。そう、函館までの道のりのどこかで、臨時特急を使うのです。
南千歳からは、例のキハ143形の東室蘭行きに乗って、終点まで行きます。
車内では朝食を食べますが、この日はおにぎり1個と野菜ジュースだけにしました。この日はグルメをたっぷり味わう予定なので、朝食は少なくして、そのぶんあとで食い道楽、という算段です。
平日だと結構乗る列車ですが、この日は難なく座席を取れました。部活に行くのであろう学生ももちろん乗ってはいましたが、だいたい苫小牧市内で降り、残りも白老で下車。通学列車からローカルムード満点の列車に。これが「一粒で二度おいしい」2726Dです。だから好きなんですよこの列車。
登別ではすずらん2号に抜かれます。以前は北斗4号でしたが、北斗系統とすずらんの時刻がだいぶ変わりまして、接続列車も変わりました。
見慣れた車窓を見るうち、列車は終点の東室蘭に到着。何度も乗っている列車ですが、道中は何やかんや毎度毎度楽しめる列車です。
北斗84号に乗車
さて東室蘭で特急乗り換えです。乗るのは、臨時特急北斗84号です。多客期の臨時列車で、3月のダイヤ改正で設定されて以降は多客期ごとに設定されており、事実上の「季節列車」状態です。なので列番は6000番台を名乗ってもいいんじゃないかな、なんて思っていたり。
4月に同じく毎度設定されている北斗88号に乗っているので、もう函館方面の多客臨は2度目です。キハ281には全然乗らない割に、臨時北斗には結構乗っています。変なの。
今回、この北斗84号があるおかげで、札幌から函館までかなりスムーズな乗り継ぎでたどり着くことができます。初日といい、臨時特急様々です。

しばらく待っていると、列車が時刻通りにホームに入線。車両は、キハ283系のモノクラス5両編成。キハ283は定期のスーパー北斗・スーパーとかちから撤退して余裕が出てきたので、すっかり臨時列車常連です。同じく列車を待っていたマダムたちが、「青いステキな列車が来るよ」なんて言って待っていて、「ステキ」なんて言ってもらってキハ283も果報者だなあ、と。でも奥様方、そいつなんですよあん時炎上したの。……こんなこと言うのは野暮ですかね。
今回は自由席利用。4号車に乗車しました。自由席ながら内装はグレードアップ指定席仕様。
臨時列車ながら、結構乗客が乗っていました。東室蘭からの乗客もそこそこあり、東室蘭を境に空席の増える函館行きにしては健闘している印象でした。
4月のころは定期・臨時列車ともにそこまで利用好調という感じはしていませんでしたが、秋口以降は定期列車の利用が伸びてきたように感じており、今回の北斗84号を見る限り臨時列車もなかなかの好成績の模様。最大14往復というフリークエンシーを武器に、北斗が羽ばたこうとしている、と見ては楽観的すぎるでしょうか。
東室蘭でしばらく停車の後、列車は低く唸りながら駅を駆けだします。そして、最初の曲線に差し掛かった時でした。
「ぅえっ」
胃に違和感を覚えます。微妙な揺れが、すきっ腹に応えます。これってもしかして……
ためしに、座席のドリンクホルダーにお茶をセットして観察。すると、キハ283は揺れやすい車両なので中のお茶が微妙に揺れ続けますが、水面の角度は全然動きません。カーブに差し掛かっても、微動だにしません。
「振り子だよなぁ、コレ」
臨時列車はおそらくキハ183系基本番台でも走れるスジとなっており、かなり緩いダイヤとなっています。なので振り子は使わないのではないか、と予想していましたが、どうやらキハ283系は臨時北斗でも振り子を使っているようです。
列車は緩いダイヤなのを存分に生かして、振り子や自己操舵台車を活用して、かなり長い時間惰性走行を続ける、実にエコな走りで函館を目指していました。最高速度が110km/hということもあり、かなり余裕を感じる走りで、キハ283系にしては揺れがかなり少ないのが印象に残りました。車両の端の方に乗っていたのに、です。
空腹なので振り子が少々辛いですが、振り子以外の揺れはかなり少ないので、非常に快適でした。以前キハ283のスーパー北斗に乗った時とは、全然印象が違います。同じ車両でも、状況が違うとこんなにイメージが変わるものなのか……。
列車は海・山の景色がよい室蘭本線を走っていきます。左を見れば「北の湘南」と称される内浦湾が広がり、右には有珠山・昭和新山などが見えます。
臨時列車なので車内放送は肉声ですが、観光客の多い洞爺駅の到着前には、英語・中国語の機械放送もかかりました。4月に北斗88号に乗った時とは違い、ちゃんとしたボリュームで流れていました。まあ中国語の方は全くリスニングできないんだけども。
礼文華の険しい地形や、そこから見下ろす草木や海も、風情があります。

八雲を過ぎてしばらくすると、室蘭本線からは小さくしか見えない駒ヶ岳が、いきなり間近に見えるようになります。海と駒ヶ岳の織り成す風景も、見どころ。札幌~函館間はやっぱり景色に飽きない素晴らしい区間です。
そんな臨時北斗の楽しい旅は、森でおしまい。森からは再び普通列車です。