「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)

3日目(平成28.10.10) part4/5「元町・ベイエリア散策」

元町公園周辺

元町エリアは、函館の中でも古くから栄えた地域で、明治期に建造された建物が多く、函館の歴史とロマンをよく感じられる地域です。

まずは、旧ロシア領事館を目指すべく移動。まあ中には入れないんですが、せっかくどつく前まで乗って来たので、近くの歴史的建造物を見ておこうと。

市電で来た道を少しだけ戻って、その後山の方に進路を変えます。

「幸坂」と呼ばれる坂をひたすら登ります。函館山の麓の坂道にはそれぞれ名前が付いています。で、ひたすら山方向に向かって直線の道となっています。そのため、勾配がとんでもないことになっています。なんでそうなったか、という話を以前「ブラタモリ」でやってまして、非常に面白い内容でした。興味ある方は自分で調べてみてね。

ヒイコラ言いながら登っていくと、その先にはさらに上り坂。スタミナはまあまあ自信があるんですが、さすがに心臓破りの坂をずーっと上るのは骨です。

そして、海がすぐそこなので、風が吹き込んできます。強風ではありませんが、そこそこ煽られます。

しかし、すこぶる天気が良く、道南の沿岸とあって、この年の10月にしては暖かく、過ごしやすかったです。ここで上着を脱いでいます。


さらに坂を上っていくと、旧ロシア領事館前に到着です。現代日本の建築とは大きく異なる見た目は、いかにも函館という感じ。

以前は中に入れたようですが、まあ仕方ありません。今後何らかの形で活用できればいいのですが、いかんせんこの急坂の上だからなあ……。

……建築の知識がからっきしなんでコメントが膨らまなくて申し訳ないです。とにかく、素人のボクは建物とその周辺の雰囲気だけ楽しんでいました。もっとも、函館湾を見下ろせるのはいいんですが、すぐ近くに霊園があるもんでねえ……。

ひとしきり眺めたところで、少し坂を下って、右折。元町公園を目指します。

通りは道路工事中で、一部が石張りになっていました。景観を演出するため、工事をして石張りの道にするということでしょうかね。

細い道をしばし歩くと、元町公園に到着。付近には、様々なワンダー(ワンダー言うな、せめて文化遺産と言え)が建っており、北海道有数の文化力の産地となっています。

元町公園では、景色を眺めつつ少しだけ休憩をとりました。天気もよく、函館湾や遠くの山々をクリアーに眺めることができました。すがすがしい天気の中、函館の独特の地形と、それが織りなす情景を楽しみます。

付近には観光客も多く、ボクと同じように景色を眺めたり、写真を撮ったりしていました。

旧函館区公会堂と旧相馬邸

休憩後、すぐ近くの旧函館区公会堂を訪問しました。

しかし、入館に手間取る。というのは、付近には自撮り棒をかざす観光客が多く、うかつに近づけなかったためです。アジア(含む日本)の旅行客に人気のアイテムですが、身体とプライバシーに危害を加えるおそれがあるため、非常に危険といえます。また駅での使用は感電による鉄道の安定運行の阻害にもつながります。早く法規制がほしいですが……。

金棒持ちの鬼が去ったところで入館。館内は洋風のデザインや調度品が目立ちます。

かつての函館の姿や、函館の出来事に関する展示が充実しており、函館のロマンあふれる歴史を垣間見ることができました。

鉄道関連だと、洞爺丸の沈没に関する資料がありました。1000人以上が犠牲になった世界最大クラスの海難事故にあたって、その発生地であった函館ではいろいろ動きがありました。その一部始終を知ることができ、ためになりました。

大広間からはバルコニーに出ることができます。公園から見るよりも高い視点から、函館の景色を楽しむことができます。心地よい風を肌に受けながら……といいたいですが、もう10月なので3時過ぎると風が冷たくなってきます。

1階の「ハイカラ衣装館」では、明治華族風(?)の衣装を着ることができるサービス(むろん有料)がありますが、ぼかぁ華族なんてガラじゃないですし、そもそも今回の旅は時間と予算がカツカツなので、スルー。他の観光客は入っていましたが。

また、のちの昭和天皇である摂政宮殿下が函館にお出ましになった際においでになった建物でもあるため、その時にどんな風に使用されたかの説明書きが目立ったのも特徴です。そうした行幸・行啓の記録のある建物は、たいていがそうですが。


続いて、同じく元町公園の周囲にある旧相馬邸の見学に移ります。ちょうど他のお客さんにガイドさんが付いていたので、それに付いていくことに。こういう建物を見学する時はよく使う手口です。

この建物にかつて住んでいた初代相馬哲平は、函館でかつて巨万の富をあげた豪商で、その慧眼と腕前で当時の長者番付にも名を連ねた人物です。

相馬が建設費の大半を寄付した旧函館区公会堂とは、建物の造形に似ている点が多いのが特徴。一方で和風の佇まいをも持ち、和洋折衷を体現した建物でもあります。

そこかしこに工夫を凝らしたデザインが見られ、公会堂との差異を探すのも面白いです。……といってもこんなこと、ガイドさんの話聞きながらじゃないとムリですがね。こういう建物でガイドさんがいる場合は、話聞きながら回った方が面白いですな。

土蔵には、かつての函館、そして蝦夷地・北海道の模様を今に伝える資料が展示されていました。土蔵がしっかりとした造りとなっているため、「奇跡的に」これら資料は現在まで残ることができたのです。

さらに屋根裏には、かつて函館で起こった「ある出来事」の片鱗を伺うことができたのです。それが、先ほど触れた、直線・急勾配の坂の話につながるのです。興味が出たら図書館へGO.

入館料は個人の大人だと800円かかり、結構サイフに響きますが、建物内を見て回ればじゅうぶん楽しく、勉強にもなりますし、何よりこの建物が保存公開されるようになった経緯を知れば金額に納得できます。

「はじまりの地」にて

他にも入ってみたい建物や博物館などがありましたが、ちょいと時間が足りません。展示に夢中になって、列車の時間を過ぎてしまうと、特急に長く乗らなければならず、金銭的に大変なことになってしまいます。時間というよりは予算の関係で、諦めなければならないものがあります。

そうは言ってもまだ時間があるので、地図で見つけた「北海道第一歩の地」へと足を運んでみます。

時刻は4時前。少しずつですが空が暗くなってきて、いよいよ夕方という感じ。もう上着なしでは過ごせない寒さになってきました。

海の方に歩いて行って、海上自衛隊の敷地の横を通って海際へ。

「北海道第一歩の地」とは誰にとっての「第一歩」かというと、北海道を訪れる、移住者や旅人など、さまざまな用事や思いを持って北海道に渡ってきた、たくさんの人です。

すなわち、この地はかつて連絡船が使用していた桟橋の場所なんです。その後連絡船の乗降口は移設され、現在はレンガ倉庫に近い海沿いのビューポイントとして親しまれているようです。

言ってみれば、かつての北海道旅の「はじまりの地」。函館駅、新函館北斗駅、函館空港など、「玄関口」といえる場所はあちこちにありますが、函館湾を広く見渡す景観を誇る「第一歩の地」は、中でもとりわけ情感あふれる「玄関」と言えるでしょう。


いい場所には、いい店が集まります。向かいにあるカフェーに地元の方と思われる車が何台か来ているのを見つけ、「当たりの予感」と行ってみました。

立ち寄ったのは、「GINJY's」さんというお店です。諸般の都合でテイクアウトのみのサービスとなっていましたが、景色のいいところなのでオーケーということで。

ミニクレープに惹かれ、購入。100円という安値ながら、メニュー表の中で輝きを発していました。あと、寒くなってきたので、コーシー(200円)一杯。函館産イカ入りのお好み焼きというのにも惹かれましたが、甘いものが食べたかったので、今回はクレープにしました。

さてお味は……の前に、海がとにかく近いもので風が吹き付ける。コーヒーにシロップ入れたらその殻が飛んでいくし、ストロー出したらその殻が飛んでいくし……。

風と格闘しつつ、今度こそクレープのお味を堪能。100円でいいのかなあコレ、というお味でした。チョコバナナのちょうどいい、そしてハイブリッドな甘さが疲れを癒し、またその甘さがクレープとも好相性。こんなんおいしいに決まってるじゃないですか。


と、甘味を楽しんでいると、函館湾に虹がかかりました。

前日の朝にはうらめしかった虹が、今こうして3日間の旅(散歩)の終わりを飾るように、明治ロマンの街・函館を彩っていました。

「第一歩の地」から見る、夕方の虹。ステキやん。

虹は空というよりは、函館湾に落ちるように懸かっていました。根元に触れそうな虹ですが、ボクは虹の根元ではないものを追いかけていたいです。

1日目「沙流川を遡った先に ~The blessing of an abundant river~」

  1. 1.日高線+バスで平取へ
  2. 2.二風谷①
  3. 3.二風谷②
  4. 4.日高町→占冠→札幌

2日目「新たな『道』を拓く ~Beyond the mountain pass~」

  1. 1.三浦綾子記念文学館
  2. 2.快速なよろとレンタカー
  3. 3.エコールなかがわ

3日目「はこだて今昔 ~In the beginning was the letter "H"~」

  1. 1.北斗84号
  2. 2.はこだてライナー
  3. 3.カリベビとハイカラ號
  4. 4.元町・ベイエリア散策
  5. 5.撤収&3日間の総括

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