「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

……ゲニウス(北)がお送りする、北海道を中心とした旅行・鉄道情報サイトです。

  1. トップページ >
  2. 乗り鉄な旅行記 >
  3. 「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン >
  4. 快速なよろとレンタカー

「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)

2日目(平成28.10.9) part2/3「快速なよろとレンタカー」

快速なよろ1号

徒歩で旭川駅に戻り、移動を再開。さらに北を目指します。

出発の前に、お昼を調達です。駅弁屋を覗くと「ふらのとんとろ丼」などが出ていましたが、経費の問題もあり、何を食べようか迷っていると、とんとろ丼があっさりと売り切れてしまいました。これで他の選択肢はなくなったので、セイコーマートへ。ホットシェフのチキン南蛮重などをゲットして、昼食の用意はオーケー。

駅に戻ると、この後乗車する列車の改札が始まっていました(まあ自動改札なんでいつでも入れるけども)。宗谷本線の快速なよろ1号に乗車します。

愛称・号数付きの快速とは言え、キハ40形700番台の単行。旭川から名寄まで、特急の約1.5倍の時間がかかります。それでも、旭川~名士地区間の都市間輸送を担っていることに変わりはありません。

ボクって、なんかこういう短編成の都市間快速に萌えを感じるんですよ。「きたみ」とか「はまゆり」とか「みえ」とか……。

さて、発車前の快速なよろには15人程度の乗客がいました。都市間列車としては非常に心許ない数字です。ここに、同じホームに入線した特急スーパーカムイ11号からの乗り継ぎ客若干名が加わります。

スーパーカムイの遅れを引き継ぐ形で、列車は旭川を3分ほど遅れて発車。発車ベルが鳴ることにすさまじい違和感を感じつつ、いざ宗谷本線へ。


原型そのままのDMF15形エンジンを積んだキハ40の単行は、実に重たい走りで最初の停車駅・永山を目指します。

先ほどの旭川行きもキハ40形700番台の2両編成だったので、もう700番台(キハ40 789を除く)のヒドイ加速力にはうんざりしてきます。ただ、さっきは2両、今度は単行なので、変速機が1個で済むぶん、さっきよりは少しはマシです。

今回乗った快速なよろは、特急ほどではないにせよ停車駅が絞られています。そもそも宗谷本線の普通列車は客の少ない駅を飛ばしまくりますが、快速なよろは特に停車駅が少ない列車です。ただスピードはなく、高速化された宗谷南線ながら最高速度は95km/h、速度種別も通気F8(なよろ1号の場合。他の列車は未調査)。

まあ、考えようによっては、じっくりとキハ40系の走りを感じながら、車内でゆったりできる、といったところでしょうか。そんなわけでのんびりご飯。

メインは先述の通りセコマのホットシェフ。デザートに、旭川駅のキヨスクで売っていた、村上菓子舗の「白あん大福」。消費期限が迫っていたので、定価259円のところ130円というお値打ち価格で購入しました。消費期限が近いながら、そこまで固くもなく、あまみを堪能できるひと品。

食事をとっているうちに、列車は永山を過ぎて、旭川市から出ました。

天候が時折悪化し、雨が降り注ぎます。ただ暗くはなく、田園地帯の景色をゆっくり楽しめました。

件の塩狩峠に差し掛かり、列車は必死で上り勾配をゆきます。車両がキハ40形なので、万が一のことがあった場合、小説と同様、誰かが手ブレーキを回さなければなりません。まあそんなことは気配もなく、列車は鈍足ながら頼もしく走っていました。そりゃそうか。

峠を越えると和寒。町の中心駅ですが目立った乗降は無し。

和寒以降、キハ40形の快走が始まりました。次の停車駅である剣淵との間で90km/hをマークしたと思えば、その先の剣淵~士別間・士別~風連間の最高速度は車両の限界に近い93km/hに達し、まさに「面目躍如」の走りを見せてくれました。これくらい走ってくれると、ようやく「快速」らしさが出てきます。

和寒~名寄間の所要時間は37分と、同じ下りの特急サロベツと6分しか違いません。停車駅が2つ多いことと、速度種別がメチャンコ低いことを考えると、かなり頑張っています。まあさすがにスーパー宗谷には水をあけられていますが。

士別では10名程度が下車。ただ、和寒~士別間での乗客もあり、車内にはまだ何とか賑わいがあります。旭川と士別・名寄の間を乗り通す乗客が多く、また和寒以降の乗客もいるので、都市間列車としては一応「死んではいない」感じです。

そして12時55分ころ、列車は終点の名寄に到着。


快速なよろ1号データ①

列車番号最高速度速度種別現車車両
3321D95km/h停気F81両キハ40形700番台(キハ40 827)

快速なよろ1号データ②

駅名乗車(名)降車(名)合計(名)
旭川17(+1)-17(+1)
永山1117(+1)
比布0017(+1)
和寒3020(+1)
剣淵3122(+1)
士別2915(+1)
風連0312(+1)
名寄-12(+1)-

※かっこ内は小人。また、自分は数に入れていません。

レール&レンタカー

さて名寄では、さらに北に向かうべく乗り換えです。

……と言っても、列車じゃありません。仮に列車で行くとしたらここで1時間半待ちとなり、時間がなくなります。というかそもそも列車本数の極端に少ない宗谷北線で鈍行日帰りなんて無謀すぎます。

ここからはJRではなく、皆さんの大好きな乗り物を使います。さて何でしょう。

「……バスか!?」

残念、バスでもありません。というか北に行くバスがありません。

ということは……

「あ、違う! レンタカー!!」

大正解! ということで、駅から徒歩数分のトヨタレンタリース旭川 名寄店へ。

人影の少ない街を歩いて、店舗へ。事前に旅行会社が出していた早割のプランで予約していたので、店の前にはすでに車がスタンバイしていました。あとは必要な手続きを済ませて、車に乗り込みます。

車はトヨタの主力のひとつ、ヴィッツです。郊外を走るので、ハイブリッド車だとかえって良くありません。で、軽自動車だとちょっとパワー不足が怖い。かといって、ボク一人なので大型の車は不要。コンパクトカーが妥当でしょう。


さて、この旅行記の最初にチラッと書いた通り、今回の旅(散歩)は「実験企画」でもありました。

実験の一つとして、ボクが頭の中で描いていた「レール&レンタカー最強説」を検証するため、実際にJRとレンタカーを併用するという行程を組んだのです。

北海道を旅行する際、JRとレンタカーを併用する層が一定数いるようで、JRもこうした利用を考えて「レール&レンタカーきっぷ」を発売し、JRと駅レンタカー双方の集客を図っています。こうした鉄道と自動車の併用は、観光をするときに大きな力を発揮するのではないか、とボクは考えています。

その根拠は以下の通り。

  • 幹線では高速輸送が得意で渋滞知らずの鉄道を、線路のない地域や鉄道の弱いエリアでは小回りが利きローカル線普通列車より速いこともある自動車を使うことで、主要駅から観光地まで超高速で移動できる。
  • 一部鉄道を使うことで、車を運転する時間が減るほか、特急に乗ればグレードの高い(地域差あり)座席でゆったり過ごせるため、体力に余裕ができる。
  • 鉄道に乗っている時間を有効活用できるため、忙しい時でも問題ない。
  • 車を運転する距離が少ないので、ドライバー要員は少なくて良い。
  • 鉄道を利用する区間では、ドライバーが必要ないため、メンバー全員が車窓を楽しむことができる。
  • 乗り換え回数を少なくできるほか、自動車のトランクも活用できるので、大荷物でも快適に移動できる。よって荷物の送料を節約できる。
  • マイカーとは違うタイプの車も借りられるので、たとえば都市部に住んでいる場合に「普段は軽自動車、旅行時はワゴン」といった使い分けが可能になり、ガソリン代・自動車税などを最適化できる。
  • 自動車を長距離移動で使わないことで、時間的効用を高めつつ石油の使用量や環境負荷を抑えることができる。

ただ、この方法は「交通費が二重にかかる」という弱点があり、「レール&レンタカーきっぷ」を使ってもその圧縮には限界があります。また、鉄道+観光バスという組み合わせも有効なので、「最強」ではないかもしれません。

というわけで、実際にやってみて、利点や問題点を掘り起こしてみよう、というワケなんです。


もう一つ、ここでおことわりです。この先では「車の前面展望」を写した画像を掲載していますが、これは無論ハンドルから手を離して撮ったものではなく、ビデオカメラを固定して、動画を撮って、そこから画像を切り出したものを使っています。

カメラは、吸盤式のカメラスタンドを使ってフロントガラスの上端に固定しています。ガラスの上から20%の範囲に取り付けるぶんには、法律上はセーフっぽいです。

カメラの取り付けを行って、いざ出発。北を目指します。

チキン、国道40号を往く

まずは名寄の市街を抜けて、名寄美深道路と呼ばれるバイパス道路に入ります。

最高速度は80km/h。しかし、時折雨が叩きつけるように降り、路面が濡れてしまいます。気のせいか若干車体が動揺した気がしたので、速度は抑え気味に。借り物の車ですし、無茶はできません。チキン乙。

途中から車体の動揺を感じなくなったので、最高速度まで加速。前の車も速度制限を守っていたので、それに付いて走行。

そのまま高規格道路の終点まで走り、国道40号(下道)と合流したら右折し、音威子府方面へ走ります。


その後も、濡れた路面にビビリ、オービスにビビリ、とチキン丸出しの走りを露呈。後ろの車にヘイトをばら撒き、そしてガンガン抜かれます。

とまあ、ヒドイ走りっぷりですが、当の本人は実に楽しく運転していました。

普段は軽自動車しか乗っていないもので、乗車人数2人以上、あるいは荷物が重い時、また冬などでエンジンが温まっていない時は、まるで国鉄キハ03形を運転しているかのような鈍重な加速と勾配への弱さにイライラします。しかし、コンパクトカーといえど今乗っているヴィッツのエンジンは軽自動車のそれとは格が違います。アクセルを踏むと、ちゃんと車が呼応してくれます。気分的にはキハ261系でも運転している感じでした。

音威子府を過ぎ、右手に天塩川を望む雄大な景色の中――といっても景色なんて見ている余裕はない――を、さらに進んでいきます。

ここから中川の佐久エリアまではほとんど人家もない区間となりますが、途中にはドライバーのために駐車場があります。お店どころかトイレもなく、本当にただ車を停めるだけのスペースです。

走りっぱなしはキツイので、そうしたエリアで2回ほど休憩をとって、英気を養って再出発です。ただでさえ若干の寝不足、それに疲れがきたらおしまいです。


ただただ山と川の間を走るばかりでしたが、ようやく景色が開けてきます。JR佐久駅にほど近い、中川町の佐久地区です。

この地区にある、中川町エコミュージアムセンター「エコールなかがわ」に車を停めます。この施設を訪問するのが、この日最大の目的です。

1日目「沙流川を遡った先に ~The blessing of an abundant river~」

  1. 1.日高線+バスで平取へ
  2. 2.二風谷①
  3. 3.二風谷②
  4. 4.日高町→占冠→札幌

2日目「新たな『道』を拓く ~Beyond the mountain pass~」

  1. 1.三浦綾子記念文学館
  2. 2.快速なよろとレンタカー
  3. 3.エコールなかがわ

3日目「はこだて今昔 ~In the beginning was the letter "H"~」

  1. 1.北斗84号
  2. 2.はこだてライナー
  3. 3.カリベビとハイカラ號
  4. 4.元町・ベイエリア散策
  5. 5.撤収&3日間の総括

「乗り鉄な旅行記」のトップに戻る

当サイトトップページに戻る