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「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)
はじめに
大学4年の初秋。なんとか翌年以降も食いつないでいける見通しが立ち、少し状況に余裕が出てきた時期でした。
翌年以降は、身の周りがどうなるか、まだわからない状態。旅行に行く時間がどれだけ取れるものか……。
そんな中、「今のうちに行きたいところに行ってしまったらどうだろうか」という考えがめぐるようになりました。道内には、ボクが行ってみたいところがあちこちに点在していました。
しかし一方で、資金には余裕があるとはいえず、卒業時に大型旅行を計画していることもあり、仮に旅立つとしても予算は抑えたい状況でした。
そこに舞い込んできたのが、毎年恒例のJRグループ「秋の乗り放題パス」の発売の情報です。
「点在する目的地」「フリーきっぷ」「予算不足」。シナプスが繋がりました。
「そうだ、アレをやればいいんじゃないか。」
……というわけで、ニコニコ動画の某旅行動画同様、3日連続日帰り旅行をし、3日それぞれ違う目的地を目指すこととしたのです。こうすれば、分散した目的地を網羅でき、宿代を節約することができます。宿泊代を全く出さないという後ろめたさはありますが、今後泊まりの旅行を積極的にすることで後で帳尻を合わせればいいや、と割り切ることにしました。
初日は日高、2日目は天塩、そして3日目は函館。3連休を活用した旅程を組み、今までの旅行とは違う実験的な要素も加えました。というか「連続日帰り」自体が実験企画です。
「旅に出れば、見えないものが見えてくる」。きっぷのキャッチフレーズ(微妙に違うかも)の通り、知らなかったことを知りたい、見たことがないものを見たい、新しいことを実験したい、そういう思いを大事にして計画を練りました(いつものことだけど)。……その結果、博物館ばっかりになりましたが、「文化の秋」ということでちょうどいい、ということにしました。
それでは、秋のドタバタ珍道中(?)、お読みください。
1日目(平成28.10.8) part1/4「日高線+バスで平取へ」
本日の行程
移動手段 | 乗車(移動開始) | 出発時刻 | 下車(到着地点) | 到着時刻 | 車両 |
---|---|---|---|---|---|
快速エアポート62号 | 白石 | 6:37 | 恵庭 | 6:56 | クハ721-4103(6両編成・1号車) |
千歳線普通2726D | 恵庭 | 7:02 | 苫小牧 | 7:44 | キハ143-101(2両編成・2両目) |
日高本線普通2225D | 苫小牧 | 7:58 | 鵡川 | 8:27 | キハ40 358(2両編成・1両目) |
日高本線2225D代行バス | 鵡川 | 8:35 | 富川 | 9:05 | 日野・セレガ(酒井観光バス) |
道南バス | 富川駅前 | 9:23 | 資料館前 | 9:54 | - |
道南バス 特急ひだか号 | 資料館前 | 16:10 | 日高ターミナル | 17:05 | - |
日高町営バス占冠線11便 | 日高総合支所 | 18:15(時変) | 占冠駅前 | 18:40(時変) | トヨタ・ハイエース |
石勝線臨時特急9010D | 占冠 | 18:51 | 新夕張 | 19:13 | キハ260-1106(6両編成・2号車) |
石勝線普通2634D | 新夕張 | 19:52 | 追分 | 20:22 | キハ40 1780(単行) |
室蘭本線普通1475D | 追分 | 20:25 | 岩見沢 | 21:11 | キハ40 1784(2両編成・1両目) |
函館本線普通272M | 岩見沢 | 21:46 | 白石 | 22:21 | クハ721-3016(3両編成・3両目) |
出発
10月8日、午前6時25分、JR函館本線・白石駅。日帰り3連チャン、一本目のはじまりです。
初日の目的地は、平取。JRとその代行バス、さらに路線バスを乗り継ぎ、日高路を行きます。
まずは、札幌エリアではおなじみの快速エアポートに乗ります。
列車の5分前に改札が始まったのを確認して、秋の乗り放題パスを有人改札で提示して、5番線へ。
江別方面からの乗り換え客に混じって、エスカレーターを降りてホームに降ります。乗り換え客は結構いて、朝夜にエアポートを白石に停める意義がしっかりあることがわかります。
6時37分、定刻にエアポート62号が入ってきました。車両は721系4000番台。JR北海道では唯一となったGTO-VVVFのサウンドがイカス編成です。
先頭車両に乗車。札幌駅で西口から入って後ろの方の車両に乗る人が多いからか、1号車の車内はまだ空席があり、通路側ですが座ることができました。
列車は颯爽と石狩平野を駆け抜け、停車する各駅で多くの乗客を乗せていきます。新札幌からは1号車でも立ち客が発生しました。北広島では緩急接続がないためか大きな動きはありません。
恵庭で降りて、島松で抜かした普通列車に乗り換えです。これもおなじみ、キハ143形運用の東室蘭行き(2726D)です。
席は少しあいていましたが、なんとなくロングシート部に座りました。
いつもはこの列車の車内で食事してるのですが、この日は自宅で朝を食べてきたので、代わりに車内を観察。各駅で細かく乗客を拾っていくのがわかります。千歳では結構な入れ替わりがあり、南千歳では特急乗り換え客とおぼしき方々が降車。
翌年3月に廃止となる美々は通過し、植苗・沼ノ端で学生など数名を乗せ、苫小牧へ。
苫小牧にもいつも通りな感じで到着……と思ったら。
ここで、何と車内放送で「アルプスの牧場」のオルゴールが流れました!
キハ143にアルプスのオルゴールが積んであるのは聞いていましたが、実際に鳴らしたのを聴いたのは初めてです。普通列車で鳴るのは釧路支社管内以外では聴いたことがなく、びっくりしました。
そういえば、キハ143は元客車なのに、きっちりアルプスの牧場なんですね。わざわざ当初載っかってたハイケンスのセレナーデのオルゴールを降ろして、キハ56あたりの廃車発生品でも載っけたんでしょうか。あるいは、ノロッコのオルゴールがアルプスの牧場なのを考えると、はじめからアルプスの牧場のオルゴールだった可能性も……? いかんせん手元に情報がないんでわかりませぬ。
ともあれ、それ以外は至ってフツーに苫小牧着。
苫小牧では、日高本線に乗り換えです。合間に、駅前の道南バス案内所にある自動販売機で、後で使うバスカードを購入。この手のカードでは標準的な、1000円購入につき100円のプレミアムが付きます。
出発時の札幌は小雨でしたが、苫小牧は雨が降っていませんでした。何とかこのままもってほしいですが……
駅に戻って、鵡川行きに乗ります。2両編成ですが、乗客はたかだか10人程度。ものの見事に空気輸送です。
勇払~浜厚真間では、遠くに海を見渡す広々とした原野を望みます。何度も乗っているうえに、ニコニコ動画でも散々見ている区間ではありますが、好きな部類に入る景色なので、のんびり眺めていました。
30分弱の間キハ40に揺られ、鵡川に到着。ここからが本番といったところです。
日高路バス旅のはじまり
鵡川では、この日早くも3度目の乗り換えです。静内行きの列車代行バスに乗車。酒井観光バスの車両が待っていました。
日高本線の代行バスは、前年の旅行で西様似から鵡川まで乗車したほか、所用で鵡川~富川を1往復しているので、これが5乗車目となります。結構乗ってるなぁ。
乗客はボクを除いて6名。ジャンボタクシーでも余裕で足りる人数です。キハ40系1両どころか、観光バス仕様の車両でも、完全に輸送力過多。
まあさておき、鵡川を定時に出発。国道を南東方面に走ります。
途中で脇道にそれて、汐見駅に寄ります。あくまで列車の代行なので、遠回りになっても、誰も乗り降りしなくても、汐見で客扱いしなければなりません。
長い道のりを1往復して、国道に戻ります。少しだるくなってきた頃に、バスは富川の市街に入っていきました。
そうして9時すぎ、定刻より少し早めに富川駅前に着きました。バスは定刻の9時5分を待って発車していきました。
バス停から駅舎までは徒歩30秒。駅舎で少し時間待ちをした後、バス停に戻りました。
代行バスのバス停と同じところに、道南バスの平取方面行きのバス停があり、そこで振内行きのバスを待ちます。
信号にでも引っ掛かったのか、バスは若干遅れて入ってきました。
車内は見事にがらんどう。一人くらい乗ってるかと思いきや、完全なる空気輸送でした。富川の市街地にあるバス停からも一切の乗車がなく、平取までの一人旅がほぼ確定……
沙流川のほとりを往く
富川から平取へは、国道237号を道なりに走ります。地域を代表する河川のひとつである沙流川を左に見つつ、バスは北東へ。
日高の内陸へは、かつて国鉄富内線が通っていました(もちろん特定地方交通線に選ばれ廃止)が、このルートは富内線とは重なりません。富内線は鵡川から分岐して、穂別を通って日高町(右左府)に向かっていました。今回は無視して国道237号を素直にたどります。
実は、その国道ルートにも、かつて沙流軌道という私鉄路線があったようです(知らんかった)。平取の木材を搬出していたようですが、昭和36年に廃止されているとのこと。
……まあ、廃線とか今回は一切気にせず、普通に観光するんだけどね。
さ、さて、バスは順調に空気を運んでいきます。道中、紫雲古津・去場など、「いかにもアイヌ」って感じの地名が続きます。
日高らしく、牛か馬を飼育している牧場が点在しているほか、ビニールハウスも目を惹きます。平取はトマト「ニシパの恋人」が名産なので、ハウスでは主にトマトを作っているのかと。
平取の本町エリアでも、全く乗客なし。運転手さんが待合所に乗客がいないか見に行っても、やっぱり乗客ゼロ。分かってましたとも、ええ……
というわけで、バスはほぼ無人のまま本町を抜けました、この先は、超・人口希薄エリア……という印象だったのですが、小さいながらも集落がいくつかあり、過疎地域ではあっても「超」までは付かない感じという印象。が、乗客なし。
ほどなく、今回の第一目的地が近づき、バス停にもその地名が出てきます。最初の目的地は、「二風谷」です。
1日目「沙流川を遡った先に ~The blessing of an abundant river~」
- 1.日高線+バスで平取へ
- 2.二風谷①
- 3.二風谷②
- 4.日高町→占冠→札幌