「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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初めてのノースレインボー&小幌再訪・春の陣(平成28年4月30日)

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去る平成27年9月。

ボクは、廃止報道があった小幌駅を、ただ「行く」ことだけを目的として訪れました。

「小幌に降りずして、北海道の乗り鉄が務まるか」……そんな思いが、ボクを半ば反射的に動かしました。

ただ行っただけ。ほぼ何もせず、駅近くをウロウロして終わり。

そこから得られたのは、疲労と残尿感だけ。楽しいどころか、「自分の旅のポリシーに反することをやった」ということで、自分自身への怒りすら生まれました。

そんな時、「小幌が期限付きながら存続」との報せを聞きました。

なら、もう一度行こう。今度は、時間をとって、しっかり味わおう、と。

こうして、小幌再訪が決まりました。

時期は、草が生い茂る前の4月末。折しも、新幹線開業やら大型連休やらで北斗系統にリゾート編成を使った臨時特急が出ていることだし、それも組み込もう。

こんな感じで、スパッと計画がまとまりました。

そして、春薫る平成28年4月……じゃなくてこの日の札幌はやたら寒くてあられも降ったんでそんなんじゃないけど何にせよ4月、ボクは再び、礼文華に足を踏み入れました。

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本日の行程

移動手段乗車(移動開始)出発時刻下車(到着地点)到着時刻車両
特急北斗88号札幌9:53伊達紋別11:41キハ183-5202(5両編成、1号車)
室蘭本線普通478D伊達紋別14:29小幌15:13キハ150-101(単行)
室蘭本線普通480D小幌17:39長万部17:56キハ40 359(単行)
室蘭本線普通487D長万部19:28東室蘭21:05キハ40 359(単行)
特急スーパー北斗21号東室蘭21:10南千歳22:03キハ280-101(7両編成、6号車)
快速エアポート221号南千歳22:08白石22:39クハ733-3202(6両編成、6号車)

北の空に懸かる虹

4月30日午前9時半、JR札幌駅。

時折雨やあられが降る中、短い旅に出ます。

第一走者は、臨時特急北斗88号、函館行き。先述の通り、新幹線+GWで客が増えるので、北斗を増発する形で設定された列車です。

使用車両は、キハ183系ノースレインボー編成。JR北海道最強のリゾート編成です。これに乗るのが、今回の大きな目的の一つでした。

そして、獲った座席は――
1号車、
1番C席。

そう、列車の最前列、広々とした前面展望を存分に楽しめる、いわば「さじき席」です。

北海道の乗り鉄として、2427D(3月改正で2429Dから改称)と並んでど~~うしても乗りたかったのが、このノースレインボーの最前列。このために特急券を1ヶ月前に購入しておきました。この日、夢がまたひとつ叶いました。

きっぷ繋がりで、ついでに今回使うきっぷのご紹介。まず今乗る特急は、新発売の「乗車券往復割引きっぷ」プラス特急券。普通列車は、いつもの一日散歩きっぷです。

9時45分ころ、6番線にゆっくりと車両が入ってきました。撮影もそこそこに、早速車内へ。

座席は座り心地もよく、リクライニングも上々。そして、イメージより広々としている前面の窓。この編成は全車ハイデッカーということもあって、さらに見晴らしがいいです。前年に乗ったニセコエクスプレス編成とは、明らかに格が違いました。

乗客は臨時列車とあって多くはなく、乗車率はせいぜい半分そこそこ。ですが、リゾート編成とあって、乗客たちは心なしか、家族連れもグループも、列車の旅を楽しみにしているような表情をしていました。

いつもと違った千歳線

写真や動画を撮ったり、車内を見回したりしているうちに、発車時間に。列車は定刻どおり、9時53分に札幌を発車。

まずはボクにとって生活路線でもある千歳線を走っていきます。

しかし、いつもは近郊型の電車の側窓から景色を見ているところ、今回はハイデッカー車両から前面展望。

札幌発車直後の高架。白石駅。新札幌カーブ。西の里信号場。石狩平野を見渡す景色。すべてが、普段と違って見えました。

やっぱり、ノースレインボーに乗る価値は大きい。そう確信した次第です。

といった感じで車窓を楽しみつつ、せっかくの特急なので飲み食いも少々。

といっても車内販売はありません。臨時列車ですからね。

食べるのは、事前に買っておいた札幌の(?)甘味です。いっつもこのコーナーでは旅先の食べ物ばかり取り上げるので(そらそうよ)、たまに趣向を変えて地元のものを紹介ってワケ。

まず、JR白石駅のキヨスクで買った、白石区の名物(?)「ホワイトブリックストーン」。かつて白石がレンガの産地だったということで、レンガっぽい見た目の洋菓子です。なかなかおいしいので、皆さんも白い恋人に飽きたら食べてみてはいかがでしょうか。

次いで、北海道が誇るセイコーマートのティラミス。豊富町の牛乳を活かした上品な甘さがウリ。一番気に入ってるのは、値段です。

飲み物には、同じくセコマの「砂糖を使っていないカフェオレ」。砂糖不使用でも、牛乳が良いから、まろやかでおいしい。一番気に入ってるのは、値段です。

あ、ちなみに朝食は自宅で摂ってます。出発時間が遅いんでね。

さて、列車の話に戻します。この列車の速度種別は、「特通気C8」。砂原まわりとはいえ、函館まで4時間7分。ハイパワーなノースレインボーにしては、ずいぶんのんびりとしたダイヤです。

加えて千歳線内では、列車の運行間隔のこともあります。列車はゆーっくりと南を目指していました。

乗客は新札幌・南千歳で増えましたが、ボクら最前列に座る人たちとの間には、距離があるような気がしました。ボクらの後ろの空席は、まるでオタクと一般人を仕切る空間のようにすら感ぜられました。

快走? ノースレインボー

南千歳を過ぎると、列車の速度も上がります。苫小牧発車後は、日本一長い直線区間上であることもあって、速度は120km/hまで上がりました。ただし加速後はEBを何回も鳴らす長時間惰性走行。速度種別C8にしては飛ばしていると思いますが、やや緩いダイヤであることは変わりません。

さて天気は、札幌を出たあたりではまだ時々雨かあられかわかりませんが降っていましたが、苫小牧を過ぎるとだいぶマシになってきました。

右手に今後の動向が気になる樽前山、左手には太平洋。乗っていて飽きがこない、グレートな景色。それが海線です。

白老あたりに差し掛かったところで、一旦座席を離れ、車内探索に。

車内には、風景画が飾られるなど、内装にもそこそこ力が入っています。増発列車ですからあまりリゾート特急という感じはしませんが、やっぱりリゾート用の車両なんだなあ、と。

3号車へ。3号車はエンジンがないぶん客室(上)とロビー(下)の2階建てになっています。

というわけで、ちょっとロビーのソファに座ります。落ち着いた色合いと、センスのある装飾がGood. 座り心地も、やっぱり上々。

ロビー付近にはカウンターがあり、「オホーツクの風」なんかで運行される時はそこで車内販売をやっているのでしょうが、この日はカーテンが閉まっていました。

さて自分の席に戻って、引き続き前面展望を楽しみます。

登別到着前は、肉声の日本語放送に加えて、英語と中国語の自動放送も。外国人旅行客が急増しているので、鉄道界もどんどんインターナショナルになっていきますね。ただ、蚊の鳴くようなボリュームだったので、聞き取れませんでした。たぶんマイクを通じてアナログに流してるんだと思いますが、それにしたってもうちょい音量上げんさいよ……。

さておき、列車は登別を過ぎ、東室蘭を過ぎ、いよいよ「北の湘南」へ。

北の湘南

東室蘭で、運転士が交代。気分も新たに、再び出発です。

ここから、ビューポイントが続きます。ノースレインボーの前面展望は、ここからが本番といったところ。

まず本輪西を通過すると、見えてくるのは白鳥大橋。

次いで、黄金では海と山のハーモニー。

稀府あたりで右を見ると、ハッキリ見える昭和新山。

そして、北舟岡の海。

普段はこの中で北舟岡が好きなんですが、今回は前面展望で一番きれいに見えた黄金の景色に軍配。

内浦湾は、前日からこの日にかけて北海道を襲った低気圧のせいで荒れることが懸念されましたが、割と穏やかでひと安心。

だんだん晴れ間が増えてきて、陽の光に海の波が輝いてきます。これぞ、「北の湘南」。

北舟岡を通過すると、ほどなく伊達紋別に停車。ボクはここで下車です。函館まで乗らないのは、もったいないような、申し訳ないような気分がしますが……。

ともかく、北舟岡通過後少ししたら、ドアの前に移動。

列車はほぼ定刻どおりに伊達紋別のホームにすべりこみました。

ノースレインボーのドアは、キハ281・283系と同じプラグドア。列車が停車してほどなく、スムーズにドアが開きます。

ホームに降り、ここまで乗って来た列車を見送ります。楽しい旅をありがとう、ノースレインボー。

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