初めてのノースレインボー&小幌再訪・春の陣(平成28年4月30日)
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桜咲く伊達
伊達紋別に到着。何度も通過してはいますが、降りたのは初。その割に両隣の北舟岡と長和は使ったことがあるというね。
まずは、この先使うきっぷを入手……するんですが、ここでひと悶着。
先述の通り、今回メインで使うきっぷは「乗車券往復割引きっぷ」です。
このきっぷと組み合わせられる特急券には、普通の特急券、普通の自由席特急券のほか、オプション券があります。
伊達紋別駅では、伊達紋別~札幌の「北斗オプション特急券」が発売されており、帰りはこれと手持ちのきっぷを組み合わせて使おうと思って、窓口にきっぷを買いに行ったら。
「あ、札幌駅で買ったヤツとは組み合わせられないんですよ。」
がーんだな、出鼻をくじかれた。
平静を装いつつ、内心結構焦って旅程を変更。考えた結果、帰りは特急を伊達紋別~新札幌で使う予定だったのを、東室蘭~南千歳に変えて、予定をできるだけ変えずに出費を抑えることにしました。
きっぷを用意し終えたところで、駅を出て伊達の街に繰り出します。
お昼時なので、まずは昼食を食べに行くんですが、その道中には赤い橋の上から桜並木を楽しめるスポットが。
北海道の桜は早くても4月下旬。道内でも、伊達など道南は割と早く桜が咲きますが、今年は暖冬のせいか開花が結構早かったです。
この時みた桜並木も、すでに見頃を若干過ぎている感じでした。
しかし、この時点で札幌はまだ満開にもなっていなかったうえ、用事がいろいろあって桜を見る余裕もなかったので、ボクにとってはこの年最初の桜ということになりました。
橋といい、桜といい、どことなく東北な薫りがする……と一瞬だけ感じましたが、道路の広さに「あぁ、北海道だなぁ」とすぐ我に返りました。
伊達家の息吹? を感じる街
お昼は、伊達市内のラーメン屋「味楽」さんで、醤油ラーメンをいただきました。
今回は久々にグルメ分軽視の「鉄旅」でして、お昼もわりかし適当にお店を選びました。
しかし、今回食べたラーメンは当たりでした。なんといっても、スープ。かなりこってりした味わいながら、くどくないので飽きが全くこない。飲み干すのは厳しいですが、結構飲みました。
期せずしておいしいグルメを引き当てたところで、伊達を少し観光。
市役所の方に歩いていくと、なにやら時代劇チックなものが見えてきます。
まず目に飛び込んできたのが、時計塔。時刻を十二支で表す時計も付いていました。
角を曲がって北に向かうと、なんということでしょう、右も左も瓦屋根の建物。松も植えられていて、通り一帯がちょっとした時代村です。
北洋銀行まで瓦屋根。驚きました。京都で青くないローソンを見たときも結構衝撃でしたが、これもまたなかなか……。
……ただ、すっごく違和感なんですよね。
中には歴史ある建物もあるんですが、ほとんどが瓦が新しいんですよね。
道には、大音響で謎の音楽が鳴り渡っています。それも、風情もへったくれもない、ポップのような曲。
そして、やっぱり道が広い。
種明かしです。この町並みは、元からあるものではなく、市が強権的に作り上げたシロモノなんだそうで。
これが観光客で溢れていれば、味があるというものでしょうけれど、歩いている人はまばらです。旅人なんていません。
この手の町並みには、かえって寒々しさすら感じます。そしてそれ以上に、「あ、北海道だなぁ」と。北海道っぽくない景色なのに、逆に北海道らしさすら感じてしまいました。
そこから歩くこと十数分。やって来たのは、「道の駅 だて歴史の杜」。期せずして、今回もまた「小幌の前に道の駅」になっちゃいました。
ここも時代劇風味なエリアになっていて、付近のびっくりドンキーまで和風の建物だったのには変な笑いすら出ました。
ここは、かつて宮城から北海道に渡り、伊達紋別の発展の礎を築いた亘理伊達家に関するものがいろいろあります。
まず、伊達市開拓記念館。亘理伊達家に関連する資料が寄贈され、展示されています。
やっぱり、江戸時代には一国一城の主だったとあって、展示品には伊達家の気品を感じます。
ちなみに、建物の近くにあった桜が満開でした。
もうひとつ、伊達氏が建造し、今なお残る建物である迎賓館。こちらは外から見るだけにしましたが、年季の入りっぷりにはゾクッときます。
軽くなぞっただけではありますが、これで道の駅の見学を終え、駅に戻りました。
朝の札幌は寒いわ風強いわ天気悪いわで大変でしたが、伊達は青空が多く、日も射し、気温も札幌より高かったので、だいぶ過ごしやすい散歩になりました。
いざ、小幌へ
午後2時ころ、伊達紋別駅。
伊達市内の散歩を終え、駅に戻ってきました。ここから向かうは、小幌駅。リベンジを果たす時が来ました。
ここからは一日散歩きっぷを使用。朝の自宅最寄駅~札幌の移動を含めるとギリギリ元が取れるため、乗車券往復割引きっぷと併用することにしたんです。
2時29分発の長万部行き普通列車で、いざ小幌。
列車はゆったりとホームに入ってきて、学生などたくさんの乗客を降ろしました。停車前に車内を窓から垣間見たら結構乗っていて戦慄したのですが、ここで結構降りたので、ロングシートながら座席を確保できました。
どうでもいい話ですが、こういうエリアだとついついクセで「ワンマン乗車口」のところで待っちゃいます。この時間帯、伊達紋別は駅員がいるので、全部のドアが開くんですよね。どこでもよかったわけ。前のドアで客が降りるの待ってないで、後ろ行けばよかったんです。ホントどうでもいいっすね。
ともあれ、キハ150形単行の列車に乗って、移動再開。
先ほどの北斗88号に引き続き、前面展望などで景色を楽しみます。キハ150だと前面窓が大きいので、たっぷり楽しめます。
有珠山や昭和新山、さらに対岸には駒ヶ岳を望む山の景色は、この区間の見どころ。席を立っては、カメラに景色をおさめます。
また、ところどころ桜が見えます。この時期ならではの風景が広がる海線沿線の美しさ。
洞爺を出てすぐ、臨時特急北斗91号とすれ違いました。先ほど乗った北斗88号と同様、多客のため設定された列車です。車両はキハ283系5両。長編成が基本のキハ283が5両というのはなんか変に感じましたが、昔は5両でスーパーとかちで走ってたので、変じゃないんですよねホントは。
一駅ごとに乗客が降りていき、洞爺までにはボックスシートを確保……したかと思えば、洞爺以降では小幌に行くと思しき人たちが乗車し、空席はそこまで増えませんでした。
また豊浦では鉄道ファンに混じって警備員二人が乗車。小幌駅は豊浦町の管理となったので、町が委託した警備会社の人たちでしょう。
そうして段々と鉄な色が多くなってきた車内。礼文を発車すると、次はいよいよ小幌。といっても、前回こそ「日本一の秘境駅に行く」ということで少々緊張がありましたが、2回目なので今回は割と自然体でした。
長いトンネルを抜けると、あの時も見た、小さな駅が視界に入ります。その先に見える景色はしかし、夏だったあの時とは全く違いました。かすかに見える水平線。草木は生い茂るに至らず、実に探索しやすそうな感じ。狙い通りです。
さあ、アタック開始!