旅行記3日目 最新車両で行く仙山線 / 東京を目指す旅~この坂を越えて~ - ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか
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東京を目指す旅 ~この坂を越えて~(平成29年3月4~10日)

3日目(平成29.3.7) 2/6ページ「最新車両で行く仙山線」

山形線の719系、朝陽に映ゆる

新庄からの新幹線つばさを村山で降り、普通列車に乗り換えて羽前千歳を目指します。跨線橋を渡って、駅舎からすぐの1番線に停まっている山形行きに乗り込みます。車両は719系5000番台の4両編成です。

4両の電車はどの車両もだいたいの席が埋まっていましたが、最後尾の車両のクロスシート部に空きがあり、そこを押さえました。

つばさにそのまま山形まで乗車して、そこで仙山線に乗り換えても、もちろん問題はありません。それでも乗り換えを選択した理由はただ一つ、719系に乗るためです。

719系も登場からはや30年近く。いつ姿を消してもおかしくない状況です。そんな中、この普通列車は719系で運行されるらしいことが事前に分かっており、しかも山形線の719系はまだ乗ったことのない5000番台なので、狙って乗ってみることにしたんです。

仙台近郊の719系基本番台と山形線の同5000番台の最も大きな違いは、台車です。基本番台は国鉄時代の電車の台車を再利用しているのに対し、5000番台は標準軌を走るという関係上、新製された台車を履いてデビューしました。そのため、乗り心地や走行音が大きく違います。


さて列車は時刻通りに村山を発車。実際に乗ってみると、やっぱり基本番台にあった不快な音や揺れはなく、JR世代の車両らしい快適な車両でした。

でも、サイリスタ位相制御+新製台車となると、音に関して言えば北海道の721系と大して変わりません。意外と新鮮味がない……。

車内の様子に話を移します。朝の山形行きなので、車内は学生の姿が目立ちました。ただ、その割には車内が静かで、のんびり列車旅を楽しむのにちょうどいい静かさだったと記憶しています。意外と優等生なのな、キミら。

また、山形が近づいてきても、立ち客がそこそこいるくらいで、そこまでの混雑にはなりませんでした。この1本前は混んでいるのかもしれません。

景色はだんだん町っぽくなってきて、山形の都市圏に入ってきたことが分かります。果樹園もあり、いかにも山形だなあ、なんて考えてしまいます。

この時に見た「町中の果樹園に残雪光る」というようなシーンは、結構強く印象に残っています。朝にのんびり列車から見る景色というのは、印象に残りやすいのかもしれません。

南に来るにつれ、その残雪も少なくなってきました。山形内陸は雪が多いですが、3月上旬ともなると、緯度の高い新庄あたりはともかく、山形市近辺は春めいてくるようですね。

村山から35分で、仙山線との乗り換え駅である羽前千歳に着きました。羽前千歳ではボクを含めてそれなりの降車がありました。他方、山形の市内にある駅とあって、乗る人も多い駅でした。


羽前千歳では仙山線の列車を待ちます。

待ち時間は30分強。このような長時間の乗り換え列車待ちの時は、その先の準備をするか、駅前散歩をするのがボクのやり方。でも、さっき買い物したので準備するものは無く、前日の疲れが抜けていない中で大荷物を背負って散歩する気にもなれません。

そこで、駅のホームにあった待合室で休憩とします。

羽前千歳のホームは1面2線。標準軌の山形線と狭軌の仙山線が1線ずつ使います。

地方都市の駅という感じのこぢんまりとした雰囲気で、ホームに直結する跨線橋がある代わりに、駅舎はありません。

ホームも必要十分の長さ・幅しかなく、そこに建っている待合室もまたこぢんまりとしています。乗り換え駅の待合室としてはちょっと狭いですが……。

室内は列車待ちの客が結構いて、ベンチはほぼ埋まっていました。通勤客だけでなく、乗り換えで待っているらしい旅行者の姿もあり、乗り換え駅らしい(?)賑わいがありました。

彼らと一緒に待合室のベンチでゆっくり過ごしたり、たまに外に出て朝の風を浴びたりして、列車を待っていました。

しばらくすると、西側の1番線に、さっきの列車の後続が入ってきました。これには乗りませんが、戯れに車内を見てみます。車両は701系5500番台の4両編成で、こちらも結構座席が埋まっていました。

それからさらに15分ほど後、乗る予定の列車の時間が近づいたので、待合室を出て外へ。

堂々登場! E721系1000番台

お次の列車は9時1分発の仙台行き普通列車です。

車両ですが、前年にデビューしたばかりのE721系1000番台がやってきました。

E721系1000番台は、719系を置き換えつつ1列車あたりの輸送力アップを図る目的で投入された車両です。仙台エリアの交流電車としては、701系1000番台のF4-x編成以来、約20年ぶりの4両固定編成としたことで、2両×2本の4両編成よりも運転台の数がふたつ減るため、定員数がアップしました。製造費も安くなったと考えられます。

外観の大きな違いは、ストライプの色。基本番台の緑+赤に対して、1000番台は緑+さくら色という帯色になっていて、外観でパッと見分けられます。仙台近郊区間は車窓から桜が楽しめるポイントが多く、例年東北本線(白石~仙台)や仙山線で徐行を行うほか、臨時列車も設定されます。さくら色というカラーリングは、そこにあやかっているのでしょう。

内装は基本番台と同じセミクロスシートで、ボクが見る限り基本番台との違いはあまりありません。まだ新しいので新車のにおいがするくらいでしょうか。

……って、よく考えたらボク、まだこの人生で5分しかE721系に乗ったことないんだった。内装の細かい違いなんて、わかるはずもありません。

それはともかく、今回久々に仙台エリアに新車が大量投入されまして、ダイヤがちょーっと不便なせいで「都市型」という感じがあまりしない仙台エリアの近郊列車も、車両面では体質改善が図られた感があります。

しかも4両固定編成というのに驚きました。あれだけ頑なに2両編成ばかり投入していたのに。そうはいっても、4両編成での運転が多い仙台エリアでは、コストなどを考えると4両固定編成がある程度あった方がいいはずなので、当然の成り行きではあります。E721系1000番台は19編成が投入され、701系1000番台F4-x編成4本と合わせて4両編成は総勢23本となりました。

代わって退くのが719系基本番台でして、こうなると山形線の5000番台ともどもいつ置き換えられるかわかったものではないので、先ほど719系を狙って乗ったわけなんですが……、まさか719系がその後秋田に姿を現すとは。719系基本番台にはもう少々活躍の舞台があるようでして、慌ててお名残乗車することもなかったようです。まあ、それを抜きにしても、単純に旅行の中でいろんな形式に乗りたかったので、いいのですが。


ピッカピカの新車に乗って、3つ先の山寺に向かいます。

仙山線は仙台近郊エリアの路線ですが、愛子以西はローカル区間です。といっても、山形市への通勤路線、そして仙台~山形間を結ぶ路線としての役割があるので、北海道のローカル線なんかとはまったく比べものにならない需要があります。

この列車も、仙台に向かう需要が大きいのか、クロスシート部はあまり空席がなく、立ち客すらいました。もっと空席があると思いこんでいましたが、とんだ読み違いです。

それでもなんとかボックスシート部に座ることができました。初めて乗る車両ですから、座り心地も確かめたいところ。乗車時間が短くとも、座れたことを喜びます。

座席はJR東日本のボックスシートではおなじみの、ちょいと固めの座席です。ただ、見た目ほど固いわけではなく、1時間程度の乗車では苦にならなさそう。少なくとも、山寺までの10分少々ではまったく問題になりませんでした。

走行音は基本番台とたぶん同じです。おそらくは、だいたい一緒の主電動機を使っているのでしょう。そういえば701系の更新車も同様の音色。仙台エリアでも足回りの統一化が進んでいるようです。札幌でも、721系や731系の更新車は733系基本番台と同様の音色の電動機を積んでいます。いずれも、仕様統一化が順調に進んでいるようですね。

山寺までは本当にすぐなので、車両の特徴を観察するのに集中してしまうと、車内の雰囲気や、車窓の様子を楽しむ時間まではありませんでした。

9時13分、山寺駅に到着。乗り換え含め3時間以上の移動がひとまず終了し、3日目が本格的に幕を開けます。

静寂の山寺駅周辺

JR仙山線・山寺駅に到着。目的は当然ながら、立石寺です。

立石寺というと「おくのほそ道」で有名な寺、という語られ方が多いような気がします。ボクもお寺自体に関する話はあんまり聞いたことがありません。

立石寺は天台宗のお寺で、山号は「宝珠山」といいます。少なくとも1000年以上の歴史を誇るといい、時の流れの中で数々の僧が修行を積んできたことでしょう。山頂へは、1000段を超える石段を上っていく必要があります。

……はいそうです、また上りです。この旅のサブタイトルはなんだったでしょうか? そうです、「この坂を越えて」です。森吉山・羽黒山に次いで、さらに立石寺の参道がボクを待っているのです。

その上り坂に備え、ここでいろいろ準備をします。

まずは荷物。駅にあったコインロッカーにバックパックを預けます。できるだけ荷物を軽くするために、サブバッグからも要らないものを取り出し、ロッカーに放り込みます。

次ですが、駅に貼ってあった観光地図がほしいので、駅近くの商店に向かいます。

駅を出てまっすぐ歩き、すぐ突き当たるので右に曲がると、交差点にあるのが「えんどう本舗」。ここで地図をもらい、山頂までの生き方を教えてもらいました。

ちなみにこのお店では観光客向けに無料で荷物の預かりサービスをやっていましたが、ボクはさっき駅で有料のロッカーに預けてしまいました。ただ、重いバックパックは少しでも駅に近いところに置いておきたいので、結果オーライということにしておきます。

店からはおいしい匂いがプンプン。参道を上り下りしてカロリーを消費してから戻ってくるとしますか。


それでは参道に向かいます。登山口までは歩いて数分。

山寺駅周辺はしんと静まり返っています。芭蕉が詠んだ「閑さ」をまさに体現するかのごとく、お店が立ち並ぶ街並みは時折通る観光客を除いて、営業中にもかかわらず静寂を保っています。

空気もパリッと冷えており、気持ちをぐっと引き締めてきます。前日の庄内は気温が上がっていたので、それに慣れたボクの体にはちとキツイ。

雪は、道路には積もっていませんでした。屋根の上や道路脇などにはまだまだ雪があり、山の方も雪がけっこう残っているようでした。

お店を出てすぐに、宝珠橋を渡ります。粋な街並みによく似合う赤塗りの橋で、橋自体見ごたえがあります。もちろん橋からの眺めも非常によく、清らかに流れる立谷川に、雪を被った山々、そして遠くには仙山線の鉄橋が見えます。

橋を渡った先は丁字路で、通りにはおみやげ屋や飲食店がずらりと並びます。この辺りは観光地の様相で、町自体が参拝客のためにあるのではないか、と思われるほど、店ばっかりです。住宅などは、もう少し離れたところにあるのですね。

登山口と下山口は別々なようなので、丁字路を右に曲がります。少しばかり歩いた先にある階段が、参道の入り口に続いています。


それでは本日の参道アタックを開始します。前日の羽黒山ではえらい目に遭いましたが、この立石寺は参道以外に山上に行く手段がないため、確実に除雪してあるので、憂いはありません。

ただ、時間には決して余裕があるわけではありません。この日は移動がメインのところに観光を無理矢理ねじ込んだ感があり、全体的に余裕がありません。そのため、立石寺の山上と、麓のグルメの二つを優先して動きます。そのため、それ以外の部分は飛ばしていかざるを得ません。そんなわけで、時間を無駄にしないようにさっそく移動です。

階段をサクサクと上がっていくと、正面に見えてくるのは根本中堂。いきなり国の重要文化財です。

意外に思われるかもしれませんが、この根本中堂が「本堂」です。実はボク、この時まで本堂がどれなのか知りませんでした。今回、とことん準備が足りていません。

まずはここで手を合わせるわけですが、正直作法が分かっていない。浄土宗だと、ぶっちゃけた話手を合わせていればいいのですが、天台・真言・禅宗などはまた違うわけで、そこらへんはちっとも知りません。まだまだボクの知らないことは山ほどあり、勉強のためにこれからも旅行する意味は大いにあることでしょう。

お堂には布袋さまが鎮座しておられ、撫でてお参りするとよいとのことなので、それにしたがってちょいと失礼して、軽く木像を撫でます。

参拝を終えたら、山門を目指します。芭蕉の句碑・ご神木・宝物館は時間がないのでスルーし、まっすぐ山門へ。

山門から先は、拝観料300円が必要です。料金を支払って、いよいよ本格的に石段への挑戦を始めます。

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