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「令和一番列車」で行く北東北・函館観桜紀行(令和元年5月1~2日)

1日目(令和元.5.1) 3/5ページ「来るべ! H5系」

ようやくご対面、新幹線H5系

青森県八戸市での観光を終え、次の目的地へ。桜の名所・弘前を目指します。

現在地・八戸駅から、東北新幹線で新青森へ向かいます。八戸駅での乗り換え時間はわずか9分。在来線改札を出て、新幹線改札へ。

余裕はありませんが、ギリギリ買い物できる時間はあります。駅のお土産屋「ぐるっと遊」でちょっとだけお土産購入。家族から注文のあった、ラグノオの「パティシエのりんごスティック」を4本入りの袋(¥621)で。さっき買おうと思っていたのですが、4本入りの袋がなかったのでこちらで。

まあ、りんごスティックは札幌でもたまにセイコーマートで見かけますが。

というか、これは津軽のお土産。前に「津軽で南部のお土産を買う」というアホをやったことがあるんですが、今回はその逆をやったことに。しかも、これから弘前(⊂津軽)に行くのに。しかも、乗り換え時間ないのに。当時の自分は何を思って、ここでりんごスティックを買ったんでしょうか……。

ともあれ、無事に列車の時間に間に合いました。


東北新幹線はやぶさ19号(八戸14:14 → 新青森14:43) 車両:H526-202(10両編成・4号車)

新幹線13番線から、新青森行きのはやぶさ19号に乗車。車両は、JR北海道所有のH5系です。

H5系にはまだ乗車したことがなかったので、今回はH5系運用の列車を狙い撃ちしました。そもそも、H5系に乗れる旅程を組むこと自体が、八戸を目的地の一つに選んだ最大の理由です。

ホームに降り立つと、すでに列車接近放送が流れていました。ほどなく、緑色の車体が駅に入ってきます。

見慣れた緑色主体のデザイン、でもE5系とは違うアクセントが入っていて、ちょっとだけオーラが違う車両。まだ現車を間近で見ることすらできていなかったH5系と、ここでようやく対面です。

適当な車両に乗車。特定特急券で乗るので、普通車の空席ならどこでもオーケー。

2時14分、八戸発車。新青森までのおよそ30分、H5系を楽しみます。H5系に乗るというのに道外ってのがちょっとアレですが、H5系の数が少なく、H5系運用の便で旅程にうまくねじ込めそうなのがこれだけだったので、仕方ありません。


さあ、E5系では味わえない、H5系ならではの世界をタップリと……

と言っても、E5系とH5系は基本設計は同一。そうじゃないと実用に支障をきたします。なので、第一印象はぶっちゃけ言うと「まったく同じ」。

ただ、しばらく乗っていると、だんだんとH5系の世界観が浮かび上がってきます。

床面には小さな丸模様、通路部分にはさらに雪の結晶の模様。荷棚は木目調、ブラインドには縄文文様やアイヌ文様。E5系とメインのコンセプトを統一しつつ細かいデザインを変え、道南らしさとカジュアルさを取り入れて、ちょっとだけ違うテイストを醸しています。

あんまりゴテゴテにするとビジネスユースにはしんどくなるし、全く同じじゃせっかくの新幹線が盛り上がらない。JR北海道、うまいこと落としどころを見つけて、必要十分のデザインを施したんだな、とガッテン、そして感心。「似すぎ」だの「つまらない」だの、いろいろ言われているデザインですが、むしろこれが最適解な気もします。

といった感じの車内観察と、当サイト掲載用の写真撮影に、乗車時間のほとんどを使いました。空いた時間は車内で。八戸線の車内で座れなかった場合はここで弁当を食べるつもりでしたが、すでに弁当は食べ終わっているので、座ってゆっくりするだけ。

列車は定刻で新青森駅に到着。車両外観の写真を撮ってから、在来線乗り換え改札へ。

いつものアイツと弘前へ

新青森での乗り換え時間は10分。駅構造はシンプルなので、10分もあればお釣りが来ます。

道中の待合室に、弘前行きの臨時快速列車の告知が貼ってありました。一応確認。

弘前さくらまつりに合わせ、4/20~5/7に運行。新青森~弘前の途中停車駅は浪岡だけ。初日だけ2両、あとは4両編成。そんで時刻が……、新青森9:17発、弘前9:50着。じゃあ今回は関係ないな。行きましょう。

そこからちょっと歩いて、在来線ホーム。弘前行きの普通列車を待ちます。

奥羽本線普通662D 弘前行き(新青森14:53 → 弘前15:42) 車両:キハ40 521(4両編成・4両目)

現れたのは、奥羽本線でおなじみの701系……ではなく、キハ40系列の4両編成。おそらく五能線⇔津軽線の車両のやり取りを兼ねた列車で、先頭から首都圏色のキハ48、同じくキハ40、五能線塗装のキハ48、同じくキハ40、という布陣でした。

というわけで、北海道でもこれでもかと乗っている、701系とは別の意味で「おなじみ」の車両で、弘前までの道のりを往きます。

事前情報だと2両とのことでしたが、この日は4両編成。4両というのは奥羽本線の普通列車ではあまり見ません。これも弘前さくらまつりの期間だからでしょう。

新青森では3分の停車時間があるので、その時間を使って空いている車両を見極めて乗車。新幹線からの乗り換え客などが次々と乗車し、増結しているのにほとんどの座席が埋まりました。改札から近い前寄りの車両は立ち客も多かったことでしょう。


弘前まではあと33.5km。キハ40なのでちょいと時間がかかりますが、まあそれも楽しんで行きましょうか。

エンジンの音高らかに、新青森を出発。「おなじみ」とは言いましたが、エンジンの音はおなじみではありません。北海道のキハ40は、原型のエンジン、または旧新潟鐵工所発祥のN-DMF13系。ですが秋田車両センターのキハ40系列は、カミンズ製の14Lのエンジンに換装されているので、音が違います。初めて聴く音ではないとはいえ、北海道のキハ40の方が当然圧倒的になじみ深いわけで、どうしても違和感が。

逆に、車内はザ・キハ40系列って感じ。古臭い座席に腰掛け、クソみたいな乗り心地を味わいつつ、野暮ったい窓枠の外を眺めます。なんだろう、この「しっくり来る感」は。

茶色い丘を縫うように走ります。車窓から見える広葉樹は、まだ葉っぱが全然付いていません。北海道でもこの時期はこんな風景です。

その後、景色は田園風景に変わります。そういえば、この区間は何度か乗っていますが、雪のない季節は初めて。田植え前の田んぼ、お休み中の畑、他に土地柄りんごの果樹園や選果場も見られます。

田畑は北海道に比べるとサイズがやや小さめにも感じます。広々とした風景なので、冬だと北海道と同じ風に見えますが、やっぱり農業事情は北海道と本州で違うわけですね。

相変わらずの空模様で、ちょっと暗いのが残念。雨が降っていないだけ有情と思うしか。

弘前駅から弘前城まで

鮫駅を出てから約2時間半、弘前に無事到着です。弘前の桜の名所・弘前城(弘前公園)を目指しましょう。

改札を出ると、ちょうどコンコースで津軽三味線の演奏が行われていました。せっかくなので聴いていきます。

津軽三味線特有の、ハイテンポな演奏。巧みなバチさばきは流石。三味線は日本音楽らしいしっとりしたのも好きですが、津軽三味線のジャンジャカ行く曲もやっぱり好き。音楽は(ポップ以外)幅広く聴くタイプです。

ソウルフルな演奏を楽しんだところで、駅西口へ。とりあえず観光案内所に行って地図を求めます。

施設内のBGMは、電子の歌姫・初音ミク女史の人気曲「千本桜」。なんでかと思ったら、ミク女史のアレンジキャラ「桜ミク」が、弘前さくらまつりの公式応援キャラクターになっていました。

さすがはミク女史、生まれの里である札幌だけでなく、あちこち引っ張りだこ。

個人的にはミク女史よりゆかりさんの方が好きなんですが、まあそれはさておき。

「千本桜」は良いメロディで好きではありますが、アレですよ、「千本桜」にあやからなくても全国で有名な弘前なんだからオリジナル曲とかでもいいんですよ? もっと自分とこに自信持って?

……なーんて思ってたんですが、この翌年(令和2年)に地元音楽ユニットの楽曲「101回目の桜」の初音ミクバージョンが出てました。しかもガチ調声。ご興味ある方はこちらから。[※外部サイト(YouTube)へのリンク]

「千本桜」の歌詞(うろ覚えですが)を心の中で口ずさみつつ、情報量タップリのガイドマップをゲット。理由はありませんが英語版を取りました(謎)。


弘南バス 臨時 弘前公園直行バス(弘前駅16:00頃 → 文化センター前16:10頃)

外に出て、バス乗り場へ。弘前城へは、往路はバスを使います。

以前弘前を訪れた時に知った市内循環100円バスを使おうと思っていましたが、バスタッチに行くと臨時の弘前公園直行バスの貼り紙があり、乗客の列ができていて、しかもバスがちょうど来ました。運賃も同じく100円とのこと。なら、コレに乗りましょう。

有名観桜スポットに向かうだけあって、バスも混み合います。当然座席は埋まり、立ち客も自分含め多数。並んでいた乗客が乗り切ったところで出発。

街も賑わっています。車もたくさん走っていて、弘前城が近づくと歩いている観光客も多くなってきます。

10分程度で公園のすぐ前までたどり着きました。さあ、いよいよこの旅のメインイベントです。

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