「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

……北海道の旅行・鉄道の魅力をアグレッシブに発信する"闘う情報サイト"です。

  1. トップページ >
  2. 乗り鉄な旅行記 >
  3. 「令和一番列車」で行く北東北・函館観桜紀行 >
  4. うみねこのなく島

「令和一番列車」で行く北東北・函館観桜紀行(令和元年5月1~2日)

1日目(令和元.5.1) 2/5ページ「うみねこのなく島」

八戸線で、うみねこのなく海へ

札幌から特急と新幹線を乗り継いで、八戸駅に到着。

ここから、蕪島という景勝地に向かいます。最寄り駅は八戸線の鮫。というわけで、在来線ホームに移動します。

……の前に、約30分の乗り換え時間を活用して、駅直結の施設「ユートリー」にあるお土産屋に向かいます。本州来て最初にお土産購入ってのもな、と思いますが、時間の都合でやむを得ずこういう形に。

八戸駅には、初めての東北一人旅で降り立って、駅構内か直結施設のどちらかでラーメンを食べたはずですが、6年も経ったら駅構内のようすはさすがに忘れてます。しっかり構内図を確認し、連絡通路を通って移動。

とあるゲーム実況動画で名前を聞いた「スタミナ源たれ」(¥453)と、南部らしいお土産をということで「八戸せんべい汁」(¥1,080)を購入。スタミナ源たれはその後しばらくの間、我が家の食卓で「万能調味料」の呼び声に恥じない大活躍を見せることとなりました。

また、ユートリーと駅の間にある「駅前横丁」で、この後食べる弁当をゲット。後ほど紹介します。

ユートリー1階では、「八戸三社大祭」の山車が展示されていました。ユネスコの無形文化遺産に認定されたことを祝しての展示とのこと。人形も飾られ、祭りさながらの臨場感と躍動感。ゆっくり見る時間がなかったのが残念。


八戸線普通1435D 鮫行き(八戸11:38 → 鮫11:59) 車両:キハE131-505(2両編成・1両目)

まずいまずい、お土産と弁当選ぶのに時間をかけ過ぎました。急いで在来線ホームへ。

1番線に降りて、鮫行きの普通列車に乗り込みます。車両は初めて乗る形式・キハE130系500番台の2両編成(キハE131形+キハE132形)。平成30年3月ダイヤ改正から、八戸線の車両はこの形式に統一されています(リゾートうみねこを除く。うみねこも後に撤退)。

新車投入を契機に、八戸線はいろいろ変化しています。ワンマン運転が一部で始まっており、今回乗る列車はワンマン。乗車方式も、701系とかのワンマン列車と同様のドアボタン式に。

八戸線初乗車のボクでも、新車特有のにおいや、乗車方式が最近変わったことを知らせる駅の貼り紙に、時代の変化を感じます。

ほとんどの席が埋まっていたので、立ち席を選択。ローカル路線ではありますが、鮫までは底堅い需要があり、1時間に1本程度列車が来ます。

ほどなく、発車メロディ"Water Crown"が鳴り響き、列車は八戸駅を後にしました。今回もやっぱり東北来て最初に聴く発車メロディがWater Crown。もう本州上陸の儀式曲みたい。


とにかく静か。エンジンの音はハッキリ聞こえますがうるさくはなく、エンジンやレールの振動もあまり伝わってきません。液体式気動車にありがちな引っ張られる感や変速ショックもほとんど感じられず、まるで電車に乗っているような感じ

北海道ではこの次の年にDECMO(H100形)がデビューするまで、平成19年デビューのキハ261系1000番台が最新だったので、今の気動車がこんなに優雅に走るなんて知りませんでした。技術すごいなあ。

ただし、運転席のスタフを覗き込んでみると、速度種別は「停気D3」とありました。最初の印象からすると意外なほど低い。

そんな素晴らしい走りの列車は、まず八戸の外縁部を走ります。八戸駅界隈は町の中心街から外れています。

本八戸の手前あたりから風景が田園から市街へと変わり、各駅で乗客が入れ替わります。最も町の中心部に近い本八戸ではかなりの乗降があります。駅間が短く、車両も静かなこともあって、郊外電車のような雰囲気になってきます。

終点の鮫までの所要時間は21分。走りや景色を楽しむうち、あっという間に終点です。地元の乗客に続いて下車し、駅員に「札幌市内→鮫」の乗車券を渡して改札を出ます。

菜の花と、空爆と、行列と ――蕪島

徒歩で蕪島を目指します。駅の観光案内所で地図をもらって、いざ出発。

駅前は古い町並みが続きます。和人の歴史の浅い北海道に住む身としては、こうした町並みが持つ趣きも本州旅行の醍醐味の一つです。

北の方角に歩いていき、途中で踏切を渡り海沿いへ。しばらく歩くと、蕪島の頂に立つ「蕪嶋神社」が見えてきます。


駅からだいたい15分で、蕪島に到着。そこに待っていたのは――

「みゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあみゃあ」

島のあたりを縦横に飛び回る、無数のウミネコ。競うように鳴き声を上げ、島に近づくとそれしか聞こえないほど。

この時期の蕪島は、ウミネコが飛来し、繁殖を行うのです。

こんな風に。

……失礼しました。

で、これだけ大量のウミネコがいるということで、付近のアスファルト・地面は真っっっっっ白。

そう、「うん」です。

……重ね重ね大変失礼。食事中の方はお食事代弁償いたしますのでメッセージフォームよりお申し出ください。

そんなわけで、これが蕪島の名物の一つ、ウミネコの乱舞です。空を飛んだり、着地して佇んだり、管理者が用意した洗面器で体の汚れを落としたりと、それぞれに過ごしています。

そして、頻繁に空からの爆撃。さながら第三次大戦の様相で、いつ頭に食らうんじゃないかと戦々恐々。

対空警戒をしつつ、ウミネコが飛んでいる様をカメラに収めていきます。

それと、5月の蕪島のもう一つの魅力も楽しみます。それは、菜の花。ウミネコに負けじと、これまた競うように咲き乱れ、島を黄色く染めていました。

どちらかというと菜の花の方を楽しみにしていました。最近、花畑の風景ってのに惹かれるようになったので。

花香る島内にも立ち入りたかったところですが、蕪嶋神社は平成27年の火災による焼失から再建中で、工事のため立ち入り禁止となっていました(ただしウミネコのいる季節は工事自体は中断)。

なお、神社はこの年の12月に無事再建を果たしました。おめでとうございます。


ここで、すぐ近くの休憩所に入って一息。

蕪島側が全面ガラス張りとなっていて、ゆっくり座って、しかも空の危険も無く、ウミネコや蕪島の風景を眺めることができます。長時間の哨戒は疲れるので、これは助かります。

また、室内には蕪島のことを学べるパネルや、地域の方言「南部弁」をまとめた冊子などがありました。方言のやつをめくってみると、けっこう北海道の道南の方言と共通していることがわかります。「ながまる」など。

実は既に時間がおしてまして、あんまり展示を眺める時間も無かったり。体力を最低限回復させたら、外へ。

付近にはこのほか、蕪嶋神社の授与所がありました。行ってみると……。

人、人、人。ずらっと並ぶ、

「令和元日」なので、お守りや御朱印を求める"初詣客"が大勢います。

改元を祝うのぼりも立てられ、辺りは祝賀ムード。なんか神社で皇室に関わるものが立ってると国家神道の香りを感じてしまうのは教育の賜物なりや。まあ宗教が自国の節目を祝うのは、別に変なことではないか。

お守りを買おうかと思いましたが、もうすごい行列で、並んでいたら一生が終わってしまいそうなほど。かといって、賽銭以外何も納めることなく帰るのもアレです。せめてということで、おみくじ(¥200)を引きました。普段はおみくじは引かないのですがね。見事大吉を引き当てました。

おみくじにはひょうたんの根付が付いていて、6色からランダム。出たのは紫色。当サイトの今のイメージカラーと同じということで、めでたいものが出ました。

食べ物の屋台もありましたが、この後他でいろいろ食べるので、それが入らなくなると困るためパス。

ここらで時間切れのため、蕪島を後に。なんとか「うん」は受けずに済みました。ただ、神社の社務所では「うん」に当たった人は「運」を授かったということで証明書をもらえるそうで、逆に良いこととも捉えられるようです。今回は急ぐ旅なので、食らったらマズイことになりますから、ご利益があるとしても御免であります。

本当だったら、もっと東に向かって種差海岸の景色も楽しみたかったのですが、今回は時間がそれを許してくれません。ここで引き返します。

八戸グルメと港町の情景

生命の躍動と、海風に揺れるあまたの花々(と、人の波)を楽しみました。

情景に心を動かしていると、だんだんと――

腹が、

減ってきます。

……よし、メシだ。

せっかく八戸に来たので、いろいろな名物を味わいたい。というわけで、昼食はちょっと変則的なカタチで。

まずは蕪島のすぐ近くにある「いわみ食堂」さんに入り、軽く食べます。

しばし、脚を休めつつ待ちます。店内はいかにも普通の個人飲食店という雰囲気で、地元の方が地元の言葉で語らっていました。いい雰囲気。

注文したのは、八戸の郷土料理「せんべい汁」(¥550)。南部せんべい(せんべい汁用)と、野菜・キノコなどの具が入った汁物です。すいとんに近い料理ですね。ではさっそく口に

「あっつ!!」

油断しました。でもやっぱり、こういうのはアツアツがおいしい。

味わってみての感想としては、せんべいが入っているからといって独特な感じがするわけではなく、わりと普通の汁物。素朴という言葉がまさにピッタリ合うひと品。

でも、だからこそ深い。飾らない素材の味と、それらが織り成すハーモニー。舌というよりも心に沁みます。

人間、頭いいだけじゃダメ。心がないといけません。こういう味に感情を動かすってのが、心を育てるってことだと思うんです。改めて、こういう料理って良いよなあと。

豪華じゃないけど、でもステキな郷土料理。ごちそうさまでした。

ちなみに、このお店では同じく地域の名物「いちご煮」や、海の香りを楽しめる「磯ラーメン」など気になるメニューが他にもありました。お近くに行かれる際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


食事はいったん切り上げて、駅に戻ります。

少し時間に余裕ができたので、行きと違う道をたどって町中散歩なんてやってみましょう。

しばらく歩くと、見えてくるのは海辺の古い建物。古くからの港町なので、けっこうそういう建物が残っているようです。

海の方に目をやると、向こうにある埠頭と、そこに建っているコンビナートなどが見えます。低い雲が垂れ込める中ですが、それもまた風情という気がしてきます。

近くで釣りを楽しむ人もいました。何を狙っているのでしょうか。

駅が近づいてきたので、また踏切を渡ります。昭和の香り漂う町並みを横目に見つつ、さっきと違う踏切を渡って駅前エリアへ。

……この町の景色、好きになりました。ちょっと時代を戻ったような、でもそれゆえに"味"のある、港町の昼下がり。花のような自然の風情と癒しもあれば、こういう人工物が建ち並ぶ中にも風情と癒しがあるものです。


八戸線普通1440D 八戸行き(鮫13:44 → 八戸14:05) 車両:キハE132-505(2両編成・1両目)

そんなわけで、鮫駅に帰還。列車で八戸駅に戻ります。

きっぷを見せて改札内へ。このきっぷは先ほど八戸駅で出したものですが、買う時にちょっとした出来事がありました。最初、指定席券売機で発券したんですが、寝ぼけていたのか間違って鮫ではなく「八戸から」のきっぷを出す失態を犯しました。とはいえ、JRの普通乗車券は一度だけ乗車変更ができるので、慌てず窓口に行って「鮫から」のきっぷに変更。そしたら、買った直後ということを勘案してか「一旦取り消して、新たにきっぷを買った」という扱いで出してくれました。なのできっぷには「乗変」とは書かれておらず、必要ならもう一回変更できます(必要なかったけど)。八戸の駅員さんのステキなカスタマーサポート精神を見ました。

跨線橋を通って、鮫始発の八戸行き普通列車に乗車。さっきと同じ編成。

車内は空いていたので、ここで昼メシ第二ピリオド。さっき八戸駅で買ったお弁当、「朝市屋 さば寿司」(¥700)。八戸港の名物の一つであるサバを味わえるということで購入しました。

構成は超シンプル。シメサバが一匹分どーんとシャリの上に乗っかっています。

うまさも超シンプル。そしてパワフル。ガッツリ脂の乗ったサバがワンダフル。八戸の海がもたらした幸福を、これでもかと堪能できます。

せんべい汁とシメサバ、どちらもスーパーウマイ。八戸のグルメは粒揃いのマシンガン打線です。

乗車時間は短く、あまり悠長に食べる時間もありません。食のターボ、点火。駆け抜けます。

列車もまた八戸の町中を駆け抜けます。気動車ではありますが、やっぱり電車に乗ってる感覚。いろんな意味で。

食べながら車窓を眺めます。やっぱり、ちょっと古めの建物なんかがけっこう目に入り、これまた風情がありそうな感じ。中心部も歩いてみたいなあ。

食事を終え、身支度を済ませたあたりで終点・八戸に到着。八戸観光はこれで終わりですが、旅はまだ続きます。

表紙

  1. 表紙・もくじ

1日目 札幌→八戸(鮫)→弘前→大館→青森

  1. 1.令和一番列車
  2. 2.うみねこのなく島
  3. 3.来るべ! H5系
  4. 4.弘前の桜、濠に塗れ
  5. 5.きりたんぽの里

2日目 青森→函館→札幌

  1. 1.函館の星はさくら色
  2. 2.桜の穴場&いさ鉄紀行
  3. 3.臨時列車リレー
  4. 4.復活の味

付録

  1. 付録

「乗り鉄な旅行記」のトップに戻る

当サイトトップページに戻る