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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)
5日目(平成27.8.27) 1/5ページ「えりもの朝」
本日の行程
移動手段 | 乗車(移動開始) | 出発時刻 | 下車(到着地点) | 到着時刻 | 車両 |
---|---|---|---|---|---|
ジェイ・アール北海道バス(日勝線) | 岬小学校前 | 7:02 | えりも岬 | 7:04 | - |
ジェイ・アール北海道バス(日勝線) | えりも岬 | 7:43 | 様似駅 | 8:37 | - |
徒歩 | 様似 | 9:00頃 | 西様似 | 11:30頃 | - |
日高本線9232D代行バス | 西様似 | 12:16 | 静内 | 14:19 | - |
日高本線2236D代行バス | 静内 | 16:05 | 鵡川 | 17:47 | - |
日高本線普通2236D | 鵡川 | 17:55 | 苫小牧 | 18:24 | キハ40 352(2両編成、1両目) |
室蘭本線普通446D | 苫小牧 | 18:28 | 白老 | 18:52 | キハ143形(車番失念) |
室蘭本線普通449D | 白老 | 20:23 | 苫小牧 | 20:45 | キハ143-154(2両編成、2両目) |
千歳線普通2845M | 苫小牧 | 20:50 | 南千歳 | 21:10 | クハ733-201(3両編成、1両目) |
快速エアポート213号 | 南千歳 | 21:19 | 白石 | 21:49 | モハ785-501(5両編成、4号車) |
最後の、そして新たな旅立ちを告げる朝
8月27日、午前6時ころ。最終日の朝がやってきました。
とにもかくにもタイトなスケジュールなので、あっという間に最終日が来てしまったという感じで、旅の終わりを迎えたくないという気持ちはやっぱりありません。すんなりと最終日の訪れを受け入れている自分がいました。まあ道内やし。
出発時間が早いので、朝食は宿でとらないことになっています。なので、荷物を整理したりして、時間になったら出発しようと思って入口付近で待機していました。すると……
「パンとコーヒーくらいなら用意できるけど、食べていくかい?」
あぁ、なんと温かい宿なんでしょう。朝食代をまったく払ってないボクに、軽食を出してくれるというのです。この宿で、さまざまな人の情愛に触れて、ほだされっぱなし。こんな経験もなかなかありません。
踏みにじるわけにはいかず、お言葉に甘えて軽食をいただくことに。トーストを1枚いただきました(さすがにおかわりは丁重に……)。格別おいしく感じたのをよく憶えています。
こんな温かな宿も、この2年後にはもうなくなっているというんです。日高本線の不通などで来客が減り、経営がままならないというんです。とても残念に思いますが、これも諸行無常の理なんでしょうか……。
さて、いよいよ出発時間です。この人情の宿で、ボクは変わった。確かな感触を噛みしめながら、宿を後にします。最終日の旅立ちは、ボクの新たな「旅立ち」でもありました。
再び、えりも岬に立つ
午前7時。宿を発ったボクは、付近の停留場でバスを待っていました。
えりも岬の町に、7時を告げるチャイムが鳴り響きます。学校で流れるあのチャイムで、曲が終わった後に3回和音が流れるパターンのヤツ。
ほどなく、様似方面行きのバスがやってきます。乗客はボクのほかに2人ほどだったと思います。
お世話になった宿の前を通り過ぎ、一路様似へ……の前に、もう一回「えりも岬」で下車し、今度は朝の岬の風景を見ていきたいと思います。
前日の夕方と同じ道を歩き、岬へ。

相変わらずの曇り空ですが、朝なので明るく、前日同様風は弱いという状況。ゆったりと岬の風景を眺めます。
風に揺れる草花も美しく、心が洗われるようなひととき。晴れ晴れとした気分でした。前の東北旅行の最終日とは全く違う気持ち。
ここでも、この旅での出来事と、その中で得たものを反芻していました。
……やっぱり、今回の旅も、ボクの何かを変えた。でも、それはごく小さな変化だった。まだまだ、変わらなくてはならないでしょう。
しかし、です。そもそも、ボクはどう変わっていけばいいのでしょうか。
しばらく逡巡した後、ボクはひとつの答えにいたりました。それは、ある意味で、答えではありませんでした。しかし、今のボクに出せる最適解だったと自負しています。
「まだ、答えが出ていなくてもいい。今はまだ、長い旅の途中だ。」
考えてもみたら、ぼかぁまだ学生です。先は長い。これからが勝負です。答えは、その中で出せばいい。そう思ったのです。
ボクは、どうも悩み事などがあると、その日のうちに解決しないと気が済まない性分らしく、こういう根源的なことでさえずっと考え込んでしまうんです。でも、そういう哲学的なのは、ゆっくり考えていけばいい。その中で、少しずつ自分を変えていけばいい。そんな当たり前のことに、ようやく気がついたのです。
なにか、気持ちがすごく楽になりました。救われたような気持ちでした。
ゲニウス(北) えりも岬にて 仏様になる
……ところが。

「チッ、おっせぇなぁ次のバス」
仏様 たった30秒遅れのバスに文句を垂れる
……ダメだこりゃ。
様似への道のり
さて、気分も新たに最終日の日程に臨みます。先ほどのバスの後続便に乗って、今度こそ様似に向かいます。
前日のえりも岬までの道のりと同じく、海沿いをひたすら走っていきます。えりも岬周辺は特徴的な地形が車窓から楽しめます。
岬から20分ほどでえりも町の中心部。思ったよりも大きな町でした。岬周辺のさびれっぷりが最初の印象だったので、そう感じたのでしょう。旅館などもあり、こちらの方がいろいろと便利そうでしたが、そうしたらあの出会いもなかったので、よかったのでしょうね。
町域を出ると、様似まで大きな集落はありません。時折雨がぱらつく中を、様似まで約30分走行していきます。

様似が近づくと、面白い形をした岩なんかが、海沿いに見えてきます。様似は、えりも岬ほどの知名度はありませんが、岬や奇岩などの景勝地がずらりと揃う町です。
車内はほとんど空。このバスは学校がある日とない日で時刻が若干違うので、通学に使われているのかと思いきや、学生の姿はあまり見られませんでした。途中えりも町の学校に立ち寄りますが、目立った利用はなし。様似に向かう学生の姿はありませんでした。逆行きなら、あるいはさっきの便なら、もっと乗っていたのでしょうか。
様似まで、ひたすら海岸の風景を眺めていました。遠くに見える海岸線も、湾曲していてまたいい味。
8時半を過ぎたあたりで、様似の町に到達。様似駅前で下車。