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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)
2日目(平成27.8.24) 1/7ページ「古瀬駅」
本日の行程
移動手段 | 乗車(移動開始) | 出発時刻 | 下車(到着地点) | 到着時刻 | 車両 |
---|---|---|---|---|---|
根室本線普通2522D | 釧路 | 5:42 | 音別 | 6:32 | キハ40 1766(単行) |
根室本線普通2571D | 音別 | 6:35 | 古瀬 | 6:46 | キハ40 1742(2両編成・1両目) |
根室本線普通2521D | 古瀬 | 7:44 | 釧路 | 8:28 | キハ40 739(単行) |
快速しれとこ3728D | 釧路 | 9:05 | 摩周 | 10:20 | キハ54 519(単行) |
阿寒バス「摩周湖バス」 | 摩周 | 10:30 | 摩周湖第一展望台 | 10:50 | - |
摩周湖ジャンボ線(ジャンボタクシー) | 摩周湖第一展望台 | 10:50 | 摩周湖第三展望台 | 10:55 | - |
摩周湖ジャンボ線(ジャンボタクシー) | 摩周湖第三展望台 | 11:10 | 摩周湖第一展望台 | 11:15 | - |
阿寒バス「屈斜路バス」 | 摩周湖第一展望台 | 11:55 | 川湯温泉 | 12:20 | - |
釧網本線普通4733D | 川湯温泉 | 13:40 | 塘路 | 14:47 | キハ54 507(単行) |
くしろ湿原ノロッコ3号 | 塘路 | 15:14 | 釧路 | 16:04 | オハテフ510-1(3号車) |
根室本線普通5637D | 釧路 | 16:19 | 根室 | 18:49 | キハ54 518(単行) |
失われる前に秘境駅を求めて
8月24日、午前4時45分ころ。すでに宿を出たボクは、釧路駅に向かって歩き始めました。
この旅で最も早い朝。早くに起きてでも、行ってみたいところが、釧路の周辺にあるのです。
とにかく朝早いので、同宿の方を起こさないよう細心の注意を払いましたが、二人のうち一人は起きていらっしゃいました。軽くあいさつをして、宿を出て出発。
前の晩も通った幣舞橋を通り、前日は通らなかった大通りを歩いて、駅へ。早朝の幣舞橋もまた絵になる景色でした。釧路の港はすでに船がだいぶ戻ってきており、船の数・大きさなどから活気を感じました。
道路上にあった温度計によれば、気温はこの時点で15℃。札幌よりもはるかに涼しい気候が、釧路の特徴でありウリでもあります。旅行前は普通に半袖で生活していたボクも、ここでは長袖にウインドブレーカーを着用して臨んでいます。ウインドブレーカーはさすがに朝しか着てませんが。
30分以上歩き、釧路駅へ。ここから、根室本線を西に少し戻ります。行くのは、古瀬駅。鉄道ファンの間では割と名の知れた、北海道の代表的な「秘境駅」のひとつです。
釧路駅に着いた頃は、まだ改札付近以外に明かりがついていない時間。少し待っていると、駅員が駅全体に電気をつけました。いかにも始発前という感じです。この始発前の駅の雰囲気にハマって旅行中に何度も始発に乗るクセがついてしまったといっても過言ではありません。
改札が始まったら、すぐに帯広方面の列車に乗車。キハ40の単行とあっては変わり映えしませんが、道内旅行ゆえ致し方なし。
乗客は自分のほかに2、3人程度でした。それでもターミナル駅の始発に人が乗っているのですから、釧路も求心力あるなあ、と思うあたりです。
発車数分前に、突如として車内チャイムの「アルプスの牧場」が鳴りました。発車前の案内放送(行き先・途中駅の到着時刻など)の前にチャイムを鳴らすというのを、普通列車でやるのは今まで遭遇したことがなく、驚くとともに、記憶にある限り初めてアルプスの牧場(国鉄オルゴール版)を生で聴けたのでかなり嬉しかったです。
列車は定刻に釧路駅を発車。もうお馴染みの走りで、西へ向かっていきます。
この列車、実は古瀬駅に停まりません。ではどうやって古瀬に行くか。一つ先の音別まで一旦行って、そこで対向列車に乗り換えて戻るという方法を採るのです。フリーきっぷの力を活かし、何の後ろめたさもなく折り返し乗車というわけです。
板張りのホームに降り立つ

ほどなく音別に到着。対向列車もほぼ同時に音別に着きました。
駅舎や車両を軽く撮影後、すぐに乗車。音別では3分しか乗り換え時間がありません。
さて列車は釧路に向け発車。この列車も、地味に始発だったりします。
まずは太平洋を右に見ます。続いて、海沿いを離れ、これまた右に馬主来(ぱしくる)沼を見渡します。そして、トンネルに入ると、いよいよ古瀬到着の車内放送が流れます。

列車はゆっくりと2番ホームに入線。別に運転手に止められるでもなく、板張りのホームに降りました。道東一の「秘境駅」であろう、古瀬駅での降車が、この時達成されました。
列車は対向の特急列車の通過を待ち、少し遅れて駅を発車。静けさが支配する駅に、ただ一人ボクだけが残されました。
森に囲まれた駅にて


列車が去り、一人取り残された直後に抱いた感想は、「いや、なかなかにとんでもないところに来てしまったなあ」。
ここは、札幌と釧路を結ぶ重要な路線の途中にある、2面2線の駅。これで駅舎があって、ホームがコンクリートなら、秘境だとは到底思えないところ。しかし、板張りのホームと、周囲を取り囲む森林や、鳥・虫の鳴き声・羽音が、この駅を道東きっての「秘境駅」たらしめている。そんな感じです。
森の中を飛び交う鳥や虫の音、それにたまーに聞こえてくる車の音。ただそれだけが聞こえてくる、静かな駅です。
それで気分が休まるかというと、若干の不安(列車の運休・ハチ・クマなど)に加え、虫が苦手というのがあるので、言うほど休まってはいませんが。
とりあえず、後続の列車は先ほどとは逆のホームに停まるので、反対側のホームへ移動。構内踏切を渡って、一旦未舗装の道路に出て、ホームへ。板張りのホームがギシギシと音を立てます。
駅周辺は、未舗装の道路が駅両側にあり、周辺を案内する申し訳程度の看板が立っている程度。ほとんど何もあったものではありません。
駅周辺には北海道ではおなじみの「熊出没注意」の看板があり、9日(なので15日前ですね)にクマの目撃情報があったとの情報が書いてありました。したがって下手に身動きは取らず、駅前で駅ノートを見るなどして過ごしていました。クマの目撃情報って、まさかDF200形牽引の貨物列車じゃあないですよね。
現在は定期利用客がいると聞きますが、いずれはそれもゼロになり、そうなると古瀬は信号場に降格するでしょう。それ自体はボクは異議をとどめずに賛成しますが、やっぱり古瀬という駅を味わってみたいという思いがあり、今回の訪問ではその目的を十分に果たせたと思います。
駅でのんびりと過ごすうちに、列車の到着時刻に。ところが、列車が来ない。だいたい出発信号が開通したのが定刻の3分前とあっては、定時で来るわけがないというもの。結局列車は6分遅れて登場。ようやっと古瀬を脱出できました。
では、釧路へと戻ります。