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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)
2日目(平成27.8.24) 4/7ページ「川湯温泉」
川湯温泉へ

今度のバスは路線バスタイプ。これで山道を行くのか、と思いましたが、乗車時間も短いし気にしない、と。
摩周駅から一緒だった4人は、ここで半々に分かれました。つまり、ボク含め2人が川湯方面へ行き、残る2人が摩周駅に戻りました。
第三展望台までは先ほど通った道をもう一度走ります。先ほどより霧が晴れており、もしかしたら今なら……とも思いましたが、気にしたら負けだと思い意識から掃き出しました。
バスは第三展望台を通過し、川湯温泉駅へと山道を下っていきました。
カルデラを見下ろし、木々も美しく、時には屈斜路湖も遠くに見えるという景色に、ヘアピンコーナーの連続に、と自分で運転したら気持ちよさそうな道路を、バスは快調に下っていきました。
このバスにもガイドが乗車しており、植生についての話をしてくれました。高山と同様の植生についてや、エゾマツとトドマツの違いなど。
景色やガイドの話を楽しんでいるうちに、川湯温泉駅に到着。
川湯の風をきって
川湯温泉では、釧路方面に戻る列車が出るまでの1時間20分の間に、温泉に入りにいきます。
そうは言っても、川湯の駅から温泉街までは離れています。乗ってきたバスは温泉街方面に行くのですが、何と川湯温泉駅で1時間も停車します。この時間にお昼でも食べなさい、ということでしょうか。そんな時間はないので、別の交通手段を講じました。

使うのは、レンタサイクル。前のページでもお話した通り、えこパスポートを持っている人向けにレンタサイクルが用意されており、無料で借りられます。
荷物の一部を預けて身軽になって、自転車を借りて出発。ちなみに動画版のために自転車にカメラくっつけて撮ってみたのですが、ひどいブレブレの動画が撮れました……。
駅正面の道を走り、突き当りを右へ。続いて、「硫黄山」の標識のところで、左折。

前のページで屈斜路カルデラという言葉を何回か出しましたが、今はそのカルデラの中にいます。左手に硫黄山がありますが、それを除けば平坦な眺望で、当初想像していた「山の中」というイメージとは結構違って、広々とした展望を楽しみながら走りました。
……ただ、時間がないので割と飛ばしていたのでそこまで楽しめていない上に、硫黄山の噴気のせいで煙たい煙たい。
噴気にやられつつ、全力の7割ほどで漕いで約12分で目的地に到着。全体的に下りだったので比較的楽でした。

今回、日帰り入浴をする宿に選んだのは、欣喜湯(きんきゆ)さん。えこパスポートの特典で日帰り入浴がなんと半額。値段につられて……。
川湯温泉はとにかく酸性が強い温泉で、ちょっと足を入れただけで「これは強い!」と感じるほどの薬効があります。
で、ボクは温泉でのぼせることに定評がありますが、とにもかくにも時間がなく、のぼせる前に時間切れであがってしまいました。もう少しゆっくりしたかったですが、背に腹は代えられません。ひとつでも多くの観光地を巡り、北海道を知り、自分を高めるには、これ以上の滞在は許されません。
しかし、時間を切り詰めたにもかかわらず、それでもなお時間にまったく余裕がありません。本当はお土産屋の一軒くらい寄りたかったのですが、そんなことをしていては確実に列車に乗り遅れます。
というわけで、名残惜しいですが駅にUターン。出発時点で13時20分。列車発車が同40分。あと20分です。行きのラップタイムが12分、帰りは上りです。正直、かなり焦っていました。
しかも、風呂入った直後の自転車(しかも全力)。辛い。本当はバスで行きたいのですが、自転車で来たのだから自転車で帰るのは当たり前です。
……以前なら、自転車をバスに載せて移動することができたようですが、電話で確認したところ、バスの遅延の原因になるので現在はやっていないとのこと。あるいは、温泉街で自転車を乗り捨てる(返却可能な場所が温泉街にある)手もありますが、そうするとその手続きの時間にバスが行ってしまうという本末転倒な事態に。というか、温泉出たのがバスが出た後で、そもそもこれらの手は使えないという。


息を切らしながら(動画版でよーく聞いてみるとボクの荒い息遣いがわかるはず。動画版だとそういうところも伝わるのでやっぱ作ってよかった)来た道を必死で戻り、川湯温泉駅へ。急いで自転車を返却。この時点で発車まであと8分。
ここで、駅併設の喫茶店「オーチャードグラス」さんへ。時間がないのはここをスルーできないから。ネットで評判がよかった、ソフトクリームを注文。時間がない中で、飲むように食べましたが、濃厚な味わいはしっかりと感じられました。かなりおいしいソフトクリームでした。やはり風呂上りにこういうのはたまりません。
そして、列車に乗車。発車3分前のことでした。どこかでミスしていれば即座に乗り遅れが確定していたワケで、ホッとしました。
ザ・とんぼ返り
川湯温泉から塘路まで普通列車で移動です。川湯始発とあって乗客はまばら。
摩周からは観光客が乗ってきた他、アウトドアな人々の短区間利用もありました。相変わらず平日だというのに非日常の利用者が大多数。やっぱり観光路線なんだなあ。
摩周までの移動では西側(進行方向左側)に座っていましたが、ここでは東側(進行方向左側)に着席。とくに茅沼~塘路間、逆側の景色も見ておきたかったのです。
逆側は行きに見た景色とは違い、あまり開けた眺望が楽しめませんでした。しかし、茅沼からは期待通り湿原の景色を楽しめました。
茅沼~塘路は、どちらに座っても景色が楽しめますし、(少なくともボクにとっては)塘路以南よりも楽しめるので、こここそ観光客に見てもらいたい景色だな、と思い、ノロッコが標茶まで運行すればいいのに、と考えましたが、そうすると1編成で特急との接続を考慮しながら2往復することはできなくなるか、と気づき、そのプランを主張することはせず。いやそれでも本気で観光で食っていきたいならそうすべきだとは思いましたが。
で、塘路で下車。ここで乗り換えです。塘路で乗り換えるといえば、当然乗るのは「くしろ湿原ノロッコ号」。釧網本線釧路口のエースといってもいい列車です。
駅前には、ノロッコ待ちの観光客が多数。摩周湖も結構人がいましたが、あちらは(少なくとも展望台は)湖の神秘性のおかげで俗っぽさは感じなかったものの、こちらは駅前とあって、垢抜けた雰囲気が漂います。

既にノロッコは入線しており、ちょっと駅舎を撮影するなどしたらすぐに乗車。
乗るのは3号車。もちろん指定席を押さえてございます。1か月前の午前10時すぎに指定席採りに行ったのに進行方向右側の窓側が何とかこんとか取れた、というレベルの人気列車(というか団体御用達列車)。
なお、その前の2両は、ホーム有効長の関係でドアカットを行っていました。観光列車の始発駅ですが、余裕の締切です。
早めに乗車したので、車内で20分ほど待機。そして、15時14分、列車は定刻通り発車。