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【令和元年7・8月】北!鉄!ニュースライナー 第8回

記事公開:令和元年(2019年)10月11日

※「北!鉄!ニュースライナー」企画打ち切りについて(令和3年(2021年)9月1日付)

本企画を今回をもって打ち切ることといたしましたので、ご案内いたします。

詳しい理由などはページ下部に記載いたしております。

ゲニっとな(/A皿A)/

「北!鉄!ニュースライナー」ももう8回目ですよ奥さん!

今回もいつも通り、北海道の鉄道のニュースを紹介して雑~にコメントしていきます。不確定情報は原則×。今回は7・8月のニュースです。

前置きを書く気力すら無いので早速、レッツビギン!

【札幌エリア 8/1】恵庭駅・長都駅に北海道初の「副駅名」(?)

最初は札幌の近くの話題。千歳線の恵庭・長都の2駅に、北海道では初となる「副駅名」が付きました。

8月1日からの実施で、恵庭は「北海道文教大学前」、長都は「キリンビール北海道千歳工場前」です。

といっても、駅名標の下に副駅名が書かれた看板が付いただけです。駅舎に看板を付けたり、駅名標そのものに書き足したり、列車の放送で読み上げたり……はしていません。

なので、「副駅名」ってのはなんか違う気が。どちらかというと単なる「広告」?

ともかくも、駅名標のすぐ下という目に付きやすい場所を活かし、JR北海道の子会社「北海道ジェイ・アール・エージェンシー」の広告収入を増やすことに成功しました。

なお、「北海道ジェイ・アール・エージェンシー」は来年4月に他の子会社と合併し、「JR北海道ソリューションズ」として再出発します。


さらにキリンビールは、副駅名を活用して、「ビール工場は長都が最寄り。列車で工場に行こう!」という内容の中吊り広告を出しました。

ただ「列車で行こう」ではなく、「最寄駅から○分」でもなく、「最寄駅が『キリンビール北海道千歳工場前』という名前」とアピール。インパクトが段違いです。

またJRとしても、単価の高い中吊り広告の出稿者を、グループ会社・関連会社以外からゲットできたのはかなり大きいです。

副駅名と中吊り広告を組み合わせた戦術。これが、未来の副駅名称のスポンサーにとっても、JRにとっても、今後の参考になるでしょう。


JRは「副駅名」を今後も積極導入する構えで、10月5日からは手稲駅でも導入。名称は「北海道科学大学 最寄駅」です。

……「最寄駅」ってなんやねん。

出典
JR北海道 令和元年7月11日ニュースリリース「JR北海道で初となる『副駅名称』を恵庭駅、長都駅の2駅に設置します」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190711_KO_hukuekimei.pdf)
JR北海道 令和元年9月26日ニュースリリース「手稲駅の副駅名称が『北海道科学大学 最寄駅』に決定!」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190926_KO_teinehukueki.pdf)

【特急 7/6】フラノラベンダーエクスプレスで花柄ヘッドレストカバー

次は特急じゃい!

7月6日から、臨時特急フラノラベンダーエクスプレスに、富良野・美瑛エリアに咲く花をデザインした、花柄ヘッドレストカバーが装備されました。

デザインは4種類。列車名にもなっている、地域を代表する花・ラベンダーのほか、列車が運行される季節に咲き誇る、チューリップ・ダリア・ひまわり。車内をカラフルに彩りました。


この取り組みですが、ボクは「来年」を見据えたものだと邪推しています。

来年に何が起こるか。ズバリ、車両変更です。

過去記事で取り上げた新しい観光特急車両・キハ261系5000番台(仮称)が、フラノラベンダーエクスプレスを引き継ぐ予定となっています。

キハ261系5000番台(仮称)は、リゾート感よりも、ベース車両である同1000番台との仕様統一を重視するようです。JRのニュースリリースを見る限りだと、内装のデザインはベース車両の色違いでしかなく、特別感がありません。

過去記事でも意見したんですが、内装はもう少し工夫が必要です。もちろん、特殊構造にしてしまうと、維持コストがえらいこっちゃになります。ですがベース車両と全く同じではダメ。せっかくの観光列車なのに味気なくなってしまいます。

その点、このヘッドレストカバーは低コストですし、ベース車両と仕様を変える必要もまったくありません。それでいて、ふつうの特急車両とは違う雰囲気を持たせることができます。キハ261系5000番台(仮称)にピッタリです。

「お金をかけずにワンアクセント」。さすがは、H5系や「北海道の恵み」といった、派手さはなくても楽しい内装をデザインしてきたJR北海道なだけあります。やるじゃな~い。

……といっても、コレだけだとちょっと寂しいと思います。今年はリゾート車両なのでいいんですが、キハ261系でヘッドレストカバー替えただけでは、さすがに殺風景でしょう。もう一つ、アイデアが欲しいところです。ガンバレ……!

追記(令和3.8.5):令和3年(2021年)からフラノラベンダーエクスプレスにキハ261系5000番台が投入されましたが、花柄ヘッドレストカバーは採用されませんでした。ただ、当初イメージ図よりも工夫された配色の内装となり「ラベンダー編成」についてはまさに列車にうってつけの色合いとなったほか、新規の専用車内チャイム、観光協会による3ヶ国語での案内放送とグッズ車内販売など、全体として列車を盛り上げる工夫がされ、ある程度特別感のある列車に仕上がりました。

出典
JR北海道 令和元年7月4日ニュースリリース「特急フラノラベンダーエクスプレス 列車の旅で花畑気分を満喫しよう」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190704_KO_Frano%20seat.pdf)

【特急 8/9~18】夏の繁忙期輸送ザッピング

今年もお盆が過ぎました。例によって、JRの繁忙期輸送を振り返ります。

函館方面:消えた北斗95号!

函館方面は、スーパー北斗が増結。

春に続いて、お盆期間のほとんどでキハ281系運用の便が8両に増結されました。9両運転もあるかと思っていましたが、最大は8両だったようです。

キハ261系の便は、1本だけ10両編成があった以外は8~9両。9両編成が多く見られました。

さらに臨時列車も、おなじみの北斗84・88・91号が運行。

ところが、北斗95号は運行がありませんでした。お盆期間に一度も設定がないのは、今の運行体系になった平成28年以降初です。

実際、北斗95号は混んでいるのを見たことがありません。

前を走るスーパー北斗15号は盛況なので、それを補う意味はありました。でも、スーパー北斗15号は今年から多客期の増結(8~9両)が始まったので、意義が薄れてしまいました。

また、北斗84号も運行日数が減っています。運行日数が多いのは、利用が多い日中の88・91号だけです。

だったら、車両を函館で一泊させ、88号と翌日の91号を一つの運用にまとめたらどうかと。

現状だと、84・95号がない日も、88号や91号があると、それぞれ95号・84号と同時刻帯の回送列車が設定され、車両が1日で1往復するようになっています。

ですが、これでは燃料のムダです。どのみち車両を2本使うなら、1泊させて2日で1サイクルにして、回送列車を減らしたらどうだろうな、と。

まあ、おそらくは滞泊させない理由があるんでしょうね。メンテナンス等々の都合とか、あるいは回送列車を研修か何かに活用してるとか。

旭川方面:カムイ63号今季も登場

札幌~旭川間には、今季も臨時カムイ63号がお盆前半に設定。臨時北斗ブラザーズ同様、定着しつつあります。

昨夏と同じく、年始に運行されるカムイ70号は姿を見せませんでした。

また、17・18日はライラック旭山動物園号も設定。指定席の売上はどんなもんなんでしょうか。(調べてない……)

その他の列車

他の方面は以下のよーな感じ。

  • Sおおぞら:7~8両
  • Sとかち:5~6両
  • オホーツク・大雪:5両
  • 宗谷・サロベツ:一部6両

おおむね例年通りだったと思います。むしろ、宗谷系統の増結はないと思っていたので、予想より増結されているくらいです。

宗谷系統は、後述する「風っこ そうや」のことを考えた増結かもしれません。有意に利用客が増えるとは思えませんが、まあ念のためって感じでしょうか。

道東方面は、NHKの「なつぞら」による特需は感じられませんでした。

利用実績

今年のお盆期間の利用実績は、前年比で見ると以下の通り。

  • 函館方面(苫小牧~東室蘭):97%
  • 旭川方面(札幌~岩見沢):92%
  • 釧路方面(南千歳~トマム):88%

台風の影響と、春の超大型連休の反動減があるので、仕方ないかなと。来年以降も低調だったらマズいですが……。

出典
JR北海道 令和元年8月19日ニュースリリース「お盆期間ご利用状況のお知らせ」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190819_KO_obon.pdf)

【特急 8/10】石北特急、お盆期間の特産品車内販売

お盆の特急の話題がもう一つあります。特急オホーツク・大雪では、沿線自治体による特産品の車内販売が週末などに行われていますが、今年はお盆にも実施されました。

これまでは多客期を避けて実施されてきた特産品販売ですが、今年は売る気マンマン。路線網維持に向けた沿線の意気が伝わります。

また、この夏からは遠軽のかにめしが列車内に復活。遠軽町が販売を実施する日だけの販売ですが、盛況だったと聞いています。

長万部ほどではないにせよ人気のあった遠軽の駅弁・かにめしは、駅前で駅弁を作っていた業者がなくなり、一度は消滅しました。しかし、近くの「ホテルサンシャイン」が味を再現して復活。基本的にはホテルのみでの販売ですが、今回ついに車内販売メニューにもカムバックと相成りました。

弁当の販売はいろいろ大変だと思いますが、それでもチャレンジ。遠軽町、かなり頑張ってます。できれば販売日数を少しでも増やしてほしいところ。

年末にも実施されることが決まっています。まだ遠軽のかにめしは食べたことがないので、ボクもそのうち行ってみようと思います。

この調子で、少しでも石北特急が元気になるよう、JRと沿線との協働が強化されることを望みます。

出典
JR北海道 令和元年6月20日ニュースリリース「石北線沿線地域の皆さまによる特急列車車内での特産品販売について」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190620_KO_sekihoku_tokusanhin.pdf)

【新幹線 7/10】北海道新幹線に「貨物新幹線」計画が浮上

お次は新幹線のおはなし。

北海道新幹線と、東北新幹線の一部区間で、「パレット式貨物新幹線」が検討されている、という報道が7月10日の新聞記事にありました。

北海道新幹線は、青函トンネルとその前後で貨物列車と路線を共有します。そのため、新幹線が共用区間でスピードアップできないという問題が起きています。

共用区間で新幹線と貨物列車がすれ違うと、その衝撃で貨物列車のコンテナがダメージを受けるおそれがあるため、新幹線は青函トンネル内で160km/h、それ以外の共用区間では140km/hしか出してません。

また、貨客共用のままスピードアップしても、貨物列車は遅いままなので、先行する貨物列車のせいで後ろを走る新幹線がつかえてしまう、という問題もあります。

その打開策の一つとして浮上してきたのが、貨物新幹線。新幹線の車両どうしなら、当たり前ですが高速ですれ違っても大丈夫。最高速度も当然上がるので、後続の(旅客)新幹線の邪魔をしません。北海道新幹線の所要時間短縮への道が広がります。


今回の「貨物新幹線」は、かつて検討されていた「トレイン・オン・トレイン」とは異なります。言うなれば「荷物新幹線」と言う感じで、コンテナは使わず、積み荷をパレットに載せてそのまま車内に入れる感じになるようです。

車両の仕様的に、運べるのはおそらく宅配荷物などの軽いものだけ。仮に16両編成としても、積載量はせいぜい百数十~二百トンくらいでしょう。

当然、在来の貨物列車をすべて代替することはできません。コンテナ貨車を20両つないだ貨物列車で最大500トンくらい運べるので、全然追いつきません。また、重量貨物はムリです。

それでも、在来の貨物列車を何本かは置き換えられるはずです。それだけでも、共用区間で新幹線専用の時間帯をつくる「時間帯区分方式」はかなりやりやすくなります。

それに、1列車あたりの輸送力が足りない分は、本数を増やせばある程度対応できます。貨物列車が片道を往く時間で、新幹線は1往復以上できるはず。足を生かして走りまくって、輸送力の差を詰めればいいのです。

車両だけでなく、札幌に1か所、東北に3か所、貨物の載せ替え基地が儲けられるようなので、初期費用がかさみます。でも、新幹線のスピードアップだけでなく、貨物のリードタイム短縮も期待でき、費用をペイする可能性はじゅうぶんです。

出典
北海道新聞 令和元年7月10日朝刊1面「貨物新幹線具体化を検討 国交省、時速320キロ目指す」

【新幹線 7/11】北海道新幹線でも「貨客混載」へ

貨物新幹線構想が報じられたその翌日、さらに動きが。旅客列車で宅配荷物を運ぶ「貨客混載」を北海道新幹線でも検討する、とJR北海道の社長記者会見で発表があったようです。

JR北海道での貨客混載は、宗谷本線の稚内→幌延間で既に行われています(第3回第6回を参照)が、それを新幹線にも応用するようです。

多くの便では、車内はいつもガラガラ。赤字もかなりの額に上ります。空いている車内を活用して、少しでも赤字を抑えたいワケですね。

また、札幌延伸後も、先述の共用区間問題への対策の一つとして貨客混載が期待されます。

貨物列車を減便して、その分を船舶に置き換える「海上転換」が行われることが(貨物新幹線の実現いかんにかかわらず)考えられますが、それだと港からの輸送はトラックとなり、ドライバーがたくさん必要です。

貨客混載が実施されれば、海上転換を少しでも少なく済ませられます。効果は少ないですが、それでもとにかくトラックドライバーの必要人数を減らさないといけない昨今では重要です。

今年度からさっそく試験が行われるとのことで、少しでも早く実用化されることを望みます。

追記(令和3.6.18)

令和3年(2021年)3月から、貨客混載が始まりました。新函館→新青森の区間で新幹線を活用し、道央・道南の荷物を青森県域に運びます。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で計画が遅れていましたが、無事に事業開始に漕ぎ着けました。

さらに、その応用版のような取り組みとして、同年4月からは北海道・東北新幹線で北海道の鮮魚や駅弁を東京まで運ぶ事業が始まりました。こちらは空席ではなく、業務用室を使って運ぶとのこと。函館の人気駅弁「蝦夷ちらし」「鰊みがき弁当」や、北の海が誇る魚介類をおいしいうちに運ぶ取り組みで、アフターコロナにどのくらい需要を開拓できるか楽しみです。

出典
北海道新聞 令和元年7月10日朝刊2面「道新幹線客室に荷物 JR北海道 年度内にも輸送試験」
(令和3年6月18日追記)JR北海道 令和3年3月10日ニュースリリース「北海道新幹線を使用した貨客混載輸送の事業化について」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/296ab8227e7b387fcc74a998818d9e98.pdf)
(令和3年6月18日追記)JR北海道 令和3年4月14日ニュースリリース「【社長会見】北海道・東北新幹線を使用した鮮魚・駅弁輸送を開始します」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/210414_KO_kakyakukonsai.pdf)

【新幹線 8/20】青函トンネル貨物列車全面撤退が検討されるも断念?

今回は珍しく新幹線の話題多めです。

今年度に入ってから、「北海道新幹線と貨物列車との共用区間で新幹線のスピードアップを図るため、貨物列車をすべて撤退させる」ことが検討されている、という報道が出ています。

ところが、8月20日の新聞朝刊で「貨物全面撤退は断念」との報道がありました。

次々と報道が出され、情報が錯綜気味です。加えて、国交省の情報公開のない話題で、ファクトチェックが困難です。なので、「断念?」という決めつけない見出しにしてみました。


先述の通り、青函トンネルとその前後区間では、新幹線と貨物列車が路線を共有しています。そのため、新幹線を最大限スピードアップするのが難しい状況です。

しかし、北海道新幹線が羽田~新千歳の飛行機に全く歯が立たないようでは、兆単位のお金を投じて造られる新幹線がムダになります。また、国の課題でもあるJR北海道の経営再建も、厳しくなってしまいます。

ですが、そもそも貨物列車がいなければ、路線を新幹線専用にできるので、好きなだけスピードが出せます。

……という目論見だったんですが、断念。理由は、貨物列車がなくなる損失が大きいと考えられたからでしょう。

みずほ総合研究所の試算によれば、貨物全面撤退によって、最悪の場合1,462億円の経済損失(おそらくは「年間で」)が出るといいます。どの程度信頼していい数字かはわかりませんが、参考にはなります。

新幹線の効果を高めても、それを上回るデメリットがあるから、意味がないと判断されたのでしょう。


報道によれば、仮に貨物を全面撤退させた場合、新幹線の所要時間は16分短縮できるようです。

「16分」と「1,462億円/年」では単位が合わないので、ちょっと計算してみました。

結果だけお話しすると、新幹線のスピードアップにより、ザックリ計算で年間164億円くらいの利益。そこからデメリットを差し引くと、最終的にマイナス128億円くらいになりました。

計算の過程は下に小文字で示しますので興味のある方はどうぞ。専門的なことはともかくとして一言で言えば、「新幹線がかなり有利になるような計算」です。それで、コレです。

貨物全面撤退は、やっぱりプラスにはなりそうにありません。

では詳説。文字数削減の必要上、専門用語を解説無しで使います。ご容赦ください。計算結果だけわかればいいという人は飛ばしてください。

利用者数は、高速化しない場合で往復合計16,000人/日、高速化する場合21,000人と仮定します。実際にはこんなに大きく変わるわけがありませんが、「これだけ新幹線有利な仮定で計算してもダメでした」というのを強調するため、あえて「5,000人増」という極端に多い仮定にしました。

時間価値はこれも多めに、50円/分と仮定。しかも、時間価値×時間短縮効果の積を、あえてそのまま「一般化費用が減る分」と見なします。これも上と同様の理由です。

増加する分の乗客は、運賃・料金を3万円払うと仮定、その2割がJRの収益になるとします。

計算簡略化のため、1年は365.25日とします。

利用者便益は、(16,000+21,000)÷2×50×16×365.25=約54億円/年。供給者便益は5,000×30,000×0.2×365.25=約110億円/年。

で、先述の通り貨物撤退の経済損失は1,462億円という試算。条件を揃えるために、ここから「波及効果」の分を差し引きます……が、そんなのシロートにはムリなので、5分の1の「292億円」を貨物撤退の利用者損失+供給者損失の和とします。さすがに80%も割り引けば波及効果は計算に入らないだろう、と。

差し引き、54+110-292=-128億円、となります。

実際には5千人も差が付くはずはなく、「一般化費用が減る分」もちゃんと計算したらもっと小さい値になるはずなので、実際には新幹線の便益はもっと少なくなります。


貨物列車はなくせない。では、北海道新幹線は高速化できないのでしょうか?

答えは、「否」です。前回もお話ししました通り、他にも現在さまざまな高速化プロジェクトが行われています。

  • 上野~大宮間 110km/h→130km/h……騒音対策を実施中
  • 宇都宮~盛岡間 320km/h→360km/h……高速試験車"ALFA-X"で360km/h運転試験中(大宮~宇都宮間でもスピードアップの可能性十分)
  • 盛岡~新青森間 260km/h→320km/h……整備新幹線の高速化を可能にする法整備を行ったうえ、騒音対策を実施することが見込まれます
  • 新中小国信号場~木古内間 140km/h(青函トンネル内160km/h)→一部または全部を200km/h以上?……貨物列車とのすれ違い衝撃、明かり区間の三線軌条の雪対策などを解決できれば高速化可能。9月から試験再開。
  • 新函館北斗~札幌間 260km/h→320km/h……盛岡~新青森間と同様

これらのプロジェクトがすべてうまくいけば、共用区間に貨物列車がいたとしても、ザックリ言って20分前後は短縮できるはずです。

当初の計画では、東京~札幌間が最速5時間1分。すでに青函トンネルの所要時間が4分短縮されています。上記プロジェクトの成果と合わせれば、東京~札幌間は最速4時間35~40分程度で結べることになります。

加えて、共用区間を「一部時間帯のみ」新幹線専用とする「時間帯区分方式」を実現させれば、さらに数分程度は削れるはずです。

そうすれば、最低1本は「4時間29分以内」を達成できるでしょう。

停車駅などダイヤ面でも工夫を入れて、最速4時間台前半、全列車5時間以内とすれば、飛行機に一太刀浴びせるくらいは可能です。

「貨物をすべて追い出さなければスピードアップしない」わけではありません。ネットを見る限りけっこう勘違いしている人がいるようなので言っておきますが、オールオアナッシングで考える必要は全くありません。

出典
北海道新聞 令和元年5月31日朝刊1面「青函貨物廃止で道内1462億円損失 みずほ総研試算 海運転換不調なら」
北海道新聞 令和元年8月20日朝刊2面「青函貨物の全面撤退断念 国交省 新幹線高速化 課題残す」

【観光列車 7/27】「風っこ」来道、宗谷本線を走る

先回お伝えした通り、宗谷本線に観光列車「風っこ そうや」が登場。7月27日に運行を開始しました。

特にコメントはありません。

【ローカル 7/17】「地球探索鉄道」に兆し 花咲線で増結開始

花咲線(根室本線の釧路~根室間)で、1往復を2両編成に増結する試みが7月17日に始まりました。

根室市の提案にJRが応じる形で、夏の時期の週末に試験的に実施。

現在、維持困難路線の一つ・花咲線を維持・活用しようと、根室市が主体となって花咲線を「地球探索鉄道」というキャッチフレーズで大きくPRしています。これがうまくハマって、観光利用が増えているといいます。

臨時列車のような目玉企画がないうえ、資金をクラウドファンディングなどにかなり依存しているので、うまくいくか疑問だったのですが、ネットを活用して動画などで車窓に広がる雄大な景観などをPRし、成功したようです。

そのため、座席がぜんぶ埋まってしまうことが増えたとか。せっかく景色と風情を楽しみにしてきたのに、立ち席では魅力半減です。

そこで、増結で座席数を増やし、観光客の増加・満足度アップにどれくらい効果があるか実証してみるようです。

座れない人が減るだけでなく、窓側の座席を確保できる人が増えるのもポイント。

車両の走行距離は当然増えますし、連結・切り離しの人手もかかるので、費用がかさみます。続けて実施するには、沿線の積極的な協力が必要でしょう。

廃止もありうる状況の花咲線に、良い兆しが出始めました。観光資源はたくさんあるので、うまく生きてくれることを祈っています。

出典
「地球探索鉄道花咲線 2両編成運行を実施します!」(https://www.hanasaki-line.com/blog/info/1136/)、「地球探索鉄道 花咲線」公式Webサイト ※令和元年10月11日閲覧

【ローカル 8/1~3】「鉄輪ピック2019」、花咲線を彩る

続いても花咲線関係。高校生が鉄道の活性化策を考える「鉄輪ピック」が、今年は花咲線を舞台に開催。

8月1~3日に開催され、参加校が現地視察も交えつつ花咲線の今後について真剣に考え、3日目にそれぞれ花咲線の活性化策をプレゼンしました。

高校生の意見と侮ってはいけないようです。過去には、鉄輪ピックでの提言が実際に採用されたこともあるとか。

今回も、興味深い提言がいろいろありました。批評するのもちょっと大人げないかなとは思いますが、花咲線の将来が明るくなってほしいという思いと、後輩の奮起を促したい思いで、あえてちょっとコメントしてみます。


新聞・ニュースを読んだ限り、観光方面の提言が多かったようです。「地球探索鉄道」花咲線の魅力を活かし、利用促進に繋げようというものです。

いいなと思ったのが、「グルメ観光列車」の提案。晴れる日が多く、秋の味覚も楽しめる10月に運行し、雄大な風景と沿線グルメを楽しめる列車にする、という寸法です。

北海道の観光は、夏のイメージが強いと思います。でも、豊穣の大地、色づく草木、おだやかな気候と、実は秋の北海道ってすごく良いんです。

花咲線沿線のグルメも盛りを迎える時期です。サンマやサケはちょうど旬で、花咲ガニも旬はやや過ぎますがまだおいしい時期。

第5回で紹介したように、新しい観光車両「山紫水明号」ができたので、車両はOK。実現可能性もじゅうぶんです。

もう一ついいと思ったのは、「昼はバードウォッチング、夜は星空を楽しむツアー」の提案。花咲線沿線には野鳥の楽園・厚岸湖などがありますし、人口密度が低いので、夜は満天の星空が広がります。それらを活かそうというわけですね。

野鳥観察・星空と言うと、道東には弟子屈町という先駆者がいます。そこに割って入るのは大変かもしれませんが、チャンスはあるでしょう。弟子屈の「摩周湖星紀行」のような大成功もじゅうぶんありえます。

この二つは今日にでも検討開始していいと思います。


この二つ以外にも、観光面での提案がいろいろありました。

その一つが、自転車の持ち込みをOKにして、サイクリストを呼び込む提案。JR東日本の"B.B.BASE"に代表されるように、各地で自転車持ち込みの観光列車が増えており、北海道でも宗谷本線でサイクリスト向けのサービスが始まっています。花咲線は駅から離れたところに名所が多いですし、広々とした大地は自転車で駆け抜けたら爽快なので、JRと自転車を組み合わせると楽しくて効率も良いでしょう。一考の価値アリだと思います。

たとえば浜中までJRで行って、そこから自転車にまたがり、霧多布→風連湖→納沙布岬と巡って、根室駅からまた列車、とか。

一方、星空観光のために天窓構造の車両を導入する提案もありましたが、これは良くありません。特殊構造の車両は、製造もメンテナンスも大変です。なので、どこかの無人駅で観光列車の停車時間を長めにとって、列車を「降りて」星空を見るような形にする方がいいでしょう。降りた方が周囲の自然をよりハッキリ体感できるので、なおのこと。

「新青森発着の寝台列車」という提案もあったとのこと。これははっきり「悪」です。寝台列車は専用車両が必要で、しかも昼の間は活用できないため、非効率な運用のために特殊構造の車両を抱える形となり、そうとうな負担になります。

しかも、新青森発着となると青函トンネルに対応する必要があります。「トランスイート四季島」のように、電化区間は電気運転しつつ非電化区間でも走れ、しかも20,000Vと25,000Vの二つの電圧に対応する車両が必要になり、とんでもなくコストがかかります。それでなければ機関車牽引となりますが、機関車は高度な運転技術が必要なため、運転要員の確保は困難をきわめます。

そもそも、夜間はそもそも働きたい人が減るので、夜間労働力を多く必要とする夜行列車というスタイル自体がしんどいです。需要がそうとう旺盛であるか、そうとう高い料金を設定できるか、どっちかでない限り夜行は無茶だと認識するべきでしょう。

道内にはステキな宿がたくさんあります。わざわざ割高なコストをかけてまで寝台列車を設定し、列車内に客を泊まらせる必要などありません。


その他には、花咲線の駅舎などのデザインコンペの開催が提言されました。「総合デザイン博覧会」と銘打ち、鉄道設備のみならず沿線全体のデザインを募集するというものです。デザインについては門外漢なので詳しいコメントは控えますが、「沿線全体のデザイン」というのは非常に面白そうです。

また、バスとの接続改善についても指摘がありました。公共交通を維持するためには鉄道とバスが協力しないとムリなので、これもすぐ実行に移すべきでしょう。


以上のように、磨いたら光りそうなアイデアがけっこう出てきました。ホントに実現するかもな、とさえ思います。

ボクも、花咲線はそうとうなポテンシャルを持っていると思っています。数年後に北海道を代表する観光路線になったらいいなあ、と。

出典
北海道新聞 令和元年8月4日朝刊28面「花咲線に観光列車を 鉄輪ピック 高校生ら活性化案発表」
「高校生が鉄輪ピック 花咲線存続へ 4校が提案発表 根室」(https://mainichi.jp/articles/20190804/ddl/k01/100/042000c)、毎日新聞電子版 ※令和元年8月4日閲覧
8月3日のNHK札幌放送局の報道
ねむろフィールドノート様の8月3日のツイート(https://twitter.com/nnbwtps/status/1157546881842462723)

【ローカル 8/6】胆振地震に伴う徐行運転が終了

今回は珍しくローカル線の話題多めです。

昨年(平成30年)9月6日の北海道胆振東部地震により、震源近くの鉄道路線はダメージを受けました。

そのため、一部区間で徐行運転が行われていましたが、昨年のうちに特急の運行区間は徐行解除。

徐行を続けていた室蘭本線の遠浅~三川間、および日高本線の勇払~鵡川間でしたが、6月11日に徐行が緩和されて所定ダイヤに近づきました。そして、8月6日に徐行運転が解除し、当日午前の一部列車を除いて所定運行に戻りました。

地震で崩れた路盤を直しても、路盤が固まるまでは徐行運転が必要でした。特急が走る区間は震源からやや離れていたからか、早めに復旧できましたが、残り2区間は時間がかかりました。

各駅には「室蘭本線1468Dからスーパー北斗14号に乗り継げない」と張り紙されていたほか、ネットによると朝の札幌エリアの通勤列車146M(岩見沢7:49発→札幌行き)が岩見沢で1463Dを待つため遅れていたようです。このように、接続の面でも影響があった徐行運転。ようやく終わってくれて、少しホッとしました。

出典
JR北海道 令和元年8月1日ニュースリリース「地震による室蘭線及び日高線の徐行運転の解除について」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190801_KO_muroranhidakajokou.pdf)
駅の掲示

【索道 8/24】札幌・藻岩山ロープウェイでゴンドラが鉄塔に衝突

続いては、本企画で初となる「索道」の話題。札幌の藻岩山ロープウェイで、乗客を乗せたゴンドラが異常停止し、鉄塔に衝突するという重大事故が発生しました。この事故で、乗客7名がけがを負いました。

ロープウェイには、重量オーバーを検知してゴンドラをストップさせる装置が付いていましたが、定員内の乗車だったのに装置が誤作動。ロープウェイを支える鉄塔のところで急停止しました。

さらに、緊急停止する時のブレーキ力の設定にミスがあり、そうとう強いブレーキがかかったため、遠心力で大きく前後に振れたゴンドラが鉄塔の構造物とぶつかってしまったといいます。そして乗客がドミノ倒しになり、けが人が発生したのです。

ロープウェイは事故の約30分後に運転を再開。翌日はロープウェイのメーカーによる点検のため始発から運休しましたが、異常は見つからず午後3時から再開。定員を10名減らし、鉄塔通過時の速度も10km/hほど落としての運行となりました。

26日には北海道運輸局の現場調査があり、その日の夜に国交省から全国のロープウェイに対して設備確認を求める通知が出されます。ロープウェイはこれを受けてみたび運休。当初は月内の再開を目指しましたが、メーカーとの協議の結果「試運転をしなければ安全確認策・再発防止策をとれない」という結論となり、復旧は9月にずれ込むこととなりました。

9月12日ごろに上記の「停止装置誤作動」「ブレーキ設定ミス」が原因と判明。誤作動のあった装置を交換し、ブレーキの設定も直して、9月15日から運転を再開しました。

ただし、当面は上りの定員を半分以下の30名に制限しています。制御関連の部品を取り換えるまでの、念のための措置です。

輸送力を補うため、金土日祝の夜間は上り限定で無料の代行バスを用意しています。バスは9月7日の夕方から運行されていましたが、ロープウェイ運行再開を受けて週末・祝日のみ、しかも上りのみの運行に縮小されました。


トラブル以上に問題になったのが、ロープウェイを運行する札幌振興公社のずさんな事後対応でした。

※札幌振興公社は、「札幌市交通事業振興公社」(地下鉄の駅業務などを行う公社)とは別の法人です。

①運輸局への報告の遅れ

事故があった時、北海道運輸局にただちに報告をしなければならないことが、鉄道事業法に定められています。にもかかわらず、報告があったのは事故から1時間半も過ぎてからでした。

先述の通り、ロープウェイが運行再開したのは事故の30分後。報告よりも先に運行再開をするという、法をないがしろにする対応でした。

公社は「客が多かったので再開した」などと釈明しますが、どんなにたくさんの人が待っていようと、言い訳にはなりません。

②拙速な運行再開

原因を特定できていないにもかかわらず、運行再開を急いだのも問題です。

事故直後にすぐ再開したのもそうですが、翌日の点検でも早々と「異常なし」と決めつけ、運行再開。ゴンドラ内でドミノ倒しが起きていたわけで、少し間違えれば死者が出ていた重大インシデントのはずです。事の重大さを理解できていないと言わざるを得ません。

公社のみならず、メーカーにも安全意識を問い質したいところです。

③負傷者を逐一報告しない

9月13日の北海道新聞の報道によると、公社は当初は軽傷2名と報告されていた負傷者が、重傷のおそれがある1名を含む7名に増えていたことを把握しながら、12日現在でも公表していないというのです。

3日の時点で負傷者増を把握していたものの、その日の会見では「訊かれなかったから」と言及せず。世の中をナメているのでは、と腸が煮えくり返る思いです。

負傷者は逐一報告。それが鉄則であるべきです。「忙しい」では理由になりません。

④運休をロクに告知しない

乗客案内も十分とはとうてい言えないものでした。公社の告知も足りず、ロープウェイへの連絡手段を運行する札幌市交通局でも努力不足が散見されました。

市電のロープウェイ入口電停とロープウェイの山麓駅を結ぶ連絡バスの乗り場などには張り紙がされましたが、市電各電停での案内放送は日本語オンリー。

公社は公式のFacebook・Twitterアカウントを持っていながら、それらSNSでの案内が出たのはなんと9月12日。半月以上もやっていなかったのです。

地下鉄での案内もカンタンな張り紙だけで、駅によっては混雑したりしていると見えなくなる場所に出されていました(いっつもそうだけど)。放送なども、ボクが知る限りありませんでした。

結果、外国人を中心に、ロープウェイが運休と知らずに藻岩山を訪れてしまい、電停~ロープウェイ駅のバスの乗り場まで来て初めて運休を知り、途方に暮れる観光客が続出。札幌、ひいては北海道の観光に悪印象を与えたのは間違いありません。

9月7日以降は代行バスがあったとはいえ、それ以前は何の救済措置もなかったわけです。告知が不十分なうえに、他の手段がタクシーしかない。これを大問題と呼ばずして何と言うべきでしょうか。

……といった具合に、叩けば叩くほどホコリが出る始末でした。

平成25年頃のJR北海道を彷彿させる安全意識の欠如、そして当事者意識に欠ける行動、と言わざるを得ません。


「公社」と名の付くことからおわかりの通り、札幌振興公社は発行株式の8割以上を、札幌市が持っています。

ニュースライナーでは、第1回第4回と二度にわたり、「札幌市の交通事業は安全意識が足りていない」と警鐘を鳴らしてきました。にもかかわらず体質は改善されないばかりか、今年初夏にも地下鉄南北線で危険運転が多発するなど、悪化の兆しさえ見られました。そして今回、ついに負傷者を出す事態となってしまいました。今回こそは猛省すべきでしょう。

また、事故の報告や負傷者数公表がちゃんとなされない点も、きわめて疑問です。

案内不足に見られるような利用者軽視の態度もたいがいです。札幌の公営交通の利用者軽視は今に始まったことではなく、地下鉄でもボクが気付いた限りで、「不必要に大きい音量かつイライラした口調での駅放送・車内放送」「列車発車時、ホームの自動放送が止んでから何秒も経った後、ドアブザーを一瞬だけ鳴らしてほぼ抜き打ち状態のドア操作」「トラブルで数分停車後、発車時に駅放送・車内放送もなしに突然ドア操作」「地震直後の運転見合わせ解除時に、駅構内では『運転見合わせ中』と放送しているのに列車が突然発車」など、明らかに職員が乗客以外のなにかを見ているのが明白な問題事象がいろいろ起きています。

ボクは札幌という街は大好きですが、「札幌市」は嫌いです。「嫌い」が「大嫌い」になる前に、いちど徹底的に膿を出しやがれ、と声を大にして言いたいところです。

それはそうと、こんど「ふるさと納税」やってみようかと思ってるんですよ。どこにしようかなぁ~。

出典
北海道新聞 令和元年8月26日朝刊29面「藻岩山ゴンドラ 鉄塔衝突 札幌 非常停止の反動、2人けが」
北海道新聞 令和元年8月27日朝刊29面「衝突 誤作動の可能性も 藻岩山ゴンドラ 運輸局が現場調査」
北海道新聞 令和元年8月31日朝刊33面「ロープウエー再開めど立たず 藻岩山 試運転で安全確保へ」
北海道新聞 令和元年9月7日朝刊30面「もいわ山ロープウェイ事故 安全策9日にも提出 札幌振興公社」
北海道新聞 令和元年9月13日朝刊33面「負荷検知誤作動と制動設定ミス ゴンドラ事故 原因二つ?」
北海道新聞 令和元年9月16日朝刊27面「『ロープウェイ』20日ぶり再開 藻岩山 にぎわい戻る」

【その他 8月】釧路駅リニューアル工事が開始

最後のニュースは道東から。釧路駅がリニューアルされることとなり、8月から工事が始まりました。

工事は来年(令和2年)3月まで実施されます。

一番大きいのは、お店の売場面積拡大

従来の待合室の場所にセブンイレブンが移転。セブンの場所には、キヨスクが運営するお土産屋「四季彩館」と、名駅弁「いわしのほっかぶり」がある「シーフードショップSKIPP」が移転。セブンと四季彩館は売場面積が拡大し、売上アップのチャンスが生まれます。

待合室は、駅舎中ほどの空きスペースに移転。

スペースを有効活用して、売場面積をうまく広げつつ、待合室もしっかり確保したわけですね。

もう一つ、観光情報発信コーナーが設けられるのもポイントです。

釧路駅は、釧路湿原・摩周・知床斜里方面、厚岸・根室方面と、道東の名だたる観光地へと向かう際の拠点。観光案内は大事です。

すでに駅舎内に観光案内所があるのに、わざわざ新設。ということは、従来の案内所以上に充実したコーナーになるのでしょう。

釧路駅が道東の観光拠点としてパワーアップするのはもちろん、テナント料アップとキヨスクの収支改善により、JRの経営再建の助けになるでしょう。完成が楽しみです。

出典
JR北海道 令和元年8月1日ニュースリリース「釧路駅の一部をリニューアルします」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190801_KU_kushirorenewal.pdf)

いつもはこの欄で総括的なことを書いてますが、今回は事務連絡です。

次回から、ニュースライナーは季刊になります。次回は12月ころ、今秋のニュースをお届けする予定です。

やり方も少々変えるつもりです。まだ決まっていることはありませんが、一応先にお知らせしておきます。

節操のなさに定評のある「北!鉄!ニュースライナー」、次回もチェキらないかんですよ!!

※「北!鉄!ニュースライナー」企画打ち切りについて(令和3年(2021年)9月1日付)

本企画を今回をもって打ち切ることといたしましたので、ご案内いたします。

第1回冒頭で申し上げた通り、本企画は「独立記事を作るほどではない鉄道関連の話題・ニュースについて、あれこれ意見したいことが溜まってしまうので、それらをまとめて記事にする」という趣旨の企画です。

しかし、このコンセプトは令和3年(2021年)に策定した新たなサイト運営方針と矛盾します。今後のサイト運営にあたっては、「旅行・鉄道の魅力発信」「楽しませる」「批判・反論・文句などネガティブな記事の制作ばかりに傾注しない」といった方針を設けることとしたため、批判やネガティブな意見表明のような内容が多い本企画を継続する場合、この方針に逆行することとなります。

現在当サイトは、長期間の更新停滞からのサイト再建に向け「選択と集中」を進めており、サイト方針に合わない企画の見直しが必要な状況となっております。本企画は制作(特に下調べ)に非常に長い時間を要することも考慮すると、続行することは困難と言わざるを得ません。

本企画は多くのアクセスをいただいており、ご期待くださっている方も多いと想像いたします。そのような中での企画打ち切りは苦渋の決断ではありますが、絶対にサイトを再生させるべく、今回このような判断となりました。

続編をお待ちいただいていた皆様には大変申し訳ありませんが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

8回にわたり「北!鉄!ニュースライナー」をお読みいただき、誠にありがとうございました。鉄道関連の意見・考察記事の作成自体は続けてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

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