- トップページ >
- 乗り鉄な旅行記 >
- 道南の旅~鬼に誘われし者の受難~ >
- 旅の最後は……
道南の旅~鬼に誘われし者の受難~(平成26年6月5~6日)
2日目(平成26.6.6) 2/2ページ「旅の最後は……」
摩周丸見学&夕食
間歇泉から来た道を引き返し、再び函館バスの鹿部出張所に。鹿部駅行きのバスに乗ります。乗客はボク1人。やっぱり。
終点・鹿部駅で下車。駅では、駅ノートに色々書いてました。町に対する厳しいコメントも……。

ホームに立つと、一面霧。50m先が見えませんでした。その霧をかき分けるようにして、函館行きの列車が入線。この列車で函館に戻りました。
函館は霧はなく、青空も見えていました。さて、ここからは函館観光その2です。

まず、かつての青函連絡船「摩周丸」を見学します。
北海道の鉄道ファンとして、ここはやはり行っておきたいと思っていましたし、行って正解だったと思います。さまざまな資料は興味深く、有意義な時間が過ごせました。まあ、メカニックはわからんかったんですが。
甲板に立っているときに、すぐ横の機械室から汽笛が鳴り響く……。いやあ、びっくりしました。大音響にびっくりして、一瞬心臓が止まりましたよ、多分。
店内の売店で、クリアファイルやら資料やらを買いました。いいお土産です。そのうち、対岸の八甲田丸にも行ってみたいです。
ここで、まだ5時台ですが、早めの夕食。入ったのは、有名な「ラッキーピエロ」さん。独特のハンバーガーが人気を博しています。

一番人気の「チャイニーズチキンバーガー」と迷いましたが、函館っぽさで選び、「土方歳三ホタテバーガー」なるバーガーを注文。想像と少し違いましたが、おいしかったですよ。
湯の川、五稜郭
食後、函館駅前電停から市電に乗り込み、一路湯の川温泉へ。やってきたのは、本物の「リトルダンサー」である9600形。全面低床の連接車で、連接部は動きます。なので、「連接部に立たないでください」との張り紙あり。
車内は妙に混雑。修学旅行生が多数乗車していたので、着席できず。しかも併用軌道だから、結構時間がかかる。いやあ、きついのなんのって……。
ともあれ、湯の川温泉電停に到着。日帰り入浴です。お邪魔するのは、「湯元 啄木亭」さん。地元でもCMが流れており、一度行ってみたかった温泉宿です。
……が、やっぱりのぼせる。1時間近くいたのに、まともにお湯に浸かった時間は数分といったところでしょうか。でも、疲れた体が息を吹き返してくれました。
細かい話ですが、脱衣所にある、脱いだ服を入れるかごの棚に番号が振ってあるのですが、一の位に4と9がなかったんです。こういうところでゲンを担ぐのは、なかなかやるな、と思いました。
で、さっぱりした後、まだ時間が有り余っているので、五稜郭へ向かいました。市電で五稜郭公園前まで引き返し、そこから徒歩数分。

新・五稜郭タワーは夜なので開いておらず。スルーして、五稜郭公園の中へ。園内ではランニングしている人をよく見かけました。
照明や、五稜郭タワーの威容が、不気味さを醸し出していました。なんというか、今ここで明治政府と土方が闘っていても不思議じゃないような雰囲気。これが夜の五稜郭なのか?
さて、これにてこの旅の観光は終わり。五稜郭から電停まで戻りつつ、「次はここに行きたいなあ」なんて考えていました。なんやかんやでいい旅だったってことですかね。
……いや、まだ旅は終わってはいません。このあと、ラスボスがボクを待っています。
ラスボス登場
市電で湯の川に戻ります。一旦終点・湯の川まで乗って、先ほどの湯の川温泉電停(一駅隣)に引き返す。あからさまに乗りつぶし。運転士が女性だったこともあり、降りる際に顔を合わせづらい。
ここから湯の川温泉街にあるローソンへ。物資調達&時間つぶしです。
そして、ボクは「湯の川温泉東」バス停へ向かいました。そう、ラスボスとは、深夜バス「はこだて号」のこと。人生初の深夜バスと、今夜決戦です。
ルールは簡単、寝れば勝ち。起きた時に、寝不足でえらいことになっていなければ勝ち。しかし、ボクは以前急行はまなすの指定席でほぼ全く眠れなかったのです。しかも、はこだて号の前身・オーロラ号は、かのどうでしょう藩にKO勝ちしています。勝算はありません。

発車は22時55分。その数分前に、バスは入ってきました。いよいよ決戦のときです。
席は3列シートで、座り心地はかなり良好。備え付けの毛布もきれいでした。また、カーテンは最初から閉まっていました。
バスは静かに出発。バトル開始!
管理人 vs. 高速はこだて号
始発から乗ったので、消灯までに時間があります。ここで、こちらは態勢を整えます。
まず、先ほどのローソンで買った軽食を口に放り、空腹で眠れないという事態を未然に防ぎます。飲み物もホルダーにセット。続いて、空気枕。事前に購入しておいた1000円強の枕を膨らまし、寝る態勢を作ります。
ポイントが、荷物の配置。寝やすく、かつ盗難を防ぐ配置に。大きい荷物は網棚へ、ナップザックは毛布の下で抱える。これで大丈夫。
初めてなので、手際が悪く少し焦りましたが、問題なく準備ができました。
対するはこだて号は、こまめに停車し、乗客を乗せていきます。函館駅の先でも(七飯かな?)、結構乗客があったのは予想外でした。
この時点で、ものすごい睡魔が襲ってきました。消灯までは起きていようと思っていましたが、何度か寝そうに。
「……これ、勝てるかもしれねえな……。」
消灯後、すぐに眠りにつきました。1時間ほどして目が覚めます。バスは高速道路をひた走っていました。
ここから数十分は我慢の時間。うまく寝つけず、焦りも募ります。10分ほどの短い眠りを繰り返す、悪い展開に。
しかし、その後再び1時間ほど眠ることに成功。目が覚めると午前3時台で、バスは乗務員の交代のために休憩中でした(乗客は出れません)。
乗車時間、あと1時間半くらい。まだ眠い。自信が、確信に変わった瞬間でした。
「あ、これヌルゲーだわ。」
実際、さらに1時間ほど寝たあと、到着まで数十分あったので、プラス10分、きっかり寝ました。これは、勝利と言っていいでしょう。
午前5時前、札幌市営地下鉄大谷地駅前で下車。この旅の最後は、まさかのビギナーズラックという結末となりました。用意を周到に行ったことや、疲れもありましたが、よもやの完全勝利。
その後、地下鉄の始発を1時間ほど待ち、帰宅しました。
おわりに
とにかく辛い旅でした。「半泣き」とか、「もう帰ろうよ」とか書きましたが、嘘ではありません。
実は、この旅のタイトルは、当初「道南の旅~景色と鬼に導かれ~」という明るいものでした。ですが、あまりの辛さに加え、2日目はあまり景色を楽しめなかったこともあり、今のタイトルに変更しました。嘘は書いてません。
でも、いろいろなことを学べる旅だったのは間違いありません。震災の爪痕(?)を見たり、(谷地頭の電停で地元の人の会話を聞いてて)過疎について考えたり、(鹿部をケースに)まちおこしについて考えたり、摩周丸の偉大な歴史に触れたり。充実していたのは間違いありません。
また、「もう一度、今度はじっくり見たい」というところもいくつかありました。そういうのがいい旅なんだなあ、と感じています。
この後、大学でいろいろと辛いことが相次ぎました。そういう辛さも、いい旅をすれば吹っ飛んでくれると思っています。次は、もっといい旅をしたい。
それに、自分が将来どうなるかわからないし、北海道新幹線のバカヤローのせいで、今後、今と同様に旅ができるかどうかわからない(三セク化とかの関係で)。だから、ボクはその時の旅行に全力で臨みますし、いい旅にしたいんです。
また半年後くらいに、大型の旅行を予定しています。いい旅にすべく、全力で計画を練っているところです。