留萌本線散歩~たそがれの盲腸線~(平成27年8月8日)
2/3ページ
峠下

というワケで、峠下駅に降りてみました。運転手の方には特に制止はされませんでした。
峠下駅は山あいの交換駅で、2面2線。で、付近に民家はなく、それなりに歩かないと誰もいない模様。
駅前には道路がありますが、車は時たま通る程度。
以上。
あ? もっと語れ、と? 無理です、大半の時間は駅舎内に籠ってましたから。
そんなビビるならなんで行ったかって? いいんですよ、あの虫や鳥の鳴き声と、たまに聞こえる車の音だけに包まれて、スローな時間を楽しめたんですから。
駅舎内は予想より手入れが行き届いており、管理がしっかりしていることがわかります。また虫もあまり入ってきておらず、ハチ・ガ・神話生物などの危険生物の気配は全くと言っていいほど感じませんでした。
駅舎で何をしていたかと言うと、一つは駅ノート拝見。ただですねえ、面白いと思う書き込みはほとんどありませんでした。

もう一つは、お食事です。先ほどのそばめしとチョココロネをいただきました。
そばめしは、そばの実の味が思っていた以上にドーンと味覚に訴えてきて、今までにない味わいでした。チョココロネはまあ普通においしかったです。
恵比島、そして真布へ
では次の列車に乗車します。峠下から脱出すべく、深川行きに乗車。ホームは構内踏切を渡って反対側のホームです。1線スルーじゃありません。
深川行きが到着。早速乗ります。
この列車は留萌始発。車両は、さっき増毛行きにくっついて回送されてたのが留萌で切り離されたヤツ。
留萌始発とあって、車内に鉄道ファンの姿はなく、乗っていたのは自分を除いて4名。これが留萌本線の素顔なのでしょう。

一区間だけ乗って、恵比島で下車。
恵比島は、ドラマ「すずらん」のロケ地として一世を風靡しました。が、ドラマ見てないので、全く興味なし。
目的はむしろ、隣の真布駅まで歩くこと。今乗っていた列車は真布に停まらないので。というわけで、すぐに真布駅に向けて歩きだします。
駅を出てすぐ左折。突き当たりを左。踏切を渡り、右・左と高速コーナー 緩いカーブの後、沼田方面に右折。後は道なりです。
で、道なりに歩く途中、はるか向こうの右コーナー カーブがとんでもなく近く感じました。さすが北海道。スケールが違う。札幌の中心部でせせこましく生きてると忘れがちだけど、北海道はデカイ。


やや急ぎ足で所要40分。列車が来る8分くらい前に、真布駅に着きました。
板張りホームに、取って付けたような待合室。以上。
いよいよ終点へ
真布から増毛行きに乗車。少し遅れて到着。深川で特急でも待ったのでしょうか。
車内は案の定フル・オブ・鉄道ファン……かと思いきや、空席がありました。しかも進行方向右側。

席を取れたところで、先ほどのウロコダンゴを実食。ぶっちゃけて言えば期待ほどではないですが(全部一気に食うからか)、北海道の和菓子類ではおいしい部類に入るのではないでしょうか。
さて、列車は恵比島・峠下を過ぎ、山を越えて留萌へ。
駅に停まるごと、やれ貨車駅だ、今度は木造駅だ、と鉄道ファン(だけじゃないかも?)の歓声があがります。知ってんだろ、と。
元々葬式鉄というものに相当な違和感を感じていまして、それで無意識にバイアスをかけて彼らを見ていたのかもしれません。でも、その時のボクには、彼らの行動は不可解にさえ感じました。
まあ、テメェも葬式鉄だろ、と言われれば、そうなのかもしれません。いくら変な駅で降りたり観光地(このあと行きます)に行ったりしても、結局は趣味的な理由で乗りに来たに過ぎず、ただ往復乗車しに来た者と変わるところはないからです。
……と考えていたら、留萌で一部の人が降車。みんな増毛まで行くものと思っていたので、裏をかかれた気分です。
増毛到着
留萌からは、日本海に沿って走ります。時折、間近に海を臨みます。
でも、この時は「正直函館本線の朝里~銭函の方が……」とさえ思っていました。
朱文別・箸別と、列車1両ぶんさえない極狭のホームの駅を過ぎ、増毛の港を眺めながら徐行をしているうちに、終点の増毛駅に到着。
小さな駅です。そこに鉄道ファンが大挙して入って行くので、せせこましいのなんのって。
町の案内マップをゲットしたら、さっさと外へ。
ここからは増毛の町を観光します。もちろん、折り返しですぐに帰ったりせず、町をまわってから帰ります。なんたってぼかぁ貧乏性ですから。
とりあえず、駅付近の観光案内所へ。ここで増毛駅の硬券入場券を購入。ダッティングマシンはセルフサービスでした。以前倶知安駅でいじらせてもらったことがあるので、戸惑うこともなく日付を刻印。
さて、増毛の名所と言えば、「丸一本間家」があります。そこに向かうことは決まっていましたが、それ以外はほぼノープランで来ています。
とりあえず、駅の近くの、元気に観光客にアピールしているお店をのぞいてみました。
増毛の海産物を使った一品料理やかき氷を提供していたので、少し暑かったのでかき氷を注文。
で、お店にいたオッチャンと会話しながらいただきました。その方とは、留萌本線の廃止に関する話題を中心に、鉄道や旅行の話題を交わしました。ボクにはない考え方に出会えた点、また増毛のような町を維持すべきか、するとしたらどうやって維持するかというようなことを考えられた点など、大いに価値のあるトークだったなあ、と。
話し込んでいたらもう4時。丸一本間家の開館時間が気になり、店を後にしました。