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北海道新幹線迷開業事① 飛行機が二次アクセスだぁ!?(平成27年6月25日)

北海道新幹線の開業に合わせ、何とか新幹線を生かそうと、各市町村や団体が必死になって新幹線からの二次アクセス手段を検討しています。

その中で、あまりにもバカバカしい計画が存在することが明らかになりました。

そこで、今回はそれを紹介した上で徹底的に糾弾……するだけにするつもりでしたが、北海道新幹線の周辺には他にも「迷」な話が山ほどあるので、それも取り上げてシリーズ化することにしました(笑)。

名付けて、「北海道新幹線迷開業事」。第1回は、前述の通り新幹線の二次アクセスに関する「迷」を取り上げます。

問題の概要

では早速内容に入ってまいります。

北海道新幹線から乗り継いで目的地を目指す客のための交通手段が様々に講じられています。

JR北海道は、函館への輸送は快速「はこだてライナー」、札幌方面へは特急「スーパー北斗」「北斗」を用意することとなっています。その他、函館・大沼公園などの観光客向けに観光バスが接続するようです。

さらに、函館からかなりの距離がある道北・道東へも、新幹線からの二次アクセスが考えられているようです。この時点で少しおかしいのですが、事態は深刻です。何と函館空港から飛行機に乗り換えさせて向かわせると本気で考えていると言うのです。

この話を新聞で見たときは、正直呆れ果てて頭に凄い勢いで血がのぼりました。あまりに常識外。その日じゅう気が動転していて、その日何をしたか思い出せません。

あまりに稚拙な発想

賢明な読者の皆さんであれば、どこがおかしいかなんて書かなくてもおわかりかと思いますが、だからといって書かなきゃ記事になりゃしないので、おかしい点を列挙していきます。

まず、飛行機を新幹線に接続させるという発想が常識外れです。

逆ならわかります。例えば「東京→(飛行機)→福岡空港→(地下鉄)→博多→(九州新幹線)→鹿児島中央」というルートはある程度合理性があります。

飛行機は、普通に考えればメインの移動手段として利用されるべき交通機関です。それに鉄道が接続するというのが筋であるはずです。

新幹線から接続する公共交通機関は、鉄道とバス、それにタクシー、あと場所によっては船。それくらいしか普通はあり得ません。奥尻島ならともかく、北海道本島内への二次アクセスの話です。飛行機なんて、いかなる事情があろうとも二次アクセスにはなり得ません。

函館から飛行機に乗るくらいだったら、東京から乗ります。それが普通です。新幹線を使うにしても、そのまま「函館→札幌or南千歳→目的地」というように特急を乗り継ぐか、バスに乗るのが筋です。函館から飛行機に乗り換えるなんてのは頭に浮かぶ以前に却下です。

それを、まず新幹線で函館に行ってもらって、そこからわざわざバスで空港に移動させて、飛行機に乗せるというルートを想定する時点で、何かがおかしいのです。

「まず函館観光してもらって、その後で道北や道東に来てもらう」という趣旨なら理解できますが、マジで二次アクセスとして考えているというのですから、開いた口がふさがりません。

こういうのを、我々の言葉では「本末転倒」と言います。

東京まで何キロあるとお思いで?

だいたい、函館から道北・道東への二次アクセスを考える時点で、思考が幼稚であるか、あるいはおかしなイデオロギーのような何かに憑りつかれていると評しなければなりません。

東京から函館まで新幹線で行って、そこからさらに道北や道東へ、となるととんでもない距離になることは、地図をよーく見れば誰にだってわかります。

普通の感覚を持った人間なら、新幹線に乗るというのを目的にしていない限り、東京から道北や道東には直接飛行機で行きます。遠いからです。

鉄道との併用を考えるにしても、飛行機で新千歳空港に飛んで、そこから札幌か南千歳に出て、特急に乗り換えるというルート以外には想定し得ません(このルートを想定して南千歳でわざわざエアポートを逆のホームに停める)。函館より千歳の方が道北・道東に近いからです。

道北や道東は、函館からの二次アクセスを考えるような立地ではありません。それこそ、北陸新幹線が敦賀に延伸されたとして、そこからフェリーで繋がっている苫小牧市がフェリーを北陸新幹線の二次アクセスとみなしてキャンペーンを打つようなものです。

北海道新幹線に需要があるところを示したい国に言われてしぶしぶ作ったのか、新幹線が魔法の杖だと思っている市町村の話を真に受けたのか、それとも札幌~函館と東京~横浜が同じくらいの距離だと思っているようなよそ者が作ったのか知りませんが、担当者にはもう一度地図に定規を当てて、東京や函館から稚内や釧路までどのくらいの距離があるか確認してもらいたいものです。

ボクなら……

え?アンタなら東京から道北や道東にどうやって移動するか、って?

ボクに聞きますか!?

そうですねえ、じゃあ、まず新幹線で盛岡行ってでしょ、106急行バスで宮古に出て、三陸鉄道で遊んで、八戸線で本八戸へ、そこからフェリーで苫小牧、道北に行くなら高速バスで札幌に出て特急乗り換え、道東に行くなら日高本線で様似、そこからバスを乗り継いで襟裳岬経由で……

お前こそおかしいだろ、って? そりゃあそうですよ、ボクに聞く時点で間違ってますって。

採算すら怪しいと思われる、いわく付きの新幹線、北海道新幹線。

当然と言いますか、その周辺には様々な迷要素が存在しています。

この連載では、北海道新幹線の開業を前に、それらのおかしな要素を取り上げ、狂いつつある北海道の交通をネタにしていきます にスポットライトを当てていきます。

追記(平成30.3.17)……

次回(第2回)と次々回(第3回)の記事なんですが、申し訳ありませんが削除いたしました。

第2回では在来線、はこだてライナーの話題を取り上げました。なんでロングシートなの、とか、グランクラスの客もロングシートに押し込むの、とか、夕方のラッシュ時間帯は新幹線客と郊外帰宅客がダブルで乗るから混むだろ、とかツッコミごっこをする記事だったのですが、考えてみたら全部おかしいんですよね。

まず、座りたい人は特急に乗って函館に行けばいいんです。新函館~函館の特急料金は、新幹線との乗り継ぎなら自由席で150円、指定席で410円。こんなに安いんだから問題なし。この乗り継ぎ割引をすっかり忘れていて、特急料金は高いからはこだてライナーに指定席を付けた方がいい、とかほざいてたんです。

次に、夕ラッシュでもそこまで混むワケがないんです。夕ラッシュのはこだてライナーに接続するのは、東京に深夜に到着する便と、仙台どまりの便。これらの便の利用客は少ないはずなので、それに接続するはこだてライナーにも新幹線客はそんなに乗らないはず。なら3両でもじゅうぶん対処可能です。

さらに、最近ボクははこだてライナーにロングシート車両を入れたのは正解だったと考えるようになりました。詳細はいずれ別に記事を立ててお話ししますが、この考えを持ったからには、はこだてライナーを批判する記事を掲載する理由はもうないんです。

続く第3回では、引き続き在来線の話題をしていました。具体的には、「新幹線の終着なのに国鉄車両、しかもポンコツのヨンマルしかいないのってどうなのよ」って内容でした。

でも、フタを開けてみたら、函館~新函館間の普通快速列車は733系が16往復、キハ40が12往復(+平日のみ1本)。列車本数ではなく通過車両数で見たら、3両固定編成の733系が圧倒多数といえます。だったらこの記事はそもそもの前提がおかしいというハナシになっちゃいます。

ボク、「函館~七飯間のシャトル型普通列車が残った上ではこだてライナーが設定される」と予想していたんです。でも実際はシャトル列車のほとんどを吸収する形ではこだてライナーが設定されたので、733系が最大勢力になったんです。

以上のように、第2・3回は現実に即してないやら前提がおかしいやらそもそも今と考え方違うやら、もうメチャクチャなわけです。

なので、第2・3回は最初からなかったことにしていただき、引き続き第4回をお楽しみください。

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