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ローカル駅の移転は春風を呼ぶか? ~「名寄高校駅」誕生!~

感染症の災禍が世を苛み、先の見えない闇が降りしきる雨の中。

一方で、東京では「高輪ゲートウェイ」「虎ノ門ヒルズ」、静岡では「御厨」、秋田では「泉外旭川」、札幌近郊では北広島ボールパーク新駅や「ロイズタウン駅」と、次代の都市交通を担う新駅の、華々しい報せが飛び交うさなか。

北海道の北部、名寄市が、市内を走るJR宗谷本線に、静かに一つの石を布きました。

それが、「東風連駅」の移転。名寄高校への通学に使われる同駅を、高校の近くに移して「名寄高校駅」に駅名を変えるというのです。

東風連駅は、単線区間にある1面1線の小駅で、まわりは純農村。名寄市は人口が3万に満たない小都市で、宗谷本線もコロナ前でさえ輸送密度が2,000に届かないローカル路線です。しかし名寄市は、この駅の移設に予算を組みました。

新しい駅の開業は、令和4年(2022年)春。名寄高校は市外からも一定数の学生が通っており、彼らにとっては朗報となるでしょう。しかし、少子化や地方過疎化が進む時代に、意味のある投資なのか疑問に思う向きもありましょう。

名寄市が踏み出した一歩、そこにはどんな意味があるのでしょうか。

◆本記事の内容を大幅に修正しました (令和4年(2022年)7月20日)

本記事の内容に重大な誤りを発見したため、大幅に修正しました。論旨は当初から概ね変わっていませんが、大幅に内容が変わっております。

ご覧の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。

誤りの詳細な内容など、詳しいことにつきましてはこちらをご覧ください。

「名寄高校駅」新設の概要と経緯

まずはプロジェクトのあらましから。

東風連駅のいま

最初に、東風連駅の現在の姿にズームイン。

東風連駅を発車するDECMO(H100形)

駅付近の道路から見た風景

東風連駅は、名寄市の南部、旧風連町に位置します。風連はもち米の産地として知られ、日本を代表するもち米の一つ「はくちょうもち」を生産しています。ずんだもちにすると大変いいでしょう。

風連地区の中心駅は風連駅で、東風連駅は地区の外れ、北東の田園地帯にあります。

では利用者が少ないのか、というとそうではありません。平成27年~令和元年の特定日調査で、駅の乗車人数は平均13.6人。道内ローカル線の主要駅以外では多い部類です。

そのほとんどが、名寄高校に通う学生。駅から学校までは自転車または徒歩で移動しているようです。

農村地帯の小駅とあって、通学以外にはあまり利用がない様子です。

名寄高校付近の公共交通

続いては、名寄高校の近くを通る交通手段を見ていきます。

名寄高校は、市街地からやや離れた農業・工業地帯にあります。東風連駅と名寄駅の間にあり、東風連駅から1.4kmほど、名寄駅からは2kmほど離れています。

付近にはバス停が2つ。一つが、名寄中心部と風連を結ぶ名士バス風連線の「名寄高校前」バス停。風連からの通学には使えますが、名寄中心部からは時間が合わず使えません。

もう一つが、道北バスの「18線」バス停。旭川~名寄間を結ぶ名寄線が通りますが、名寄高校への通学を考慮した時刻になっておらず、特に士別方面からは始業時間に間に合いません。

このほか、自転車が使えない冬季は名寄中心部からの通学バス(名士バス)が運行されるようです。Googleで「名寄 通学バス」と検索すると、ちょっと古いですがバスの情報が出てきます。おそらくは毎年同様に設定されているのでしょう。

移転の経緯と狙い

高校の近くに駅を作るという話が持ち上がったのは、平成30年(2018年)のこと。名寄市の加藤剛士市長が、3期目就任後にまちづくり政策として駅の設置検討を掲げました。

その後、令和2年度(2020年度)には実施設計の費用、令和3年度(2021年度)には工事費用が予算計上されました。金額は2期合わせて6千万円少々。国・道の予算から出る分を除いた名寄市の負担額は、3,400万円ほどです。

この計画は、通学の利便性アップはもちろん、高校の魅力を高めることも主な目的となっています。

「公共交通の利用促進」という目論見もあります。冬の通学バスは満員となってしまい、希望者全員が利用できないことがあるといいます。輸送力のある鉄道を活用し、公共交通を使いたい人全員が使えるようにすれば、当然ですが利用客は増えることになります。

駅から名寄高校に至る道路

また、市民からは通学の安全確保に期待の声が寄せられました。東風連駅から高校までの道のりは大型車の往来も多く、冬はわだちができてしまったり、(おそらく積雪のために)学生が車道を歩いたりしており、事故が起こってもおかしくない状況にあるようです。

駅からラクに通え、公共交通利用者を増やせ、冬道の心配も減る。こうした様々な期待が寄せられているのです。

新生「名寄高校駅」のあらまし

名寄高校

名寄高校駅設置予定地付近

新たな駅は、どんな姿になるのか。

もちろん、そんなに豪華なものにはなりません。現在と同じように、1面1線のホーム、あとは道路に降りるスロープが設けられるくらい。少ない予算でできる範囲の、最小限の設備です。

逆に言えば、単線区間に簡素な駅を造るだけなら、大きなお金は必要ないのですね。

ホームも20m×2両編成が入る長さで大丈夫。都市部と違ってホームを短くできるのも、安く上がる理由。

(朝に1本だけ3両編成が停車しますが、名寄近辺では3両目を締切扱いしているようなので、3両目はホームにかかっていなくても大丈夫だと思います。)

なお、駅舎についてはどの資料にも書いてありませんが、その代わり? に「コミュニティ施設」が置かれるようです。名寄市の予算記者発表資料にちらっと書いてあるだけで詳細はわかりませんが、予算の額からして今の駅舎と同様のプレハブ1軒か、またはもう少し大きく、夕張市の夕張高校付近にかつて建っていた自習可能な「バス待ちスポット」(複合施設「りすた」のある意味前身)のようなものを建てるのでしょうか。


一方、今の東風連駅は歴史の彼方へと消え、現駅周辺に住む人は徒歩でアクセスできる駅がなくなります。

ただ、先述の通り通学以外の利用はかなり少ないですし、近くを名士バス風連線・道北バス名寄線が走るので、交通空白地帯ができることもありません。

「新設」か「移転」かは重要ではない

今回の駅の「移転」、距離にして1.6kmというけっこうな大移動です。実質的には「東風連駅の廃止+名寄高校駅の新設」である、とも言えます……が。

念のため言い添えておきますが、この件が書類上「新設」なのか「移転」なのか、そんなことはどうでもいいのです。重要なことじゃありません。

注目すべきは、新しい場所にできる駅が、どんな作用を起こすのか。それこそが、この記事のメインテーマ。

さあここからが本題です。チャンネルはそのままで!

名寄近郊・通学の実際

検討に入る前に、その前提となる「数」を把握しておきましょう。

ナヨロ・ハイスクール朝8時

百聞は一見に如かず。今回の記事を作るにあたって、軽く実地調査をしてまいりました。(ごめんなさい、日程等々の事情で車で行きました。)

※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染予防対策として、顔との隙間が少ない高機能な不織布マスクの着用、衛生的手洗い、「密」の回避を徹底しています。また、居住地から他地域への往来自粛が要請される状況でしたが、列車に乗車せずに把握できる範囲のみの調査としたほか、人との接触を徹底的に回避し(外食をせずマイカー内で事前に調達した食料を食べるなど)、外出に伴う感染蔓延リスクを排除した上で行動しております。


某日。札幌を朝4時に出て、道央自動車道を通って名寄へ。通学時間帯の名寄市街に、強引に日帰りでアクセス。

朝8時、名寄高校周辺。早朝に降っていた雨は止み、曇り空の下あちらこちらから次々と自転車で学生がやって来ます。高校の立地が微妙なこともあってか、市中心部に住む学生たちは主に自転車で通っているようです。

敷地に出入りする車も何台か。親などによる送迎で通う人も少しいるとわかります。雨の日や冬季だと増えるでしょう。

その後、休息をとりに風連の道の駅へ移動していると、自転車を駆る高校生と何度もすれ違いました(早く行かないと遅刻するぞ!)。風連からも自転車通学が多いようです。


公共交通はどうでしょうか。話が前後しますが、まず7時台にJRを調査してみました。

名寄方面行き始発が来る前の7時台前半に東風連駅へ。事前にネットで読んだ、東風連駅の様子を記した旅日記などによれば、駅を使う学生が駅前に自転車を停めているとのこと。ところが、この時は1台も自転車がありませんでした。

日程の都合で東風連駅の乗降の様子は見られず。列車に追いつかれる前に、名寄駅前に移動。駅正面の交差点に陣取り、通学列車から降りてくる学生の数を計測してみました。

名寄市内には、名寄高校のほかに「名寄産業高校」という高校があります。制服のスラックス・スカートの色や柄、向かう方向からどちらに通う学生かは簡単にわかるので、高校別に集計してみました。

列車名寄高校へ名寄産業高校へその他
321D(士別方面から)14名3名高校生以外の降車10名ほど
4322D(美深方面から)18名+徒歩1名8名-

名寄駅横の自転車置き場の、通学列車到着前の様子

高校生はほぼ全員が駅から自転車利用。なお、6名ほどは駅横の自転車置き場ではなく、駅前交流プラザ「よろーな」に自転車を停めていました。いいのかよ……。

士別方面からの降車がやや少ないですが、後述するデータと合わせて考えると、東風連駅から徒歩で学校に向かった学生が数名いたからだと思います。

なお、列車別の集計は「駅から出てきたのが、4432Dが名寄に着く前か後か」で判別しています。したがって、若干のカウントミスの可能性があります。ご容赦ください。


その後、8時04分ころに高校前を通る、風連発・名寄行きの名士バス風連線もウォッチ。

パッと見ですが、乗客は3名程度。このうち高校前で下車した学生は1名。少なくとも夏季で雨が降っていない日は、風連からバスで通学する人はほとんどいないようです。

資料で見る名寄の通学 ~JR編~

朝の321Dに充当されるキハ54形(先頭)とキハ40形(2両目)。平成28年7月撮影

名寄の通学事情を垣間見ることができる資料がいくつかあるので、そちらも見てみましょう。

まずJR。公式Webサイトに載っている、宗谷本線の維持に向けての第2期事業計画(アクションプラン)の資料から、駅の乗車人数や列車別の利用状況をざっくり見ることができます。

朝の通学列車の乗客数(特定日調査)は、士別方面からの列車(321D)が士別~名寄間で最大47名。美深方面から(4322D)は、美深~名寄間で最大40名

士別方面からがやや多いですが、実地調査で高校生以外が10名ほどいたことを考えると、高校生は37名程度でしょう。つまり、通学者のボリュームは、士別方面と美深方面(ほぼ全員高校生と推測)とでだいたい同じと思われます。

このデータは令和元年度のものです。今回の実地調査は高校生減少により、このデータより少ない数字が出ています。


続いて、定期券の発売実績を駅別に見てみましょう。(これも同様に令和元年度のデータ。)

まずは到着地の方から。今回注目する東風連駅を見てみると……。

衝撃の事実。なんと、東風連駅を発着地とする定期券は、ゼロです。1枚たりとも売れていません。

美深方面からの学生が東風連駅を使う理由はないので、そっちがゼロなのは当然ですが、士別方面からもゼロなのです。

一方、名寄駅発着の定期券は多数発売されています。

そして先述の通り、東風連駅は多くの学生に利用されているはずです。実地調査当日も、数名程度が使っているはずです。

これは、一体……?

……おそらく、学生たちは東風連駅と名寄駅を使い分けているのだと思います。

士別方面から名寄に向かう朝の列車は東風連に停まりますが、終業時間からもっとも近い名寄発・士別方面行き普通(326D)は東風連を通過します。一方、その後続となる午後5時台と7時台の便は東風連に停まります。

そのため、士別方面からJRと自転車で通う学生は、部活などで遅くなる日の帰りとその翌日の登校時は東風連駅を、授業が終わったらすぐ帰る日とその翌朝は名寄駅を使っていると考えられます。また冬季など自転車を使わない時は、朝は東風連、帰りは時間によって東風連と名寄を使い分けていると思われます。

出発地も見てみましょう。

士別方面~名寄の通学定期の発売枚数(月平均)は、風連7.8枚、瑞穂1.8枚、多寄7.7枚、士別33.4枚(な阪関無)、北剣淵1.0枚、剣淵3.6枚、和寒7.1枚。このほか永山・旭川もありますが、ほとんどが旭川市内の高校に通う方だと思うので無視します。

風連からは自転車利用が多いことから、冬だけJRを使う人が一定数いると思われます。4ヶ月だけJRを使う人が13人、通年で使う人が5人くらいかなと想像します。

士別~名寄の33.4枚には、名寄に通う人と士別に通う人の両方が含まれます。先ほどの列車別乗車人数から推測するに、名寄に通うのが14名ほど、士別に通うのが19名ほどと思われます。

美深方面~名寄は、智恵文3.4枚、智北1.3枚、南美深1.0枚、美深28.3枚、初野1.0枚、紋穂内0.8枚、音威子府1.8枚。

資料で見る名寄の通学 ~バス編~

次いでバス。方面別に見ていきます。

名寄中心部から

先に述べた冬季通学バスの乗客数は、「満員となることがある」といってもバスですから多くて80名程度。しかも、「満員」との記載がある資料が出た以降に学生数が減っているので、現在は60名程度かと思います。東風連駅を活用できる士別方面からはあまり利用されないと考えられるので、JR利用者数から考えて美深方面が20名程度、残りがほぼ名寄市内からの利用と想定します。

このほか道北バス名寄線がありますが、時間が合わないため、利用があるとしたら雨の日に数名程度で、晴天だとほぼゼロでしょう。

風連から

名士バス風連線は、先ほど見たように夏季の天候が良い日は朝の便でもほぼ利用なし、高齢者などの利用も若干名。しかし、利用者数のデータを見てみると、朝の便は1日平均で8名ほど利用があるようです。ということは、冬や悪天候時には学生の利用があると考えられます。

通年で1人利用、雨・冬のみの利用が10名ほどあると推測します。(データ集計時点より少子化が進んでいる点を考慮。また、実地調査より通学以外利用が常時2名と仮定。)

士別方面から

士別方面から道北バス名寄線で通学することは不可能なため、士別方面からのバス通学はゼロと考えられます。

美深方面から

美深方面から名寄に向かうバスは名士バス恩根内線がありますが、名寄高校への通学には使いづらい(特に冬は困難)ため、名寄高校生の利用はほぼゼロと考えられます。

交通手段のまとめ

ここまでの話から、出発地別に名寄高校への主な通学手段をまとめると、次のようになります。

出発地夏季交通手段冬季交通手段
名寄中心部自転車通学バス(40名程度?)、徒歩
風連自転車
(雨天時はJR・バス)
JR(13名程度?)、バス(11名程度?)
士別方面(20名程度)JR+自転車JR+徒歩
美深方面(20名程度)JR+自転車JR+通学バスor徒歩?

このほか、主に市内からは親などによる送迎も一定数あることでしょう。

新駅によってもたらされる便益

さあ皆さん、始めましょうか。楽しい分析の時間です。ほらそこ嫌がらない。分析なしにその場の思い付きで打開できるほど世の中は甘くないよ!

過去記事で何度もやってきたのと同様に、主に利用者にとってのメリットを洗い出す方法で、新駅の効果を考えていきます。

まあ、ボクは素人なので専門知識に基づいた分析はできませんから、「なんちゃって利用者便益分析」って感じにはなっちゃいますがね(苦笑)

便益いろいろ

長くなるので、まずは簡単なまとめをどうぞ。

項目概観効用不効用
利用者通学時間平均で増加市外からは時短市内からは通学バス利用より通学時間延びる
利用者増加確実に増加市内利用中心に増加-
所要時間
(名寄高への通学以外)
増加-都市間でのJR利用などが若干不便に
金銭的負担減少概ね負担減、または同程度名寄市街からで徒歩から切替の場合は負担増
利用回数増による負担増も
乗り換え回数減る人の方が多い市外からの場合は減少市内からの場合は同じ、または増加
冬季の徒歩移動距離増える人も減る人も市外からの場合は減少市内からの場合は増加する人が多い
供給者営業収益は増加JRは収入増
バスは収入減も費用減でトントンか
-
その他環境等改善便益あり交通事故削減による便益
送迎の減少による環境便益など
-

前提① 「通学バスは廃止」と予想

検討するにあたって、いくつか前提を置きます。

まず一つは、先述の通学バスが「廃止」となる、というものです。

朝日新聞の報道によると、名寄市は平成30年(2018年)に高校生にアンケートを行い、「現在JRを利用していない学生で、新駅ができたらJRを利用したいと答えた人が、冬季・雨天時のみの利用も含め52名」という結果を得ています。

……朝日新聞の報道姿勢を見ていると、この情報は本当なのか、という疑問が湧いてきます。ただ、先述の現地調査やデータからしても突飛な数字ではないので、とりあえず信用します。

アンケート実施時点以降の学生数減少を織り込んでも、JR利用者が30~40名規模で増えることになります。

この新規利用者は、ほぼ全員が名寄市内からの通学で、大半が中心部在住で通学バスから切り替える人だと考えられます。(市外からは既に大半がJR通学でしょうから、増加しようがありません。)

通学バスの利用者のうち、名寄市内からの利用は40名程度だろう、と先ほど言いました。となると、その大半がJRに移るということになります。

当然、美深方面在住の利用者も通学バスを使わなくなります。JRで直行できるのに、通学バスを使う意味などありません。

以上から、仮に通学バスの運行を続けたとしても、乗客はほとんど付かなくなるでしょう。したがって、このバスは廃止した方が合理的な判断だ、と考えられるのです。

前提② 名寄高校の下校時間はいつ?

もう一つ、通学の所要時間などへの影響を評価するために、名寄高校の登下校時間をざっくり推定する必要があります。

……といっても、先述の資料から通学バスの運行時刻が分かるので、そこから推測できます。バスは授業の開始・終了に合わせた時刻になっているはずですからね。

まず登校時の運行は、名寄駅8:00発・高校前8:10着。この少し後にホームルームが始まるのでしょう。

で、問題は下校時。実は、曜日によって運行時刻が違うのです。月曜から木曜は高校前を15:50に出ますが、金曜日は16:25発となっています。

理由はおそらく、金曜日のみ授業が1コマ多いからでしょう。1週間の授業数は31コマのようなので、どこか1日だけは7コマ授業ということになります。高校のWebサイト内を「7校時」で検索すると、金曜7校時の行事についての記事がいくつもヒットしたため、金曜日が7コマ授業と見て間違いないでしょう。

このほか、部活生のための移動手段として、高校前18:25発の便の記載があります。この運行時刻と、高校Webサイトの部活紹介などの情報からして、おそらく部活終了時刻は18:00頃か18:30頃が多いと思われます。

細かい部分ですが、この話が以降の話に大きくかかわってきます。

通学時間の短縮効果

以上を念頭に、詳しく検討を始めます。まずは一番基本の「所要時間」から。名寄高校への通学時間がどれくらい変わるのか、出発地ごとに場合分けして見てみましょう。

名寄中心部から

名寄中心部からの通学手段は主に自転車。新駅開業後も同様の傾向になると予想します。したがって、通学利用は自転車が使えない冬季と、雨天の日が中心となるでしょう。

名寄駅の徒歩圏内であれば、JRに乗って1駅。通学バスは駅から学校まで10分かかっているようですが、JRなら3分程度で着くでしょう。片道あたり7分も短縮……

と、一筋縄でいく話ではありません。

乗車時間が短くなっても、家を出る時間、家に着く時間が変わらなければ、「便利になっていない」と思う人が多いでしょう。

(早く着きたい人、授業が終わった後に居残りたい人もいるでしょうが、先ほどの実際の通学の様子からして、大多数が始終業時刻に合わせたいと考えているはずです。)

朝の列車は従前名寄7:51発で、駅移転後は新駅停車時間確保のため7:49発に繰り上げと予想(実際にそうなりました)。通学バスは名寄8:00発なので、冬季は今よりも11分早く駅に行く必要があります。

また、帰りについても通学バスは曜日ごとの通学時刻に合わせた運行となるところ、JRだと高校駅を16:20頃に通るであろう快速なよろ3号(新駅停車となると予想。なお実際にそうなりました)を待つ必要があります。金曜日はいいのですが、月~木曜日は授業1コマ分の時間だけ列車待ちが必要で、自宅の場所によっては歩いた方が早いでしょう。

部活生にとっても、部活が18:00までに終われば、すぐ列車(329D)に乗れますが、18:30上がりだと快速なよろ5号(新駅停車と予想[的中])を待つ必要が。疲れて早く帰りたいでしょうに、30分以上待ちぼうけとなります。

このように、冬は通学バスと比べて、むしろ時間面で不利になってしまいます。

ただし、冬季以外ならむしろ大きく改善されます。従前ですと朝は時間の早いバスくらいしか雨の日の移動手段がないのが、新駅ができればそこそこ時間の合うJRが使え、楽になります。下校時に至っては、従前だとバスすらない時間帯がありますが、今後は1~2時間に1本は運行されるJRを使えます。

風連・士別方面から

風連・士別方面からJRで通う学生は、現状だと東風連または名寄から自転車や徒歩で高校に向かいますが、今後は高校前までJRで直通できるようになります。ですが、こちらも中心部と同様で、実質的な通学時間こそが重要。「歩く距離が減った分がまるまる時間短縮になる」と簡単にはいかないわけです。

金曜日は、従来だと16時台の旭川行き(326D)が東風連通過だったため、授業終了後にこの列車に乗るのは無理だったと思われます。仮に東風連に停まっていたとしても、自転車が使える夏季はともかく、冬は乗るのが難しいでしょう。そのため、後続の17時台の列車(328D)を待つことになり、かなり不便でした。

ですが、名寄高校駅ができ、この列車が同駅に停まるようになれば(実際にそうなりました)、金曜日は今までよりもはるかに早く帰れるようになります。

一方で、月~木曜日は変わりません。終業時刻ピッタリの便はなく、どちらにしても16時台の列車に乗ることになるからです。

また、朝については乗る便が変わらないので、駅が移転しても自宅を出る時間は同じです。(列車時刻を繰り下げれば変わりますが、上り列車のダイヤとの兼ね合いや名寄での車両切り離し、美深高校への通学の利便を考えると難しいと思います。)

なお、風連からの通学については、朝は名士バス風連線の方が時間的に便利です。また下校時も、部活のない学生にとっては基本的に名士バスの方が便利です。

そのため、部活に入っていない学生の利用は限られるでしょう。JRは定期が安いので、冬季は多く使われるかもしれませんが、夏季に「雨の日だけ使う」場合は、月~木曜日はバスを使う人が多く、新駅効果はその分薄くなると言えます。

ただし、金曜日は授業終了直後にバスがありません。先述の通り、金曜日は駅移転でJRが便利になるので、金曜日で部活がない場合の下校時に限り、時間面での便益が発生します。

また、名士バスは18時台以降の便がないので、部活生は(雨の日の帰りと、冬季の定期利用は)もともとJRを使っているでしょう。こちらは駅移転による所要時間の変化はありません。

美深方面から

反対の美深方面からも、列車の時間が変わらなければ所要時間は同じです。

朝の列車は、時刻を繰り下げると士別への通学に不便になるため、時刻を変えるのは難しいでしょう。

夕方以降は可能性があります。現状のダイヤでは名寄16:39発の音威子府行き(4329D)は、7分くらいなら繰り上げられると思います。

従来だと、この時刻繰り上げ難しかったでしょう。なぜなら、金曜日の名寄高校の授業終了後、自転車で名寄駅まで行きJRを利用する学生が、列車に間に合わなくなってしまうことが考えられるからです。

ですが、今後は名寄高校駅から快速なよろ3号に乗り、名寄で乗り換えればいいだけなので、なよろ3号に接続可能な範囲で時刻を繰り上げても問題ありません。

同様に、名寄19:30発の音威子府行き(4333D)も繰り上げが可能でしょう。(運転手の食事休憩を考えると、4329Dと同じく7分だけしか繰り上げられないと思います。)

このように、数分程度の改善なら可能ですが、それ以上は望めません。

市外からの通学時間は、条件によっては多少短縮が見込めますが、多くは望めません。

名寄市内からは、冬以外の雨天時は公共交通が不便な状態が解消され大きく改善。しかし一方で、冬は通学バスとの比較となり、むしろ後退とも言えます。

「便利になる」と一概に決めつけてはいけません。さっき言った通り、家を出る時間が変わらなければ仕方ありません。それに出発地や曜日によってこれだけ事情が異なり、逆に不便になる人もいます。

名寄市内からの冬季通学のデメリットが大きいと考えられるため、所要時間だけで言えば全体の合計で見てもマイナスとなると考えられます。

金銭的費用の変化

駅の位置が変わったり、使う交通手段が変わったりすれば、交通機関に支払う運賃も違ってきます。どんな風に変わるか、以下にまとめてみました。

なお、名寄高校駅の営業キロは「現在の東風連駅より1.6km稚内寄り」と仮定して計算しています。(実際には「1.5km稚内寄り」となりましたが、結果に影響はありませんでした。)

また、名士バスの詳しい運賃の情報がネットに上がっていないので、わかる範囲でのみ記載します。

出発地想定交通手段
(現在)
定期運賃
(現在)
想定交通手段
(新駅開業後)
定期運賃
(新駅開業後)
差額負担
名寄中心部徒歩・自転車¥0JR¥3,440+¥3,440
通学バス(冬)
風連JR¥6,620JR¥5,690-¥930
自転車¥0+¥5,690
バス
多寄JR¥9,040JR¥8,000-¥1,040
士別JR¥10,250JR¥10,240-¥10ほぼ同じ
智恵文JR¥9,040JR¥9,660+¥620
JR+通学バス(冬)¥9,040+バス+¥620-バス
美深JR¥10,250JR¥10,410+¥160(微)
JR+通学バス(冬)¥10,250+バス+¥160-バス

※定期券は通学1ヶ月、高校生の場合で計算。


JRの定期券は割引率が高いので、バスからJRに移る場合、大きく負担が減ることになります。バスよりJRの方が所要時間面で不利なのに、新駅の利用希望者が多いのは、この点によるところが大きい?

このほか、士別方面から「名寄駅まで」の定期を買っていた人は、今後は「名寄高校まで」でよくなるので、券面上の乗車距離が減るので若干負担減。

逆に美深方面からは、JRの運賃が少し増えます。ただし、冬季は通学バスを使わなくなるので、初乗り2回から1回に減るため大きく負担減。年間の総額でも負担減となります。

名寄市内からの通学で、徒歩・自転車からの切り替えなら当然負担が増えますが、ほとんどの人は片道1回あたりの負担額が減ると考えられます。

ただ、「名寄市内からの冬以外の通学に使える交通手段」が充実することになるため、「利用回数」は増えて、伴って出費も増えます。それでも、1回の移動あたりのコストに利用回数をかけた総計で見ても、やや負担減となると見込みます。

ただし、そこまで大きな額にはならず、所要時間増をカバーするほどではありません。

移動快適性の変化

続いては、「駅の移転によって、体力や気持ちの面で移動がどれくらい楽になるか」を考えてみます。

先に述べた通り、従来は東風連や名寄の駅から、自転車や徒歩で通う学生が多くいます。冬季は東風連から高校まで約1.5km、または名寄駅から約2kmをえんえん歩く学生がけっこういることでしょう。

このほか、名寄市内から雨の日に通う場合の手段がかなり限られることから、やむなく自宅から高校まで長い距離を歩く学生もいるのではないかと思います。

一般的な感覚として、2kmを超える距離を歩きたいと思う人は少ないと思います。3kmになると、多少遅くてもいいから乗り物に乗りたいと思う人が大半でしょう。積雪期なら、もっと短い距離でも歩く気が起きなくなってくるでしょう。

今回検討しているのは「高校生の通学」なので、他の世代よりかは徒歩を苦にしないかもしれません。しかし、それでも2km、3kmをあえて歩きたい人は、そう多くはないことと思います。

今回、駅が移転することで、長距離を歩かなければならない学生はだいぶ減ります

所要時間の面ではかえってデメリットになりそうな今回のプロジェクトですが、この「移動の楽さ」を加味すると、効果はプラスになると見込みます。


別の観点からも変化があります。

名寄市内から徒歩・自転車・通学バスで通っていた人が、新たにJRを使う場合、行きは快速なよろ2号に乗ることになります。

ところが、この列車は名寄駅の(たしか)3番線に停まります。跨線橋を上らないと、3番線のホームには行けません。(エレベーター・エスカレーターはありません。)

階段を上るというのは、決して無視できない「心理的なバリア」になります。ふつう人ってのは、単に歩くことより、階段を上ることの方がキライですから。

一方、風連や市外からの通学だと、階段移動は減る場合があります。

風連・士別方面からだと、帰りに名寄駅を利用する場合、列車によっては跨線橋を渡る必要があるのが、高校駅は1面1線の駅になるので、そこから列車に乗るのに跨線橋を渡る必要はもちろんありませんから、階段移動が1回減ります。ただし、行きは変わりません。

美深方面からは、行きの列車から名寄駅で降りる際に跨線橋を渡る必要がありますが、今後は高校駅まで1本で行けるようになるので、跨線橋を渡る回数が1回減ります。ただし、帰りは変わりません。


「長距離の徒歩移動が減る」こと、「市外から通う場合に跨線橋を通る回数が減る」こと、この二つは意外に大きいのではないかと思います。

「市内から通う場合に跨線橋を通る回数が増える」のと差し引いても、先述の所要時間面でのマイナスを上回る効果があると見込みます。

もっとも、大きな効果とまでは言えません

名寄高校への通学以外にはマイナスに

現状では東風連駅を多くの列車が通過していますが、駅移設後は停車列車が増えるでしょう(実際には普通・快速が全便停車となりました)。そうなると、当たり前ですが所要時間は増えます

旭川~名寄間の都市間で利用する場合や、通学でも士別方面から名寄産業高校に通う場合、名寄中心部から士別の高校に通う場合など、多くのケースで不利益が発生します。

中速域の加速が電車ほど良くない一般型気動車なので、所要時間は2分ほど増えると考えられます。2分のロスでも、往復合わせて100人以上が食らいます。

ここまで見てきた通り、名寄高校への通学に与えるプラスの効果は決して大きくありません。特に所要時間面でのメリットは無いわけです。その上でこのデメリットですので、たった2分程度と言ってもかなり重くのしかかると思ってください。

ただ、もともと東風連に停まっている列車、および特急には関係ありません。

鉄道・バス会社にとってのメリット

ここまでは「利用者」目線での変化を見てきました。では、「供給者」から見るとどうでしょうか。

まずJR北海道。第一に、運賃収入の変化を見てみます。

駅の移転により、通学しやすくなる、つまり「利用するにあたっての実質的な費用」が下がることにより、JRの利用が増えることに期待できます。

先ほど申し上げた通り、JR利用者が増えるというアンケート結果が出ていますので、その増えた分が増収となります。(通学バスが廃止になる場合、バスがないので仕方なくJRを使うという人も出てくるので、アンケート結果以上にJR利用が増えるでしょう。もっとも、それは「費用減に伴う利用増」ではありませんが。)

ただし、名寄市内からの利用は、冬季と雨の日が中心となるので、そこまで大きな額にはなりません。さらに、利用者が支払った額から消費税が引かれます。

このほか、駅移転に伴って市外からの通学にかかる運賃が増減しますが、大勢に影響はありません。

第二に費用の変化。と言っても、こちらはほぼ変わらないでしょう。

新駅ができるかわりに東風連駅は無くなるので、駅の維持費用は変わらないと想定します。その他の運行費用も特に変化はないでしょう。収入が増えた分がそのまま利益になるわけです。


一方、バスは利用者が減ることになりますから、運賃収入は減ります。

最も大きな影響を受けるのは名士バス。通学バス、および風連線の乗客減少により、収入がかなり落ち込むことが考えられます。

しかし、です。「減収」とはなっても、「減益」となるとは限りません。

というのは、先述の「通学バスの廃止」という予想が当たれば、その分の費用も減るからです。

通学バスは「冬季のみの運行」となっており、しかも検索で出てきたバス運行のお知らせには、18:25の便について「利用者が少なければ廃止」と但し書きがあるのです。これらは、「赤字を減らすためのコスト削減策」と考えられます。

そもそも、冬の間の運行だけでは、車両の導入費用や検査費用などを含めたコストを回収できるとは思えません。

つまりこの通学バスは、黒字の路線ではないと考えられるわけです。

ということは、通学バスを廃止するとむしろ「収益」は増えるということです。風連線の収入減を考えても、悪くてもトントンくらいにはなると思います。

このほか、道北バスは名寄線の通学利用が減る可能性がありますが、減収額は非常に小さいでしょう。

(なお、名寄市はバス会社に対する補助を行っていますので、バスの赤字は実質的に名寄市が負担していると考えられます。ただ、この分析は「社会全体の便益」がどうなるかに主眼を置いているので、赤字を負担するのが誰かにかかわらず、赤字が減ることを「供給者便益」として評価します。)

その他のポイント

環境に与える影響もあります。

先述の通り、交通事故のリスクを下げる効果が期待されています。これも「便益」に盛り込むことができます。

内閣府の調査・分析によると、経済的分析における死傷事故による損失(平成26年度/2014年度)は、被害者1人あたり約2,000万円。死亡事故に限ると7億円以上になります。新駅によって交通事故が起こる確率を下げられれば、「損失額の期待値」も下がるわけです。

さらに、自動車の使用が抑えられることによる排出ガス削減も、多少は見込めるでしょう。新駅があれば、親などによる送迎の件数が減ると思われるためです。

また、送迎をしないことで、親などの送迎者も時間とガソリン代(or電気代or水素代)を浮かせることができます。

もっとも、東風連駅~高校間を歩く人や、親などに送ってもらう人はあまり多くないわけで、これらは大きな効果とは言えません。

結局、プラス? マイナス?

最後に改めて全体のまとめ。

通学所要時間は市外からは多少短くなるものの、全体ではむしろ増加。長距離の徒歩移動が減るので、それと合わせればプラスですが、平均所要時間増と差し引きになるのでプラス幅は小さめ。

その一方で、名寄高生以外は停車駅が増えて損をすることとなり、少ないメリットがさらに薄れるどころか、マイナスになる可能性さえあります。

JRは増収が期待されるとはいえ、多く見積もってもせいぜい年間100万円程度でしょう。乗客増は数十名程度で、そのほとんどが名寄~名寄高校の1駅利用で、しかも冬以外は雨の日しか期待できませんからね。

このほか交通事故削減などもありますが、大きくは見積もれません。

……あれ、駅移設のメリット、思いのほか小さい……。

費用が安いとはいえ、今後学生の数がさらに減ることも考えると、「投資に見合う価値がある」とは言い難いと言わざるを得ません。

名寄高校に訪れる転機

……これは、あくまで「現状ベース」の見立てです。

状況が違えば、「逆転」もあり得ます。

そして、状況はこれから、間違いなく変わるのです。


名寄産業高校 光凌キャンパス

名寄産業高校 名農キャンパス。広い農地を持ちます

名寄高校と名寄産業高校が統合される、という話があります。

生徒数が減っている現状を踏まえたもので、時期は令和5年度(2023年度)の予定。

具体的にどのような形になるかは決まっていませんが、当然名寄市にも話が行っており、その上で名寄市が駅の移設を決めたことから、統合後に名寄高校の校舎を使うという十分な見立てがあるのだと思います。

片方が専門学科しかない高校なので、あらゆる設備を簡単に一つの校舎にまとめることはできませんが、ホームルームなどは名寄高校の校舎を使う形になると思われます。(現状でも、高校統合によって誕生した名寄産業高校は統合前からの2つの校舎を使っていますが、ホームルームは片方だけでやっているようです。)

つまり、現名寄高校校舎に通う生徒が増えると考えられるわけです。

※追記(令和3.6.2):令和3年(2021年)6月1日、北海道教育委員会が令和4~6年度の公立高校配置計画案を公表しました。それによると、統合によって生まれる新設校は現名寄高校の校舎を使うとのことです。よって、以上の見立ては的中となります。

それを踏まえて改めて検討すると、結果は全く違うものになります。

駅移設は高校統合を見据えた賢い選択だ!

「高校統合」により、何がどう変わるのか。一つ一つ検討してみましょう。

新駅利用者の増加

まず、新駅の恩恵を受ける人の数が増えます。

現地調査で見た通り、名寄産業高校に通う高校生がJRを使っており、高校統合後は新駅から現名寄高校に通う形となるでしょう。(さらに少数かとは思いますが、名士バス恩根内線からの転移もありえます。)

また、名寄~名寄高校間の1区間利用も10名単位で増えると考えられます。

つまり、先ほど検討したような通学の快適性アップ、費用減少といった便益を受ける人が増えるということです。

費用も相対的にさらに安くなる

費用の面でも変化があります。といっても、別に駅の建設費が安くなるわけではありません。「駅を移設しない場合」と比べた時の、相対的な費用が下がるという意味です。

駅を移設しない場合は通学バスを維持する必要がありますが、生徒が増えるということはバスの利用者も増えることになります。

現状でも(少なくともちょっと前の時点では)バスが満員なワケですから、生徒数が増えれば積み残しのリスクが増すことになります。

これに対応するためバスを1台増やしたら、当然費用は跳ね上がります。車両代、運転手の給料、燃料費に車検代……。

一方で、その経費に見合うほどの運賃収入は望めません。産業高校の現状の生徒数を考えると、利用者増加はバスの定員よりも少ない数にとどまると思われるためです。

しかも今時は路線バスの運転手が全国的に不足しています。運転手を増やすのは難しく、仮に増やせたとしてもそのための採用活動費用、定着のための待遇改善などがさらなるコスト要因となります。

バスを増便しない場合、一部の生徒に徒歩移動を強いることになりますが、もちろんそれは利用者損失となります。


当然、代わりにJRが利用客増加に対応する必要があります。ですが、おそらくは費用はそこまで大きく変わらないか、かかるにしてもバスを1台増やすよりは安く上がるのではないかと思います。

混雑が懸念されるのは、朝の上り列車です。従来どおりなら単行で十分ですが、今後は名寄→名寄高校の1駅利用が増えるため、高校統合後はその区間の乗客が大きく増えるでしょう。

乗客数が100名を大きく超えるということになると、単行では対応が難しくなります。(宗谷北線用のキハ54形を通学向けに改造して、単行のまま乗客を詰め込む方法もありますが、それでも積み残しのリスクが残りますし、名寄~旭川間の都市間で使う乗客が混雑で迷惑します。)自転車が使えず、また着膨れで混雑に拍車がかかる冬の期間は、増結が必要になる場合もあると思います。

しかし、増結が要るほどの混雑になる期間は限られると見込みます。1~3月は高校3年生の通学が減るので、増結は11・12月を中心とした少ない日数で済むと思います。

その期間だけの対応なら、他の路線と共通の予備車をうまく活用すれば、新たに車両を造らなくても可能でしょう。観光列車の運行が少ない時期なので、予備車にも少し余裕があると思います。

燃料代は増えますが、運転手は1人でいいので人件費は増えません。

(なお、このようにコストのかかる増結を行わずに、この需要増に対応する方策があります。後述します。)

高校統合を見据えると、新駅はおトク!

駅の利用者が増えることで、移設の恩恵がより多くの人に行き渡る。JRの収入も増える。さらに、費用も実質下がる。

高校統合で、これだけ条件が変わることになります。

これなら、投資に見合うだけの十分な効果が得られるでしょう。

一見すると効果が薄そうなこの駅移設計画も、実は結構おトクな、そして賢い選択だったのです。

もしかしたら、この話題を知った時に「現行のバスで十分では」と考えた方もいるかもしれません。しかし、例えば札幌市内の駅を移設するのとは違い、費用は非常に安いです。それでいて、今見たようにしっかりした便益が見込まれます。しかもバス労働力不足の今、現状の輸送網が維持可能かと言うと疑わしいです。これらを勘案することなく、一瞬考えただけで「ムダ」と断じることができるとは思えません。

北海鉄旅流! 駅セントリック・ソリューション

ここからは、「新駅の効果を最大限引き出すにはどうしたらいいか」という視点でいくつかお話を。

まあ、しょせんは素人の戯言なので、かる~い感じで笑って読んでいただければと……(苦笑)

新駅開業後のダイヤを考えてみた① 現行ダイヤベースでの細かい改善

先ほども言った通り、駅が高校の近くにあっても、列車待ち時間が長ければ意義は薄れてしまいます。

では、どんなダイヤにすれば駅の効果を引き出し、かつ効率的に運行できるでしょうか。北海鉄旅流に考えてみました。

まずは、「現行のダイヤをベース」としつつ、「なるべく名寄高校への通学を便利にする」方法を考えてみます。


一つ目に、朝の列車の名寄駅停車番線の変更。下り始発列車(321D)を名寄駅1番線から3番線に、上り快速なよろ2号を3番線から1番線に変更。

こうすることで、名寄駅から乗って高校に向かう学生などが、跨線橋を渡らずに済むようにできます。

反対に、下り列車は名寄で乗り降りするのが不便になります。しかし、この列車で名寄に通う高校生は、高校駅ですでに降りているわけなので、不便になる人数は限られます。(先述の現地調査の結果から学生の人数を引いた値、つまり10名程度でしょう。)名寄から乗車する人もごく少ないので、さしたる問題はありません。


もう一つ、先ほども少し言いましたが、夕方以降の名寄発・音威子府行き列車(4329Dと4333D)の名寄駅発車を、それぞれ7分早めます

これによって、名寄から美深方面に帰る学生の、名寄駅での乗り換え時間を減らします。

なお、4333Dは途中の豊清水信号場で上り特急宗谷との行き合いがあるため、音威子府の到着時刻を早めることは不可能です。ただ乗客のほとんどは美深で降りるでしょうから、ほぼ影響はありません。

新駅開業後のダイヤを考えてみた② もっと大胆にやってみる

次は、現行のダイヤを思い切って崩してみます。

列車の時刻を数十分単位で動かしたり、DECMO(H100形)の運用範囲を伸ばしたりすることが可能という前提をとって、車両の数を増やさずにどこまで「新駅効果」を高められるか考えてみます。


まず、朝の通学時間の需要に対応する方策。

下り始発(321D)は名寄まで2両編成で、名寄で後ろ1両を切り離しますが、この切り離した車両を活用する形で名寄8:05頃発・風連行きの列車を新設

これによって、名寄市内から通う場合に、高校への到着時刻を最適化。従来の通学バスと同等の利便性を提供できます。

また、乗客が2つの列車に分散するので、快速なよろ2号は乗客の多い1区間(名寄→名寄高校)のためだけに、音威子府から旭川までの長い区間を2両で走らせる必要がなくなります。

(なよろ2号を同様の時刻に変更する場合だと、士別への通学に使えなくなってしまうため、なよろ2号の時刻を変えず、別の便で名寄高校への利便性を確保する方が得策だと考えます。)

なおこの増便を行う場合、先ほどの「朝の名寄駅着発番線の変更」はしない方がいいでしょう。先ほどのプランで行くと、この増発列車も名寄駅3番線発車になってしまうので、かえって不便になります。


続いて帰宅時間帯。旭川13:59発の名寄行き(327D)を30分程度繰り下げて、名寄高校の6コマ目終了時刻に合わせます。

7コマ授業の金曜日は、後続の快速なよろ3号がいい時間に来ますが、月~木曜日はなよろ3号を待っているのは暇です。327Dを繰り下げることで、待ちぼうけを無くします。

ただし、上りの特急サロベツ4号と風連で行き合いになるので、ピッタリな時間に持ってくることはできません。

なお、この時刻繰り下げによって、327Dは札幌からの特急カムイ17号と接続します。なので、広域での移動にも少しプラスになるのでは、と思います。

さらに遅い時間帯の列車(普通329D、快速なよろ5号、普通331Dあたり)も時刻を変えて、名寄高校の部活終了時刻に合わせたらどうかとも思いましたが、それをやると永山(旭川大学、旭川大学高校)や北永山(旭川農業高校)の通学に不便になるので、やめました。


もう一つ。快速なよろ5号と、接続する音威子府行き普通(4333D)を直通させます。

(当然、名寄~音威子府間にDECMOを投入する形となるので、それに向けた準備が必要になります。)

なよろ5号は、部活終了後の学生の利用が想定されます。この便を音威子府まで直通させれば、乗り換えが要らなくなり便利になります。

あと、なよろ3号も音威子府行き普通と直通させたいところではありますが、それをやると車両繰りがうまくいかなくなるので、こちらは乗り換えとせざるを得ません。(車両をDECMOとすると、下り328Dに使う車両が無くなります。かと言って、なよろ3号、または328Dの車両をキハ54形に変えてしまうと、そちらの所要時間が延びてしまい、直通運転の恩恵よりも時間の損失の方が大きくなります。)


さらに大胆な一手を。上りの名寄発・旭川行きの最終便(334D)の運行を取りやめ、代わりに名寄18時台発・旭川行き列車を設定

334Dはほとんど乗客がいないようなので、運行を取りやめても影響はごくわずかだと思われます。その浮いた分を、部活生の通学に便利な時間に振り替えるのです。

車両は、下りの旭川16:38発の名寄行き普通(329D)が2両編成なので、名寄に着いた後に1両切り離せばOK。

車両の連結・切り離しの手間が若干増えますが、その分深夜の運行を減らす形となるので、コストはそう変わらないでしょう。

新駅開業後のダイヤを考えてみた③ 車両の取替ができる前提で

だあああああああああああああああああああ、まどろっこしい。いっそ、新車を入れてもいいという前提でやってみましょう。そうすれば、利用者視点での駅移転効果を最も大きくできます。

ここでは、道庁および名寄市・美深町・音威子府村の協力が得られ、DECMOを新たに3両ほど導入できた、と仮定します。

これによって、キハ54・40形の宗谷本線における運用の数を5から3に減らし、その分名寄~音威子府間2往復をDECMOで運転することにします。

DECMOの車両数が増えることで、車両繰りが楽になるので、前述の「快速なよろ3号と4333Dの直通運転」が可能になります。美深方面からの通学が便利になり、新駅効果をさらにアップさせられます。


思い切って車両の運用や時刻を変えてしまってもよいと思います。

朝早い下り始発列車をDECMOに車両変更すれば、スピードを活かして士別以南の発車時刻を繰り下げ、通学の負担をさらに減らす(運転手の負担も!)ことができます。

ただし、その分他の下り列車1本をキハ54形にする必要があります。キハ54形に戻しても比較的時間ロスが少なそうな331Dあたりが良いでしょうか。

また、音威子府以北の各列車の時刻も大幅に変える必要があります。

新駅開業後のダイヤを考えてみた・付録 ダイヤグラム公開します

以上の予想をまとめたダイヤグラムファイルを公開しますので、興味のある方はダウンロード(PC:右クリック モバイル:リンク長押し)して、Oudiaで開いてみてください。 たぶんJRのスジ屋さんに見せたら笑われるんだろなあ……。

駅の設計はムダなくシンプルに

ダイヤの話はこの辺で。次は設備面のお話。

先ほど「駅は最小限の設備になりそう」という話をしました。ボクはそれに賛成です。

今回は新駅の利用が多くても100名程度(乗車人数)の小規模事業。得られる便益が(大都市交通の改善事業と比べれば)かなり小さいわけですので、費用をなるべくかけないようにすることで、投資効率を高めた方がよいと思います。

新駅は立地などを考えると、「交通結節点」とはならないと思います。例えば駐車場なんかを整備したとしても、空振りになるはず。過度な期待はせず、最低限の設備プラス自習スペース程度にとどめる方がよいと考えます。

まして、きっぷ売り場や、きっぷ販売を兼ねた売店などを置くなどナンセンス。駅利用者の多くは名寄・士別・美深からの利用で、新駅に駅員がいなくとも発駅で定期券を買えます。無人駅から通う学生は不便かもしれませんが、北見エリアで平成30年(2018年)から開始された「スマホ定期券」を導入するなどで、人件費をかけずに対応可能です。この労働力不足の時代に、しかも深刻な赤字に苦しむ路線にさらに死重を加える必要は皆無。まして売店など荒唐無稽の極みです。(名寄駅のキヨスクさえなくなる時代ですよ?)

豪華なディナーも素敵ですが、醤油かけただけの豆腐を食らうのもまた一つの楽しみ。シンプルなのも良いものです。

名士バスとの連携ができればなお良し

美深方面から名寄への通学客も結構いるようですが、JRの名寄以北は列車本数がきわめて少なく、通学に便利な路線とは言えません。

名寄~美深~恩根内間には、JRの他に名士バスの恩根内線が走っています。時間帯によってはこちらを使った方が早く通学できることもあると思いますが、JRの定期券ではバスに乗れない(逆も然り)ため、そうする人は少ないでしょう。

それなら、JRとバスが協力して、定期券を共通化する、旭川~名寄間の普通・快速列車と恩根内線のバスを接続させる、名寄以北でJRとバスの時刻が被らないよう双方が時刻を調整するなどして、通学の学生がより便利に移動できる仕組みを作ることができれば、駅移転の効果はさらに高まるでしょう。

下地は既にあります。いわゆる"MaaS"が注目されるようになり、道外では実際にチケット共通化や時刻面での連携が図られる事例が出てきています。北海道だけできないという理由は無いはずです。

もちろん、JR・バスそれぞれに事情がありますから、簡単にはいかないでしょうが、未来のためにも一歩を踏み出してほしいと願っています。

ローカル路線活性化の好事例……だが

このプロジェクトは、他のローカル鉄道路線にとっても参考になる好事例と言えるでしょう。

というわけで、北海道の他の路線でも駅の新設・移設を……。

と思いましたが。北海道内には他に同じ条件を満たす地点はなさそうです。

今回は、「たまたま線路の近くに高校がある」「地上の単線路線の1面1線の駅なので費用が安い」「一定程度学生数があり高校統合も控えているので継続的な利用が見込める」といった条件が揃っています。

道内の他の高校は、そもそも線路の傍になかったり、あっても既に駅から近かったり、複線区間や高架区間だったり、学生数が少なかったりといった按配。

なので、駅を造るとしたら、高校の統合や移設などと連動させる場合に限られると思います。

あるいは、学生の次にローカル路線をよく使う高齢者をターゲットに、医療機関などの近くに駅を設けるというのもありえます。こちらも、病院の統合・移設などと連動する形なら可能性があります。

道外の事例として、今年(令和3年/2021年)土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に開業した「あき総合病院前駅」があります。

「名寄高校駅」は好事例ではありますが、他の線区・駅にそっくりそのまま応用、と簡単にはいきません。路線や地域・まちの実情に合わせたアレンジ版の好事例が出てくることを期待します。


もちろん、高校や病院の近くに駅があっても、使いやすい時間に列車がなければ仕方ありません。また、たとえば地方空港(例:女満別空港)の近くに駅を造ったとしても、飛行機と接続が取れていなければただのオブジェと化します。

利用が見込めても、コストが嵩めば本末転倒のおそれも。空港の例だと、飛行機と接続するために列車本数を増やしたら乗客数増加以上にコストが嵩みかねません。

また、高架やトンネルなどに造る場合や、駅を造るためにわざわざ線路を引き直す、または新たに路線を造るような場合は、建設費がきわめて重くなります。おそらく道内でそれをやってペイする所は、札幌圏以外ほぼ無いと思います。

利用者が増えればいいのではなく、費用に見合うかしっかり吟味する必要があるわけです。

岐路に立たされる道内ローカル鉄道路線。支援に消極的な市町村が多く、持続可能な交通体系に向けた取り組みが遅々として進まない中、ここに来てハード面に突っ込んだ活性化策が打ち出され、一筋の光明が差し込んだ感があります。

GDPの小さい中小都市だから。赤字のローカル鉄道だから。あの脆弱なJR北海道の保有路線だから。そういうバイアスを通して見ると、もしかしたらムダな事業に見えるかもしれません。

しかし、名寄市が打った石が無駄手だということはありません。高校統合を見据えると十分な便益があり、売店などという前時代的発想の奇策に出るまでもなく、社会をより豊かにするプロジェクトです。

もちろん、この一手「だけ」で宗谷本線の存続に向けた問題が全てクリアされるわけではありません。赤字削減という視点から見た場合、10億単位の赤字の前には駅の1つ2つは焼け石に水です。

だからといって、新駅の価値は否定されません。路線を維持するのは、「路線を維持するため」ではなく、「その路線が地域に与える利益を守るため」でしょう? その「利益」が増すのですから、路線維持に必要な赤字負担額と天秤にかけた時に「維持のメリット」の方が下に傾く可能性が高まるのですから、十分な意味があります。

(そもそも、新駅のような「活性化」と、赤字負担などの「維持スキーム」の話は、一緒くたにしてはいけません。)

新駅だけで全てを解決しようとするような思考停止に陥るのではなく。かといって「ローカル線に投資などムダ」と頭ごなしに冷笑してみせるのでもなく。取り組みを冷静に分析して、行く末を見守っていくことこそが重要です。その積み重ねこそが、公共交通の明日を、そして豊かな社会を創っていくのです。

名寄市が宗谷本線に置いた、一つの石。季節が一巡りする頃には、温かな東の風の連なりとなって、名寄盆地に新緑をもたらすことでしょう。新駅が地域住民の宝となるよう、公共交通の未来を考える者として、そして北海道の将来を想う一人の市民として、切に祈ります。

参考文献
JR北海道 令和3年4月8日ニュースリリース「東風連駅の移設及び駅名の改称について」(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/210408_KO_Station.pdf)
「地域交通を持続的に維持するために 第2期事業計画(アクションプラン) 宗谷線(旭川・稚内間)」(https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/8senku/8_04_actionplan_2ki.pdf)、北海道旅客鉄道 ※令和3年5月28日閲覧
「広報なよろ 平成30年6号」(http://www.city.nayoro.lg.jp/section/hisyokoho/public/prkeql000001ly5f-att/prkeql000001lyez.pdf)、名寄市 ※令和3年5月28日閲覧
「令和元年度 第1回『市民との意見交換会』実施報告書・アンケート結果」(http://www.city.nayoro.lg.jp/assembly/ii35kh0000004u7r-att/ii35kh0000005qok.pdf)、名寄市議会 ※令和3年5月28日閲覧
「令和元年度 第1回『市民との意見交換会』市民要望に対する市長回答」(http://www.city.nayoro.lg.jp/assembly/ii35kh0000004u7r-att/ii35kh0000005qev.pdf)、名寄市議会 ※令和3年5月28日閲覧
「令和2年度(2020年度)総合計画審議会 第3回 資料1 名寄市総合計画(第2次)中期実施計画の見直しについて」(http://www.city.nayoro.lg.jp/section/sougouseisaku/prkeql0000029k3s-att/prkeql000002grz7.pdf)、名寄市 ※令和3年5月28日閲覧
「令和2年度(2020)予算記者発表【修正版】」(http://www.city.nayoro.lg.jp/section/zaisei/prkeql0000023nyj-att/prkeql00000262r7.pdf)、名寄市 ※令和3年5月28日閲覧
「令和3年度予算記者発表」(http://www.city.nayoro.lg.jp/section/zaisei/prkeql000002e8f7-att/prkeql000002goef.pdf)、名寄市 ※令和3年5月28日閲覧
「令和2年度第2回名寄市地域公共交通活性化協議会 資料4 名士バス風連線について」(http://www.city.nayoro.lg.jp/section/sougouseisaku/prkeql000002gqmj-att/prkeql000002gqwo.pdf)、名寄市 ※令和3年5月28日閲覧
「交通事故の被害・損失の経済的分析に関する調査(平成29年3月)」(https://www8.cao.go.jp/koutu/chou-ken/h28/index.html)、内閣府 ※令和3年5月28日閲覧
「JRの赤字路線に『高校駅』 自治体が費用負担のワケ」(https://www.asahi.com/articles/ASP1G02DLP1FIIPE01N.html)、朝日新聞デジタル ※令和3年5月28日閲覧

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