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「函館で震度6弱」というコトバ

記事公開:平成28年6月16日

こんにちは、ゲニウス(北)です。

本日6月16日、北海道で最大震度6弱を観測する強い地震がありました。

一応の生存報告をいたしますと、ボクは平気です。

ボクは札幌におりまして、住んでいる地域の震度は1でした。というか、自宅にいたんですが、揺れは感じませんでした。

……というか、ボクを心配してる人、いるんかいな。


今日の本題はそっちじゃなく、地震が起きた場所についての話をします。

皆さん、今回「函館で震度6弱」と聞いて、驚かれたことと思います。あんまり大きな地震がないところですからね。

ボクも驚きました。……違う意味で。


何か。地震発生時のボクの身の回りの出来事をたどってみます。

まず、ボクの携帯電話(au)が緊急地震速報を受信。その時点で揺れを感じなかったので、ボクは「あぁ、浦河沖あたりで来て、しばらくして札幌にも来るパターンかな」と思っておもむろに避難経路の確保作業を始めました。

で、作業が終わったら身構えたんですが、数十秒たっても揺れがないので、とりあえずTVを付けました。

そしたら、映っていたのは、普段地震とあまり縁がない函館の映像。ベイエリアあたりが映し出されていました。

そこで、「え、函館?」と、まず一回驚きます。

その後、アナウンサーが「震度6弱」という情報を告げます。それで、「え、札幌はちっとも揺れてないのに、函館で6弱!?」と、もう一回驚きます。

その少し後、今度は地震発生時の函館市街の映像が流れます。そこで、さらにもう一回驚いたんです。

なにかって、6弱というほど揺れてなかったんですね。


繰り返してすみませんが、今回は「函館で震度6弱の地震が発生した」が、「函館市街はどう考えても6弱も揺れてない」という状況だったようです。

どこでトリックが仕組まれたのか。話は12年前にさかのぼります。

2004年、函館市は周辺の複数の自治体を吸収する形で合併を行いました。これによって、函館市の面積は一気に大きくなり、亀田半島のほぼ全域が「函館市」に入りました。

で、今回震度6弱の揺れが観測されたのは、この吸収された地域です

場所は、「川汲(かっくみ)」という、Microsoft IME 2010じゃ一発変換されない地名のところです。ここは、かつて南茅部町に属していた地域です。

今回の地震はマグニチュード5.3、震源の深さ10kmということで、震源に近い地域がピンポイントで大きな揺れに見舞われる一方、周辺の地域は大したことない、という類いのヤツです。

ゆえ、川汲から離れている函館市街に関しては、そこまで大きな揺れではない、というところでしょう。

まとめると、「『函館市』のどこかで震度6弱が来たが、函館市街地はそこまで大きな揺れではない」ということです。


今回気づかされたのは、「正しい」情報も、使い方を誤ると正しくなくなってしまう、ということです。

皆さん、「函館で震度6弱」って聞いたら、「うわぁ、あのレンガ倉庫とかハリストス正教会とかがあるあの函館が?」って思いますよね。ボクも思いました。

しかも、もっと悪いことに、NHKの画面には、函館市街のところに「6-」って書いてある。

でも、函館市街は、6弱は揺れてない。

なのに、「函館で6弱」という情報は正しい。だって、「函館市川汲」で震度6弱なんだから。

改めて、「情報ってコワイなぁ……」と感じました。間違った情報ならともかく、「正しい」情報ですら、場合によっては間違ったイメージを招いてしまいかねないんですから。


で、最後になっちゃいますが、「そもそも川汲ってどこ?」というのを一応。

川汲は、函館市の北東部、旧南茅部町。函館市街から、道道83号を車で約1時間(Yahoo! 地図で算出)の場所です。

ちなみに、当サイトの旅行記「道南の旅~鬼に誘われし者の受難~」で訪れた鹿部の間歇泉からも20km程度離れた場所です。

「川汲温泉」という温泉があるようですが、それ以外は何もわかりません。むろん、行ったこともないので、実見した情報は何もありません。

言えるのは、人口希薄地帯ということと、交通の便がすこぶる悪いということ。大きな病院で集中治療が必要な患者が発生していたりしたら、大変なことになるかもしれません。


このへんで、今日は筆をおきたいと思います。

繰り返しますが、「情報ってコワイなぁ」と。ボクも情報を扱う人間として、当サイトで発信をするときも、逆に情報を受け取る側としても、気を付けたいなあ、と感じました。

当たり前ですが、余震などに警戒しつつ、現地の方々の無事を祈りたいと思います。

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