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JR北海道・白石駅、3つの顔(平成29年1月7日)

ゲニっとな(謎)。

今日はJR北海道の白石駅を紹介します。旅行記で散々使っていますが、他にも撮影・乗り換えなど、様々な場面で使っています。

フツーの札幌市内の駅という雰囲気が漂う白石駅ですが、実は3つの姿に変化します。

第一の顔:通勤・通学の要

言うまでもなく、白石駅は朝晩に多くの人々が通勤・通学などのために利用します。

白石駅を通る、函館本線(札幌~岩見沢)・千歳線(札幌~苫小牧)は、いずれも輸送密度4万超え(平成28年度データ)です。JR北海道といえば特急列車やローカル線を思い浮かべる人も多いでしょうが、札幌近郊の列車も大活躍しています。まあ地下鉄(輸送密度6~8万レベル)には及びませんが……。

札幌エリアでは、朝のラッシュアワーでも、札幌駅とは逆方向への利用がそれなりにあります。空港客はもとより、札幌→手稲、札幌市内→大麻などの利用もそこそこあります。中心部から周縁の学校に通う通学客などが利用するためです。

白石駅でも、札幌駅方面に向かう乗客、反対に行く客、そして白石で降りる客……と、様々な乗客が入り混じります。

白石で降りる乗客は、バスに乗り換えて学校を目指すのでしょうか。付近に高校・大学などはないので、おそらくはバス乗り換えが結構な割合を占めていると思われます。ちゃんと調べてないけど。

白石駅の利用客は、JR北海道管内では第9位に位置します。もちろんトップ10すべてが札幌エリアの駅なワケですが、札幌エリアの通勤通学輸送の中で、白石はかなり重要な駅のひとつといえるでしょう。

第二の顔:函館本線と千歳線の乗り換え駅

朝・夜の白石駅は、もう一つの役割を持ちます。それは、函館本線の江別方面の普通列車と、快速エアポートの乗り換えです。

白石駅は2路線の結節駅なので、当然乗り換え駅となっていますが、特急通過駅で、日中は快速エアポートも停まらず、そもそも札幌付近の列車の利用客のマジョリティは札幌駅を目指すとあって、日中だと乗り換え客はそこまで多くありません。

しかし、白石にエアポートが停まる朝と夜は、白石は江別方面の乗客をエアポートとつなぐ、交通の要衝へと変化します。

列車の乗り換えは札幌駅で、というのが札幌エリアでは膾炙している印象ですが、早朝や夜には札幌でなく白石でエアポートと江別方面とを乗り換える客も多いです。彼らにとっては、白石~札幌間を重複乗車しないことで、少しでも走る距離を減らし、時間を短縮したいというニーズがあるのでしょう。

実際、朝のエアポートは、白石では降りる乗客よりも、乗り換え客の方が多い、という印象を抱きます。ちゃんと数えてないし、曜日が違ったらまた違うかもだけど。

札幌エリアの大黒柱であるエアポートが、最も重要な朝の空港行き・夜の空港発の列車で、より広いエリアからの乗客を集めることができるわけで、札幌~空港間の所要時間を少し伸ばしてでも白石駅に停車するメリットがじゅうぶんあるといえるでしょう。

第三の顔:時にはこんな役目も……

普段はこの二つの顔を持つ白石駅ですが、状況によっては、これから説明する「第三の役割」を担うことになります。


さあここからが本題です。この間、ちょうどいい事例があったので、紹介します。

ボクは、札幌12時16分発の江別行き区間快速いしかりライナーに乗車しました。この1分前に、函館行きの特急北斗12号が発車しています。

列車は順調に走り、白石駅の場内に……差し掛かったんですが、ここで隣を走る北斗12号に追いついてしまいました。

別にそれだけなら、その前を走るエアポートが遅れていれば、いつでも起こりうることです。しかし、様子がおかしい。どう見ても、北斗12号が白石駅に停車しようとしています

案の定、列車は白石駅に停車してしまいました。さらに2番線には、キハ183系基本番台で代走していたために遅れに遅れていた特急スーパー宗谷2号が停まっていました。

ホームにベルが鳴り響く中、2・5・6番線に同時に列車が在線。これはどこかで列停が押されたか……と思って様子を見ていた、その時。

若干名のお客が、係の方に連れられて、5・6番線にやってきました。直後、スーパー宗谷2号が発車。謎が解けました。

これはつまり、「本来は『スーパー宗谷2号→北斗12号』という乗り継ぎが成立するはずなのに、列車が遅れてそれができなくなった」「しかし両列車を白石に停めれば間に合う」という状況があったため、特別措置として特急が白石に臨時停車した、ということです。


この「乗り換え客の便宜のための特急の白石臨時停車」、乗り換える先の列車を札幌駅で待たせる方法とは異なり、遅れを最小限にしつつ乗り換えを実現できます。列車密度の高い札幌エリアは、少しの遅れがいろいろな方面に響いてしまいますから、それをできるだけ抑えたいわけですね。

もちろん、乗り換え客以外が白石で乗降することは、認められないでしょう。

また、どんな状況でもやってくれるワケではないでしょう。たとえば今回の例のように、代走措置によって車両の性能がふだんより悪くなった、という100%JR側の責に帰すべき事由があれば起こりえますが、「寝坊した」とかでは聞いてくれないでしょう。

また、運行本数の多い快速エアポートや旭川方面の電車特急についても、この措置が取られる可能性は高くないと思われます。

そうそう、当サイトを見て、「前にもこういうことあったって書いてあったんだから白石で乗り換えさせろ」なんて車掌や駅員などに言うのはダメですよ。あくまで特別措置ですからね。

今回は、いろいろな役割を持つ鉄道の要衝、JR白石駅を紹介してみました。最近白石の話題多いな、このコーナー。

他にも面白い話がたくさんあるので、皆さんももっと札幌近郊の快速・普通列車に興味を持ってほしいな、と思っています。当サイトでもいろんな話を紹介できたらな、と。

え? いや今日は別に何か主張したいことがあって記事書いたワケじゃないっす。これで終わりっす。ばいなら。

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