路線ガイド:JR北海道札幌エリア 千歳線(札幌~新千歳空港・苫小牧) / 札幌アーバン鉄道大全
※情報更新作業が追いついていないため、掲載の情報は令和元年(2019年)9月現在のものとなっております。
千歳線は、札幌から北広島・恵庭・千歳を経由して、新千歳空港・苫小牧まで繋がっている路線です。JR北海道のエース・快速「エアポート」のほか、普通列車が多数運行されています。
快速エアポートは1時間に4本。普通列車は2~3本が運行されます。
特急列車が多数走る大動脈としての役割もあります。
種別・運行区間・本数・間隔
千歳線には、以下のような列車が運行されています。
種別 | 運行区間 | 車内設備 | 車両 |
---|---|---|---|
特急 「スーパー北斗」 「すずらん」 | 札幌~苫小牧~東室蘭・室蘭・函館 | 乗車には特急券が必要 | キハ261系1000番台 キハ281系 789系1000番台 785系 |
特急 「スーパーおおぞら」 「スーパーとかち」 | 札幌~南千歳~帯広・釧路 | 乗車には特急券が必要 | キハ283系 キハ261系1000番台 |
快速 「エアポート」 | (小樽~)札幌~新千歳空港 | 4号車は指定席「uシート」、他5両は自由席 | 733系3000番台 721系エアポート用編成 |
普通 | (小樽・手稲方面~)札幌~千歳・苫小牧 (朝・夜の一部は、新千歳空港・東室蘭発着) | 全車自由席 | 733系基本番台 735系 731系 721系普通・区間快速用編成 (733系3000番台) (721系エアポート用編成) 1往復だけ、キハ143形 |
快速エアポートは、15分おきの運行。30分に1本が小樽まで直通します。
朝・夜の一部列車は、札幌~新千歳空港間を快速運転し、札幌よりも先は普通列車として、手稲・ほしみ・小樽まで直通します。また、朝の空港行きと、夜の空港始発の各1本が、学園都市線に直通し、石狩当別まで足を伸ばします(札幌~石狩当別は各駅停車)。
普通列車は、多くの列車が千歳で折り返します。苫小牧まで直通するのは、平均して1時間に1本程度です。
普通列車は、一部が札幌よりも先、手稲・ほしみ・小樽まで直通します。また、札幌8:27発の苫小牧行きは、倶知安始発です。
朝・夜の普通列車は、千歳・苫小牧発着の列車だけでなく、新千歳空港に乗り入れる列車もあります。また、朝の上り(札幌→千歳方面)のうち1本が、苫小牧よりも先、東室蘭まで行き、夜の下り(千歳方面→札幌)の1本は室蘭が始発です。
日中の運行パターンは、「エアポート」以外は完全にはパターン化されていません。おおまかに見れば、次のような頻度で運行されます。
種別 | 札幌~千歳 | 千歳~南千歳 | 南千歳~新千歳空港 | 南千歳~苫小牧 |
---|---|---|---|---|
特急 | 1本/時以上 | |||
快速エアポート | 4本/時 | 4本/時 | 4本/時 | |
普通 | 2~3本/時 | 1本/時程度 | ====== | 1本/時程度 |
下り(千歳方面→札幌)の朝ラッシュ時間帯と、上り(札幌→千歳方面)の札幌発午後9時台以降は、エアポートが運行されず、替わりに普通列車の本数が増えます。特に朝ラッシュの上りは本数が多めに設定されます。
上りの札幌発午後8時台も、エアポートの本数が減り、普通列車が増えます。
札幌~白石間には函館本線の札幌~岩見沢間の列車も走っています。
ほか、千歳~南千歳間では石勝線(千歳~追分方面)の普通列車が、沼ノ端~苫小牧間では室蘭本線(苫小牧~早来・追分方面)の普通列車が走っています。
また、札幌~苫小牧間では、多客期に函館方面に向かう臨時特急「北斗」が運行されます。
停車駅
特急「スーパー北斗」は、この区間では「札幌・新札幌・南千歳・苫小牧」に停まります。ただし、スーパー北斗23号のみ、南千歳を通過し、千歳に停まります。
特急「すずらん」は、この区間では「札幌・新札幌・千歳・南千歳・沼ノ端・苫小牧」に停まります。
特急「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」は、この区間では「札幌・新札幌・南千歳」に停まります。
快速「エアポート」は、この区間では「札幌・新札幌・北広島・恵庭・千歳・南千歳・新千歳空港」に停まります。朝・夜は、白石にも停車する時間帯があります。
サッポロビール庭園と植苗は、普通列車も一部が通過します。
所要時間・運賃
札幌~新千歳空港間は、快速「エアポート」で標準37分。運賃は、1,070円(平成31年3月16日現在)です。
札幌~苫小牧間は、特急で45~55分程度、快速エアポートと普通列車を乗り換えて1時間~1時間10分程度です。片道あたりの費用は、おトクなきっぷ「乗車券往復割引きっぷ」を使えば、特急を使う場合は最安で1,470円、使わない場合だと1,140円です(9月末まで)。
時刻・運賃・料金について詳しくは、市販の時刻表、またはJR北海道のWebサイトをご覧ください。
※以下の表では、10月以降の運賃・料金をかっこ書きで併記しています。
区間 | 所要時間 | 運賃(片道あたり) |
---|---|---|
札幌~新千歳空港 | 快速:標準37分 | ¥1,070(¥1,150) |
札幌~苫小牧 | 特急:45~55分程度 普通・快速乗り継ぎ:1時間~1時間10分程度 | ¥2,270(¥2,470)(特急、おトクなきっぷ) ¥1,470(¥1,660)(特急すずらん限定、おトクなきっぷ) ¥1,140(¥1,320)(普通・快速、おトクなきっぷ) |
札幌~千歳 | 快速:標準30分 | ¥840(¥970) |
札幌~恵庭 | 快速:標準24分 | ¥640(¥750) |
札幌~北広島 | 快速:標準16~17分 普通:24~30分程度 | ¥450(¥540) |
新札幌~新千歳空港 | 快速:標準28分 | ¥880(¥880) |
新千歳空港~小樽 | 快速:標準1時間12~15分 | ¥1,780(¥1,910) |
★ 運賃は当該区間「のみ」に乗車する場合のものです。
車両
形式名 | 車両デビュー時期 | 担当列車 |
---|---|---|
733系3000番台 | 平成26年8月 | 快速エアポート(一部の普通にも使用) |
721系エアポート用編成 | 平成4年5月 (8次車は平成16年早春?) | 快速エアポート(一部の普通にも使用) |
733系基本番台 | 平成24年6月 | 普通 |
735系 | 平成24年5月 | 普通 |
731系 | 平成8年12月 | 普通 |
721系普通・区間快速用編成 | 昭和63年11月 | 普通 |
キハ143形 | 平成6年 | 普通(1往復のみ) |
形式名 | 車両デビュー時期 | 担当列車 |
---|---|---|
789系1000番台 | 平成19年10月 | 特急すずらん |
785系 | 平成2年9月 | 特急すずらん |
キハ261系1000番台 | 平成19年10月 | 特急スーパー北斗・特急スーパーとかち |
キハ281系 | 平成6年3月 | 特急スーパー北斗 |
キハ283系 | 平成9年3月 | 特急スーパーおおぞら |
以下、種別・列車名ごとに解説します。
快速エアポート
733系3000番台 または 721系エアポート用編成で運行されます。全列車6両編成で、4号車は指定席「uシート」です。
普通列車
上表の普通列車用車両が使われます。日中は3両編成が基本で、朝晩を中心に6両編成の列車もあります。6両編成の場合、基本的には3両を2本繋げて運行され、前3両と後ろ3両で形式が違うことも多いです(エアポート用編成が使われることもあります)。
基本的には、733・735・731・721系が区別なく使用されますので、どの形式が使われるかはその日その列車によって異なります。
ただし、新千歳空港に直通する普通列車は、基本的にエアポート用編成での運行です。ただし、札幌6:02発の空港行き、および空港6:56発の手稲行きは、普通列車用の編成を2本繋げた6両編成で運行されます。
また、以下の列車は使用される車両が決まっています。
- 上り(札幌→千歳方面)
- 札幌6:20発 東室蘭行き普通:キハ143形 2両
- 札幌8:27発 苫小牧行き普通(倶知安始発):731系 3両(札幌までキハ201系と併結した6両)
- 下り(千歳方面→札幌)
- 千歳6:03発 札幌行き普通:733系3000番台 または 721系エアポート用編成 6両
- 苫小牧6:04発 札幌行き普通:733系3000番台 または 721系エアポート用編成 6両
- 苫小牧21:37発 札幌行き普通(室蘭始発):キハ143形 2両
なお、特急については、「北の特急(+α)図鑑」コーナーをご覧ください。
臨時列車
千歳航空基地でイベントがある日には、千歳発着の普通列車が南千歳発着に変更されることがあるほか、札幌~南千歳間で列車が増発されることがあります。
なお、臨時特急「北斗」については当該列車の列車データのページをご覧ください。
Tips
千歳線の列車を使う際に、覚えておくと便利なネタをご紹介します。
快速「エアポート」の多くは北広島で普通に接続
快速「エアポート」は、多くの便が北広島駅で普通列車を追い抜きます。
北広島駅で、普通と快速を乗り換えできます。快速停車駅と、快速が通過する途中駅とを行き来する場合、北広島で普通と快速を乗り換えるとスムーズに移動できます。
ただし、北広島で普通列車を追い抜かない列車も1時間に1~2本程度あります。
千歳で接続する場合も
ごく一部のエアポートは、千歳で普通列車を追い抜きます。
- 快速エアポート117号(新千歳空港11:45発):苫小牧11:24発の普通列車を千歳で追い抜きます
- 快速エアポート86号(札幌8:50発):札幌8:27発の普通列車(倶知安始発)を千歳で追い抜きます
新千歳空港へは、「空港行き」に乗車
新千歳空港に向かう時は、「新千歳空港行き」の列車に乗って、終点の新千歳空港で降りてください。
「千歳行き」「苫小牧行き」「東室蘭行き」、および特急列車は新千歳空港には行きません。間違えないよう注意してください。特に、「千歳行き」は間違って乗ってしまう乗客が多いですので、注意してください。
空港行きは基本的に札幌駅5・6番線発車
基本的に、空港行きの列車は札幌駅の5・6番線から発車します。夜間は例外があります。
- 札幌20:15発 普通列車(小樽始発):8番線発車
- 札幌20:55発 普通列車:10番線発車
- 札幌21:10発 普通列車(小樽始発):8番線発車
なお、札幌20:15発の空港行き普通列車は、途中の北広島でエアポート200号に抜かれます。空港へはエアポート200号(札幌20:25発)を使ってください。
新札幌→札幌でエアポートに抜かれる普通列車があります
札幌と新札幌の間を行き来する場合は、基本的には来た列車に乗ればOKです。
ですが、下り(千歳方面→札幌)の普通列車の一部は、白石駅で快速エアポートに抜かれます。
そのため、新札幌から札幌に移動する時は、普通列車ではなく、その後に来るエアポートに乗った方が早く札幌に着く場合があります。
エアポートの方が先に札幌に着く場合、新札幌駅のホームで案内放送が流れるので、確認ください。
迷ったらエアポート!
エアポート停車駅相互間を移動する場合、普通列車に乗ればいいか、エアポートに乗ればいいか、わからなくなる場合があるかもしれません。
迷ったら、とりあえずエアポートに乗りましょう。速いですし、15分おきで走るので、わかりやすく覚えやすいのが魅力です。
ネットの書き込みには、空港利用者以外がエアポートに乗ることに文句を付けているものがありますが、お気になさらず。むしろ、みんなでエアポートを使いましょう。
札幌~苫小牧間は特急がオススメ、普通列車ならエアポートと乗り継ぎで
札幌~苫小牧間は、やや距離が長いので、速くて快適な特急列車の利用をオススメします。
普通列車で行き来する場合は、北広島(または千歳)でエアポートと乗り継ぐことで、スピーディーに移動できます。(南千歳での乗り換えはホーム移動が面倒なのでおすすめしません。)
路線データ
- 正式名称:苫小牧~沼ノ端は室蘭本線、沼ノ端~白石は千歳線、白石~札幌は函館本線
- 距離:札幌~苫小牧 71.2km(うち白石~沼ノ端 56.6km)、札幌~新千歳空港 46.6km(うち南千歳~新千歳空港 2.6km)(すべて営業キロ)
- 最高速度:120km/h
- 線路数:札幌~苫小牧間 複線(札幌~白石間は函館本線用線路と合わせると複々線) / 南千歳~新千歳空港間 単線
- 平均駅間距離:札幌~苫小牧間 4.45km / 札幌~新千歳空港間 3.33km
- 輸送密度:白石~苫小牧 46,076人/日(平成29年度、特急利用者含む)
- 電化方式:交流 20,000V 50Hz
- 保安装置:ATS-DN, ATS-Sn
- 開業日:札幌~白石 明治15年11月13日 / 白石~沼ノ端 大正15年8月22日(21日とする文献もあります) / 沼ノ端~苫小牧 明治25年8月1日
- 一日平均乗車人数トップ5の駅(平成28年度、札幌駅除く)……
- 1位:新千歳空港 16,121人
- 2位:新札幌 13,081人
- 3位:千歳 8,749人
- 4位:白石 8,077人
- 5位:北広島 7,605人(平成27年度)