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大胆予想? 「令和」時代の北の鉄道

記事公開:令和元年5月1日

追記(令和3.10.9):本記事は読まないでください。

皆様、おはようございます。ゲニウス(北)と申します。

本日、ついに新たな天皇が即位され、元号が「令和」と改められました。ボクにとって、元号をまたぐのは初めてです。

この記念すべき日に、当サイトも「令和一発目のサイト更新」として本記事を公開させていただきます。

令和最初の記事、その内容はズバリ「令和時代の北海道の鉄道の未来予想」! 現在出ている情報から、今後の北海道で起こる鉄道の変化を、向こう10年強くらいの範囲で予想していきます。

といっても、全部予想していたらキリがないので、車両・運用関係に話題を絞って、今の時点で出ている情報から想像できることだけ書きます。

JR北海道中期計画を読む

まずは予想のための材料集めです。

JR北海道は4月9日、経営再建を目指すための「中期経営計画」と「長期経営ビジョン」を公開しました。

なんか一部報道機関などに半ば頭ごなしに叩かれていますが、まあそれはさておき。

そのうち「中期経営計画」に、老朽車両の置き換えや、新たな取り組みなどについての記載がありました。一つ一つ、簡単な解説を入れつつ見ていきます。

【札幌エリア】721系の快速「エアポート」を733系に置き換え(11ページ)

例によって「北!鉄!ニュースライナー」と同じ流れでいきます。というわけで札幌エリアから。

来春ころに1時間4本→5本への増発が予定される快速「エアポート」ですが、令和5~6年度に733系を追加投入して721系を置き換え、車両を733系に統一することが計画されているようです。

エアポートの車両がロングシート車両に統一されることで、次のような効果が期待されます。

  • エアポートの輸送力増強。
  • 通路幅拡大・ロングシート化により、自由席において大荷物での乗りやすさが改善。
  • エアポートのトイレ全洋式化、およびuシートサービス統一。
  • エアポート用車両で運行される朝ラッシュの通勤列車の混雑緩和。

【特急】「スーパー北斗」の車両をキハ261系1000番台に統一(14ページ)

特急列車では、キハ261系1000番台を追加投入し、札幌~函館間の「スーパー北斗」を2022年度にオール261系化する予定のようです。

使う車両を統一することで、乗客にとっては分かりやすい列車になりますし、予備車が共通化できるので車両の数が抑えられて製造費・メンテナンス費用が節約できます。

とはいえ、車体傾斜装置を搭載しない列車による運行となるので、若干の所要時間増加は避けられないでしょう。

【特急】キハ261系5000番台(仮称)でリゾート特急車両を置き換え(13ページ)

先日当サイトで特集した、令和2年デビュー予定の「多目的特急車両」キハ261系5000番台(仮称)。特集記事でも触れたように、中期計画によるとこの新車はリゾート特急車両の車両置き換えを目的として製造されるようです。

言い換えれば、クリスタルエクスプレスとノースレインボーエクスプレスが、あと1年半~2年くらいで現役を退く、ということです。

【地方都市近郊】2両編成のワンマン電車の新製を検討(19ページ)

今後予定されている車両の置き換えにあたって、ワンマン運転が可能な2両編成の電車を投入することが検討されます。

現在JR北海道が保有する普通・快速列車用の車両は、3両で1ユニットとなっています。これらの車両にはワンマン運転が可能な設備がありません。また、JR北海道ではごく一部の例外を除き、2両編成以下の列車でしかワンマン運転を実施していません(3両編成以上でも、3両目以降を回送扱いとしてワンマン運転をしている例はけっこうあります)

そのため、電車でワンマン運転をするなら、単行または2両編成の電車を別に用意する必要があります。

どんな車両になるかですが、2つの可能性があると思います。

本命は、733系をベースに開発する方法。既存車両との仕様をできるだけ統一できるメリットがあります。でも、733系など、JR北海道の3両1ユニットのVVVFインバータ制御の車両は、1M2Tまたは2M4Tの構成で、電動車はすべて中間車。2両編成の車両を造るには、新たに制御電動車(クモハ)を開発する必要があります。

対抗は、JR東日本仙台エリアの雄・E721系をベースに開発する方法。東北地方では2両編成の電車がたくさん走っており、最も新しい形式のE721系も2両編成が組めます。東北・新潟向け車両がベースになっているDECMOが投入できるなら、東北の電車をベースにした北海道向け電車もできる……かもしれません。もともと2両編成が組めるので開発費用が抑えられますが、既存の電車と仕様が違うので、運用・メンテ面で不利になります。

733系ベースか、E721系ベースか。あるいは、やっぱり3両編成にするか。トータルコストでどれが安く上がるのか、慎重な検討が必要でしょう。最終的にどんな結論になるか注目です。(中期計画に載っている画像はあくまで「イメージ」で、設計はこれから検討されるとのことです。画像が733系に似てるからといって、733系ベースと決まったわけではないと思います。)

その他の文献を読む

中期計画だけでもいろいろ面白い話題がありますが、他の文献にもヒントがあります。

手に入る材料は全部洗ってから料理に入るとしましょう。

雑誌「J-train」2019年春号より――キハ261系1000番台の増備計画

今年発売されたイカロス出版の雑誌「J-train」に、平成31年度から投入が開始された「キハ261系1000番台7次車」についての記事が載っていました。

その記事の筆者は、JR北海道の車両部の、役職持ちの人です。なので、信憑性は問題ないと思います。

キハ261系1000番台7次車は、6次車以前とはいろいろと仕様が違う、マイナーチェンジ車です。記事のメインはそのマイナーチェンジの内容です。

ですが、その中に次のような記載がありました。

「2019(平成31)年3月16日ダイヤ改正から「スーパー北斗」に充当する。この時点でキハ281系「スーパー北斗」は残り3往復となる。」

7次車は2018~2021年で合計67両が製造され、全「スーパー北斗」のキハ261系化と、老朽化したキハ183系の淘汰に使用される予定。」

ポイントは二つ。まず、7次車が置き換えるのは、先述したキハ281系だけでなく、キハ183系もだ、ということです。「淘汰」という表現から、キハ183系は全廃予定と見て間違いないでしょう。

また、7次車に該当する車両は、去年投入されたキハ281系「スーパー北斗」の置き換え分以降の車両だ、いうこともわかります。

ここで、JR北海道のサイトに載っている「資材調達情報」(令和元年5月1日現在)を見ると、2018年上期の調達品目の中に「DC 67両」があるのがわかります。注文月日が「2018/8/24」とあることから、その時期に川崎重工から北海道に納車された「ST-1114・1214ユニット」および「キハ260-1401~1404」の8両からが、7次車に該当するとわかります。

さらに、車両の形式図の記載から、ST-1100ユニットは「ST-1114~1125」の12本ということがわかります。

ST-1100ユニットとST-1200ユニットは必ず同数が製造されることから、ST-1200ユニットも12本と見て間違いないでしょう。

以上より、「67両」の内訳は次のようになります。

  • ST-1100ユニット(キロ261-1100+キハ260-1100):2両×12本=24両
  • ST-1200ユニット(キハ260-1200+キハ261-1200):2両×12本=24両
  • 中間増結車(キハ260-1300 または キハ260-1400):67-24-24=19両

今年のダイヤ改正までにキハ281系「スーパー北斗」置き換え用に投入されたのは、ST-1114・1115・1214・1215ユニットと、キハ260-1401~1409の、合計17両です。

ということは、今年からの3年間では、ST-1100・1200ユニットが各10本、中間増結車が10両入る、という計算になります。

(ちょいと余談)実は、「261系が67両製造される」という情報は去年の時点でネット上に流れていました。どうやら、「鉄道界」という専門誌に掲載されていたようです。

国会図書館以外で閲覧する手段がわからず、真偽は検証できなかったので、当サイトでの紹介は控えていましたが、今回J-trainに同様の内容が掲載されたことで本当であることが証明されました。

「鉄道界」には他にも今後の計画が書いてあったようで、それについてもネットに情報が流れています。以下に述べる予想は、それを少なからず参考にしています。

もちろん、真偽を検証していない情報「だけ」を根拠に予想をするわけにはいかないので、こうして他の証拠を見ているわけです。(余談おわり)

JR北海道会社案内パンフレットより――721系の置き換えに着手

続いては、JR北海道のサイトで閲覧できる会社案内パンフレット(令和元年5月1日現在)に載っている情報。

10ページに載っている「安全投資と修繕に関する5年間の計画」の表には、同表が最初に公表された「JR北海道再生のための提言書(別紙)」から内容が変わっています。内容が変わった部分には、「721系電車(24両)の老朽取替(快速エアポートの輸送力増強にむけて前倒し実施) 2018年度完了予定」との記載があります。

これはつまり、去年投入された733系3000番台増備車6両×4編成によって、721系の一部が置き換えられる、ということです。

もっとも、721系が解体されたという情報はまだ掴んでいないので、何かの理由で計画よりも置き換えが少々遅れているようです。

札幌市交通事業経営計画(2019~2028年度)(案)より――札幌市電の低床車両を増備

JR以外もチェック。札幌市交通局は、向こう10年間の経営計画を策定中で、その案が市のWebサイトで公開されています。

車両関連では、市電の低床車両を10年間で計14両投入する計画が盛り込まれています。

具体的には、令和元年度~4年度で各2両、5~10年度で各1両の導入を計画しているようです。

一気に投入した方が、車種統一でメンテナンスコストが下がるような気もしますが、札幌市交通局は車両をいっぺんに更新せず徐々に新車を投入することで、年度ごとの支出をなるたけ平準化する作戦を選んだようです。

投入される車両は、当面の間は昨年デビューした「シリウス」の増備車となるでしょう。長期間の計画なので、途中で新形式車両に切り替える可能性もあるとは思います。

令和時代の車両の動きを大胆(?)予想

材料を集めたところで、いよいよ予想に入ります。

※この先はあくまで「予想」なので、参考程度にとどめてください!! 特に引用などされる際は十分にご注意ください!!

【札幌エリア】721系は令和6年度までに勢力大幅縮小、全廃時期は読めず

まず、札幌エリアの車両について。JR北海道から見ていきます。

現在の最ベテランは721系。721系は、快速エアポートの733系統一が果たされる令和6年度までに、大幅な勢力縮小が確実です。その後、令和11年度くらいまでには全廃かとは思いますが、全廃時期は予想が付きませんでした


順を追って見ていきます。まず、今年~来年の動きの予想です。

先に述べた721系24両の廃車は、今年度にも行われるでしょう。

ここで引っかかるのが、「快速エアポートを『増発』するための車両を増備したのに、それと同数の車両を廃車にする」ってところですよね。

実は、去年の車両増備がなくても、増発「だけ」はできるんです。

エアポートの運用は、今回の増発で2つ増えると考えられます。札幌~新千歳空港間は2時間で1往復できるので、1時間に1往復増やすには車両が2本あればOKだからです。そのうち1つは、朝ラッシュの列車と一続きの運用にできると思います。なので、エアポート増発のために必要な車両の数は、実はたったの6両です。

また、現在JR北海道は電車を6両ほど余分に持っているようです(詳細は後日)。これは731系の機器更新を進めるための予備車と考えられます。731系の更新はもうすぐ終わると思うので、その余分はもう要りません。

それを差し引いて、必要な車両の数は6-6=0両。そう、実は今回、増発「だけ」なら新車はいらないんです。

なのに733系3000番台が増備された。実はこの車両、増発のための車両というよりは、エアポートの定員増加と、721系24両の置き換えのための車両なんです。


続いて、その先の予想。

令和6年度までに、エアポートは733系に統一されます。そのために、733系が増備されることになります。

ただエアポートから721系を撤退させるだけなら、733系3000番台は5編成あれば足ります。来年以降、エアポートの運用は1日12運用となると思うので、予備車含めてエアポート編成は16本もあれば問題ないのです。現在の733系3000番台の在籍数は11本なので、あと5本(30両)あればOK。

でも、721系の置き換えを兼ねての増備だとしたら、そう簡単にはいきません。

それを紐解くために、「721系はどこまで置き換えられるか」を予想してみます。

ヒントは、721系4000番台の機器更新が行われていないこと。「JR北海道経営再建のための提言書(別紙)」に実施が明記されており、実質的にJRが実施を約束したようなものなのに、それが未だに行われていないんです。となると、廃車の予定時期が早まったとしか考えられません。

なので、4000番台と、それよりも経年が深い3000番台6両編成が、運用を退くことになりそうです。

つまり、このタイミングで最低7編成が置き換えられることが考えられるんです。なので、5編成造るだけでは足りず、あと12両を用意する必要があります。

ただ、その分は別にエアポート編成である必要はありません。なので、運用のしやすさを考えて、733系基本番台を4編成造ることも考えられます。

また、721系5000番台6両編成も運用離脱となる可能性が否定できません。その場合、上と同様の計算で、733系基本番台8編成、または733系3000番台4編成が必要です。


エアポート車両置き換えと前後し、後述する2両ワンマン電車の投入に伴い、721系3両編成も大部分(または全車)がその新車に換わると見られます。

ここまで来ると全廃も見えてきますが、ここでポイントになるのが北広島のボールパーク輸送です。

波動輸送をこなすために、札幌~北広島(またはボールパーク新駅)間に臨時列車が必要です。試しにダイヤを組んでみたのですが、線路容量をフルに使えばそれなりの増発ができるものの、車両は追加で18~30両くらい必要な計算になりました。

で、もう一つのポイントが、721系の車齢。721系は平均車齢で見たらけっこうベテランですが、5000番台とF-1009編成は比較的経年が浅く、IGBT-VVVFインバータ制御なのでメンテナンスでも利点があります。少しでも新車コストを抑えるため、使える車両は長く使うことが考えられます。

そこで、721系をこのタイミングでは全廃させず、車齢の若い5000番台とF-1009の計24両だけ残して、ボールパーク輸送のために活用することが考えられます。

もっとも、721系では球場輸送には力不足です。なので、721系は学園都市線あたりに使って、その分余裕ができる731・733・735系を臨時列車に充てればよいかと思います。

721系の全廃時期が読めない理由は、中期計画・長期ビジョンに明記がないのもさることながら、このボールパーク輸送が一番の理由です。

強いて全廃時期を予想するなら、「令和7~12年ころ」とフワっとした予想になります。

ボールパーク輸送対策のついでに721系を全廃させる可能性も十分あるので、そうなると721系はボールパークが開業する令和5年あたりから縮小の流れとなり、エアポート置き換えと合わせて、早ければ令和7年に全廃となるでしょう。

721系を活用してボールパーク輸送を行う場合でも、721系6・7次車は令和10~11年度に車齢36年を迎えるので、そのあたりが721系の最後になるでしょう。

【札幌エリア】札幌市電はM101形および200系列の一部が置き換えか?

次は札幌市電。M101形と、200系列のうち戦前製の台車を履いた車両など14両が、10年以内に廃車となると予想します。

向こう10年での新車投入数は14両となる計画です。既に「シリウス」1両が投入されているので、合わせて15両となります。

15両という数字は、200系列のうち戦前製の台車を履いた車両群に、M101形を足した数を1両上回ります。

そのため、これらの車両が順次運用を外れ、200系列で唯一戦後製の台車を履く250形も1両が廃車となると考えられます。

置き換えの順番ですが、M101形は市民・鉄道ファンからの人気が高く、交通局も大事にしているフシがあるので、なるべく後に回されるかな、と思います。なんにせよ、乗車・撮影は早め早めをオススメします。

【特急】オホーツク・大雪も全261系化、スーパーおおぞらに261系投入

続いては特急列車。先に気動車から行きましょう。

増備が続くキハ261系1000番台。どのような流れで、車両を置き換えるでしょうか。当サイトでは次のように予想しています。

  • 令和2年ダイヤ改正:「オホーツク」「大雪」全列車261系化
  • 令和3年ダイヤ改正:「スーパーおおぞら」6往復中3往復261系化
  • 令和4年ダイヤ改正:「スーパー北斗」全261系化

これに伴い、キハ183系が令和3年度までに、キハ281系が令和4年度までに全廃となると予想します。また、キハ283系も一部車両が令和3~4年ころに廃車となると予想します。

さらに、北海道新幹線の札幌延伸から1年以内、つまり令和13年度までにキハ283系も全廃されると予想します。


キハ261系が「オホーツク・大雪 → スーパーおおぞら → スーパー北斗」の順に入るという予想の理由は、次の通りです。

  • 車両置き換えの順序は「キハ183系 → キハ281系」の順と考えられる。
  • キハ183系置き換えのためには、定期列車だけでなく波動輸送も他形式に置き換える必要がある。
  • キハ283系には波動輸送の役割が与えられている。

詳しく説明します。まず「キハ183系 → キハ281系」の順に置き換えが行われると考える理由ですが、先述の通りスーパー北斗のオール261系化が3年後の予定になっているからです。

キハ261系は今年度・来年度も増備されます。でも、スーパー北斗の置き換えは来年でも再来年でもありません。今年度・来年度の増備車がスーパー北斗用ではないとすると、「淘汰」が明言されているキハ183系が置き換えられると考えるのが自然です。

また、函ハコに新車が入り、玉突きの形で函ハコから札サウに車両の移動があったことからも、スーパー北斗のキハ281系置き換えよりも先に札幌にいる車両を置き換える、という意図が読み取れます。

次に、キハ183系を置き換えるために必要なことですが、一つは(当たり前ですが)特急オホーツク・大雪の車両の置き換えです。

それだけでは、置き換えは終わりません。キハ183系はオホーツク・大雪以外にも、多客期の臨時列車や団体列車などの波動輸送にも使われており、そのために車両が多めに配備されています。

そこで、波動輸送用の車両も、他の形式に置き換える必要があります。

キハ183系以外で波動輸送に使われる車両といえば、キハ283系です。臨時北斗84・91号に毎度起用されているほか、団体列車なども担当しています。グリーン車なしのモノクラス編成が組めて、最短3両編成で運用できるので、柔軟に使える点も波動輸送には嬉しい点です。

キハ283系で波動用キハ183系を置き換えるには、キハ283系のスーパーおおぞらの運用を減らす必要があります。

つまり、キハ183系全廃にはオホーツク・大雪の置き換えだけでなく、キハ283系捻出のためスーパーおおぞらの一部もキハ261系への置き換えが必要です。

で、オホーツク・大雪とスーパーおおぞら、どっちの車両置き換えが優先かと言われれば確実に前者です。車両置き換えでサービスレベルを格段にアップさせられます。また、現状だとキハ183系の130km/h対応車両とそれ以外が併結できない関係でムダが起きているので、早めに他形式に置き換えて合理化した方がいいです。NN183系のエンジン換装車は北見峠の勾配に苦しんでいるという話も聞くので、ハイパワーな車両に早く置き換えた方がいいでしょう。

こんな風に、「オホーツク・大雪からキハ183系撤退 → スーパーおおぞら半分261系化で波動用283系捻出、キハ183系全廃 → キハ281系スーパー北斗置き換え」という予想を練り上げたワケです。

(※キハ261系を波動輸送に使うのは少々厳しいものがあると思います。比較的新しい形式の車両を、波動輸送がない時期は遊ばせてしまう形になります。また、モノクラス編成が組めないのも痛い部分です。経年が進んでいるうえ、スーパーおおぞらの過酷な運用をこなしているため、劣化が進んでいると言われているキハ283系をラクにする意味でも、キハ283系を波動輸送に充てるほうがよいと思います。)


もう少し細かく予想してみます。まず、向こう3年間の予想です。

まず来年のダイヤ改正。オホーツク・大雪が、キハ261系1000番台に置き換えられると予想します。

これに伴い、オホーツク・大雪のスピードアップが行われる可能性があります。キハ183系基本番台が淘汰されたのに今年の改正でスピードアップが実現しなかったのは、どっちみち来年スピードアップする予定だから……だったのかもしれません。

なお、ネット上には「スーパーおおぞらのキハ283系を置き換えて、キハ283系をオホーツク・大雪に回す」という予想が複数上がっています。おそらくですが、オホーツクには長年旧型車両が優先して充てられていたので、比較的新しいキハ261系の投入がピンと来ないから、そういういう予想が出ているんでしょう。

ですが、その可能性は低いと思います。それだとキハ260形1300番台を多く造らなければならなくなります。北海道新幹線の札幌延伸後、1300番台は大量に余ります。それを見越して、製造数をできるだけ抑える必要があります。

そもそもキハ261系1000番台は編成の短いスーパーとかち用に開発された車両です。オホーツク・大雪に投入されても、不自然はありません。

続いて再来年の改正。スーパーおおぞら6往復中3往復が、キハ261系1000番台での運用となると予想します。

スーパーおおぞら用のキハ261系は、釧路運輸車両所(釧クシ)に配置されるとみています。キハ261系1000番台がすでに配置されている札サウへの配置が自然ではありますが、むしろ釧クシに配置し、その分キハ283系を札サウに集約すれば、スーパーおおぞらにも波動輸送にもキハ283系を使いやすくなります。

キハ283系の定期運用が減り、その分が波動輸送に回ることで、キハ183系は波動輸送用としても不要となります。したがって、再来年にキハ183系が引退となると読んでいます。

クリスタルエクスプレス・ノースレインボーエクスプレスも来年にキハ261系5000番台(仮称)に置き換えられる見通しなので、キハ183系は北海道から完全に姿を消すことになるでしょう。

キハ283系も、比較的車齢の高い車両を中心に、一部が廃車となると予想します。現在進行中の側面行先表示器フルカラーLED化が、今のところ新しい車両を中心に施されているのが理由です。一部車両にはフルカラーLED化を行わず、早めに廃車するという意図があることが考えられます。20両程度を廃車にしてもスーパーおおぞら3往復と波動輸送の分を確保できるので、このタイミングでの廃車は十分にありえます。

そして令和4年のダイヤ改正で、スーパー北斗全列車がキハ261系1000番台に置き換え。

中期計画ではスーパー北斗オール261系化は令和4年度となっているので、令和5年春のダイヤ改正での実施と考える方もいるかと思いますが、キハ261系1000番台7次車は令和3年度までに出そろう予定なるので、令和4年改正でのオール261系化となると予想します。あるいは、この年は年度明けにダイヤ改正があるのかもしれません。

スーパー北斗の運用を失うキハ281系は、そのまま引退となると予想しています。他の定期特急はキハ261・283系で運行されているでしょうし、波動輸送もキハ261系5000番台(仮称)とキハ283系で対応できるので、キハ281系は使い道がなくなると思われるからです。

なお、去年の261系増備車の函ハコ投入に伴い、函ハコから札サウへの車両移動があったことから、今年度以降の増備車も同様に函ハコに入り、その都度比較的経年の深い車両が札サウまたは釧クシに移ると予想しています。この予想が当たると、最終的にスーパー北斗のグリーン車はすべて7次車に統一されることになるかと思います。サービスレベル統一でわかりやすい列車になります。


続いて、新幹線開業後の詳しい予想。

令和13年春を予定している北海道新幹線の札幌延伸が実現すると、スーパー北斗は札幌~洞爺・長万部間に運行を縮小すると思います。

胆振地方から新幹線へのアクセスを確保するのと、洞爺・登別へのアクセスを考えると、東室蘭以西にも特急が必要です。なので、「北斗」は消えないと考えています。

いずれにせよ、今より北斗に使う車両が減るので、余りが出ます。それを使って、キハ283系の残りを置き換えるものと思います。

これで、北海道の気動車特急をすべてキハ261系に統一するという、JR北海道の計画が達成されます。

さらに余りが出る計算になるので、大雪・サロベツの札幌再直通化も可能です。JRの長期ビジョンに、新幹線に接続する特急列車網の構築が明記されているので、かなりの確率で実現すると思っています。


※追記(令和元.11.3)……

令和元年秋から釧路方面でキハ261系の試運転が繰り返し行われているという情報がネットに上がっております。実見はできていませんが、多数の情報源が同様の内容の発信をしており、信憑性は十分と判断できます。

そのため、261系の投入順は「おおぞら → オホーツク・大雪 → 北斗」となりそうです。さっそく一つ予想外してやんの……。

【特急】785系全廃時期は予想付かず。旭川特急は新幹線開業後「カムイ」に再統一か

電車特急も見てみましょう。

まず引退が近いと言われる785系ですが、中期計画・長期ビジョンに置き換えが明記されないという予想外の事態となりました。

そのため、当サイトとしては785系全廃時期の予想を諦めました

昨年札幌にやってきた789系HE-300ユニットを活用して早期に置き換えられる可能性もあれば、限界ギリギリまで使い倒して789系基本番台とほぼ同時に置き換えるという見方もできます。どうなるか見当も付きません。

一方、新幹線札幌延伸後は一応予想が付きます。電車特急はuシート付き5両編成に再び統一され、札幌~旭川間の特急は再び「カムイ」に統合される、と見ています。

前述したように、新幹線によって余剰となるキハ261系1000番台を使って、大雪・サロベツを再び札幌に直通させることが可能です。

なら、旭川特急にグリーン車は要りません。

そのころには789系基本番台は古いもので経年30年程度となるので、置き換えを考えていい時期です。なので、uシート付き5両編成の新車を造って置き換えるのが自然です。

6両編成(3M3T)より、5両編成(2M3T)の方が安く上がるのは当然です。また、現状発生している「ライラック」と「カムイ」の仕様の差(指定席グレード、オストメイト対応有無)もなくなります。

789系1000番台も、それから数年で新車に置き換わり、電車特急は単一形式に統一されると思います。

なおすずらんですが、新幹線延伸により北斗が減便になり、それを補うためにすずらんの増便が予想できます。ただ、先述の通り北斗は残ると思うので、すずらんをそこまでたくさん増発する必要はないでしょう。なので、必要な車両の数を変えない範囲での増発となると思います。

【地方都市近郊】2両編成のワンマン対応電車は岩見沢~旭川・苫小牧~室蘭に投入。千歳~苫小牧への投入もありうるか?

最後は比較的ローカルな線区。JRの中期計画に書かれた2両編成のワンマン対応の電車は、岩見沢~旭川間と苫小牧~室蘭間に投入されると読んでいます。さらに、千歳~苫小牧間にも投入される可能性もあると考えます。

ポイントが、中期計画に「ワンマン運転の拡大」という記載があること。ワンマン対応電車は、現在ワンマン運転を行っていない線区でワンマン運転を行うために導入される、とわかります。

また、「車両老朽更新に合わせ」投入を検討するとの記述もあります。岩見沢~旭川間で使われる721系は、先述の通りそろそろ置き換えが検討される時期なので、ワンマン電車による置き換えの対象になっていてもおかしくありません。

2両ワンマン電車で721系を置き換えれば、サイリスタ位相制御の車両はすべて廃車にでき、JR北海道の電車列車はVVVFインバータ制御車に統一できるでしょう。

なお、キハ40形運用の普通列車(札幌6時発の旭川行き普通など)も、一部または全部をこのワンマン電車で置き換えることが考えられます。ワンマン運転ができる車両どうしで比較すれば、電車の方が製造費もランニングコストも抑えられるはずです。

さらに苫小牧~室蘭間にも投入されると考えるのは、次の理由によります。

  • キハ143形も同じく老朽化している。
  • 電化設備が活用できる。
  • 721系3両編成をワンマン電車2両編成で置き換えれば、その分札サウの容量に余裕ができ、苫小牧方面に投入する車両を配置できる。
  • DECMOは110km/h運転ができない。
  • DECMOがキハ143形を置き換えるという発表がされていない。

それだけでなく、札幌~苫小牧間の普通列車を千歳で区切り、千歳~苫小牧間に2両のワンマン電車を入れることも考えられると思います。

そうすれば札幌エリア向けの車両の必要数が減るので、721系3両編成をすべて置き換えることが可能になるからです。

また、徹底的なワンマン化による省力化・コスト削減にも貢献します。十分なメリットがあると思います。

札幌~苫小牧間の移動は、特急を使えば1本で行けて、しかも速くて快適なので、普通列車で直通する意味は強くありません。それに、普通列車で札幌~苫小牧間を移動する場合、ふつうは途中で快速エアポートに乗り換えるわけで、どっちみち乗り換えがあります。千歳で運用を区切るデメリットは小さいといえるでしょう。

「大胆予想」と言ったわりに、今手に入る材料と多少の理論だけで予想したので、無難な感じだと思った方もいるかもしれません。

ともあれ、令和の時代にはこれだけの変化が予想されます。向こう数年だけでもガラッと変わり、運用を退く車両も多々ありますので、乗車・記録をお考えの方はお早めに。

令和の時代を身をよじって進んでいく北海道の鉄道を、当サイトも応援していきたいと考えています。また、サイト運営も新時代にしっかり適応していきたい所存です。皆さん、令和時代もよろしくお願いします!!

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