旅行記4日目 三陸鉄道北リアス線 / 東北リベンジ~旅は、何かを変える~ - ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか
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東北リベンジ~旅は、何かを変える~(平成27年2月11~16日)

4日目(平成27.2.14) 2/5ページ「三陸鉄道北リアス線」

久慈行き、発車

列車は、まずゆっくりと宮古の町並みを走っていきます。やがて、進行方向左側の山田線の線路が離れていきます。

ここで早速ですがおやつにしました。まず、先ほど三陸鉄道の宮古駅で買った、相馬屋さんのジャムパン。こういう地元の人が普通に食べていらっしゃるであろうものを食べるというのも、いいものですな。

で、さらに「たのはたバニラアイス」も。こちらはJRのお土産屋で購入しましたが、三陸鉄道の駅でも売っていました。

「たのはた」、すなわち田野畑村は、三陸鉄道北リアス線の沿線で、牛乳が特産です。朝ですし、本当は牛乳が飲みたかったのですが、ちょうどどちらの店舗にも無かったので、アイスにしました。ただ、このアイスにはたのはた牛乳を使用するとは明記されていませんでした。使っているとは思いますがね。

お味はと言うと、牛乳アイス特有の濃厚な味わいがgreatでした。濃厚とは言いましても、初日の「シンカンセンスゴクカタイアイス」とは違うベクトルの濃厚さです。非常に美味でした。

そして飲み物は、「三陸鉄道 龍泉洞の水」。小本駅からバスで行ける龍泉洞という鍾乳洞の天然水です。これがかなり美味しくてですね。普段飲んでいる市販の天然水も結構いい水を使っていますけれど、それと比べても美味しいと感じました。

で、ラベルには「鉄道むすめ」のイラスト。三陸鉄道の久慈ありすと釜石まなです。かわいい。

彼女らのグッズを買おうかと思ったのですが、宮古駅の売店で見回してもあんまり無かった。鉄道ダンシはたっぷりあったんですが、まあボクはノンケですし……おっと、話が変な方向に……。

彼の地は、今

では車窓のお話に。三陸鉄道北リアス線は、険しい地形の沿岸部を縫って走ります。また、大津波の可能性のある土地柄、建設の時点で極力陸側に線路を敷設しました。したがって、とにかくトンネルが多い路線でして、景色を楽しめる区間は少なめです。

しかし、時折はっとするような素晴らしい景色を拝むことができます。陽光にきらめく海や、特徴的な海岸線などを楽しんでいました。

ところが、それらの景色のうち一部は、実はつい4年前に形成されたものなのです。すなわち、かの大震災で、住宅や防波堤などが流されてしまったことで、皮肉なことに景色が良くなってしまったところがあるのです。

さて、先ほどのおやつを食べているうちに、列車は田老に着いていました。田老は、北リアス線の沿線で最も大きな津波被害を受けた町で、かつては駅のホームから見えなかったはずの海が車窓から確認できてしまうのです。

その後、三陸鉄道最長の真崎トンネルを抜け、列車は北に走っていきます。

ところどころで工事車両が見えたり、更地ばかりの景色になったりと、「やはり被災地なんだな」と改めて思わされるような光景が広がります。しかし、大震災で自身には何の被害もなかったボクは、ともすればそれらの景色が元からそうなっていたかのように思ってしまうことがありました。当然そのようなことはなく、間違いなく震災の前にはそこに建物が建っていて、あの津波で流されてしまったのです。

正直、車窓から見るだけでは、普段のように今の景色を見ることしかほとんどできていませんでした。でも、そこにはつい4年前には全く違う風景があったはずですが……。

かねてから聞いていた通り、津波の被災地の復興はグングン進んでいるとは到底言い難いという現状が、そこにはありました。4年という歳月は、一見すると長いようで、こうした激甚災害の前には、実は短いものなのかもしれません。

列車は北へ、小さな幸せと感動を運ぶ

さて、初めて乗った三陸鉄道。その走りについても述べていきましょう。

先述の通りトンネルが多いので、全体的にローカル線としてはかなり線形が良いです。したがって、列車は結構飛ばしています。もう少しゆっくり走るものだと思っていました。

乗った車両はやや古い36-200形。古いといっても特に問題点は見受けられませんでしたが、ひとつ気になる点が。ドアが速い。結構な勢いで開閉します。ギロチンかと。

駅名にはその駅の周辺にあるものにまつわる副駅名が付けられています(例えば宮古は「リアスの港」)。ワンマン列車の自動放送では、駅名の前にその副駅名も読み上げられます(田老なら「銀色のしぶき 田老」といった具合)。なんかちょっとカッコイイ。

などと観察をしていると、島越駅に到着。この駅は北リアス線で最後に復旧した駅で、津波で大きな被害を受け、新しい駅舎を建て、もともと高架だった線路も築堤に変えた上で営業を再開しました……という説明を、(簡略化してはいましたが)運転士が停車中にアナウンスしていました。

しばらく走っていくと、北リアス線有数の絶景ポイントである大沢橋梁へ。差し掛かるちょっと前から、自動放送でその説明が入ります。

そして、大沢橋梁に差し掛かると、列車はしばし停車。観光列車ではないのに、景色のいい地点で停まって、景色をゆっくり眺めさせてくれるのです。JR北海道でも宗谷本線の特急で減速サービスをやっているようですが、速達性を損なわない範囲でやるぶんには非常にいい取り組みだと思います。

ここでも、景色についての説明が運転士からされました。ドラマ「あまちゃん」(見てない)のロケ地であるとの説明も。

こんな風に、観光客にとって嬉しいサービスをしてくれるのが三陸鉄道。ただ絶景を見るより、そこに温かなおもてなしがありますから、感動も一入です。

なお、安家川(あっかがわ)橋梁でも同様の停車サービスがありましたが、この日は強風のため長くは停車できないとのことで、残念ながら割とすぐに発車しました。

さて車内ですが、観光シーズンでもない休日の午前ということを考えると、人口の割にはそれなりに乗っている方ではないか、と思いました。十数名といったところでしょうか。宮古~久慈間を乗りとおす客がそれなりにいることが、経営の苦しい三陸鉄道にとってはせめてもの救いといったところでしょうか。

乗客は久慈に近づくにつれて増えてきて、次第に朗らかな話し声が聞こえてくるようになりました。久慈に着くころには、車内は話し声に包まれていました。

震災で大きな心の傷を負ったであろう沿線の住民の方々が、こうして三陸鉄道の列車という空間の中で、人と接し、時には笑顔もこぼす。まるで国鉄時代(のステレオタイプ)のようです。

このようなことに加え、前ページで紹介した本に書かれているエピソードからも、こんな風なことを考えます。つまり、三陸鉄道は、ボクが今まで乗ってきた北海道のローカル線とは違って、地元の人々にとって心の支えにすらなっているのかな、と。

あ、ボクは乗ってから降りるまで一言も口をきいてません。

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