旅行記 留萌本線散歩~たそがれの盲腸線~(3/3) - ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか
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留萌本線散歩~たそがれの盲腸線~(平成27年8月8日)

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丸一本間家へ

さて、増毛観光のメインイベントです。

少し歩いたところに、お目当ての建物はありました。開館時間は5時までだったので、まだ大丈夫でした。

入館料を払って入場。荷物は受付で預かってもらいました。

丸一本間家は、かつての大商人である本間家が建てた商家です。本間家は、増毛を拠点とし、様々な事業を展開しました。

そんな本間家の建物でありますから、まずとにかく広い。北海道のこういう歴史建造物で、ここまで広いものは見たことがありません。想像よりもずっと広かったです。

そして、内装も豪華。障子絵に調度品、ステンドグラスなど、まさに「お屋敷」という感じ。

呉服店舗だった部分では、当時の呉服屋の衣装のレプリカを着て、ひとりではしゃいだり。様々な展示の、その豪華さに、心を躍らせたり。

北海道の、函館・小樽・札幌以外で、しかもこんな小さな町で、かつてこんなデカい商人がいて、こんな屋敷を建てて、すっごい儲けていた。本間家を知るまでは、そんなこと知りませんでした。増毛も、かつては大きな港町だったのです。

一通り見て回ったら、時間は5時近くなっていました。そろそろ退館します。

このあと食事の時間がとれないので、ここらで何か食べておきたい。できれば名物、でもこういうところでは5時に閉まっちゃう。そんなこと、考えてもしなかったので、どっかの商店なりスーパーでテケトーに惣菜買えばいいだろう、と思ってました。札幌じゃないんです、ここは。店はおおかた5時に閉まり、スーパーだって品揃えがいいワケじゃない。本間家のスタッフさんにお店を訊いて、やっとこういうことに頭が回るようになりました。

やっぱまだ、ボクは札幌の視点で旅行をしてるんだなあ……。

仕方ないので、コンビニまで1kmほど歩くことにして、少し歩いたら。

お、開いてる店あるじゃん。しかもよさげ。

というわけで、「ふるふるトマト」さんというお店に入りました。農園がやってるお店で、自慢のトマトを使ったメニューが目立ちます。ボクは、増毛の海産物を使った海鮮塩焼きそばを注文。増毛のおいしいイカ・タコ・エビに、農園のトマトもきっちりついてきます。何となく注文しましたが、実は神メニューでした。

思いがけずおいしい思いをしたところで、駅に戻ります。

たそがれの盲腸線

増毛駅では、入ってくる列車を撮影。

当然のようにいる鉄道ファン。フラッシュをたくなど、やっぱり感心しない連中……と思ったら、列車が視界に入ってから完全に停車するまではフラッシュ使ってませんでした。

つーか考えてもみれば、入ってくる列車を撮るために駅にいるということは、前の列車、つまりボクと同じ列車(かその前)で増毛入りしているってことだ。たぶん増毛の観光もしている。だったら頭ごなしに非難するものでもないな。

撮影したら、乗車口で待機。運転士がエンド交換の作業を終え、ドアが開きます。行きほどは混雑しておらず、海側の座席を難なく確保。

すぐに発車時間が来ました。列車はゆっくり走りだし、まずは徐行。あの雪害以来、増毛から隣の箸別までは徐行運転。実質「必殺徐行」です。

この散歩で地味に楽しみにしていたのが、帰りの海の景色。行きではあまり景色に感動したりはしませんが、それは車窓が仮の姿でしかなかったから。先ほどとは大きく違うところが一点あるのです。それは、日本海に沈みゆく夕日。

沿線の留萌市は、夕日を売りのひとつにしているほどの、その夕日は――

海を静かに照らし、海は光を受けて優しく煌めく。そこに被さってくる家々も、逆光になって情景の一部となる。

これが、留萌本線の真の姿。そこには、ひたすら感動的な車窓風景がありました。

既に一部区間の廃止が決定している、たそがれの盲腸線は、夕暮れ(まだ日が落ちてないからたそがれじゃない。タイトル決めた後に気づくとかアホかとバカかと)に最後の輝きを見せていました。それは、北海道でも他にない、留萌本線だけが持つ景色。

……思いがけず、いい思いができました。正直あまり観光には期待せず、「乗りに行く」くらいの気持ちでいた今回の散歩。でも、増毛でのトークや観光、それに夕日と、結構得るものが多かったです。

ゴー・ホーム

さあ、後は札幌まで列車を乗り継いで帰るのみ。

留萌でスタフを駅員に渡して、列車は深川に向けて飛ばします。峠下からは利用客の少ない駅を通過するので、さながら快速に乗っている気分でした。

日中に降り立った秘境駅たちも、夕闇にのまれてそれはそれでまたいい味。でも、客が少ないんだから、列車交換のある峠下以外は通過。

外がだいぶ暗くなったころ、深川に到着。小走りで跨線橋を渡り、1番線に移動。

滝川までは普通列車が少なくて仕方ないので、特急スーパーカムイ42号に乗って滝川までワープです。車両は789系1000番台が来ました。

自由席に座って、しばし贅沢気分。スピード、座席の座り心地、列車の揺れの少なさ。やっぱ新しい特急車両ってのはいいものです。特に座席は789系の基本番台の指定席よりいいんじゃないか、とさえ思いました。ただ揺れはまったくないということはなく、たまにガクッと揺れることがありました。こればっかりは線路の問題(分岐とか)でもあるでしょうから仕方なし。

滝川で降りて、待合室で待機。再び改札内に入り、岩見沢行きに乗車。車両は、朝に乗ったヤツでした。わかってはいましたが、思わず「またお前か」と口走ってしまいました。

岩見沢で札幌方面の列車に乗り換え。なにやら黄色いカゴが置いてあって、いくつかの駅で駅員が傘などを入れていきました。札幌駅に落とし物や忘れ物を届けるのでしょうか。

で、白石で下車。以上でおしまいです。

おわりに

先述の通り、実のところ大した期待もせずに、乗りつぶしに行くくらいのつもりで旅立ちましたが、増毛到着後はなかなか実のある観光ができました。

計画ですが、当初から今年のうちに留萌本線に乗っておこうと思っていました。あの長期間運休があって、「あ、これは来年同じ目に遭ったらそのまま放置されて廃線になるパターンや」と思って、今のうちに乗っておこうと思ったのです。

そんな風に、半ばせかされるように訪れた増毛でしたが、終わってみればいい散歩だったと思います。

ところで……

今回使ったきっぷについてまだ言っていませんでしたね。

帰りの深川→滝川は乗車券・自由席特急券を買いましたが、その他の部分はもちろんフリーきっぷ。

でも、当然一日散歩きっぷじゃありません。あれは留萌本線がエリアに入っていません。

実は、今回使用したのは「青春18きっぷ」。ということは、あと4日分余っています。

その使い途は……そう、もう一回、今度は大型の旅行をしてきました! そのときの旅行記はこちらからどうぞ

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