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「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)

3日目(平成28.10.10) part5/5「撤収&3日間の総括」

最後の移動へ

さて、これで函館滞在時間はもう使い果たしました。早く函館駅に戻らなければなりません。

一日かけてのんびり散歩したい街ですが、今回はそんな余裕ありません。またの機会ということに。

「北海道第一歩の地」から一番近い、末広町電停に向かいます。電停では他の観光客に混じって電車を待ちます。

ここで、天気雨が2~3分程度にわたって降ってきて、あわてて折り畳み傘を取り出します。ずっと好天でいけると思ったんですがね。まあ、観光の真っ最中じゃなくてよかったです。

雨がおさまってきたあたりで、電車がやってきました。また8000形でした。

案の定、十字街から観光客などが多数乗車。当然、乗降に時間がかかります。既にJRの発車時刻が迫っており、夕食の調達などを考えると時間が厳しくなってきました。

空が徐々に暗くなっていく中、函館駅前電停で下車。


帰りの列車に乗る前に、夕食の調達です。急ぎ足で、駅から一番近い「ラッキーピエロ」のお店へ。

夕食は名物のラッキーピエロのハンバーガーにしようと思っていましたが、結構繁盛していて、注文してから商品が出てくるまでに20分かかると言われ、やむなく退散。1年半前の「全店舗休業」といい、どうもラッピのバーガーに逃げられてるなあ。

仕方がないので、1年半前と同様、夕食を駅弁に切り替えます。地味に今回、ここまで「いかめし」以外の駅弁を一切食べていません。3日とも札幌駅を通っていないので、朝食が自宅かコンビニだったのが原因ですね。

お土産屋で、家族から注文されていた「函館ラスク」と「トラピストクッキー」を買って、改札へ。はこだてライナーを見送った(車掌乗るので発車メロディ流すんじゃないかと思って行ってみたんですが、鳴らさないんですね)後、森行きの普通列車に乗ります。

午後5時ちょうど、列車は函館駅を離れていきました。たった4時間の函館滞在でした。また何度も来るでしょうが、ちょっと名残惜しい気持ちもします。

車両は当然キハ40形で、全区間で2両編成でした。車内は学生や旅行者など様々な顔ぶれでしたが、大沼までに大半が下車してしまい、以降は非っ常~に寂しい旅路に。砂原支線も、貨物がなければただの細道、というところでしょうか。

さて駅弁ですが、今回はお馴染みのみかどさんではなく、その隣で営業していた「四季海鮮 旬花」さんのお弁当、「はこだて大沼黒牛めし」、1100円。他サイト様で同種の駅弁が終売したとの情報がありますが、リニューアルして再登場したのでしょうか。

地物の和牛を使ったお弁当ということで、お肉の味がとにかく良い。牛肉はもちろん、そぼろも美味で、無心で食べちゃいます。

旅行記を書きつつのんびり過ごしていると、気が付いたら森駅のすぐ手前。乗り換え時間が短いので、慌てて荷物をまとめます。

I will 撤収

森駅で、特急北斗19号に乗り換えです。帰りも特急を使わないと間に合いません。

車両はN183系で、通常6両のところこの日は7両編成です。翌年3月にキハ261系1000番台に置き換えられる運用となっており、N183系メインの「北斗」に乗るのはこれが最後になるかも? といっても、以前に数回ほどN183系には乗っているので、目新しさはありません。

2つ先の長万部までの乗車です。なので自由席利用で、前から2両目の5号車の一番後ろの座席に座ります。そこしか空いてなかった。

そしたら、まあ揺れること揺れること。とにかく横に振られます。今回は車端部に座ったので、一段とひどい揺れ方です。同じ車端部でも、振り子に自己操舵台車に、と現代兵器をフル活用するキハ283系のそれとは、比べようもありません。

そこに、旧式のDML30形エンジンの揺れが加わって、とにかく乗り心地がよろしくない。早いとこ北斗から撤退してくれないかなあ、と考えたほどです。同じキハ183系でも、NN183系のエンジン交換車だとどうなんでしょう。そのうち乗ってみるとしますか。

車内も老朽化・陳腐化の激しいキハ183系なので目を見張るようなものはほとんどありませんが、側面の内壁に模様をあしらっているのに気づきました。この辺は785系以降のJR車には見られないので、非常に新鮮です。


長万部で下車して、30分以上の列車待ちです。すでに窓口の閉まった駅舎は、しかし暖房はガッチリ効いていて、助かります。

すでに次の列車はホームにいましたが、さすがに発車まで時間があり過ぎたので、ドアは開けてくれませんでした。おとなしく駅舎で待つとします。

発車10分前くらいに再びホームへ。「山線」を走る2959D・小樽行きです。

この列車、以前は札幌直通でした(1年半前に長万部~札幌を全区間乗車してみました)が、この年の3月の改正で小樽どまりに変わりました。

また、以前は長万部から小樽まで2両だったのが、今では単行となりました。山線の長万部口の普通列車の多くが倶知安折り返しに変わりましたが、これによって小樽~倶知安間で人件費をかけずに時間帯に合わせて編成長を変えつつ、人のいない倶知安~長万部間の列車をすべての時間帯で単行にできるダイヤになりました。

今回の車両は、キハ150形100番台。乗客は10人前後と案外それなりにおり、さっきの森行きの砂原~森間よりもむしろ賑わいがあるくらいです。

もちろん車内は旅行客が多いですが、その中には家族連れなど、鉄道ファンとは到底思えないような客層もありました。黒松内で降りるかと思いきや、彼らの中には山を2つ越える客もおり、意外な利用に驚きました。

ニセコでは反対方向の列車と離合。向こうは倶知安からと思われる乗客が多数下車していました。ニセコから小樽方はきっちり需要があるだけ、山線はまだ救いがありそうです。

倶知安ではこちらにもそれなりの乗客がありました。路線の性格からして、全区間でほぼ回送状態というのも覚悟していましたが、案外利用があるものです。


3時間弱の道のりを終え、小樽駅に降り立ちました。以前同じ車両で札幌まで4時間以上乗り通したわけで、今回はそれより短いわけで、苦にもなりません。

到着は4番線。降りたらそのまま前に進んで、切欠きの5番線に停まっている岩見沢行きに乗り換えます。車両は721系の3両×2の6両でした。

車内でのんびりしていると、隣をキハ150+キハ40の4両編成の回送が走り去っていきました。先頭はさっきのキハ150で、以前札幌まで営業運転していたときと同様に後ろに3両連結して、札ナホに向かう列車です。

だったら今まで通りに札幌まで営業運転でも……と思いましたが、いちいち後ろ3両の営業運転の準備しないといけないので、手間になりますね。だから回送なのでしょう。

こちらはその後追いで、11時10分に発車。手稲までは車内閑散、手稲からはようやく札幌エリアらしくなってきて、札幌でガラッと乗客が入れ替わり、すべての座席が埋まりました。

小樽発の最終列車であるこの岩見沢行きは、札幌から江別方面への終電でもあります。他の方面と同じく、11時59分発です。

あとはいつも乗っている区間。前2日と同じく、白石で下車します。そして――

帰宅。

3日間のまとめ

最後に総括というか補足というか、まあ少々お話をば。


今回は、日帰り旅行を3日連続でやる、というボクとしては初めての試みでした。

で、本編でも書きましたが、案外ラクでした。自宅なので安心して眠ることができる、というのがおそらく睡眠の質という点で大きく効いたのではないかな、と思います。旅先ではグッスリ眠れるとは限りませんからね。

帰宅後は、旅行中とは到底思えないくらい、普段通りに家でくつろいでいました。初日の夜には当サイトの更新をやったくらいです。

また、宿の予約を取らないことから、1日単位での旅程調整が非常にしやすいのが、低気圧接近中だったので助かりました。たとえば1日目終了後に2日目の荒天が予想されていれば2日目を中止し、3日目に天気が回復するなら3日目は決行、という風に状況に合わせた柔軟な対応が可能ですから。まあ結局3日とも実行できたワケですが。

札幌という交通網の発達した大都市に住んでいるので、自宅を旅程の「ハブ」として使いやすかった点も、かなり大きいです。早朝に家を出て深夜に帰ることができるのは、早朝・深夜でもしっかり移動ができる地域ならではですからね。

今回のように、自宅から見た目的地の方角が分散していて、かつ自宅が大都市に位置する場合は、それなりのメリットがある方式かもしれません。ぐるっと一周する旅程よりも、「ハブ&スポーク」みたいな形で動くと、今説明した通りいろいろ便利なワケです。

ただし、一日あたりの移動時間が長くなるため、その間は一切の社会活動ができません。追加でお金を払えば、特急・飛行機などを活用して時間を削ることは可能ですが、そうすると宿代を浮かすというメリットが薄れてしまいます。

で、目的地の滞在時間がどうしても短くなってしまうので、じっくり見たい場合には向きません。もちろん、目的地が近場であれば関係ありませんが。

まあ要は、「日帰り・連チャン」は時と場合によりけり、ってことです。基本的には、やっぱり今まで通りの「周遊型」が一番楽しいですし、効率もいいでしょう。


2日目は、JRとレンタカーの併用という、今までの旅行記にはない移動を試みました。

目論見どおり、利点と欠点をいろいろ洗い出すことができました。何よりも体力面でかなり楽だったのが大きいです。一方、自家用車は視点が低く、せっかくの天塩川の景色をまったく楽しめなかったのは残念なところです。ドライブ自体が楽しいだけに、ちょっともったいなかった部分です。まあ天塩川の景色は3か月前にもう堪能してますけど。

今回の「JR+レンタカー」方式以外にも、「JR+地元バス会社主催の観光バス」という組み合わせも考えられます。こちらはハイデッカーのバスからゆったり景色を楽しめ、時間もかなり読みやすい、というメリットがあります。今回の実感としては、このどちらも決して「最強」ではない、と思います。これからは鉄道・バス・車を上手に使い分けて、いろいろな地域の観光を堪能してみたいです。


今回は実験要素の強い散歩でしたが、いろいろ充実していたので、胸を張って「大成功」と宣言したいと思います。

乗ったことのなかった、特急接続の町民バス、石勝線、キハ261系1000番台、快速なよろ、はこだてライナー、と乗り鉄面で収穫が多く、アイヌ、三浦綾子、エコミュージアム、函館ロマンなどさまざまな価値観や概念に触れたことも成果でした。そして、実験自体も成功。

半分思いつきの割には、かなりうまくいきました。今後も、何か思いついたら、自分で実証してみたいと思います。

それでは、今回の旅行記はこれにて終了です。また相見えようぞ。

1日目「沙流川を遡った先に ~The blessing of an abundant river~」

  1. 1.日高線+バスで平取へ
  2. 2.二風谷①
  3. 3.二風谷②
  4. 4.日高町→占冠→札幌

2日目「新たな『道』を拓く ~Beyond the mountain pass~」

  1. 1.三浦綾子記念文学館
  2. 2.快速なよろとレンタカー
  3. 3.エコールなかがわ

3日目「はこだて今昔 ~In the beginning was the letter "H"~」

  1. 1.北斗84号
  2. 2.はこだてライナー
  3. 3.カリベビとハイカラ號
  4. 4.元町・ベイエリア散策
  5. 5.撤収&3日間の総括

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