旅行記1日目 二風谷① / 「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン - ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか
「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

……ゲニウス(北)がお送りする、北海道を中心とした旅行・鉄道情報サイトです。

  1. トップページ >
  2. 乗り鉄な旅行記 >
  3. 「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン >
  4. 二風谷①

「見えないもの」を、見に行こう 文化の秋・道内日帰り3連チャン(平成28年10月8~10日)

1日目(平成28.10.8) part2/4「二風谷①」

二風谷アイヌ文化博物館

平取町二風谷エリアの中心地にある「資料館前」バス停で、バスカードで運賃を払って下車。バス代は、富川駅前から770円でした。

札幌から乗り換え4回をこなして約3時間半。北海道では有名な、火山灰とダム湖に沈んだアイヌのチャシがあった地域である二風谷に到着です。

以前から札幌のかでる2・7や静内の資料館を訪れるなど、アイヌの理解に努めようとしていましたが、それなら外しちゃいけないのが二風谷。そんなわけで、前々から行きたかった場所でした。

早速、最大の目玉である二風谷アイヌ文化博物館へ。バス停付近の大きな看板を見て移動すれば、難なく行けました。

館内に入り、入場券を購入。ここで買うのが、「萱野茂二風谷アイヌ資料館」と「びらとり温泉 ゆから」との3施設共通の入場券。全部訪れるボクにとって実にありがた~いチケットです。お値段は1050円、個別に入場券を買うより170円おトクです。

受付の方は丁寧に応対してくださったほか、資料館・温泉の場所を地図で教えてくださいました。心遣いに感謝です。

それでは展示見学のターン。結論から申し上げると、「スゴイ」の一言でした。

アイヌの人々が生活に使っていたような様々な道具や、チセ(家)などの模型といった展示品が館内を飾ります。それらは単なる羅列にとどまらず、「狩猟」「編み物」「遊び」などカテゴライズされ、体系的に展示されており、それらの道具がどう使われていたかをわかりやすく解説する説明文が付くことで、アイヌの文化を生き生きとした形で理解することができます。

前年に岩手県宮古市川井にある「北上山地民俗資料館」を見学した際も、豊富な展示品の数や、体系的な展示に、非常に感動しました。今回のアイヌ文化博物館は、それに勝るとも劣らぬクオリティだと感じました。

もう一つ神(カムイ)がかりだったのが、アイヌ式の狩猟を体験できるところ。体験といっても、着の身着のままで山林に放り込まれて「ほら、やんなさい」ではありません(そんなバカな)。もっとお手軽に、展示室の中で、動物を捕らえるための罠の模型を実際に触ってみるというものです。

最初は勝手がわからないので苦労するんですが、何とか対クマ用のワナがちゃんと動作した時は嬉しかったですね。ただ、結局うまくできなかったものもあって、「やっぱ現代人だなぁボク」と改めて実感します。

また、二風谷ではアイヌ文化の「自然な」継承を目指しており、見世物としてではなく、実際にそれを使って生きるという本来の形にできるだけ近づけての文化保全を重んじています。周辺にはチセ(家)や倉が立ち並んでいましたが、それも単なる置物でなく、毎年何らかの工事を作って、建てる技術を歴史の彼方に葬らないようにしているそうです。また、展示の説明書きからも、二風谷に関わる人の保全への強い意志を感じます。

館内には、貸切バスで楽してやってきた団体一行(騒々しいんだよこの人たち……)がいました。他にも結構来客がいまして、アクセス不便なところでも良いものがあれば人は来るんだなあ、と。

……って、よく考えたら、(団体以外)みんな車だから、札幌から割と楽に来れるんか。ダラダラと遠回りしてるのはボクの方。でも、それゆえに楽しめるところ、学べることも多いんですがね。

さておき、大満足のうちに施設を後にしました。

アイヌ工芸に触れる

博物館のすぐ近くには、工芸館があります。中では熟練者によるアイヌ工芸の品々が販売されています。

ここでお土産を買うことにしました。今回は予算がカツカツで、あまり高いものに手が出なかったというハナシはありますが、ね。

ボクは二風谷アットゥシ織のキーホルダー(藤谷るみ子女史謹製)とお守りを購入しました。博物館の展示の中で織物に惹かれたので、手頃かつ使いでのあるものを。お守りを買ったのは、今後の旅行の無事を祈って、という意味合いもあります。

工芸と言えば、先述の通り近辺にはいくつかチセが建っていますが、このうち2軒は中で工芸品づくりの実演を行っています。一方が二風谷イタ(彫刻入りのお盆)の木彫り作業、もう一方が二風谷アットゥシ。アイヌ文化では、前者は男仕事、後者は女仕事です(なんでそうなのかは、博物館に行けばわかるので、是非行ってみよう)。

時間の関係でどちらかを選択せざるを得ず、なんとなく木彫りの方に入ってみました。

入ると、中では一人の男性が作業に集中していました。真剣な表情と、その緻密な刀さばきに、思わず背筋が伸びて、しばし作業のもようをじっと見ていました。

が、ヒトが作業してるところを凝視するのも何だかなぁ、と思って、途中からは室内の様子も見ていました。

「どこから来たか」など少し言葉を交わして、適当なタイミングで退室。

実際の作業の見学という、実に楽しくてためになるものを見せていただけたのは、めちゃくちゃ嬉しいです。「二風谷を訪れずして、北海道を語ることはできまい」――そう感じるほど、魅せられました。

沙流川歴史館

博物館の近くには、他にも沙流川歴史館という施設があります。こちらは入場無料です。

なんかともすればアンダーパスのようにも見える入り口から入って、少々急ぎ足で見学しました。

二風谷など平取町の集落の多くは、沙流川の流域に点在しています。この地域の生活は、沙流川とともにあったのです。この施設では、沙流川とその流域の歴史や自然の解説や、二風谷のチャシ(アイヌの環濠集落)の遺跡からの出土品が展示されていました。

また、特別展として、沙流軌道と国鉄富内線の展示がありました。いずれも貨物運搬という路線の存在意義そのものを失って消えていきましたが、それまでのいろいろなエピソードや資料が展示されていました。沙流軌道の存在はここで初めて知りました。ただ、今のボクの鉄道ファンとしての専門はローカル線ではなく札幌圏の近郊列車と道内の特急・快速なので、流し見しておしまい。

テラスからは、下にチャシの跡地が眠るダム湖・にぶたに湖を一望。外に出ると、微風にゆらめく湖面が映えます。木々も少しだけ色づき、絵になる風景でした。しばし、写真撮影に興じていました。

ここで、館内で「レンタサイクル無料」の文字を見つけ、自転車を借りに受付へ。というわけで次ページでは、自転車を使いつつ移動します。乞うご期待(?)。

1日目「沙流川を遡った先に ~The blessing of an abundant river~」

  1. 1.日高線+バスで平取へ
  2. 2.二風谷①
  3. 3.二風谷②
  4. 4.日高町→占冠→札幌

2日目「新たな『道』を拓く ~Beyond the mountain pass~」

  1. 1.三浦綾子記念文学館
  2. 2.快速なよろとレンタカー
  3. 3.エコールなかがわ

3日目「はこだて今昔 ~In the beginning was the letter "H"~」

  1. 1.北斗84号
  2. 2.はこだてライナー
  3. 3.カリベビとハイカラ號
  4. 4.元町・ベイエリア散策
  5. 5.撤収&3日間の総括

「乗り鉄な旅行記」のトップに戻る

当サイトトップページに戻る