「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)

4日目(平成27.8.26) 4/6ページ「十勝縦断バスの旅」

長距離バスの旅、その序盤戦

広尾行きのバスは、国道を快調に走っていきます。

さてここでこのあとの行程をご説明。このあとは、翌日にかけてこのまま広尾→えりも岬→様似→苫小牧と太平洋に沿うように進みます。

かつての広尾線、そして計画のみに終わった日勝線、そして現在運休中の日高本線と、かつての道東観光のメインルートのひとつをたどります。……と書くと鉄道ファンがたくさんいそうな印象になると思いますが、鉄道ファンの影は実に薄いです。バスに旅人の面影はなく、ボク以外全員が地元客と見受けられました。まあボクみたいなプロじゃなきゃこういうルートはあんまり目に入らな(ry

朝の帯広市街地は悪くない天気でしたが、今はどんよりとした曇り空。ちょっと気分良くないです。

ほどなく、中札内の町に入ります(つっても中札内は「村」だけど)。さらにしばらく進むと、中札内美術館の横を通ります。まあ国道からじゃ木が邪魔でよく見えないんですが。

そこを抜けると、次の更別まで町はありません。では広々とした平野が拝めるか……というと必ずしもそうではありません。ところどころに防風林があるので、言うほど広大さは感じません。広々という点では2日目の摩周湖第一展望台から根釧台地を見下ろす景色の方が勝ります。また同じ十勝でも、帯広駅付近のJRの高架から眺める街並みのが広々感があります。

で、ずーっと景色を見ながら乗っているわけですが、どうしても変わり映えのない景色に飽きがきてしまいます。長旅の疲れも来つつあり、だんだんと「広尾行き」が「疲労行き」と聞こえてくる始末……。某どうでしょうの「はかた号 不幸行きです」のごとき空耳もまた、ボクを痛めつけます。とはいっても、初日の2429Dほどにはやられてませんが。

どうでしょうと言えば……。今回のこの「帯広→広尾→えりも岬→様似」というルート、テレ東の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」とかぶってるんですよね。ルートこそ逆ですが。で、その回では太川さん・蛭子さんはいつもと違い徒歩移動こそ少なかったですが長距離のバスに何度も乗ってやられまくっていて、なんかどうでしょうのサイコロの旅を見てるみたいだ、と思ったのを思い出しました。

さて少し飛んで、バスは途中の忠類でトイレ休憩。バス停は駅舎っぽいですが、かつての広尾線の駅舎ではありません。ものの短時間の停車であり、トイレに行きたかったわけでもないので、車内で待機。

忠類ではナウマンゾウの化石がまるまる1体ぶん見つかっており、ナウマン象記念館があります。車窓からその建物を見つつ、「あぁ、幸福駅よりこっち来りゃよかったかなぁ」などと考えてました。また来ればいいのですが、果たして次にこのエリアに来るのはいつになることやら……。

その後も、やや山がちになりつつも、先ほどまでと大きくは変わらない風景が続きます。

横ばかり見るのも飽きたので前を見ると、これがまたいい景色だったりします。ずーっとまっすぐ続く道は、北海道らしさを存分に伝えてくれます。

広尾の町でまたまたグルメ

長らくのバス移動もあと少しで小休止。ようやっと広尾の町に入ります。左手には、だいたい丸1日ぶりの太平洋が。波はだいぶ穏やかで、初日のアレはなんだったんだと言いたくなるくらい。

しばらく広尾の町をまわっていきます。やや狭い道にも入っていきます。

広尾のターミナルを過ぎ、もう少し先まで乗車。降りたのは、広尾本通7丁目バス停です。

広尾では、えりも岬方面のバスまで1時間強の時間があります。というわけで、広尾でふたつほど寄っていきます。

まずバスを降りた地点の向かいにある、Goody's DINERさんというお店に入ります。ここでは、C級グルメのしゃロッケというものを使った「しゃロッケバーガー」を買います。

しゃロッケとは、広尾で獲れたししゃもを使用したコロッケです。C級グルメとして売り出しているようで、広尾町内に何か所か食べられるところがあるようです。

中でも今回訪れたGoody's DINERさんでは、軽食にピッタリなハンバーガーという形式でしゃロッケを出しており、持ち帰りに限って単品でも購入できます。というわけで、昼食も夕食も食べる以上あまりたくさんは食べられないという事情があるので、単品で注文。

店主さんには、出身地などについて聞かれ、少々会話しました。10分ほど待って商品を受け取り、店を後にしました。この後、冷めないうちに食べます。

で、さっき通り過ぎた広尾のバスターミナルに戻ります。徒歩移動……の予定だったんですが、それなりに距離があるうえ、ハードスケジュールで疲れた体に鞭打って大荷物であまり天気がよくない中をで歩くのも気がひけます。

お店の前に、さっきと逆方向のバスが停まるバス停があります。ふらっと近寄って、時刻を確認すると、すぐにバスが来るのがわかりました。

「……もう乗っちゃおうか。」と思考がまわるまで、1秒とかかりませんでした。バスは本当にすぐに到着。短い区間をちょちょいと移動します。

割とすぐに広尾バス停に到着。帯広行きのバスから降りてきたのに、ターミナルのスタッフにはすぐに「えりも岬に行くんですか」と訊かれました。多くの旅人を見てきた人には、わかるんでしょうかね。

さて、待合室に入ってさっそく先ほどのしゃロッケバーガーを食べます。ししゃものバーガーってなんじゃい、って思われそうですが、これが案外合ってるんですよ。ししゃもの味はコロッケにするのに結構向いてて、結構美味です。コロッケとバーガーの相性は言わずもがな。「C級グルメ」といいつつ、味はA級のグルメでした。

無能

さて、ここでえりも岬方面のバスを待ちます。あと30分といったところ。

で、ここでとんでもないものを見つけてしまいました。それは、「南十勝・えりも とんがりロード散策きっぷ」というバス乗車券の張り紙でした。

どんなきっぷかと言いますと、今回ボクがたどっている、この「帯広~広尾~えりも岬~様似」のルートを、一方向に限って何度でもバスに乗れるというものです。試験発売で、お値段は大人3900円。

おわかりでしょうか。ボクは、先ほど帯広で「普通の」乗車券(幸福まで)を購入しており、その後も普通に運賃を払って乗車しています。この後のバスではバスカードを使用するので若干安くなっていますが、全部合わせると1000円以上の大損をこいたことになります。さらにこの企画きっぷには特典がついており、午前中に行ったビート資料館や、この後買い物をすることになるところで割引があり、損失額はさらに大きくなります。

これほどまでに便利なきっぷを、ボクはまったく知らなかったのです。名前でパッとわからなかったというのもありますが、十勝バスのサイトを穴が開くまで見ているか、この日の行程にもう少しでも余裕があれば気づいていたはず。旅にはかなり慣れているという自信がありますが、今回は豪快にやらかしてしまいました。

し……しまったぁ……(無能)

……と嘆いても、失った1000円は戻ってきません。こんなことでは、プロを自称することなどできません。

数分ほど憮然としてました。でも、まだ旅は続きます。悔やむのは後。しかも、1000円くらい節約すれば浮きます。そう考えて、落胆の気持ちを心の奥に押しやります。

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