「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)

4日目(平成27.8.26) 1/6ページ「帯広サイクリング①」

本日の行程

移動手段乗車(移動開始)出発時刻下車(到着地点)到着時刻車両
十勝バス 60系統(広尾線)帯広12:20幸福13:11-
十勝バス 60系統(広尾線)幸福14:11広尾本通7丁目15:51-
十勝バス 60系統(広尾線)広尾本通7丁目16:10広尾16:22-
ジェイ・アール北海道バス(日勝線)広尾17:00えりも岬17:57-

帯広の朝

8月26日、午前6時すぎ。いよいよ旅行も後半戦……いや、5日間の旅行ってこととか、旅程とか考えると、前日の納沙布岬から後半戦か。いずれにせよ後半戦です。

昨晩はこの旅で初めて十分な睡眠をとることができました。しかし、それでも残る若干の眠気と疲労感。そんな中での起床でした。

朝食は部屋で簡易に済ませるので、出発までは部屋でゆっくりと準備できます。ここまで早朝出発が続いていたので、「楽だなぁ」と。でも案外時間がなくて、ゆったり準備していたらもう出発時間。

どうでもいいことですが、このホテルでは石鹸やカミソリなどを販売していました。どうやらボクは根室の宿にカミソリを忘れてきたようで、朝ヒゲを剃ろうとしてそれに気づいて、フロントにカミソリを買いに行きました。お値段、30円。こういうサービスがあって助かりました。ビジネスホテルならでは、といったところでしょうか。

8時半を過ぎたあたりで宿をチェックアウトし、帯広駅へ。

JRの高架が見えるところを、駅に向かって歩いていきます。通学時間帯が過ぎて割と静かな街の中を、さわやかな空気を吸いながら移動。

途中、高架線路を帯広駅方面に向かうキハ261系の姿が。帯広運転所からの回送で、札幌行きの特急になります。それに乗れば午前中に札幌に着きますが、ボクはここから2日かけて帰ります。

十勝の爽やかな風を切って

帯広駅に到着。といってもJRには乗りません。というか、この日は鉄道を一切使いません。「乗り鉄な旅行記」とは銘打っていますが……。まあ、鉄道関連のものが全く出ないわけではないので平気平気。

午前中は、レンタサイクルで帯広をまわります。この旅2度目の自転車です。

午前9時すぎに、駅直結のエスタ東館にある帯広観光コンベンション協会さんで、レンタサイクル「おびりん」を借りる手続きをしました。

さあ、それでは帯広の街を走っていきます。

まずは南へ向かいます。駅前の通りから、「とてっぽ通」に向かいます。とてっぽとは、かつて帯広を走っていた十勝鉄道という軽便鉄道の愛称で、その廃線跡がとてっぽ通です。現在では歩行者・自転車専用の遊歩道として整備されており、今回は移動手段としてこの道を使います。

朝のすがすがしい中、薄日を浴びつつ、心地よい風をきって走っていきます。ただ時間が十分にあるわけではないので、少し急ぎ気味。

途中、かつて十勝鉄道で使われていた機関車と客車が展示されていました。軽便鉄道とあってどちらもちゃんこい感じですが、かつては工場で生産された砂糖を運び出す役割を担っていた重要な路線の車両たちだったのです。

さて、弥生通を右折して、第一の目的地へ。それは、クランベリー 弥生が丘店。初日にスイーツめぐり券を買ってクランベリーさんのお菓子を食べていますが、この日はそれに続いて甘味の食べ歩きを行います。

店内に入って、券を提示して看板商品のポテトパイを、さらに別にお金を払ってソフトクリーム(バニラ味)をゲット。店内で食べます。

初日の時点でクランベリーさんのおいしさは承知していましたが、やっぱりおいしい。ポテトパイは「結構甘いんだけども甘すぎない」という絶妙な甘さ、そしてパイ生地のサクサク感がありました。見た目のよさも相まって、さすがは名店と思うばかりでした。

ソフトクリームも、2日目のソフトとは違ってバニラエッセンスがガッツリ効いていて、これまた「甘いが甘すぎない」という見事なバランスを魅せてくれました。これは、札幌でも勝負できるんじゃないか、いやむしろ札幌の名だたる名店を負かしちゃうんじゃ……とすら思わされました。

再三申し上げている通り、この旅はグルメ百花繚乱の旅。この旅行記で絶賛している食べ物は、どれも甲乙つけがたし。でも、甘味部門ならここで食べたポテトパイがダントツでした。

製糖派の旅

さてお次は、今訪れたお店からほど近い、ビート資料館。ビートとはすなわち砂糖の原料である甜菜(てんさい)のことで、十勝で作られた甜菜で砂糖を作る日本甜菜製糖さんが運営している資料館です。

入館料200円(大学生)を払って入場。入場時に記念に砂糖をいただきました。札幌だからいつでも買えますが、ありがたくいただきました。

館長自ら展示物の解説をしてくださいました。会社の歴史や甜菜・製糖に関する様々な知識など、聞いていて全く飽きのこない喋り、そして内容でした。

とりわけ印象に残ったのは、グラニュー糖と三温糖の差について。とにかくここを力説されていたので、強く頭に残りました。

健康にいいと言われる三温糖ですが、実はグラニュー糖との栄養分の差なんて微々たるものだといいます。また「グラニュー糖は三温糖を漂白したもの」という誤解もありますが全くの誤認で、グラニュー糖をまず作って、分離した糖蜜を戻してまた砂糖を作る工程を三回繰り返してやっと三温糖ができるそうです(だから「三」温糖)。三温糖にメリットがあるのはケーキとかを作る場合だけで、それ以外はむしろ生産量が多いぶん安く買えるグラニュー糖のがよっぽどいいそうです。

他に、甜菜という作物の優秀さについても教えていただきました。サトウキビから作るより甘い砂糖が作れ、廃棄物が出ないという特性があるそうです。甜菜の力に、正直驚きを隠せませんでした。

十勝鉄道など、鉄道に関連する展示もあり、鉄道ファンの方にも楽しい資料館だと思われます。

で、この資料館の滞在時間は、時間が足りない影響で20分ほどを予定していましたが、面白いし、館長直々に力説されているところ帰るのも気が進まなかったので、結局1時間近く滞在してしまいました。大幅な遅れが出てしまっていて、ゆっくりと風を感じながら、なんて状況ではなくなってしまいました……。

そうはいっても、道民として、地域の将来を考える者として、いい勉強になりました。このあととにかく時間がなくバタバタしてしまいましたが、それでもお釣りが来るレベルでした。

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