「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)

2日目(平成27.8.24) 6/7ページ「根室のエスカロップ」

東の果て(暫定)まであと少し

引き続き、花咲線の前面展望を楽しみます。

列車は別寒辺牛湿原の中を走り抜け、糸魚沢駅へ。断じて糸魚川ではありません、ご用心。駅舎を見て、「あ、好きな駅舎だな」と思いました。世の中にはボロボロの木造駅舎と板張りホームしか認めない人がいるようですが、ボクはそういうのではなく、ちゃんと地元の利用のある駅が好みです(というか駅巡りの趣味はあんまりないけど)。ここで降りた客はゼロ。夕方の釧路発なのに。ですがこの駅は無性に気に入りました。なお、ふたつ前の門静も結構気に入りました。ちなみにこちらは学生の利用がありました。

さて、皆さんご存知の通り、そして前ページで少し触れました通り、列車からしばしばシカが目撃できます。東釧路から厚岸までは各駅間で最低1回は線路上を横切られ、そのたびにブレーキ。しかし、運転手のブレーキ操作には時に余裕すら感じられました。もう運転手はシカの出現ポイントをだいたいわかっていて、運転手とシカとのある種のあうんの呼吸というか、紳士協定のようなものが自然発生的に存在するのではないか、とすら思われました。

そうは言っても、突然シカが現れることだってあり、そういうときは急ブレーキ。ひどい時は30秒以上線路上に居座られました。昔釧網本線に乗った時もそうでしたが、やはり道東はシカ大国です。札幌だってシカ出ますけど、やはりこっちは圧倒的に多いです。

シカを引かないように進んでいくと、浜中町に入りました。

先述の通り浜中町はルパン三世を生んだ町です。町内の各駅にはルパン三世のキャラクターパネルが配置されています。写真では見ましたが、実際に見るといいものです。右画像は姉別駅です。

浜中町内の駅では、茶内・浜中で降車がありましたが、姉別ではゼロ。この時間帯でゼロとなると、糸魚沢ともども存続は危ういといわざるを得ないでしょう。特にこの路線は釧路・根室の2地点間の輸送がキモですから、無用の駅を廃止すれば停車駅が減って速達化にもなるので、むしろさっさと廃止した方がいいのでは、とすら思えてきました。ただ糸魚沢は観光駅にできると思うのでよく考えた方がいいとは思いますが。

列車はさらに進んで、根室市内に入ります。といっても、厚床ですでに根室市内ですが、そこからまだ50分。先は長いです。

この辺は、ここまでの景色と変わるものではなく、しかも今回の場合は空も暗くなってきて、しかも釧路から立ちっぱなしという条件が付きます。このあたりは正直辛いと思っていました。

ここでそういった気分を吹っ飛ばしてくれるのが、落石岬を望む車窓。別当賀を過ぎると、進行方向右側に特徴的な海岸線が見えてきます。暗くてあまりきれいに見えませんでしたが、翌日は日中に同じ区間に乗るので、その時に見るのが楽しみだな、と思いながら見ていました。

さらに進むと、いよいよ根室の街明かりが。2時間半の道のりは、途中辛くなりながらも、やっぱり楽しいもので、言うほどは長く感じていませんでした。

そして列車はゆっくりと根室駅のホームへ。根室本線の全区間走破を達成した瞬間であると同時に、日本最東端の有人駅へと降り立った瞬間でもありました。

本土最東端の街

というわけで、根室駅に到着です。時刻は7時前、既に駅員はおらず、列車は無人駅と同様の客扱いを行います。と言っても、もともと列車の一番前にいたので、そのまま前のドアから降りるだけ。

駅舎を出て、まずは宿に向かいました。

……の前に、駅付近のコンビニを探したのですが、持参の地図にプロットした場所が違ったか、それとももともとそこにはなかったのか、いずれにせよ探してもコンビニは見つからず。早々に諦め、宿に向かうことに。サッポロドラッグストアーが開いていたと思われるのでそこで調達すればよかったのですが、それでもコンビニを探したのは、根室の地場コンビニ・タイエーを探していたからです。

コンビニ探しに約10分、宿までの移動で約20分。2時間半立ちっぱなしでの移動の後に30分歩くというだけで辛いのに、根室の街はすでに暗く、余計に辛さを感じました。根室は漁師町なので、街明かりが消えるのも早いということなのでしょうか。

宿に着いて、チェックインを済ませます。宿は、ゲストハウスのとまやさん。オープンしてまだ1年半の新しい宿です。新しいだけに設備も(ゲストハウスとして)上々。この日は個室。きっちりと部屋のカギを閉め、夕食を食べに再び街へ。

宿に向かう道中、そして宿から夕食を食べるお店に向かう途中、ある公園の前を通るのですが、薄暗くて不気味。しかも奥の方は真っ暗。「これアレだよ、ゾンビとかスケルトンとか湧いていてもおかしくないよ」などと冗談めいたことを考えつつも、内心割と本気で怖いと思ってました。

来た道をちょっと戻って、目的地付近に到着。店が見つからず右往左往しましたが、何のことはない、単純にボクが見落としていただけという。

で、お店に入店。

エスカロップを堪能

訪れたのは、「喫茶 どりあん」さん。知ってる人は知っている、根室のソウルフード「エスカロップ」の名店です。注文したのは、もちろんエスカロップ。

店内には、ボクの他に地元の方が一人。しかし、それが不思議に思われるくらい、おしゃれな内装。そして、壁には芸能人のサインがずらり。

そして、シェフの立ち居振る舞いに、「この人は凄腕だ」と直感。ちょっとワクワクしながら注文の品を待ちます。

割とすぐにエスカロップが登場。エスカロップは、バター風味の効いたタケノコ入りのライスの上に、デミグラスソースがかかったカツがドドーンと乗っかっているという、スタミナ満点の一品です。

もう匂いだけで「こいつぁ凄い」と思うそのエスカロップのお味は、一言「うまい」。

カツが肉厚でジューシー。それにバター風味のライスがピタリと合います。とにかくボリュームもあって、ここまでの移動で疲れていた体にダイレクトに効いてきます。もう無心でフォークを動かしていました(スプーンは出ません)。

結構量があるはずなのに、気が付いたらペロッと食べきっていました。これがソウルフードの魔力なりや。

大満足のうちに店を出ました。根室には他にもエスカロップで有名な店舗がふたつあり、そちらにも行きたいと思う一方で、どりあんさんにも他においしそうなメニューがあるので、それも食べてみたいと思いました。

宿に戻る途中、宿を出る前に宿の方に場所を教わっていた、コンビニ「タイエー」へ。ダイエーではございません。

タイエーでは翌日の朝食を調達。セイコーマートと提携しているので、思いっくそ見慣れた「セイコーフレッシュ」の商品が。で、それを買うという。なお、知っている方もおられるかとは思いますが、函館の地場コンビニ「ハセガワストア」さんと提携しているので、やきとり弁当も手に入るのですが、翌朝まで放置したら固くなるし、朝は6時からなので間に合わないしで、残念ながら食べることはできず。次に函館か根室に行ったときに食べるとしましょう。

店内では、オリジナルのテーマソングが流れていたり、炊いたお米があったりと、独特かつ元気のあるコンビニという印象を受けました。最東端の街の地場コンビニだからもう少しこぢんまりとしているかと思いきや、フツーに大きいですしテーマソングまであるという元気っぷりですし、ちょっと驚きでした。

で、宿に戻ります。何のことはない、タイエーは宿のすぐ近くにありました。来るときに通らなかっただけで、ホントに目と鼻の先。というわけで、すぐに宿に到着。あとは宿で寝て、2日目が終了……というところでした。

ここでご注意

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