「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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道東横断~グルメ時代を旅する~(平成27年8月23~27日)

2日目(平成27.8.24) 3/7ページ「摩周湖」

弟子屈えこパスポート

摩周湖に向かうべく、まずは摩周駅の駅舎内に設けられたコーナーに行き、「弟子屈えこパスポート」というきっぷを購入。2日間有効で、1,500円。本当は1日券があればよかったのですが、最短2日だったのでそれを購入。

このパスポートがあれば、弟子屈町内を走る、摩周湖・川湯温泉・屈斜路湖などの観光地を巡るバスに乗り放題(つーかこのきっぷじゃないと乗れない)。オマケにレンタサイクルが無料で借りられ、エリア内の飲食店などで様々な特典があります。バスの使い方が少々不案内だったり(モデルコースを示すとかすればもう少しわかりやすいと思います)、きっぷが知れ渡っていないなどの点で損をしているように思いますが、うまく使えばこのエリアをお得にたっぷりと観光することができる優れものです。

なぜ1日券がないのか。なぜパスポートしかきっぷがないのか。このシステムが生まれた背景を、やや独自調査込みで説明します。

弟子屈町は摩周湖をはじめとした著名な観光地を数多く抱えていますが、ボクのような通過型の旅行者が大多数を占め、収入に直結しない一方、車や観光バスでの来訪が圧倒的多数のため環境負荷が大きく、せっかくの観光名所をあまりプラスにできていませんでした。

そこで、交通機関で観光地を巡ることができるシステムを構築したのです。さらにバスは環境を考えバイオ燃料を使える車両を用意。滞在型の観光客を増やすと同時に、公共交通機関利用の通過型旅行者からも確実に1,500円を取り、さらに環境対策や町内交通機関の利便性改善などをいっぺんに行ったのです。町内各地で特典を設けることで、旅行者に購買意欲を持たせる工夫も行いました。システムはかなりよくできていると思うので、あとは知名度でしょうかね。

このシステムのために、当初の想定よりバス代がかかることになりましたが、むしろ時間の許すかぎり有効活用してやろうということになりました。というわけで、ここから弟子屈観光が始まります。

「霧の摩周湖」へ

きっぷを調達したところで、摩周湖に向かうバスに乗り込みます。小型の観光仕様のバスでした。

乗客はボクの他に3人。全員が先ほどの列車をボクと一緒に降りて、ボクと同様にパスポートを買った人たちです。しかしボクを入れても4人とあっては、小型のバスでも過剰輸送になってしまいます。もう少しいい時期で、休日なら、もっと乗るのでしょうか。

バスは定刻通り、10時半に発車。

バスにはガイドが付いていました。弟子屈町の取り組みなどについて面白い話を聞かせていただきました。

最近は特産品作りを積極的に行っているようで、そばやワインなどを売り出そうとしているようです。ワインは池田町のブドウを使っているものの、弟子屈で加工して独自のブランドとしてやっていくようです。話を聞いていて、他の市町村の真似が多いなあ、と思いましたが、なんでもいいからやることが大切で、積極的に行動を起こしている弟子屈町は立派な町だとも思いました。先述のパスポート関連の事業もそうですが、積極性があるので、弟子屈にはかなり明るいイメージを持ちました。

解説を聞いているうちに、バスは町中を抜けて摩周湖へと登っていきました。

ここで、ガイドから地形についての説明がありました。バスは摩周湖の外輪山へと登っていますが、釧路湿原・根釧台地・屈斜路カルデラと周囲の標高が低く、かなり広々とした眺望が楽しめます。平野を見下ろす風景が好きなので(函館本線から渡島平野を見下ろすとことか)、雄大な景色にひたすら感動。

……しかし、肝心の摩周湖が見えなければ、がっかりというもの。摩周湖は、霧に包まれて湖面が見えないこともザラで、「霧の摩周湖」とも呼ばれています。霧もまたよし、と思うことにして、ある程度の覚悟はしてきていましたが、やはり湖面を見たい。しかし、先ほど列車乗車中に一時的に雨が降ったうえ、天気は曇り、おまけにガイドは「今朝は湖面は見えなかった」と証言。ダメか……。

しかし、展望台が近づいてきても、天気は悪化せず、霧にも包まれず。ガイドさんも朝とは状況が違うという話をしていました。希望はある、と考え、かなり期待して到着を待ちます。

バスに揺られること約20分。摩周湖第一展望台に到着しました。

その、霧の湖の表情は――

第一展望台では湖を見ずに、バスが停まったすぐ前にいるバス(というかジャンボタクシー)に乗り換え。まずは第三展望台に行きます。

摩周湖周辺のバスのダイヤは、「まず第三展望台、次に第一展望台」という旅程で回ることを前提に組まれています。したがって、それにしたがってまずは第三展望台に行きます。さもないと1時間以上第一展望台にいることに。時間がもったいないので、一か所でも多く巡るんです。

バスに乗ってきた4人は全員タクシーに乗り換え。乗る時に頭ぶつけたのは秘密。

全員が乗り込んだところで発車。第三展望台までは5分ほどの道のり。

摩周湖を左に迂回するように進んでいきます。引き続き、カルデラを見下ろす景色を楽しんでいました。

道のりの半分を過ぎたあたりだったでしょうか。突如、霧が出ているエリアが出現。運転手が思わず「あっ……」と声を漏らし、つられてボクもため息……。

第三展望台前の駐車場で降車。また頭ぶつけたのは秘密。

すでに霧に包まれており、結果は明らか。でも、とりあえず展望台に行きます。降りてすぐ湖が見えるものではなく、少し徒歩で登らないと展望台にはたどり着きません。結果はわかっているのに、なぜか気分は高揚。そして、階段を上った先に見えたのは――

知 っ て た

やはり、湖は霧の中。前を向くと、もう視界には白い霧のみ。

しかし、下を向くと、辛うじて岸に近い部分は湖面がうっすら見えました。

しばらく霧の摩周湖を見て、タクシーの発車時刻が近づいたら駐車場に戻りました。第一展望台に戻るタクシーの発車時刻は11時10分。全員が車内に戻り、時間になったら発車。

霧が出ているエリアを抜け、第一展望台へ。先ほどと変わった様子はなく、「これは期待できるかな……」と考えつつ、展望台へ。

視界に飛び込んできたのは、青々とした湖面。湖を見渡すと、カムイシュ島が、そして対岸がはっきりと見えました。

風で波打つ湖水。場所によって少しずつ色が違って見えたのが印象的でした。

外輪山の一部は煙っていました。おそらくは第三展望台があるあたり。第一展望台と第三展望台では標高差が60mほどあるようで、それゆえ霧の出る出ないの差があるようです。

美しい湖の景色に加え、振り返ると弟子屈町・屈斜路カルデラを見下ろす、北海道(つっても札幌だけど)に住んでるのに「まさしく北海道!」とか思ってしまうような風景。本当に素晴らしかった。これが1,500円でいいってんですから、安いものです。

晴れの摩周湖と霧の摩周湖、その両方を楽しめてしまったわけで、これは結構ラッキーなのでは? などと考えつつ、ここでレストハウスへ。昼食の時間がべらぼうに遅いので、軽食を食べます。

レストハウスでは、名物だといういもだんごをいただきました。モチモチとした食感が忘れられません。

お土産を物色するなどしていると、バスの発車時刻に。

摩周駅に戻るのではなく、別のバスに乗って川湯温泉駅に抜けます。

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