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キハ261系基本番台 / 北の特急(+α)図鑑

ここでは、特急「宗谷」「サロベツ」で運用されるキハ261系基本番台気動車を紹介します。

車両紹介

最北の地までの距離を縮めた、北の鉄道の画期

キハ261系基本番台は、札幌~稚内間の急行列車を特急に格上げし、札幌~稚内間を4時間台で走破すべく開発された特急型気動車です。

460PSのハイパワーなエンジンを、基本4両編成に計7基装備。電車にも引けを取らない加速力は、思わず目を瞠るほど。車内もデンマーク国鉄と共同でデザインされ、特徴的かつ落ち着いた雰囲気を持っています。

利用客の少ない宗谷本線に投入されることから、コストダウンを重視。車両製造費を抑えつつカーブの通過速度を上げるため、キハ281・283系の振り子よりも安価な、空気バネ式車体傾斜装置を日本の特急(営業列車)で初めて採用(現在は使用停止)。その他、コストダウンのための技術・工夫が施されています。

現在のJR北海道スタイルの基礎を築いた内装

グリーン車は革張りシートが2列+1列で並びます。普通車はそれまでのキハ281・283系の座席(リニューアル前)よりもパワーアップしたつくりとなっています。

以降に登場した789系やキハ261系1000番台に、これらの座席の形状・装備がブラッシュアップされた上で受け継がれています。キハ261系基本番台は、現在の北の特急車両の基礎となったのです。

先駆者の宿命として、近年の新車に比べると内装面で見劣りすることは否めず、経年もあって格落ちの感が漂います。5時間以上の長時間乗車になることと、独立3列シートの高速バスとの競争も考えると、「不足」と言わざるを得ないのが偽らざる現状です。

車内設備紹介

グリーン車

グリーン車は1号車(および増結21号車)の稚内方です。わずか9席のシートは、モケットのキハ281・283系とは違って、濃い青色の牛革張り。アームレストは木製です。

シートピッチは広々1145mm。床の絨毯は「バンブー・リーブス」(笹の葉)の模様が描きこまれているほか、ダイヤゴナルパターン(菱形模様)となっており狭い室内に奥行きを持たせています。


牛革シートはしっかり体をホールドしてくれるどっしりした形状で、皮革でありながらあまりツルツルしていないという完成度を誇ります。ですが、デビューから長い年月が経過し、革がくたびれて見栄えが悪くなってきているのが残念なところ。

ヘッドレストは上下可動式(キハ281・283系グリーン車のような耳はありません)。ですが、サイズが小さいうえ、これまた経年のためか頭をきっちり押し付けないと位置がどんどん下がって行ってしまうために、安定感・ホールド感がなく、あまり快適とは言えません。ほか、フットレストも装備されています。


テーブルはアームレストに格納されています。折り畳み式になっていて、大きな物を置く時などは広げて、飲み物だけを置く時などは畳んだ状態で使うと便利です。ただ、前後のスライドはありません。

自分の座席に付いているテーブルなので、普通車の座席のテーブルと違って、前に座っている人が座席をリクライニングさせても影響がありません。ただし、重めのノートパソコンを置くと安定しない可能性があります。


壁にはパソコン用コンセント(AC100V・50Hz)がありますが、2人掛けの方も1つしかありません。パソコンを使う方は通路側座席を指定しないよう注意してください。

荷棚の下には読書灯が設置されています。手で向きを変えることができます。

また、チケットホルダーが付いており、きっぷを入れておけば寝ている間に車掌が検札してくれます。きっぷの取り忘れにはご用心。

普通車

普通車は2+2の4列シートです。1・4号車(および増結21・6号車)は青、2号車(および増結22号車)は赤、3号車(および増結5号車)は緑と、車両によって色が違うのが特徴。シートピッチはJR北海道の特急車標準の960mmです。

グリーン車同様、床の模様はダイヤゴナルパターン(菱形模様)。

グレードアップ座席ではないので、座席はやや小さく、ヘッドレストもありません。また、ドリンクホルダー・チケットホルダーも非装着。札幌~稚内間の5時間あまりの行程でずっと座っているのは、少々厳しいと言わざるを得ません。

その他

乗車口にはステップが一段あります。ドアの近くにはゴミ箱がありますので、駅弁を食べた後などのゴミはこちらへ。



3号車(および増結5号車)には、車いす対応の洋式トイレがあります。おむつ交換台が備え付けてあります。

2号車(および増結22号車)にも洋式トイレがありますが、こちらは車いすに対応していません。

近くには、男子用の小便器が設置された小部屋もあります。


2号車(および増結22号車)のトイレの近くには洗面台があり、おむつ交換台も設置されています。

設備・性能一覧

設備一覧

4両編成が基本です。

←稚内 1号車2号車3号車4号車 札幌・旭川→
指定:9席指定:28席指定:60席指定:51席自由:56席
- -

凡例(別ウインドウで開きます)


増結されて6両になる場合には、主に次の2パターンがあります。(この限りでない可能性があります)

パターン①
←旭川 21号車22号車1号車2号車3号車4号車 札幌→
指定:9席指定:28席自由:60席指定:9席指定:28席指定:60席指定:51席自由:56席
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パターン②
←旭川 1号車2号車3号車4号車5号車6号車 札幌→
指定:9席指定:28席指定:60席指定:51席指定:56席自由:51席自由:56席
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凡例(別ウインドウで開きます)

性能一覧

車体ステンレス鋼製
最高速度120km/h
エンジンN-DMF13HZH(460PS / 2100rpm)×2基 / 両(キロハ261形200番台、キハ260形200番台、キハ261形100番台)
N-DMF13HZH(460PS / 2100rpm)×2基 / 両(キハ261形100番台)
変速変速1段・直結4段
ブレーキ電気指令式空気ブレーキ(直通ブレーキ、排気ブレーキ)

参考文献

  • 北海道旅客鉄道(株)運輸部運用車両課 後藤昭裕「キハ261系試作車」、『鉄道ファン』1999年5月号、交友社
  • 北海道旅客鉄道(株)運輸部宗谷線新型特急車両開発プロジェクト 泉原裕司「キハ261系量産車」、『鉄道ファン』2000年3月号、交友社
  • 北海道旅客鉄道(株)鉄道事業本部 運輸部運用車両課 佐藤巌・佐藤頼光「261系特急気動車(量産車両)の概要」、『鉄道ジャーナル』2000年4月号、鉄道ジャーナル社
  • JR北海道プレスリリース(平成25年12月20日)「平成26年3月ダイヤ改正について」(http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/131220-1.pdf)、北海道旅客鉄道株式会社Webサイト、平成30年10月2日閲覧
  • JR北海道プレスリリース(平成26年7月4日)「平成26年8月ダイヤ改正について」(http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140704-1.pdf)、北海道旅客鉄道株式会社Webサイト、平成30年10月2日閲覧

キハ261系基本番台が使われる列車

  • 特急「宗谷」全列車
  • 特急「サロベツ」全列車

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