石勝線の「回2627D」はなぜ客扱いをしないのか - ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか
「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

……ゲニウス(北)がお送りする、北海道を中心とした旅行・鉄道情報サイトです。

  1. トップページ >
  2. 素人流・鉄道観察 >
  3. 石勝線の「回2627D」はなぜ客扱いをしないのか

石勝線の「回2627D」はなぜ客扱いをしないのか(平成26年11月3日)

今日は、ちょっとJR北海道のダイヤ分析のようなことをやってみます。

今回は、石勝線。石勝線は、札幌と帯広・釧路を結ぶ重要な幹線ですが、沿線の人口が常軌を逸するレベルで少ないので、普通列車が少なく(夕張支線はそれなりにありますが)、新夕張・新得間に至っては1本もありません。

この石勝線の普通列車を使って札幌から夕張・新得に向かうとすると、困った事態になるのです。というのも、追分まではすんなり行けるのですが、そこで11:12発(平成26年11月3日現在)の新夕張行き(2633D)を待たなければならず、午前中に夕張や新得に辿り着くことができません。

午前中に新得に着くには、滝川から根室本線経由で行くか、特急を利用することになります。夕張へは、同じく特急を使うか、バスで向かうことになります。かなり不便なことになっています。


ここまでの話だけだと、「まあ、列車が少ない区間だから、乗継が悪いのも仕方がないか」と片付きそうなこの話。しかし、これだけでは終わりません。

実は、先ほどの2633Dの前に、回送列車が一本存在するようです。その列車は、以下のようなスジで運行されているようです。

2625D……千歳(7:46発)→追分(8:09着)
回2627D……追分→新夕張
2629D……新夕張(9:05発)→夕張(9:32着)
※時刻はいずれも平成26年11月3日現在

おわかりでしょうか。追分での待ち時間の間に、実は新夕張行きの回送列車があり、しかも千歳から夕張までつながった運用になっているのです。

仮にこの「回2627D」を旅客列車化し、客扱いを行えば、札幌と夕張・道東との行き来が非常に楽になることは言うまでもないでしょう。


では、なぜこの「回2627D」が回送列車扱いになっているのでしょう。

単に「客が少ないから」という理由ではないのだと、ボクは考えます。実際に車両が当該区間を走っているのですし、なにより青春18きっぷのシーズンになれば、札幌・道東間の普通列車の需要が大きくなります。

また、「客を特急に誘導するため」という理由もあるでしょうが、ボクが思うに、もっと深い理由があります。

これは、新夕張・新得間に普通列車が運行されていないという点と、おそらくは深く関わっています。

ご存知の通り、この区間は特例があって、新夕張・新得間各駅相互の乗車に限って、乗車券のみで特急列車の自由席に乗車できます。

これは、一日散歩きっぷや青春18きっぷ、北海道&東日本パスにも当てはまります。すなわち、この区間だけなら、これらのきっぷだけで特急に乗れてしまいます。

そして、先述の通り、18きっぷシーズンは札幌から道東に普通列車で向かう需要が旺盛になります。

ここで、仮に回2627Dを旅客列車としてしまうと、18きっぱーがこの列車に殺到します。それだけならいいのですが、これらの乗客は新夕張で特急スーパーとかち1号に乗り換え、道東を目指すでしょう。

するとどうなるか。ただでさえ観光シーズンであるために混雑するスーパーとかち1号が、パンクします。

JR北海道としては、実質ただ乗りの乗客によって特急が超満員になり、大動脈たる石勝線の混乱と遅れを招くという事態は避けたいわけです、おそらく。

だから、あえて石勝線の乗り継ぎを不便にして、普通列車の客を輸送力に比較的余裕のある根室本線に誘導しているのではないでしょうか。


この手法の是非はとりあえず措いておいて、こう考えると回2627Dの設定は理由があるといえるでしょう。

まあ、根室本線も景色のいい路線ですし、もともとはこっちが主要ルートだったし、というわけでみなさん、あんまり嫌な顔をせず、根室本線回りで道東に行きましょうよ。

と、やや苦し紛れにJRさんをフォローしたところで、今回はこれでおしまいです。

まったくの余談ですが、最近「夕張」と聞いて反射的に戦艦がどうのとか言い始める軍国主義者みたいなのが増えていますが、あらあ一体なんなんでしょうねえ。


※新夕張9時台の夕張行き普通列車が平成28年3月26日に廃止された関係で、今回取り上げた運用は追分が終点となり、この回送列車はなくなったものと思われます。


参考文献……
道内時刻表2014年10月号(交通新聞社)
「川崎界隈貨物事情 資料室」様に掲載されている石勝線のダイヤ(URL: http://f-kawasaki.sakura.ne.jp/diagram/hokkaido/11/11_1408_0.pdf)

「素人流・鉄道観察」のトップに戻る

当サイトトップページに戻る