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流氷ノロッコの代替を考えてみる(平成27年12月26日)

先日の新聞報道(鉄道大好き道新ですよ、お察しの通り)によると、JR北海道は来年度より、道東の人気観光列車である流氷ノロッコ号を運行しないようです。(右の写真は同じ客車を使用するくしろ湿原ノロッコ号)

JR北海道は、札幌エリア以外の路線について、ここ1年は縮小一辺倒の方針を強めています。手持ちのキャッシュも将来の明るい展望もない現況からして、それは当然「正しい」判断です。

しかし、観光列車の削減は長期的にJRにとって挽回不能なマイナスになるのではないか。ボクはそんなことを考えています。そこで今回は、いかに流氷ノロッコ、あるいは同様の観光列車を存続させるかを考えてみます。

※この記事は平成28年10月18日に、JR北海道のプレスリリースなどを参考に全面改稿しました。

そもそも、観光列車を残すべきか

鉄道というのは、インフラです。したがって、鉄道の果たすべき役割は、まず第一に市民の生活のための輸送です。

よって、観光列車というものは、どうしても優先順位が下がってしまいます。

観光列車を維持したがために、本来優先すべき通勤輸送や都市間輸送や貨物輸送などができなくなった、となってはいけないワケです。

しかしながら、特に北海道においては、観光列車は残していくべきだとボクは考えます。

理由は次の2点。まず、観光列車を廃止すると、その列車に乗りに行くという移動が無くなります。それは必然的に、鉄道で移動するというインセンティブを観光客から奪うことになります。観光客は今以上に自動車に流れるため、札幌と観光地の間の特急の収益は落ち、自動車による環境負荷が増えます。

もうひとつ、観光客の減少もありえます。たかだか観光列車がひとつ消えるくらいで著名な観光地がもぬけの殻になるとは思いませんが、観光地にとっては貴重な集客装置を失うことであり、長期的に観光客を減らす一因になりかねません。思うにこれまでの日本は観光を甘く見すぎていました。ここで持論を長々述べることはしませんが、今後は絶対に観光に力を入れるべきで、そのために観光列車が役割を果たすべきだと考えています。

でも、どうやって? ~廃止の理由に見る存続の難しさ~

さて、それではどのようにして流氷ノロッコを存続させるか、という話に移ります。

まず、ノロッコ廃止の理由を確認します。ノロッコはディーゼル機関車のDE10形かDE15形で500・510系客車を牽引する列車ですが、新聞によれば機関車の一部が老朽化のために廃車されるので廃止、とのことです。

……正直に申し上げます。こらぁ、キツイです。

代わりの機関車なんていません。他のDE15形は除雪中、DE10形も同様に老朽化していますし、HD300形をJR貨物から借りるのも難しいです(車両使用料がかさむ上に入れ替え専用機なので旅客列車牽引に使うのは難しいかと)。まさかDD51形やDF200形といった重量級をよこすワケにもいきませんし。

では他社からなんか代わりになる車両を買うか。いいえ、北海道の冬に堪えられる車両なんて、北海道の車両を除いては日本中探してもいません。

まして、新車を導入する余裕なんてあるワケありません。仮に余裕があるにしても、721・785系やキハ40・183・281・283系の置き換えが先です。

おわかりでしょうか。実は、流氷ノロッコの存続は難しいんです。客車は使えるのに、です。

代替列車の仕様を予測してみる

JR北海道は普通列車用の気動車を改造した車両をノロッコの代替列車「流氷物語号」として運行するということを考えているようです。どんな感じの列車になるか考えてみましょう。

最初は苗穂にいたキハ141系(キハ142-5・6)を使うんじゃないかと考えて、本記事の初版ではキハ141系などを使った編成の私案を提示しましたが、この2両はすでに廃車になっていたようです。というか車齢的に改造しても長く使えないのでどのみちボツですね。

改造されるのはそうではなく、キハ54形になるようです。JRのプレスリリースを見ると、キハ54形を普通列車・「流氷物語号」の両方で使えるように改造するようです。

「普通・観光の両方で使う」ということは、今年苗穂工場で行われた道南いさりび鉄道の「ながまれ号」の改造と似たようなことが、キハ54形の一部に施されることになるでしょう。ながまれ号とは、JR同様に全く資金のないいさりび鉄道が、JRからもらったキハ40の内装のみに改造を施し、「普通列車として使うときはヘッドレストとテーブルを外し、他の車両と同様の接客設備にする」という、普通列車・観光列車のどちらとしても使えるような改造を行った車両です。

同様の改造をキハ54に施せば、とりあえず観光列車を走らせつつ普通列車の車両を確保することができます。現実的な案といえるでしょう。

ただ釧クシのキハ54形の座席は窓配置と合っていないので、これをながまれ号と同様にボックスシートに変えるべきでしょう。窓の外が見えないと仕方ありませんからね。座席は、この間廃車にしたキハ40のものを使えば問題ないでしょう。


でも、ちょっと待ってください。

プレスリリースには、2種類のエクステリアデザインしか載っていません。

これは、「改造される車両は2両だけ」と受け取っていいものでしょうか。

だとすると、ノロッコが5両編成での運転でしたから、今後は2両編成となってしまい、3両もの輸送力削減となってしまいます。

ノロッコ号は日本人・外国人を問わず、流氷を見に来た観光客にとても人気の列車です。たった2両の列車に乗客をぎゅう詰めにすると言うなら、それは観光列車とは言いません。

そうなると、従前と同じく5両編成での運行を確保するために、ノロッコと時間帯がかぶる網走~知床斜里間の普通列車を間引いたうえで、一般仕様のキハ54形を連結するのでしょうか。


……あるいは、こんなことをやるかもしれません。

今後は、冬期間は釧クシ所属のノロッコ車両は遊休することになります。これは非常にもったいない。

そういえば、今から10年くらい前までは、キハ183系で14系寝台客車を挟んだ夜行列車が走っていたっけ。

……なら、ノロッコ車両をちょいと改造して、特別仕様のキハ54形でサンドしてしまえば……。

でも、挟めるのはせいぜい2両くらいでしょう。じゃあ後はキハ54形の一般仕様車をくっつけて……いや、キハ54は運用に余裕がないはず。

そういえば、札ナホに暇を持て余しているキハ40形が4両ほどいたな。そいつを1~2両ほど釧クシに貸し出して……


流氷物語号・私案: ①キハ54-500特別車「オホーツクブルー」 ②オハテフ510-1 ③オハテフ500-51 ④キハ54-500特別車「白」 ⑤キハ40 300(必要に応じてさらに増結)

こうすれば、余っている車両を有効活用しつつ、とりあえず向こう数年は5両編成以上で運行できます。また、車販スペース・トイレ・車いす対応設備も揃っています。編成全体の出力も1220PSで、パワー面での問題はないでしょう。

……いや、まさかこんな面倒なことしないよなあ……。しかもキハ40形300番台は今年で車齢36年だから、どのみちいずれ置き換えなきゃならんし。

SLニセコ号が廃止された際は、代替として特急ニセコが設定されました。しかし、ニセコは特急化による値上げに見合わないやっつけ感のある列車で、あまりよくありません。

流氷物語号については、ちゃんと観光列車らしい出し物などを用意してほしいところ。最低でも、アテンダントの見事な案内(動画で聞いたけどあれは良い。是非乗って実際に聞いてみたい)は残してほしいです。

果たしてどうなるでしょうか。期待と不安の中、列車の運行開始を待つとしましょう。

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