「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

……北海道の旅行・鉄道の魅力をアグレッシブに発信する"闘う情報サイト"です。

  1. トップページ >
  2. 素人流・鉄道観察 >
  3. 【平成30年4~6月】北!鉄!ニュースライナー 第1回

【平成30年4~6月】北!鉄!ニュースライナー 第1回

記事公開:平成30年(2018年)7月27日

ゲニっとな(/A皿A)/

今回から新企画がスタート。題して「北!鉄!ニュースライナー」。北海道の鉄道に関するニュースをまとめてお届けし、ちょこちょこコメントを加えていくという、まんまタイトル通りの企画でございます。

「記事一本起こすほどの事じゃないけど、コメントしときたいよなあ」的なニュースが結構多いもので、そういうものをまとめよう、ということで初めてみました。

今回は第1回スペシャルということで、年度始まりでキリのいい4月からの3か月分を一気にお届けします。なので分量かなり多め。次回以降はたぶんこんなに盛りだくさんにはならないと思うので、今回だけご容赦ください。

なお、全部のニュースを取り上げるわけではないのでご注意ください。基本的にウラが取れていないニュースは掲載しません。

あと、ニュースの順序はボクの好きなように並べているので、時系列順ではありません。悪しからず。

今後は毎月やるかもしれませんし、3か月おきかもしれないし、毎回違うかもしれません。まだ決めてな~い。

前置きはこの辺で、それではレッツビギン。

もくじ

733系B-3108~3111・3208~3211編成が登場

まずは札幌近郊の話題からまいります。

千歳線最大の悩み「空港アクセス」への処方箋になるでしょうか。快速エアポートを中心に運用される733系3000番台が増備され、新たに6両×4編成が仲間入りしました。

とにかく、お盆に間に合ったのは大きいですね。一年を通して有数の混雑シーズンに、輸送力がある733系は百人力です。

さて、車両が増えた分、どんな動きがあるでしょうか。増発か、はたまた置き換えか。

ボクの予想としては、今回は大規模増発を行わないかわりに、721系6両固定編成4本(3000番台か4000番台)をエアポートから外して普通列車に回し、玉突きで721系1次車3両×8本を廃車。さらに来年度以降も733系の増備を続けて721系を置き換えつつ増発分の車両確保、地上設備の準備が整ってから本格的増発、という感じ。

車内に洋式トイレがない721系3000番台は、早めにエアポートから外した方がいいでしょう。また、JR北海道が4000番台の機器更新を渋っているところを見ると、4000・5000番台の再3両編成化を考えていそうな辺り。なので将来的にはエアポートを733系に統一し、721系は4次車以降のVVVF車だけ残して空知・旭川中心の運用、という感じになるのかな、と。

ただ、特に混雑の激しい朝の空港行き・夜の空港始発は、大規模増発よりも早めに多少の増発があるかも。来年の今頃はどんなダイヤになっているでしょうか。

……と頭の中で考えをめぐらせていたら、快速エアポートへのWi-fi整備の話が出ました。F-1009・5001以外の現役エアポート編成22本すべてが対象だそうです。

プレスリリースからは「721系エアポート用6両固定車11編成はまだ全部エアポートで使う」と読めそうなところですが、これはあくまで現段階の計画を基にした数字を出しているだけで、733系の増備による721系の置き換えが決まったら再度アナウンスがあると思います。

※前6行の予想は誤った前提に基づいているため撤回します。訂正後の予想はニュースライナー第3回をご覧ください


ちょっと話が逸れますよ。今回増備された4編成、某地方新聞が去年にスッパ抜いていたんですが……。

その記事、以上にお話しした事実とだいぶ違う内容だったんですよね。

昨年6月2日付の朝刊の8面にその記事があるのですが、「平成29年発注で2019年に完成」「試験走行の後五輪イヤーの2020年3月改正から投入」という内容でした。まるで、新形式の車両が出るかのようです。

実際は既存形式である733系の増備であり、今年完成、その年のうちにデビュー、しかもダイヤ改正と同時ではない、と見事なまでの逆神ぶり。

何が悪いって、2020年3月にダイヤ改正があるという保証がないのに、それを勝手に断定しているという点からわかる通り、この記事を書いた記者は憶測で記事を書いているわけです。ウラを取らずに記事を書けるなら、やりたい放題ではありませんか。

そうやって憶測をした結果、車両の増備を「増発に『合わせた』措置」だと勝手に解釈しているわけです。たしかに将来の増発を「見据えた」増備ではありましたが、増発が難しい現状で少しでも輸送力を稼ぐために、早めに733系を増備した、というのが実情でしょう。「合わせて」はいません。

で、その勝手な解釈を基に、「車両発注からエアポート増発まで数年のラグがある、その間は開発や試運転の時期だ」とどんどん変な方向に行ってしまい、新形式車両が出ると思い込んでしまっているんだと思います。

複数の誤謬が重なり、結果として事実からかけ離れた記事になってしまっているんです。凄まじいまでの誤報ぶりに、想像を絶する悲しみがボクを襲いました。

こうして紙ごみを量産しておきながら、それを棚に上げてJR北海道や北電などを(しばしば非科学的に)非難し、さんざんヘイトを稼いで反発されておいて「彼らは道新嫌いですからねぇ、まあ当然でしょうけど」なんて能天気なことを抜かす(とある機会に、実際に関係者の放言を漏れ聞きました)バラバラに引き裂いて差し上げましょうか(何を)。

この新聞社は頻繁に誤報や「飛ばし記事」を出すこととして有名ですが、そろそろいい加減にしてほしいなあ、と思う今日この頃。お陰で情報のクロスチェック癖がきっちり身に付いたよ、シクシク……。

新千歳空港駅改良計画騒動?

あぁ、いきなり話がゴーカイに逸れちゃったよ。修正修正。

エアポートつながりで別の話題。その某新聞を含む一部メディアが、新千歳空港駅の大改良……というか作り直しの計画を報道し、一部で話題となっています。

この件ですが、これまた誤報であると考えています。根拠は、全国紙の多くが全くこの件に触れていないこと、ソースによって計画の主語がバラバラ(国交省になったりJRになったり)なこと、そして現在行われている新千歳空港駅のリニューアル工事との整合性がないこと。

「天下の新聞様が誤報なんて出すことなんてあるの?」と思う方は、一個上の話題を読んでいただければと。

仮に誤報でないとして、ボクはどちらかというと大反対です(さっきから謎のブロント語連発、でも特に理由はない)。本線が迂回するので特急の所要時間が大幅に延び、帯広・釧路方面を中心に乗客の大量逸走を招くからです。JR北海道に止めを刺すのと同義です。

むしろ南千歳駅を改良する方が理に適っています。ホームの暖房付待合室増設、インフォメーションボード多ヶ国語対応化などで乗り換え負担の最小化を図り、同時にキスアンドライド・パークアンドライド設備新設やバスベイ増設で結節点機能を強化すれば、マイナスしか生まない空港駅作り直しとは違って前に進むことができます。

北広島ボールパークへのアクセスはどうなる?

千歳線の頭痛の種はもう一つあります。北海道日本ハムファイターズの球場移転問題です。

すったもんだの末に、北広島に新たなボールパークを建設することに決まったようです。

このせいで千歳線の乗客がさらに増えることが予想されるため、千歳線は限界を超えてしまいそうな状況です。

この件(とエアポート増発の件)は話すと長くなるので、別に長編記事をこしらえることとしました。そのうち公開します。

しっかしエライことになっちゃいました。それもこれも全部日ハムが悪い。もう日本ハムからは買わない……と思いましたが、よく考えたらウチの家庭、もともと日本ハムの商品は食べてませんでした。

追記(令和元.7.4):一部文言を取り消します。取り消し部分に記載の意見は、当方の調査不足により誤った前提のもとで記したものであり、現在の当方の考え方と大きく異なるためです。ご迷惑をおかけしましたこと、ならびに軽率な意見を掲載してしまったことについて、深くお詫び申し上げます。

地下鉄南北線の急ブレーキなどが激増

札幌エリアの他の話題も見てまいります。実は最近、地下鉄南北線の運転が妙に荒いんです。

3月ころから、ブレーキ込め直し回数の極端な増加や、停止寸前の急ブレーキが、しばしば見られるようになっています。

問題なのは、札幌の地下鉄はATO運転であるはずだ、ということ。自動運転なのに、しかも以前はもっと落ち着いた運転ができていたのに、どうして突然ヒドくなってしまったのか、コレガワカラナイ。

もともと車両のブレーキ性能が良いこともあって、最近は急ブレーキの有無関係なしに、駅停車のたびに恐怖を感じています。そのうち急ブレーキが原因でドミノ倒しが起きるんじゃないか、とすら思われます。

また、この問題とは関係がありませんが、たまに列車が完全に駅に停車する前にホームドアの操作を始める運転士もおり、憤りを感じています。ホームドア動作と車両ドア動作にはタイムラグがあるので、車両のドアはちゃんと停車後に動くことが多いですが、まれに停まりきる前にドア開いています。安全意識がいつぞやのJR北海道並みに低く、深刻な状況です。

ハッキリ言って、安全に対する心構えというものが、札幌市交通局という組織全体に全然染みわたっていないと言わざるを得ません。

何より腹が立つのが、これだけ文句タラタラなのに、地下鉄を使わざるを得ないという点。最近よく行く場所が南北線でしか行けない場所なので、東西・東豊線やJRに振り替えることもできません。

溜まったフラストレーションはさらなる不幸を呼びます。近ごろは駅員の言葉づかいの細かい綻びにすらイラッとくるようになってきています。「『○番ホームに"在線中"の電車は~』じゃねえよ、在線中ってどんな言い回しじゃい案内する気あんのかコラァ」とか、「『発車時刻となりましたドアが閉まります』じゃねえよ、発車時刻なんてテメーらの都合だろこちとらまだ全然乗降終わってないんだよ客のこと第一に考えろや」とか。些細なことで一々イライラしちゃうのなんとかしたい……。

追記(令和3.8.13)

急激なブレーキングの原因の一つは、おそらく「回生失効」であると推測が付きました。

急ブレーキは、南行・北行の両列車が同時に同じ駅に進入してきている時に発生しやすいことに気付きました。ここから考えられるのは、2列車が同時にブレーキを扱ったことで、回生ブレーキによって発生した電力が2列車ぶん一気に給電設備に戻ってしまい、急激な電圧変動により回生失効と回復を繰り返した、という可能性です。この場合、回生ブレーキの制動力を補うための空気ブレーキがかかったり抜けたりするので、そのたびに制動力の変化が起き衝撃が発生するほか、それが繰り返されるうちATOの演算よりも実際に得られる制動力が低くなり、それを調整するため急激なブレーキで停止位置に合わせる、ということが発生すると考えられます。

事実、そういう場合だと列車の床下から空気ブレーキが作動する音が頻繁に聞こえるので、この推論である程度正しいと想定します。

また、南北線が第三軌条方式での電化となっており、この関係で「直流750V」という低電圧を採用しているため、一般的な路線と異なり回生ブレーキによる電圧降下が発生しやすいことも考えられます。

以前はあまり見られなかったのに、ある時点から急激に増えた要因としては、何らかの理由により回生ブレーキの電力を吸収する走行路側の設備が撤去されたことが考えられます。公式からの発表はないので、邪推に過ぎませんが……。

ただし、当時はこうした状況以外の場面でも急ブレーキが多発していたため、他に問題(設備? 車両? 職場内風土?)があった可能性があります。

「函館発・札幌行きの北斗85号」が新登場

ちょっとヒートアップしすぎてますね、話題替えて切り替えましょう。

続いては特急列車いきます。6月の第4・5土曜に、函館発・札幌行きの臨時特急北斗85号が設定されました。

北斗85号というと、2月にも運行されており、その時は洞爺始発でした。これは、春節の時期に合わせて洞爺湖宿泊の外国人旅行客をターゲットにしていたからです。

それとは異なり、今回は新登場の新幹線はやぶさ101号からの接続列車として設定されています。はやぶさ101号は大宮始発ですが、早朝出発の速達型はやぶさとなっており、新函館到着は10時前です。

6月分のはやぶさ101号・北斗85号は、多少時間がかかっても飛行機よりJRを選ぶ人が多いであろう大人の休日倶楽部会員をターゲットとしており、しかも土曜日だけの設定ということで、観測気球的な色合いがあります。ですが、函館・大沼公園・洞爺に早く着けるというメリットが評価されれば定着する可能性もあり、是非とも注目したい列車です。でも運行日全部用事とカブってまだ実見できてないorz

また、これまでに設定されてきた北斗84・88・91・95号とは毛色が違う、という点にも着目です。これら2往復、中でも84・95号は、新幹線接続というよりも、札幌から函館への旅行客・帰省客がメインターゲットとなっています。しかし、北斗85号は新幹線接続がメインです(ただし、現状では増結ができないスーパー北斗5・7号の補助という役割も兼ねているでしょう)。

今のスーパー北斗・北斗は、札幌~函館間などの都市間輸送だけでなく、新幹線と接続して大沼公園や洞爺、登別などに観光客を運ぶ役割もあります。札幌と東京、両方をしっかり意識した臨時列車の組み方に、そのうち変わっていくのかもしれませんね。


で、6月分の北斗85号はキハ183系4両での運転ですが、車両は函ハコの元・定期北斗用のものが使われたそうです。

北斗84・88・91・95号や集約臨は、ここ2年くらいは札幌の車両で運転されていましたので、函館回転のキハ183系の臨時列車はしばらく無かったと思いますが、久々の設定となりました。

この波動用キハ183系、今後どうなるんでしょう。それについても触れようと思いましたが、この話は長くなるので、別に記事「函ハコ撤退+観光列車化でハッピー? キハ183系二題」を作りました。よろしければご覧ください。

スーパー北斗の車内販売が縮小

お次も北斗の話題。スーパー北斗7往復で行われていた車内販売ですが、6月からは1往復で廃止、3往復は簡易車内販売に変更となり、ワゴンサービスはたったの3往復になってしまいました。

コスト削減というよりは、労働力不足の問題なのかな、と思います。

6月以降のワゴンサービスは「6号→13号」「8号→15号」「10号→17号」という具合に、乗務員が札幌に日帰りできるようになっています。要は泊まり勤務を廃止したわけですね。

また、4・19号の車販廃止は早朝・深夜労働の削減、簡易車内販売の導入は単純に労働時間の削減、という意図がありありと見えます。

観光客も多いスーパー北斗の車内販売縮小は苦渋の決断だったでしょうが、こうでもしないと人手が足りない、しかも入ってこないのでしょう。悲しいかな悲しいかな……。

今回残ったワゴンサービス3往復・簡易販売3往復は、何としてでも死守してほしいです。ガンバレ……。


この間、ムショーに登別に行きたくなったので、せっかくなのでスーパー北斗12号に乗って簡易車内販売をさっそく使ってみることにしました。

その日は9両編成で、ボクは自由席8号車に座ったので、1号車までの移動がしんどいのなんの。

たどり着いた1号車の車販準備室には、女性の乗務員がポツンと立っていました。飲み物を買うお客もおらず、ただ黙々と作業をしているようでした。

一番安いミネラルウォーターだけ購入。その際に、「ご一緒にお菓子もいかがですか」と言われたのですが、帰りにスーパー北斗15号のワゴンサービスでおやつを食べる予定だったので、太りたくないのでお菓子は買わず。

この乗務員さん、実はけっこう美人でした。そんな乗務員さん、ボクがお菓子を断った時、気のせいか表情がちょっと悲しげに見えました。振り返ると、相変わらず誰もいない1号車のデッキ。車内販売の商品一覧だけが、列車の揺れに合わせて寂しげに揺れていました。ちょっとだけ、申し訳なさを感じました。

……まあ、だから何だと言われれば、それまでなんですが。

4月のライラック93号の情報掲載が遅れた弁明

特急の話題を続けますよ。4月には札幌ドームのイベントに合わせて、臨時特急ライラック93号が設定されました。

この列車が運行されるという情報をボクが掴むのがかなり遅く、「北海道内の臨時列車情報」での公開が遅れましたことを、今更ながらお詫び申し上げます。

原因ですが、ボクが自宅最寄駅の掲示しか見ておらず、じゅうぶんな確認を行わなかったことにあります。

今後は札幌ドームのWebサイトにて大規模イベントの情報を随時把握した上で列車設定の予測を立て、「えきねっと」で情報を確認することで、早めに情報を掴めるよう対処いたします。


……それ以上に言いたいのは、JR北海道の情報公開に対する姿勢です。

以前は最寄駅に旭川行き臨時特急の掲示は必ず出ていたんです。それが、今回は出ていなかったんです。札幌駅でも見当たりませんでした。

最近のJR北海道は、利用者のことを考えて頑張っていると思います。でも、まだ足りない。きちんと列車の情報を出すというのも、必要なサービスだと思います。

旭川特急は高頻度運転が特徴で、駅に着いた時点で乗れる列車に乗る人が多数だから、躍起になって告知する必要はそこまで無いと考えたのかもしれませんが、それでも普段より本数が多いということをきちんとアナウンスすべきだと思います。

栗山・夕張のイベントに合わせた臨時列車が新登場

臨時列車つながりで別の話題。4月に栗山町のイベントに合わせて室蘭本線の岩見沢~追分間で、6月には夕張でのイベントに合わせて石勝線夕張支線で、臨時の普通列車が運行されました。

これらの列車は初登場です。以前からJR北海道ではイベントに合わせた臨時列車を毎年走らせていますが、今年はかなり積極的に列車を設定しています。7月には、例年運行される花火大会の臨時列車だけでなく、小樽・余市方面にも新たな臨時列車が設定されます。

廃線が確定している夕張支線にも臨時列車が出されたのには、素直に驚きでした。早くに廃線に同意してくれた夕張市への見返りの意図もあるのでしょうか。

いつになく積極的なJR北海道。おそらく、人の集まるイベントでたくさんの乗客を運んで、「道路交通の影響を受けず、大量輸送を担える鉄道の強み」をアピールしたいのではないでしょうか。


で、またしても話が明後日の方向に行きますが、なんかこういうイベントに合わせた臨時列車って、JR東日本っぽいよなあ、と思います。

去年の冬から臨時北斗が上下で運転日が違うスタイルに変わったことといい、なんか臨時列車の設定の仕方がJR東日本に似てきたような。

ほら、東北新幹線とか特急いなほとか、上下線で臨時列車の運行期間が違うのがデフォルトじゃないですか。

で、この新しい臨時北斗のスタイルのせいで、回送列車が増えたんですよね。たとえば91号の運転日だけど84号は運行されない日は、91号の送り込み回送が84号のスジで設定されるようになりました。せっかく走っているのに客扱いをしないのは、車掌の人件費削減が狙いなのかな、と思います。

この夏もそんなスタイルなのかと思ったら、今年のお盆期間の北斗88・95号は去年と同様に運転日が全く同じ。お盆期間の場合は札幌から函館への帰省客だけでなく、本州からの観光客も多いので、両方向の需要があることを考えてなのか、昨冬のような「函館行きは休みの前半中心、札幌行きは後半中心」とは必ずしもならないようですね。

DECMO(H100系)の試作車が落成

次はローカル輸送のおはなし。キハ40形の後継として開発中のDECMO(H100系)の試作車が登場しました。

JR北海道が初めて投入する電気式気動車ということでいろいろ期待していたのですが、出回ってきた情報を見て結構ガッカリしてます。

まずスペックですが、キハ40形1700番台と同等の性能とのこと。つまりはかなり遅いわけです。液体式気動車が苦手とする中速域の加速がアップするであろうことを加味しても、速度種別は(あくまで推測ですが)C0~B0程度にとどまるのではないでしょうか。また、雑誌によれば起動加速度はたったの1.1km/h/s(0~60km/h)しかありません。

大半のローカル列車はそれで良いのでしょうが、快速なよろ・はなさき・ノサップはスピードアップが必要だと思うので、このスペックではかなり不足です。最高速度も100km/hなので、せっかく設備が整っている室蘭本線(苫小牧~長万部)や宗谷南線で110km/h運転ができないのも残念です。

また、将来は特別快速きたみにも充当されるでしょう。速度種別「通気A3」のきたみはスピードダウンを余儀なくされるでしょう。この点、どうするつもりなんでしょうか。

内装面もゲンナリ。プレスリリースでわかっていたとはいえ、ボックスシートがたった6区画、しかも半分は2人掛けタイプ。ロングシートが多いのは仕方ないとしても、路線によっては観光客も乗る(函館~大沼公園、滝川~富良野など)わけで、着席定員が少ないのはマズイ。せめてボックスシートは4人掛けにしてほしいと思う次第。

内装色も、プレスリリースのイメージ図よりも暗く殺風景なイメージ。キハ40形の悪いところをそのまま継承してしまったような印象です。ただしドア回りが緑なのはとても良いと思います。

というか「DECMO」という車名もダメだなあ、と。語感が悪いのもそうですが、何より「でくのぼう」を連想させる響きですもの。もっと他にないのかなあ。まあせっかくの車名だから大切にしてあげたいですが。

ただ、キハ40形よりはサービスレベルは上がるのは間違いないです。冷房は装備されるので、それだけで大きな進歩です。また、現行ダイヤでは鈍足のキハ40形700番台での運行を想定した列車が多数あるので、それらはDECMOへの置き換えにより大幅な時間短縮が期待できます。さらに、先述の通り中速域の加速が大幅に上がるはずなので、キハ40形1700番台よりタイムが上がるかもしれません。

余談ですが、キハ143形もDECMOで置き換えるのでしょうかね。車体はもうだいぶ古いので、キハ40形と一緒に置き換えられるのが自然な流れですが、今のところ公式発表なし。どうなるんでしょうね。

追記(令和3.8.13):DECMOはその後、令和2年(2020年)にデビュー。実際に乗車してみましたが、起動加速度1.1km/h/sとは感じられず、特に中速域において当方の想定を大きく上回る加速度でした。「キハ40形と同等の性能」ということはなく、明らかにキハ40形よりも速い車両となりました。キハ54形などと比較すると特に高速域では劣りますが、普通列車では中速域での加速が多いことを考えると、実質的にはそこまでの遜色はないと言えそうです。なお、速度種別は函館本線の"山線"区間では「D5」、室蘭本線の"海線"区間および宗谷南線では「C4」でした。

札沼線 北海道医療大学以北の廃止に月形町が同意

もういっこローカル線ばなし。札沼線(学園都市線)の北海道医療大学~新十津川間はJR北海道が廃止を考えていますが、5月に沿線の月形町が廃止に同意し、この区間の廃止がほぼ確定しました。

この区間は乗客がきわめて少なく、沿線には都市と呼べる町がないため都市間輸送の役割も持てていません。おまけに最高速度が65km/hとあって、隣の国道を走る車に次々と抜かされるという、悲惨な路線です。

「ローカル線廃線を許すな」というような雰囲気が道内自治体にあるような気がしますが、そんな中で月形町はよく判断したと思います。


廃止後は当然代行バスが走る予定ですが、鉄道のルートそのままにはこだわらず、既存のバスルートも活用しながら整備するようです。

月形・浦臼で系統を区切り、浦臼~新十津川は中央バスの滝川~浦臼間のバスに振り替える形で代行。さらに、浦臼町営バスの浦臼~奈井江間のバス路線も代行バス路線網として位置付け、函館本線との接続を重視するバス体系とするようです。

加えて、医療大学駅にバスベイを作って、石狩当別~医療大学間の電車列車の本数も増やして、当別~月形間のバスと学園都市線の電車をなるべくシームレスに接続することで、より便利な乗り換え体制にするようです。ずいぶん至れり尽くせりですね。

札沼線の医療大以北は函館本線の西側を走っており、浦臼・新十津川から札幌へは本数が少なく遅い札沼線を使うよりも、バスで函館本線沿線に出て特急で札幌に行った方が圧倒的に便利です。なので、JR案は函館本線接続をさらに強化するかなりいいやり方だと思います。

しかも樺戸エリアは人口密度が低いため、鉄道よりもバスの方が向いています。輸送力が大きすぎることもありませんし、きめ細かい輸送ができますからね。

なお、当別~医療大間の電車列車の本数増については、バス接続もさることながら、月形方面の列車がなくなるぶんの本数減をカバーする意図があるのかな、と。

一点気になるのは、浦臼~奈井江間のバスの活用について。現行の奈井江発着ではなく、美唄まで路線を延長できないでしょうか。奈井江でも普通列車とは接続できるので、岩見沢に行くならいいのですが、乗り換え1回で札幌に行けるようにするなら、美唄接続がベターだと思います。

駆け足でザッピングしてまいりましたが、いかがでしょうか。本当は7月1日に公開したかったんですが、なんやかんやで下旬にまでずれこんでしまいましたが、ともかく第1回はこれにてお開きです。

こんな感じで、そこまで深くは掘り下げないで(掘り下げたいニュースは別立てで)、テケトーにやっていきたいと思います。

次回はたぶん特急オホーツク・大雪のおはなしが中心になるんじゃないかな。お楽しみに。れっつさぶすくら~いぶ。

「素人流・鉄道観察」のトップに戻る

当サイトトップページに戻る