「ゲニウス(北)の北海鉄旅いいじゃないか」

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ゲニウス、ゲニウスを読む(平成27年2月28日)

皆様、こんにちは。私、ゲニウス(北)と申します。「げにうすかっこきた」とお読みください。

このハンドルネームは、一応自分で考えたものです。まあ大した由来はないんですがね。

さて、この間、近所のショッピングセンターの本屋で、「最近流行のマンガにはどんなものがあるかな。面白そうなのがあったら……」などと考えつつ、マンガコーナーを物色しておりましたところ……、ある一冊のマンガが目に留まりました。

そのマンガに目が留まった理由はたったひとつ。タイトルです。

「ゲニウス・ロキ」

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ やってしまったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

懺悔

はい、モロ被りでございますorz

しかも、これでボクがネットで活動を始めたのがマンガが世に出た先ならまだいいのですが、当サイトがオープンしたのが平成26年8月29日、マンガの初版が出たのが平成25年3月24日。言い逃れはできませんね。

このマンガから取ったワケではないので、別にいいじゃないか、と言われればそれまでですが、何とも後味が悪い……。

運命的?な出会い

で、「これはもう買うしかないな」と思って、そのマンガの1巻を買ったんですよ。

正直、そこまで期待せずに読み始めたんですが……、結構面白かったです。

ストーリーや設定がしっかり編まれているなあ、というのが感想です。そういうホネのあるストーリーマンガやラノベ、結構好きです。

で、タイトルの「ゲニウス・ロキ」というのは、場所に宿る守護霊です。

じゃあなんですか、ぼかぁ白石区の守護霊だったりするんでしょうか? いやあそらあないですよ、だいたいボクは生身の人間ですし、白石区を守るのはホワイトストーンズの役目です。

200字要約

古都ハフニアには場所に宿りその場所の特徴を形成するゲニウス・ロキがいる。ティコはゲニウス・ロキを見ることができ、それゆえにゲニウス・ロキが絡む問題に次々と関わり、それらを解決しようとする。それらはゲニウス・ロキが環境の変化に抵抗したために発生したものだった。寮の雰囲気の変化に窮屈さを感じたティコと、ティコの部屋に棲むゲニウス・ロキのボブは、共に自分たちの居場所の変化に対抗しようとする。(194字)

(1巻だけなのでわかりづらい要約になっちゃった上にかなり雑なまとめ方ですが……。)

現実社会へのメッセージ?

このマンガを読んで面白いと思ったのは、「場所」という概念に着目した点です。

マンガが暗に指摘している(ような気がする)ように、ひとつひとつの場所には、その場所に特有の何かを持っているものです。そして、それがその場所ならではの文化を形成していくのです。近代化やグローバリゼーションの侵食などによって、そうした土着のものが相対化され、風化されていったとしても、それらの重みは変わりません。むしろそれらは大切なものとして尊重されるべきものでしょう。

先日の旅行で、岩手県宮古市川井地区にある「北上山地民族資料館」を訪問しました。今まではこういうことを漠然と考えるだけでしたが、資料館の見学を機に土着の文化というものの重さを感じ、それらを守っていく必要性を自分なりに理解しました。

ボクは札幌という、文化がないといって差し支えないようなところに住んでいます。そのせいもあってか、いままで民俗文化というものの持つ力を理解できずにいました。ただ人々を理屈なく縛り、合理的な思考を阻害する足枷くらいにしか思っていませんでした。

しかし、民俗は必要です。「今すぐ全員前近代に立ち戻れ」とは申しませんが、民俗文化が根付く社会が現代の理性と科学が織りなす社会とパラレルに存在し、いつでもどちらかを選択できるような状態であるべきなのではないか、と考え始めています。

現実社会へのメッセージ? その2

自分のいる場所を守りたい、変えたくないという気持ちは、誰しもが持つものです。

「ゲニウス・ロキ」の作中でも、ゲニウス・ロキたちは場所の環境などを保持すべく動いており、ティコもまたそのような動機から行動を開始します。

こうした気持ちは、様々な次元の場所に対して生じるものです。自分のごく周辺、例えば自室や庭先から、市町村、都道府県、さらには国など。

しかし、現在はこの感情が国家に向かい、それが暴走しているように思うんです。

日本では維新の会や在特会などが熱狂を生み出し、「ネット右翼」が一種のパンデミックのような大増殖を続けています。最近ではフランスでも顕著に発露していますね。

社会全体を覆う不安と熱狂の中、人々の鬱屈は国への歪んだ思いへと変化し、さらなる熱狂と混乱を呼びます。そののちに何が始まるのかというと、第三次大戦です。この構造は第二次大戦とも酷似しています。

先が見えない社会において、「場所」に着目するということは、やはり重要なことに思えます。

……と、なんか読むとどんな本だろうが際限なく深読みをするクセが出てしまった……! これは本当に困ったクセでして……。「きんいろモザイク」を深読みしだしたときは、我ながら「もうダメだボク……」と思ったもんですよ。

思いっくそ脱線しましたが、名前被りという奇妙ないきさつで読んだ「ゲニウス・ロキ」、なかなかでした。こんな出会いもあるもんですな。

でもみなさんはハンドルネームの被りには十分に気を付けてくださいね。

いやぁ、面白かったから2巻も買おうかなあ。

追記(h27.12.25)……ゲニウス・ロキというのはれっきとしたラテン語なんだそうです。ただでさえ恥ずかしいのに、恥の上塗りですね、こりゃ……。

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